独立 概説

独立

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/14 02:51 UTC 版)

概説

最初の定義文で、「個人の独立」の定義と「国家の独立」の定義文を挙げたが、実際には、それらの中間的な存在に関する独立というのもある。 たとえば小さなグループが独立している状態、中規模や大規模の組織が独立している状態、民族が独立している状態などがある。

独立は自己決定権とも関係する概念なので、「自決権」や「自決」などとも表現されることがある。

民族に関してはしばしば「民族自決」と表現する。現在の国際法では、民族にも民族自決権が認められている。[注釈 1]

ただし、複数の民族が混ざった状態で住んでいると、しばしば一方の民族が、他方の民族の独立を侵害するような状態、つまり一方の民族が他方の民族を支配しようとしたり、実際に支配してしまう状態に陥る。複数の民族が入り乱れている大陸では、民族同士は優位を争い、他から支配されないようにしつつ、他を支配しようとする、などということはしばしば起きる。民族は国境線を越えて存在しているので、民族の独立と国の独立が相対立するような複雑な事態も生じうる(チェコスロバキアの成立により少数民族となったズデーテン地方の「ドイツ人問題」など)。

各存在の「独立」というのは、基本的に各存在がその独立を守ろうとすることによって守られる。独立がどのようにして守られるかと言うと、支配しようとする他者の試みに抵抗し、跳ね返したり「はねのける」ことによって守られる。一旦屈服してしまい、他者の支配を許してしまい、独立が失われてしまうと、たいていの場合、その独立を回復することはかなり困難になる。

個人の場合もそうだが、国の場合も同様で、その国の国民が独立を守ろうと努力し続けることによって、ようやくその国の独立は守られる可能性が高まる。国民が自国の独立を軽視しているようでは、周囲の国から侵略される可能性が高まり、独立を失ってしまう可能性が高まる。したがって、ほとんどの国では、防衛力を保持することに一定の予算を割き、兵力(防衛力)を保つ努力をしている。とくに近隣に強大な武力を持つ侵略志向の国家がある場合は、防衛のために相応の努力をしつづけなければならない。

もともと独立していた状態の国家が、その独立を奪われてしまうことがある。典型的なのは、他国からの武力による侵略を受け、抵抗しきれず、その支配下に入ってしまう場合である。

明らかに独立を失ってしまった状態としては、植民地被保護国信託統治領などがある。独立を失ってしまい、植民地となった地域に住む人々にとって独立というのは、人間が尊厳を持って生きる上で重要な物である。


注釈

  1. ^ ただし民族自決権が侵害されていたとしても、各国の利害が絡み、侵害者に制裁が加えられず、放置されてしまうことも多い。

出典

  1. ^ Lexico, Definition of independence
  2. ^ Lexico, Definition of independent
  3. ^ 精選版 日本国語大辞典【独立】
  4. ^ a b ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典【独立】
  5. ^ 練馬区独立70周年 練馬区、2017年10月28日閲覧。



独立性易

(独立 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/20 06:54 UTC 版)

独立性易(どくりゅう しょうえき、万暦24年2月19日1596年3月17日) - 寛文12年11月6日1672年12月24日))は、中国末に生まれ、初に日本に渡来した臨済宗黄檗派禅僧である。医術に長け、日本に書法水墨画篆刻を伝えた。


  1. ^ 錦帯橋は寛文13年(1673年)に完成した。
  2. ^ 高玄岱『明独立易禅師碑銘并序』


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