牡丹と薔薇 完結版

牡丹と薔薇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 05:26 UTC 版)

完結版

金曜エンタテイメント枠にて、『牡丹と薔薇 完結版』として2004年4月23日の21:00 - 22:52に放送された。

スタッフ

関連商品

  • 『牡丹と薔薇』 DVDボックス 上・中・下 、ポニーキャニオン
  • 書籍 『牡丹と薔薇』上・下 2004年ワニブックス、文庫版 徳間文庫 2007年 ISBN 4198926824, ISBN 9784198926823

新・牡丹と薔薇

新・牡丹と薔薇
ジャンル テレビドラマ
脚本 中島丈博
演出 西本淳一(東海テレビ)
藤木靖之
出演者 黛英里佳
逢沢りな
伊藤かずえ
オープニング サラ・オレイン涙のアリア
時代設定 1982年・2000年
製作
プロデューサー 西本淳一(東海テレビ)
大久保直実(ビデオフォーカス)
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス)
制作 東海テレビ放送
製作 ビデオフォーカス
放送
放送国・地域 日本
放送期間2015年11月30日 - 2016年1月29日
放送時間月曜 - 金曜 13:25 - 13:55
放送枠東海テレビ制作昼の帯ドラマ
放送分30分
回数41
公式Webページ

特記事項:
2015年12月30日 - 2016年1月4日は年末年始編成のため休止。
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新・牡丹と薔薇』(しん ぼたんとばら)のタイトルにより、2015年11月30日から2016年1月29日まで前作と同じく東海テレビ制作・フジテレビ系の昼ドラ枠にて放送されたテレビドラマで、全41話[8]が放送された[9]。脚本は前作に引き続き中島丈博が手掛け、制作会社は前作と同様ビデオフォーカスが担当する。なお、黛英里佳は本作が連続ドラマ初主演作となる。

2004年版の様な姉妹によるキスシーンなどは描かれていない。

2016年8月2日から毎週月曜日から金曜日午後1時より千葉テレビ放送にて放送された。

あらすじ

2015年版

第1部

昭和57年(1982年)夏。高校生・西山眞澄は重い足取りで、産婦人科を訪れていた。診察の結果、妊娠が判明。しかし相手の男性は、既に他界していた。眞澄が密かに交際していた大学生・藤岡に妊娠を打ち明けると喜び、親に打ち明けることを約束。その後就職のため、故郷・福岡県へと帰った彼とは、電話でやり取りしながら遠距離恋愛を続けていたが連絡が途絶えてしまう。藤岡の実家を訪ねると、喪服姿の母親が現れ、交通事故で亡くなった事を告げられる。彼と交際していた事も彼の子を身篭っている事も告げられぬまま、その場を後にするしかなかった。

すでに中絶できない時期に入ってしまい、途方に暮れる眞澄は産婦人科医・稲垣に諭され、産む事を決断。眞澄は思い切って、生みの母である女優・浅黄萌子の元を訪れる。実は眞澄は、萌子が妻子ある有名な歌舞伎俳優・長谷川梅鳳との間に儲けた子供であった。眞澄は表向きには萌子の「妹」とされ、祖父母に育てられていた。結局、誰にも相談できぬまま出産予定日が間近に迫った12月、眞澄が産婦人科を通院するのを目撃した友人の口から、妊娠を知らされた祖父母は驚き、眞澄を罵倒する。実家を訪れた萌子は、父から眞澄の妊娠を聞き驚く。萌子と祖父が言い争う中、眞澄はショックで産気付き、女児を出産。自分で育てるつもりであったが、母に反対され女児を手放す事に。女児が養子縁組に出される前、眞澄から女児の名付け親を頼まれた稲垣は、自身の好きな牡丹の花から「ぼたん」「富貴子」を提案。眞澄は女児の養父母に一緒に渡して欲しいと亡き恋人から贈られた万華鏡を託した。

4年の月日が流れ、萌子の下で暮らしていた眞澄は大学4年生に。就職活動を終え、海外を飛び回る添乗員になりたいという夢を抱き、キャンパスライフを謳歌していたが、街でベビーカーを押す母親の姿が目にとまる度我が子のことを思い出す。ある日眞澄は、まだ見ぬ父・梅鳳に会いに行くが、「二度と顔を見せるな」とけんもほろろに追い返されてしまう。事情を聞き憤る萌子の様子を目にし、眞澄は二人の希薄な関係に失望した。そんな中眞澄はバラ園経営者・小日向崑一と運命的な出会いをし、洗練された雰囲気を漂わせる崑一に惹かれていく。崑一と交際を深める眞澄はある日、先妻との間に儲けた娘・ぼたんと出会う。ぼたんは眞澄が手離した女児と同じ12月28日生まれ、稲垣が名付けたものと同じ名前まで付けられていた。眞澄は、崑一に逆プロポーズし結婚した。だが個性的な性格の姑・カオルコの存在に眞澄は途方に暮れた。月日は流れ、眞澄は女児・美輪子を出産。奇しくも美輪子もまた、ぼたんと同じ12月28日生まれだった。

