狭心症 検査

狭心症

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 15:15 UTC 版)

検査

一般的には発作時にST部の、上に向かい凸状の上昇または下降が見られる。典型的な場合、貫壁性虚血ではST部の上昇が、非貫壁性ではST部の下降が見られる[6]。しかし、対側性変化(ミラーイメージ)やSTに変化が見られない場合もある。
Wellens症候群は、不安定狭心症の中で、胸痛が消失した時に前胸部誘導でT波の心電図変化を示すもの。左前下行枝近位部の高度狭窄を示唆する[7][8]。不安定狭心症で入院した症例の14-18%でみられ、
  1. V2・V3誘導で対称性の深い陰性T波(時にV1・V4・V5・V6誘導を含む)(76%)、
  2. V2・V3誘導で二相性T波(24%)
の2つに分類される3)。
  • ホルター心電図
小型の心電図記録装置を、24時間携帯して検査を行う。例えば、安静時狭心症のように、昼間には発症し難い狭心症の検出に役立つ。
  • 運動負荷心電図
患者に運動をさせて、安静時と比べて心電図に変化が起こらないかを見る検査である。労作性狭心症の場合は、運動負荷によって心電図に変化が見られる。
人工的に作られた放射性同位体を使用する。血流が有る場所では信号が検出され、虚血部では信号が欠損する。冠動脈狭窄があっても、血流が維持されているかどうかが判定できる。使用される放射性同位体は201Tlや99mTcであり、これを注射して検査するため、被験者は内部被曝する。また、放射性同位体の適切な管理なども求められるため、実施できる施設は限られる。
検査でもあるが、引き続き経皮的冠動脈形成術を行う事もできる。冠攣縮性狭心症ではエルゴノビンを用いた負荷試験ができるため、確定診断に有用である。
  • 冠動脈造影CT
CTと造影剤を併用して、冠動脈の形態を描出する検査である。64列マルチスライスCTによる冠動脈病変の描出は、感度 88%、特異度 96%、陽性的中率 79%、陰性的中率 98% との報告がある[9]。特異度が高く、スクリーニングにおける除外診断に有用と考えられている[10]。非定型的な狭心症疑いの患者を対象にしたランダム化対照試験を行い、最初に冠動脈CT検査を行うと、カテーテル冠動脈造影の施行が減る上、入院期間も短縮できると報告されている[11]
  • 血液検査
トロポニンT、H-FABP、白血球CRPクレアチニンキナーゼ、CKアイソザイム、ASTLDHなどは、心筋梗塞や不安定狭心症での鑑別に有用とされる。心筋壊死を伴わない場合は、いずれも上昇しない場合が多い。
  • ペントラキシン(PTX3)
炎症性蛋白であるが血管内皮で産生されており、血栓症と強い相関がある。心筋梗塞へ移行しつつある不安定狭心症の診断に有用と考えられている。

など


  1. ^ 微小血管狭心症をご存じですか。 日本心臓財団 2016.9.20
  2. ^ 下川宏明「4.第2・第3の狭心症:冠攣縮性狭心症と微小血管狭心症」『日本内科学会雑誌』第108巻第9号、日本内科学会、2019年、1883-1889頁、doi:10.2169/naika.108.1883 
  3. ^ a b [1]
  4. ^ Publishing, Harvard Health. “Jaw, Gum, or Tooth Pain Triage”. Harvard Health. 2021年3月11日閲覧。
  5. ^ 更年期女性に多い狭心症「微小血管狭心症」 原因不明の胸痛に注意 NHK健康チャンネル 2020年7月2日
  6. ^ 小菅雅美「心筋虚血によるST,T波の変化とその特徴」『レジデント』第7巻第3号、医学出版、2014年、40-46頁、NAID 40020216373国立国会図書館書誌ID:025822104  (要購読契約)
  7. ^ De Zwaan, Chris; Bär, Frits WHM; Wellens, Hein JJ (1982). “Characteristic electrocardiographic pattern indicating a critical stenosis high in left anterior descending coronary artery in patients admitted because of impending myocardial infarction”. American heart journal (Elsevier) 103 (4): 730-736. doi:10.1016/0002-8703(82)90480-x. PMID 6121481. https://doi.org/10.1016/0002-8703(82)90480-x. 
  8. ^ de Zwaan, Chris; Bär, Frits W; Janssen, Johan HA; Cheriex, Emiel C; Dassen, Willem RM; Brugada, Pedro; Penn, Olaf CKM; Wellens, Hein JJ (1989). “Angiographic and clinical characteristics of patients with unstable angina showing an ECG pattern indicating critical narrowing of the proximal LAD coronary artery”. American heart journal (Elsevier) 117 (3): 657-665. doi:10.1016/0002-8703(89)90742-4. https://doi.org/10.1016/0002-8703(89)90742-4. 
  9. ^ Michèle Hamon; Rémy Morello; John W. Riddell; Martial Hamon (2007). "CCoronary arteries: diagnostic performance of 16-versus 64-section spiral CT compared with invasive coronary angiography—meta-analysis". Radiology. 245 (3): 720–731. doi:10.1148/radiol.2453061899
  10. ^ 山科章ら (2009). “循環器病の診断と治療に関するガイドライン (2007-2008年度合同研究班報告) 冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン” (PDF). Circ J 73 (Suppl III): 1040-1043. http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_yamashina_h.pdf 2016年1月15日閲覧。. [リンク切れ]
  11. ^ Dewey, Marc and Rief, Matthias and Martus, Peter and Kendziora, Benjamin and Feger, Sarah and Dreger, Henryk and Priem, Sascha and Knebel, Fabian and Bohm, Marko and Schlattmann, Peter and others (2016). “Evaluation of computed tomography in patients with atypical angina or chest pain clinically referred for invasive coronary angiography: randomised controlled trial”. bmj (British Medical Journal Publishing Group) 355. doi:10.1136/bmj.i5441. https://doi.org/10.1136/bmj.i5441. 
  12. ^ 小川久雄ら (2008). “冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン” (PDF). Circulation journal: official journal of the Japanese Circulation Society 72: 1195-1252. http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_ogawah_d.pdf 2016年1月15日閲覧。. 
  13. ^ Pristipino, Christian, et al. (2000). “Major racial differences in coronary constrictor response between Japanese and Caucasians with recent myocardial infarction”. Circulation 101 (10): 1102-1108. doi:10.1161/01.CIR.101.10.1102. 
  14. ^ http://plaza.umin.ac.jp/~utok-card/consultation/diseases/variant-angina
  15. ^ 泰江弘文, 山科章「Meet the History 冠攣縮性狭心症の診断と治療」『心臓』第37巻第11号、Japan Heart Foundation、2005年、955-966頁、doi:10.11281/shinzo1969.37.11_955ISSN 0586-4488CRID 13900012054910736642023年5月11日閲覧 
  16. ^ Wada T. Basic and Advanced Visual Cardiology: Illustrated case report multi-media approach. Lea&Febiger, Philadelphia and London, 1991, p.436
  17. ^ Myron, Prinzmetal; Rexford, Kennamer; Reuben, Merliss; Takashi, Wada; Naci, Bor (1959). “Angina pectoris I. A variant form of angina pectoris”. The American Journal of Medicine (Elsevier BV) 27 (3): 375-388. doi:10.1016/0002-9343(59)90003-8. NAID 30008554475. https://doi.org/10.1016/0002-9343(59)90003-8. 


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