特攻野郎Aチーム
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概要
アメリカ陸軍コマンド部隊出身の腕利き四人組「Aチーム」がその技術を生かして、無法者に脅かされている人々の依頼で悪と戦うアクションドラマ。悪者・Aチーム・MP三者の視点からなるストーリー展開、それぞれ個性的で愉快なAチームと、痛快なアクション、日用品を利用したDIY精神溢れる作戦が本作品最大の特徴。
アメリカのアクションドラマでありながら、全話を通してミッション遂行時に死者が出ないよう描かれているのが最大の特徴となっている。
日本では1985年10月19日から1988年11月12日にかけてテレビ朝日で毎週土曜日15:00 - 15:55に放送された。また、一部2時間枠に編集されて『日曜洋画劇場』枠で放送された。日本語版ではオープニングにレギュラーキャストの前口上がオリジナルで追加されている。
2010年には「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」のタイトルで映画化もされている。
ストーリー
ジョン・スミス大佐率いるアメリカ陸軍特殊部隊群第5特殊部隊グループ所属のチーム三人組は、ベトナム戦争で大活躍。戦争末期の1972年に「軍資金を調達せよ」という極秘任務を受け、テト早朝、ハノイ銀行に押し入り一億ドルを奪い、非武装地帯を脱走する。
しかし帰還直後に司令部が爆破され、極秘任務を命じた当時の司令官モリソン大佐は戦死。戦地における略奪行為の罪で憲兵隊に逮捕され極秘任務だと主張するが、責任がない事を証明できずノースカロライナ州フォートブラッグ陸軍基地に収監されてしまう。しかし、彼らは軍事裁判の直前、得意のサバイバル技術で脱獄し、ロサンゼルス近郊に潜伏する。
10年の時を経て、地下に潜った3人と、彼ら分隊の支援を行っていた陸軍航空隊パイロットのマードック大尉は、“筋が通っていれば金次第で何でも引き受け、不可能も可能に変える命知らず。道理の通らない世間に敢えて挑み巨悪を討つ、神出鬼没の頼れる傭兵集団”「Aチーム」を結成。
老若男女を騙す詐欺師で、物資調達を担当する「フェイスマン」ことテンプルトン・アーサー・ペック。素行は悪いが、心優しき天才メカニックの「B.A.」ことボスコ・アルバート・バラカス。高難易度の操縦技術をこなす、空輸・追跡・支援を担当する「クレイジーモンキー」ことH・M・マードック。そして、彼らをまとめるリーダーで、変装の名人であり作戦立案・指示を担当する「ハンニバル」ことスミス。
彼らは、自分達の無実を証明出来る、当時の関係者探しをしながら、各地を転々として世直し活動を始めるのだった。
主な登場人物
Aチーム
- “ハンニバル”ジョン・スミス
- 役:ジョージ・ペパード
- 日本語吹き替え:羽佐間道夫
- 通称はカルタゴの将軍ハンニバル・バルカから名付けられた「ハンニバル」。
- 階級は大佐。Aチームのリーダー。主に作戦立案・指揮を担当。
- ベトナム戦争時代からチームを率いる老練な指揮官。口に咥えた葉巻がトレードマーク。変装の名人を標榜しており、それを活かして敵組織への潜入や情報収集を行うことも多い。依頼人と面会する際は、その素性をたしかめるため、中国人の「ミスター・リー」を装うこともある。
- 奇襲戦法の名人で「作戦は奇を以ってよしとすべし」が口癖。時には窮地に陥ることもあるが、状況を利用し逆に敵を追い詰めるなど、柔軟で機転の利く才覚の持ち主。また一方で、格闘戦では歳を感じさせない活躍をする。
- 人懐っこく陽気な性格の持ち主だが、自身の素性を明かすことは稀でミステリアスな一面を持っている。
- “フェイスマン”テンプルトン・アーサー・ペック
- 役:ダーク・ベネディクト、パイロット版のみティム・ダニガン
- 日本語吹き替え:安原義人、パイロット版のみ田中秀幸
- 階級は中尉。主に物資調達を担当。通称は「フェイス」と略されることもある。
- 口八丁手八丁であらゆる人格を演じる、文字通り甘いマスクの二枚目。女性を口説くことはもちろん、老若男女を騙す腕利きの詐欺師でもあり、いかなる状況でも必要な物資を即座に調達する。