第2部

それから18年の月日が流れ、長女・ぼたんは23歳、次女・美輪子は18歳。それぞれ美しく成長し、誕生日を迎えていた。ある日美輪子は、祖母の墓参りに訪れた際、外国人墓地の管理人をしている一人の青年と出会う。青年の名は吉田多摩留。美輪子と多摩留は恋に落ち、デートを重ねるようになる。一方のぼたんは近々、瀬尾綱輝と結婚する事になっていた。そんなある日、美輪子と多摩留の交際を偶然知ったぼたんは、離婚した母・世奈子に涙ながらに訴えた。世奈子は崑一と離婚後、スペインレストラン『マダム・ヨナ』を経営。離婚した後も、事あるごとに小日向家に関わっていたのだ。美輪子が多摩留と交際している事を世奈子から知らされた眞澄は、自身が高校生時代を思い出し、猛反対。ぼたんに対し、美輪子を監視するよう命じた。

2人の交際は長くは続かなかった。多摩留が無理矢理美輪子の体を求めた事から、美輪子の愛が冷め、多摩留とはもう会わないとぼたんに宣言。美輪子にフラれた多摩留はショックを受け、ストーカー行為を行うように。小日向家や彼女の通う学校で待ち伏せし、自宅にナイフ入り脅迫状を送ったことから、ついに美輪子は父と警察署を訪れ、被害届を提出。多摩留は実家の天ぷら店で警察官から警告を受けた。だが多摩留の行為は収まるどころか、インターネット上に彼女のあられもない姿の画像をアップする。バラ園の客から美輪子の画像の公開を知らされたぼたんは驚き、美輪子に事の次第を話す。父から平手打ちされ、号泣する美輪子。泣き崩れる美輪子を抱きしめるしかできないぼたん。

ぼたんは式場の予約の帰り、自宅を見張る多摩留の車へ乗り込み夜の公園へ。これ以上妹に付きまとわないようを諭すぼたん。だが彼は、涙を浮かべながら諦め切れないと吐露。ぼたんは彼をホテルへ誘い、これまで綱輝にも許さなかった自身の処女を多摩留に捧げた。スッキリとした表情で帰っていくぼたんとは対照的に、多摩留は自己嫌悪に陥りベッドで号泣。帰宅したぼたんは美輪子に「何も心配することはない」と妹を諭す。その日を境に、これまで気が進まなかったウエディングドレスの仮縫いなどに嬉々として向かうぼたん。そんな彼女の様子に、複雑な心境を抱く眞澄。ピアノのレッスンを再開し、明るさを取り戻した美輪子。だがその一方で、多摩留は美輪子を殺害する計画を立て、パソコンで「M計画を決行する」というメールを送信していた。

雷鳴が轟くその日。ぼたんは、綱輝と挙式の打ち合わせで不在だった。美輪子はピアノのレッスンを終え、帰宅。同じ頃吉田家では、アメリカに留学中の長女から国際電話が入り、「多摩留から「M計画を決行する」メールが来た」と知らされる。驚いた多摩留の父・峰靖は外国人墓地の管理人部屋へと向かい、そこで美輪子の顔写真が張られている段ボール箱がメチャクチャに切り裂かれて転がっているのを発見し、息子の殺意を確信した。

帰宅した美輪子が部屋へ戻ると、そこに忍び込んでいた多摩留にナイフを突きつけられた。その直後、帰宅したぼたんが目にしたのは、鬼の様な形相の多摩留が必死に逃げまどう美輪子を今にも刺そうとしていたところだった。2階の座敷で対峙する3人。多摩留は美輪子にナイフを向け突進したが、ぼたんが美輪子をかばって刺され、即死。多摩留はさらに、リュックサックへ忍ばせていた灯油を座敷へ撒き、ライターで火をつけた。騒ぎに気付いて遅れて駆けつけた眞澄もぼたんを救い出せぬまま、みるみると火の手が回り、小日向家は炎上した。半狂乱の眞澄・崑一・美輪子。

ぼたんと多摩留の遺体は警察へと搬送された。吉田家の一同が現れ、美輪子が生きている事を知り驚く。「なんで美輪子さんが?」と驚く多摩留の母・伊佐子に対し、激怒した崑一は「あんたの息子がぼたんを殺した」と罵倒。『マダム・ヨナ』で、ぼたんの葬儀が執り行われる。世奈子は号泣し、美輪子を罵倒するが、眞澄と崑一から制止された。駆けつけた綱輝に、崑一は警察から返されたぼたんの遺品である指輪を渡す。その後、奇跡的に焼け残った『富貴長春図』の油絵を一同に見せ、「ぼたんは皆の心に生きている」と語る崑一。荼毘に付されていくぼたんに、心から謝る美輪子。

ぼたんの死から2年後の春。更地となった小日向家の前に、スーツケースを持った一人の女性が立っていた。

第3部

小日向家の前に立っていた一人の女性は、近所の住人に「この家でいったい何があったのか」と訊ね、そこで多摩留のストーカー殺人事件を知らされた。事件の詳細を聞き、すぐさま立ち去る女性。

一方、美輪子は事件のショックから一時は精神を病むほど弱っていたが立ち直り、現在は大学に通っていた。母・眞澄と2人で祖母・萌子のマンションに身を寄せ、父・崑一はホテル暮らしをしていた。

『マダム・ヨナ』でワインを飲んでいた崑一は、世奈子からぼたんのへその緒を見せられた。崑一は世奈子にいい家が見つかったからそろそろ引っ越す事を検討している話をした。そんな元夫に対し、「今更一緒に暮らしてもぼたんが帰ってくるわけでもなし」と厭味を言い、眞澄と離婚する事を勧めていた。崑一は「家庭まで崩壊させたくない」と拒否。未だに世奈子は「ぼたんを見殺しにしたあの母娘」とぼたんを喪った怒りを美輪子と眞澄に対して抱いていた。

小日向家は、九品仏で新しい住まいとなる物件を見に行っていた。崑一は、眞澄と美輪子にあの『富貴長春図』をリビングに飾る事を提案。2階へ上がり、自分の部屋を確かめる美輪子。崑一は「心機一転、これからは新たな生活が始まるんだ」と2人に告げた。

その頃、多摩留の実家・『天麩羅吉田屋』は多摩留の起こした事件の影響で廃業同然になり、生前多摩留が暮らしていた部屋も片付ける事が出来ず、そのままになっていた。多摩留の母・伊佐子は人目を避けて地元の商店街から遠方のスーパーへ買い物に行かざるを得なくなり、父・峰靖は自暴自棄な生活を送っていた。そんな中、長年アメリカへ留学していた長女・富貴子が突然帰国した。実は富貴子は、吉田家の家族とは血がつながっていないのだ。富貴子との再会を半分諦めていただけに、喜びをかみしめる両親と次弟・杉彦。富貴子はアメリカで結婚していた事を初めて両親に打ち明けたが、2年で離婚したことを明かし、「やっぱりここに帰ってくるしかなかったのね」とも呟いた。両親は事件の影響で天ぷら店に客が来なくなり、現在に至っている事や、吉田家が小日向家から「長女を殺された損害賠償」として3億円の慰謝料を請求され、地裁で係争中である事を知らされた。だが小日向家には、高額の火災保険が支払われていた事を聞かされて驚くと同時に、3億なんてとても無理だと途方に暮れる富貴子。

富貴子は両親に対し、本当はこの家に帰ってくるつもりはなかった事を打ち明けた。離婚後もアメリカの市民権を持っており、そのまま暮らしても良かったと思っていた事を話す富貴子。アメリカは様々な人種が集まる国である事から、しっかりと「自分」というものを持っていないと暮らしていけないと現地で暮らしていた中で感じ、自分のアイデンティティーをしっかりとつかまえておきたいと自分の出生が知りたくなった事を打ち明かした。産婦人科医の仲介で、自身を養女に迎えた事を知っている富貴子は両親に訊ね、伊佐子は「不妊症で子供が出来にくい体質だった」事と、「富貴子は戸籍上『実子』である」事を話した。しかし今更そんな話を蒸し返さないで欲しいと責められ、峰靖からも古い話だと渋い顔をされる。それでも富貴子は、自分がどんな両親から産まれてきたのか知りたいと、養子縁組を仲介したのはどこの産婦人科で、何という医師なのかと問いただす。ようやく逗子の産婦人科である事を話した峰靖。富貴子はとりあえずの生活資金として、現地で生業としてきたネイルアートで稼いだドルを日本円に替えた札束を出し、その上で何もかも話してほしいと懇願した。

一方、美輪子と眞澄はぼたんの墓参りへ行くが、そこに現れた世奈子が花を手向けると、二人を『マダム・ヨナ』へ誘う。世奈子は美輪子に対し、娘を喪った怒りをぶつけた挙句、「ふしだらな薔薇だ」と美輪子を罵倒。たまらず眞澄も反論するが、世奈子は二人を責め続ける。とうとう美輪子は怒りを爆発させ、眞澄を連れて店を出た。崑一は萌子から連絡を受け、リビングで号泣する眞澄を慰める。ついに眞澄は萌子の制止を振り切り、25年前に出産した女児の事を崑一に告白。