- プレイボーイ気質だが、それぞれかなり個性的なAチームの中で、唯一比較的常識思考の持ち主で、調子に乗りがちなハンニバルや、気性の荒いコング、奇行に走るマードックらを宥める場面が度々見られる。軟派なイメージが強いが格闘戦や銃器の扱いについては手馴れており、戦闘状態になると縦横無尽な活躍をする。
- 孤児院出身で、第93話に登場する、22の事件で起訴された犯罪者・A.J.バンクロフトを父親に持つ。肉親は他に実母のサマンサ、腹違いの妹にエレン・バンクロフト。ペックの幼名はリチャード・バンクロフト。実はエクアドルのサンタマリア孤児院に大学時代に将来を誓い合った恋人、修道女レスリー・ベクトールがいる。
- “コング”ボスコ・アルバート・バラカス
- 役:ミスター・T
- 日本語吹き替え:飯塚昭三
- 原語では通称「B.A.」。ミドルネームと「Bad Attitude」のダブルミーニングで、後者は「素行不良」の意。
- 階級は軍曹(メンバー唯一の下士官なので、軍服の兵科章も特殊部隊の物ではない)。主に各種機器製作と修理を担当する、材料と工具さえ一式揃っていれば即席の装甲車や火炎放射器を造れてしまう天才メカニック。また、腕力と体格を生かし、格闘戦では無類の強さを誇る。モヒカン頭と全身に着けた金の装身具が特徴。牛乳が好き。Aチームが移動手段として使う黒地に赤いストライプの入った83年式GMC・バンデューラが愛車で、傷つけられたり盗まれると激怒する。
- 正義感が強い反面、プライドが高く礼儀とは無縁な性格。上官であるハンニバル達とも対等に接している。特に後述のマードックの奇行には手を焼いており、声を荒げることも多い。また、無礼な輩や悪党には立場が誰であろうが躊躇なく殴り飛ばす気骨の持ち主。[注 1]。一方で心の優しい性格で、よく近所や現地の子供と遊んだり面倒をみたりしている。依頼人の苦境を知り、報酬に関わらず真っ先に引き受けるなどメンバーの中では隋一の人情家。邪険に扱っているマードックが負傷した際は、親身に心配するなどメンバーとの絆は深い。
- 飛行機恐怖症で、パイロットであるマードックとはよく喧嘩になる。飛行機で移動する際、意識ある限り抵抗するため他のメンバーによって睡眠薬を注射されたり、後頭部を殴って気絶させられるなどして強引に現場へ空輸する描写がお約束。第1シーズンで飛行機内で目覚めて卒倒しかけ、なんとか克服したかに思われたが、その後も相変わらずだった。
- 血液型は非常に珍しいAB型のRh-で、偶然マードックと一緒だったため、彼から輸血されたことがある。
- 幼いころのあだ名は「スクーター」。ブルックリンに母親がいる。
- “クレイジーモンキー”H・M・マードック
- 役:ドワイト・シュルツ
- 日本語吹き替え:富山敬
- 階級は大尉。主に空輸・追跡・支援を担当。アメリカ陸軍航空隊出身の才能と天分に恵まれた名パイロットで、翼が付いている航空機類であれば何でも飛ばすことが可能。単なる飛行から高度な曲技飛行まで易々とこなす。
- H・Mは「Howling Mad」の略称で、「わめく狂人」の意。背中に虎と「DA NANG 1970」という文字が描かれたA-2風のフライトジャケット、黒い野球帽が特徴。
- ベトナム戦争に起因する戦闘疲弊症を患っており、普段は退役軍人病院の精神科病棟に入院している。劇中、戦闘疲弊症に起因する奇行を繰り返しては、よくコングと喧嘩になる。しかし、時折核心を突く発言をして真面目な側面を見せるなどつかみ所が無い。作戦行動中においても、奇行はあれども機敏かつ的確に動く。ベトナム戦争時に他のAチームメンバーとは別の部隊に所属していたため、チームの中で唯一指名手配されていない。警察はAチームとの関係を疑っており、居場所も知られているが取り調べ中に奇行に及ぶなどしており、病人ということで拘留も出来ない。
-
ジョージ・ペパード (1964)
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ダーク・ベネディクト (2011)
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ミスター・T (2014)
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ドワイト・シュルツ (1996)