その頃、富貴子は逗子の稲垣産婦人科医院を訪れ、自身を取り上げた稲垣と対面。稲垣は、富貴子に「牡丹の花が好きだから、富貴子と名付けたんだよ」と明かした。病院を出た富貴子は、稲垣からもらった住所が書かれたメモを頼りに、峰靖とともに自身の生みの母の生家を訪ねるが、現在暮らしている西山家の遠縁の女性から、祖父母は「数年前に亡くなっている」事を聞かされた。一足先に東京へ戻った富貴子に代わり、委任状を偽造して当時の戸籍謄本を手に入れた父が血相を変えて帰宅。そこには恐ろしい事実が記されていた。富貴子の実母は、現在損害賠償請求されている小日向家の夫人・眞澄であることと、祖母は有名女優・浅黄萌子であること、そして多摩留がストーカー行為を行っていた美輪子が異父妹である事が判明。ショックを受けた富貴子はネイルアートサロンをするための物件を捜しに行くと偽って、密かに小日向家を訪ねていた。車に乗って帰宅した眞澄を見て、名乗り出る事が出来ないことに苦しむ富貴子。

富貴子は別の日にバラ園を訪れ、園内のローズサロンへ。そこでは美輪子が女子大の友人を招き、ピアノを奏でていた。美輪子が『牡丹と薔薇』を弾きはじめると、思わず涙をこぼす富貴子。サングラスを外し、涙を拭く彼女の顔を見た美輪子は驚愕。なんと富貴子は亡き姉・ぼたんと瓜二つの顔だったのだ。急いでサングラスをかけると、ローズサロンを飛び出す富貴子。帰宅後、その時の一部始終を両親に話す美輪子。半信半疑の両親に怒る美輪子。彼女の様子を見て、「PTSDではないか」と事件の後遺症を心配する眞澄。

その頃、富貴子はネイルサロンを始めるためテナントを借りる事になるが、その物件を必要としている別の男性とシェアする形で、契約した。その男性・神崎は、皮革鞄の製造販売業であった。ネイルサロンをオープンさせた富貴子。富貴子の店は好調だったが、神崎の皮革鞄専門店は客足が伸び悩んでいた。早じまいして、富貴子を食事に誘う神崎。神崎は富貴子に、自身がデザインしたポシェットを贈った。

美輪子は再びあのぼたんと瓜二つの女性が現れると信じて、ローズサロンの従業員募集の広告を出したが、面接に訪れたのは全員彼女の希望に沿わない女性ばかりで、失望し荒れる美輪子。別の日、美輪子の友人が富貴子のネイルサロンへ行き、彼女にネイルアートをしてもらった事を明かす。美輪子はピアノを習っている事からマニキュアを施す事には難色を示すも無理矢理誘われ、早じまいをしていた富貴子のネイルサロンへ。そこでついに再会を果たした美輪子は、富貴子に抱擁して感涙にむせび、富貴子は優しく美輪子の話を聞いた。

後日、富貴子は美輪子に誘われバラ園へ。ローズサロンに入ると、そこには生みの母・眞澄と祖母・萌子が。富貴子から生年月日などを告げられ、あの25年前に産み育てられなかった娘である事を確信せざるを得ない二人。ようやくめぐり逢えた事に感涙する眞澄と富貴子。帰宅後、美輪子から一部始終を打ち明けられた崑一は「ぜひ会わせてくれ」と美輪子に告げた。

別の日、神崎の皮革鞄専門店を訪れていた峰靖に、神崎は開店からずっと閑古鳥である状況だが、店の経営が軌道に乗ったら、好意を抱いている富貴子に結婚を申し込むと打ち明ける。店を出ようとした峰靖は、ネイルサロンを訪れる美輪子の姿を見つけ、慌てて隠れてしまう。

富貴子は美輪子から一緒に小日向家で暮らすことを持ちかけられたが、自身が亡き多摩留の義理の姉である事を打ち明けていない事から思い悩む。ネイルサロンの壁に飾られた神崎から贈られたポシェットを見て、彼が富貴子の恋人である事を確信した美輪子は、怒りに任せてポシェットを持ち去り、切り刻んだ。さらに彼女は友人たちを引き連れ、神崎に対して罵詈雑言を浴びせた挙句、店内をメチャクチャにして去って行った。何も知らない富貴子は、差し入れを持って店を訪れるが、荒れる彼の姿に衝撃を受けた。そこへ突然、金融業の社長が部下を連れて現れ、神崎に対し借金を返すよう催促。それからしばらくの後、神崎は店をたたんで姿を消した。驚く富貴子は残されたゴミ袋の中から、切り刻まれたあのポシェットを見つけた。美輪子の仕業だと確信した富貴子は美輪子を問い詰め、開き直る美輪子を平手打ち。彼女からの執着心が普通でない事を感じた富貴子であった。

しばらくして、富貴子は美輪子と共に小日向家へ現れ、義父にあたる崑一と初対面。崑一は、ぼたんが生き返ったようだと感激する。吉田家の両親に引き留められるものの、同居を決意した富貴子は小日向家へ。富貴子は美輪子から生前のぼたんと同じように生活する事を求める。世奈子は小日向家の元家政婦・平野から、小日向家に同居人が住んでいる事を耳にし、不快感を示す。ある日眞澄は、崑一から贈られたネックレスが失くなっている事に気付く。富貴子との同居開始直後である事から、彼女が盗んだと疑う眞澄。たまりかねた富貴子は、「言っていいことと悪い事がある」と飛び出していく。狂ったように、クローゼットを探す眞澄は、富貴子のトランクから赤ちゃんの頃の写真を見つける。そこに写る富貴子の傍らには、藤岡から生前贈られた万華鏡が。養子縁組の際、稲垣に万華鏡も託していたのだ。小日向家を飛び出した富貴子は、ローズサロンで美輪子と大喧嘩。吉田家へと戻ってきた富貴子は美輪子の悪口を言うが、峰靖は彼女の妹への想いを感じていた。美輪子は富貴子が出て行った事でショックを受けて倒れ、入院してしまう。その頃、小日向家で眞澄が写真を見ながら当時を振り返っていたところへ崑一が帰宅。失くしたネックレスがケースの中に戻っている事に気付いた眞澄が崑一を問い詰めると、世奈子に貸していたと告げられた。取り返しの付かない事をしてしまったと後悔した眞澄は、後日富貴子のネイルサロンを訪れ、事の次第を打ち明けると共に富貴子に謝罪。退院してきた美輪子は、富貴子が帰宅した事に感激。それからしばらくして、富貴子はネイルサロンをローズサロンへ移転し、リニューアルオープンさせていた。それと同時に、ローズサロンを訪れた世奈子は、美輪子から富貴子を紹介される。客にネイルアートを施している富貴子の顔を見て、驚愕する世奈子。

富貴子と対面した世奈子は、彼女が亡きぼたん同様に扱われている事を快く思わず、「偽物のぼたん」とあからさまに嫌悪感を示した。やがてクリスマスシーズンを迎えたある日、富貴子はホテルへ出張ネイルアートの仕事に行っていた。そこへ、「フー子さん」と声をかける一人の男性が。彼女が5年ほど前に行きつけだったスナックの常連仲間だった男性・清塚だった。久々に気の置けない相手とゆっくり話すことが出来、ホッとする富貴子。富貴子は彼とデートの約束をして帰宅。それを知った美輪子は、今年は富貴子と過ごせると思っていたため激怒。イブの夜、ローズサロンで仲間を集めてパーティーを開くが、ピアノを弾くのを中断し、ヤケ酒をあおる。帰宅後、部屋へ戻ると富貴子のベッドサイドにあった、清塚から贈られたクリスマスプレゼントの上生菓子を怒りに任せ、メチャクチャに踏みつけた。それからしばらくして、『マダム ヨナ』で富貴子と美輪子の誕生日が祝された。崑一から色違いのパーティードレスを贈られ、喜ぶ二人だが、世奈子は相変わらず富貴子を疎んじていた。すると美輪子は「お姉ちゃまにプレゼントがあるの」と席を立つ。美輪子からのプレゼントとは、亡きぼたんの婚約者だった綱輝であった。

綱輝は富貴子を一目見て大喜びし、ぼたんの遺品となったトルコ石の指輪を富貴子に贈る。美輪子は清塚に会い、姉と別れて欲しいと直談判。非常識だと怒る彼に対し、美輪子は清塚に迫り、富貴子から略奪する形で交際を開始。後日、富貴子は綱輝と屋台で呑んでいたところ、富貴子の発した不用意な一言から居合わせた客に突然襲われた。自身をかばい、重傷を負った綱輝。責任を感じた富貴子は彼が入院する病院へと通い、献身的に介護していた。この事がきっかけとなり、二人は急接近する。ところが、この交際を快く思わない人物が二人いた。一人は、富貴子に対し積極的に綱輝との交際を薦めた美輪子。もう一人は、富貴子を疎む世奈子であった。退院パーティーがローズサロンで開かれ、祝杯をあげる小日向家の一同。仲睦まじい二人の様子に不快感を抱いた美輪子は、気分が悪いと言って中座した。帰宅後、富貴子は美輪子から「ぼたんだったら、あんなに積極的に綱輝さんと話したりはしない」などと、次々と言動をダメ出しされる。後日、富貴子は綱輝と会い、生前のぼたんがどんな女性だったのかを聞く。そこへ美輪子が清塚と現れ、富貴子に絡みだす。とうとう堪忍袋の緒が切れた富貴子は、美輪子をバーから連れ出し、『天麩羅吉田屋』へ。ついに富貴子は美輪子に対し、「私は亡くなった多摩留と(義理の)姉弟だったの」と告白したのであった。