Aチームの協力者
- “トリプルA”エミー・アマンダ・アレン
- 役:メリンダ・クレア
- 日本語吹き替え:小山茉美
- 通称「エンジェル」。
- Aチームの「紅一点」。主に情報収集を担当。第1話でAチームに任務を依頼して以降仲間となり、第1シーズンから第2シーズン途中まで登場し、前口上にも参加している。
- 新聞記者で、普段はLAクーリア新聞社に勤務しており、チームの功績や引き受けた依頼によって、明るみに出た社会問題を特ダネ記事にしていた。
- ターニャ・ベーカー
- 役:マリア・ヒーズリー
- 日本語吹き替え:高島雅羅
- エミーの同僚。エミーが特ダネ記事の功績を称えられ、海外通信員に選ばれてジャカルタへ転勤した後、スクープ目当てに近づいてきた新聞記者。第2シーズンから、第3シーズンまで登場する。
- チームに加わることを強く望んだが、彼女の身を案じたハンニバルに制止され、外側から彼らをサポートする立場となる。
- 女優のヒーズリーはシーズン2の「Bad Day On The Border (メキシコ国境空から殴り込み)」では冒頭の女子大生役で出演。
- フランキー・サンタナ
- 役:エディ・ベレツ
- 日本語吹き替え:谷口節
- 映画の特殊効果マン。第5シーズンから登場する。もとはストックウェルが、親の治療費捻出をかたに潜り込ませたスパイだったが、処刑寸前の彼らをマードックとともに救い出した。以降、不本意ながら彼らと行動をともにするようになる。
- フェイスと気の合うお調子者でムードメーカー的存在。
MP
- フランシス・リンチ
- 役:ウィリアム・ラッキング
- 日本語吹き替え:青野武
- 階級は「大佐」。ノースカロライナ州フォートブラッグ陸軍基地「司令」。
- 脱獄された恨みからAチームを執念深く追い回す。しかし、いつまで経っても彼らを逮捕できず、最終的に更迭される。しかしシーズン3の「偽Aチーム出現」で挽回のチャンスをもらい再登場した。
- ロデリック・デッカー
- 役:ランス・レガルト
- 日本語吹き替え:仁内建之
- 階級は「大佐」。リンチの後釜として転属される。軍の上層部が昇進するのを阻止し邪魔な自分を後釜にしたと思いこみ、Aチームを捕える事に執念を燃やす。
- ベトナム戦争中、ハンニバルと病院の爆破を巡って意見が衝突し、将校用の食堂で殴り合いになったことがある。冷静沈着で有能な人物だが、作戦完遂を急ぐ性格が災いして、ハンニバルの才能には及ばない。リンチ同様、彼らをいつまで経っても逮捕できず、責任を問われて更迭される。
- クレイン
- 役:カール・フランクリン
- 日本語吹き替え:佐藤正治
- 階級は「大尉」。デッカーの右腕である。黒人。
- ハーラン・フルブライト
- 役:ジャック・ギング
- 日本語吹き替え:中庸助
- 階級は「准将」。異名は「ブル(雄牛)」。
- 更迭されたデッカーに代わりAチームを追う強面の男。第4シーズン最終話でベトナムに残る我が子と再会するため、彼らに協力を要請する。我が子との再会後、ベトナムから脱出する際敵兵に撃たれ死亡する。
- 俳優のギングはフルブライト役に抜擢される前、2度にわたりAチームの敵役として出演していた。出演回はシーズン1の「A Small And Deadly War (殺し屋スワット集団死の銃撃戦)」とシーズン2の「Bad Day On The Border (メキシコ国境空から殴り込み)」を参照。
ストックウェル側
- ハント・ストックウェル将軍
- 役:ロバート・ヴォーン
- 日本語吹き替え:小林修
- 世界中の要人からさまざまな仕事を請け負い、私設の特務機関で処理する退役将校。Aチームの技量を見込み、特赦させるよう軍に圧力をかける。その交換条件として彼らを組織に加入させる。
- 第5シーズンから登場。
- カーラ
- 役:ジュディス・レッドフォード
- 日本語吹き替え:横尾まり
- ストックウェルの秘書。第5シーズンから登場。クールな美女で、フェイスの誘いを毎度華麗にかわしている。
- ^ 日本語吹き替え版の口上では「大統領でもブン殴ってみせらぁ」という台詞がある。
固有名詞の分類
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