あまりの事に、衝撃を受ける美輪子。富貴子は生前、多摩留から送られたメールを美輪子に見せる。事実を知った美輪子は、富貴子に対しこの事は秘密にする事を誓う。それからしばらくして、美輪子は清塚と別れる事を決めるも、多摩留の件がトラウマとなり一人で別れを切り出すことが出来ない彼女は、綱輝に代理を頼む。『マダム・ヨナ』で、美輪子からの別れ話を綱輝から切り出され、突然の事に清塚は怒り出すも、しぶしぶ承諾。そこへ世奈子が現れた。3人で話すうち、世奈子は清塚から「フー子さんは天麩羅屋の娘」という事を聞き、「鎌倉じゃなかったの?」と疑問視する世奈子。しばらくして、小日向家を訪れた綱輝と小日向家の一同がリビングで談笑していたところへ、突然世奈子から崑一に電話が入る。『マダム・ヨナ』に呼び出された崑一は、世奈子から「富貴子は吉田家の娘だ」と明かされた。あまりの事実に、愕然とする崑一。さらに世奈子は「彼女はすべて承知の上で、小日向家へと入り込んだのでしょうね」と言い放った。

電話で『マダム・ヨナ』に呼び出された眞澄は、事の真相を知り衝撃を受ける。それから数時間後、『天麩羅吉田屋』に帰った富貴子は、峰靖から「アメリカにいた頃の富貴子の知人を名乗る二人の女性(世奈子と平野)が店に現れた」事を知らされ、いぶかしむ。小日向家へ帰った富貴子は、どこかよそよそしい両親の姿に困惑する。翌朝、いつもよりも早く家を出た富貴子が『天麩羅吉田屋』へ合鍵を使って入る様子を、尾行していた崑一が鬼の形相で見つめていた。崑一は店に現れ、富貴子と吉田家の一同に対し加害者家族の養女である事を知った事を話し、その上で「二度と小日向家の敷居を跨ぐな」と彼女に絶縁を宣言。その数時間後、小日向家へと引越し業者が現れ、富貴子の荷物をまとめ始める。突然の事に驚く美輪子が両親を問い詰めると、富貴子が養子に出された家が吉田家である事を知ったからであると告げられた。あまりの事に、泣きながら両親に抗議する美輪子。「私たちは『牡丹と薔薇』の姉妹だ」と言い、富貴子との絆は決して切れないと告げると、リビングを飛び出して行った。

『マダム・ヨナ』で、綱輝は世奈子から富貴子が吉田家の養女である事を明かされていた。婚約を破棄するよう迫る世奈子に、綱輝は「5月の牡丹の咲く時期に富貴子と結婚する」と宣言。富貴子が小日向家を追われてから、美輪子はずっと部屋に閉じ籠っていた。眞澄が部屋のドアをノックしても、「ママはパパの手先だ」と聞く耳を持たない美輪子。心配した萌子が小日向家を訪れた。

同じ頃、『天麩羅吉田屋』には小日向家から送り返されてきた富貴子の荷物が山のように積まれ、富貴子と峰靖は途方に暮れていた。後日、富貴子は綱輝とローズサロンへ向かうとネイルサロンがあったスペースがガランとしている事に驚く。そこへ綱輝から連絡を受けた美輪子が現れ、富貴子と再会。涙ながらに二人の絆は変わらない事を誓い合う。それからしばらくして、自由が丘にネイルサロンを開業した富貴子。美輪子はネイルサロンを手伝うようになっていた。

一方、崑一と眞澄の夫婦仲は修復不能なほど破綻していた。崑一は世奈子とよりを戻しており、世奈子は崑一に「早く眞澄さんと離婚して」とせがんでいた。ある夜、崑一はホテルで世奈子との情事の最中に突然倒れ、病院へと搬送された。その頃、崑一が家に帰らなくなり、美輪子が富貴子の元へ頻繁に通っていることから、家で一人残されている眞澄を心配した萌子が訪れていて、眞澄からも泊っていくよう勧められ小日向家に泊っていた。明け方4時、突然小日向家に電話が入り、眞澄は崑一が亡くなった事を知らされる。搬送先の病院に向かった眞澄と美輪子は、処置室で崑一の亡骸と対面する。そこにいた世奈子から「最期を看取ったのは私よ」と告げられた。医師から腹上死であると告げられた眞澄は激怒し、世奈子を追い返した。小日向家では、崑一の葬儀が営まれた。その直前、富貴子は綱輝から参列するよう勧められるも、生前に縁を切られた事を理由に断った。彼女はネイルサロンのテーブルに菊の花を手向け、一人で崑一の冥福を祈っていた。

葬儀を終え、小日向家では眞澄がローズガーデンの社長に暫定的ではあるが就任した事を美輪子と萌子に明かした。銀行からは資産を凍結され、しかも崑一が多額の負債を抱えている事が判明。ローズガーデンを売りに出さなければいけないところまで来ていたのである。美輪子は「私はローズガーデンの申し子だ」と猛反対。翌日、美輪子に乞われた富貴子が小日向家を再訪。再会の感動にひたる間もなく、富貴子は眞澄から多額の負債を抱えている事を知らされ、驚く。

後日、ローズサロンで接客中の美輪子の元へ、世奈子が資産家・大隈春馬を連れて現れた。さらに彼女は大隈を連れて小日向家へと乗り込む。崑一の死の原因でもある彼女の訪問に怒る眞澄。しかも世奈子は、崑一が生前、眞澄と離縁して自身と再婚すると約束したことを暴露し、眞澄は愕然とする。どことなく野卑な雰囲気を漂わせる大隈に、嫌悪感を抱く美輪子だったが、大隈は負債を肩代わりする条件として、「美輪子さんと結婚したい」と申し出てきたのだ。あまりの事に、ショックを受ける美輪子であった。美輪子に降りかかった災難は自分が引き受けると決意した富貴子は後日、『マダム・ヨナ』へと行き世奈子に対して美輪子の代わりに自分が大隈と結婚することを宣言。富貴子が婚約していた綱輝との関係を完全に断ち切れるのかを疑う世奈子は交換条件として、綱輝が美輪子と結婚することを提示。美輪子は綱輝と偽装結婚することを受け入れ、婚約解消に納得できずにいた綱輝も、最終的にそれを了承した。富貴子と大隈、美輪子と綱輝の合同披露宴前夜、ホテルで富貴子と綱輝は永遠の愛を互いに誓い合い、激しく愛し合った。合同披露宴当日、小日向家・大隈家・瀬尾家・吉田家の一同と世奈子が顔を揃える中、富貴子の養父母である吉田家の出席に納得がいかず、怒りをぶつける世奈子と眞澄や萌子が口論となり、興奮した杉彦が大隈夫妻のケーキ入刀直前にウェディングケーキを倒してしまい、メチャクチャな祝宴となってしまう。

第4部

合同披露宴から5年後、大隈・富貴子夫妻の娘・瑠璃は4歳となった。大隈は瑠璃を溺愛し、夫婦仲も悪くなかったが、富貴子は夫に対し、ふと嫌悪感が湧き上がる瞬間があった[10]。一方、入籍はしたものの、別居生活を続ける綱輝・美輪子夫妻。美輪子は眞澄とともに、富貴子の身を案じていた。祖母・萌子は病に倒れ、入院生活を送る日々。ある日、大隈家を訪れた綱輝は、瑠璃の姿を見て、幼い頃の自身の妹に似ていたことから、合同披露宴前夜に富貴子と愛し合った時の子ではないかと問い詰めるが、富貴子はそれを否定する。そこへ大隈が帰宅した事から、慌てて綱輝をリビングから脱出させる富貴子。ローズサロンで接客していた美輪子は、靴も穿かずに現れた綱輝の様子に驚く。

別の日、瑠璃が通う幼稚園を訪れた世奈子は、一目見て瑠璃が大隈の子ではないのではと疑念を抱く。そして世奈子からその話を聞いた大隈は、還暦を過ぎてからも精力旺盛だと自負していたものの、病院で検査を受けた結果、先天的な精子無力症だと診断され、自身の子ではないと確定し愕然となる。富貴子と美輪子に裏切られた怒りから、大隈はナイフを手に『富貴長春図』の油絵を切り裂く。世奈子から瑠璃の実の父親が綱輝だと聞かされた美輪子がすぐさま富貴子の元に駆けつけると、態度が豹変した大隈から瑠璃の身の安全を守るため、瑠璃を一旦西山(瀬尾)家に預けるよう提案。怒りの収まらない大隈は、さらに甥の伸介を呼び寄せ、大隈邸に居候させる。用心棒の伸介には、富貴子の監視をさせるだけでなく、自身に代わって大隈家の血筋を遺すべく、富貴子との関係を無理矢理持たせようとする。

その頃、美輪子は預かっていた瑠璃を自分で育てたくなり、別居中だった綱輝を呼び、偽装結婚の解消を申し出る。綱輝との夫婦関係までも一変した美輪子の態度に、富貴子が瑠璃を連れて帰ろうとしたところ、萌子の容態が急変したという知らせが。眞澄・瑠璃とともに、病院に駆けつけた富貴子と美輪子に、萌子は姉妹で仲良くするよう言い残し息を引き取る。

別の日、瑠璃に会う為に大隈邸を訪れた杉彦は、富貴子が伸介に無理矢理関係を求められ逃げ惑う姿を目にする。姉を救いたい一心で富貴子が逃げ込んだ和室で伸介と対峙した杉彦は、投げ飛ばされた拍子に手にした床の間の模擬刀で、伸介の首筋を刺し死なせてしまう。

大隈家で、警察の現場検証が行われている。杉彦は警察官からの問いかけにも応じられる状態ではなく、ただ震えるばかりであった。事情聴取に応じる大隈。その傍らで、富貴子は呆然として涙を流すばかり。事件を知った、峰靖・伊佐子が大隈家へと現れた。兄弟揃って殺人犯となってしまった事に、ショックを受ける2人。杉彦は警察へと連行されていった。 世奈子から連絡を受け、大隈家へやって来た眞澄。富貴子の様子を見て驚く眞澄。富貴子は事件のショックで、精神に異常をきたしてしまったのである。大隈は、すっかり変わってしまった富貴子を持て余していた。眞澄は富貴子を引き取る事を2人に告げた。

富貴子は入院する事になった。ベッドで横たわる富貴子を見て美輪子は、自身がぼたんを喪い一時精神を病んでいた時の事を振り返っていた。美輪子は綱輝と瑠璃に対し、「自分が富貴子の世話をする」と言う。 『マダム・ヨナ』でワインを飲みながら、苦悩を打ち明ける大隈。世奈子は「いざとなったら 自分が世話をする」と慰めていた。その頃、吉田家は杉彦が起こした事件の影響でついに廃業寸前に至っていた。週刊誌にも過去の多摩留のストーカー殺人事件と合わせて報じられ、「殺人天ぷら店」のレッテルを貼られてしまい、店の外壁には落書きまでされていたのである。 そこへ眞澄が瑠璃を連れて訪れた。血はつながっていないとはいえ、たった一人の孫娘の姿に目を細める峰靖。 月日は流れ、その年の12月。綱輝は瑠璃を連れて、富貴子と美輪子が静養している富士山の見える別荘へと車を走らせていた。

美輪子に出迎えられる2人。別荘に入ると、そこにはぼたんのようにしとやかな容姿・性格となった富貴子の姿が。そればかりか富貴子は娘の存在すら忘れてしまったのである。あまりの事に愕然となり、涙する綱輝。美輪子は『牡丹と薔薇』のレコードをかけ、富貴子と2人踊り始める。こうして、『牡丹と薔薇』の姉妹は、手を繋ぎながら美しい景色を眺めながら歩いたのであった。〔完〕

キャスト(2015年版)

小日向家

小日向 ぼたん(こひなた ぼたん)〈23〉
演 - 古川凛〈4〉→黛英里佳〈23〉
  • バラ園経営者の崑一と世奈子との間に産まれた娘(長女)。美輪子の異母姉。1982年(昭和57年)12月28日生まれ。妹思いで、しとやかな性格。離婚した実母・世奈子から一方的に綱輝との縁談を薦められ、悩んでいる。美輪子の元恋人・多摩留にこれ以上ストーカー行為をしないよう諭した上、彼に自身の処女を捧げた。その日を境に結婚準備に積極的になっていくが、妹・美輪子をかばって、多摩留に刺殺されてしまう。
小日向 美輪子(こひなた みわこ)→瀬尾 美輪子(せお みわこ)〈18~〉
演 - 逢沢りな
  • 崑一と眞澄との間の娘(次女)。富貴子の異父妹、ぼたんの異母妹、綱輝の妻、瑠璃の叔母。1987年(昭和62年)12月28日生まれ。ぼたんとは正反対の積極的な性格。ピアノを習っている。外国人墓地で知り合った、墓地の管理人の青年・多摩留と運命的な出逢いをする。だが、彼から無理矢理体を求められた事が原因で一方的に別れを決める。その事が原因で、ストーカー行為を受けるように。最後は多摩留から自身をかばって、姉・ぼたんが刺殺されてしまう。一時期は、事件の影響でPTSDとなるが回復し大学生に。左手首にリストカットの跡がある。父に「バラ園の経営に携わりたい」と告げ、ローズサロン再開に向け、動き出す。サロンでピアノを弾いている最中、亡き姉・ぼたんに瓜二つの女性(異父姉・富貴子)と対面。あまりにも瓜二つなため、驚愕していた。富貴子が異父姉妹であると知り、一緒に暮らそうと切り出すが、ぼたん同様に生活して欲しいと懇願。富貴子を困らせる。富貴子に綱輝との仲を取り持つも、ぼたんとは違い積極的になる様子に不快感を抱くようになり、堪忍袋の緒が切れた富貴子から「多摩留と姉弟である」事を告げられる。それが原因となり、両親が彼女と絶縁・家から追い出したショックで部屋に閉じ籠っていたが、綱輝のとりなしで富貴子と再会。涙ながらに2人の絆は変わらない事を誓い合う。その後はネイルサロンを手伝うようになる。
  • 父・崑一の急逝により小日向家の多額の負債を知り、世奈子がローズサロンに連れて来た資産家・大隈から負債の肩代わりをする条件として、彼と結婚するよう迫られるが、富貴子が大隈と結婚する代わりに、綱輝と偽装結婚。綱輝とは戸籍上は夫婦だが、別居生活を送っていた。自身の身代わりに、大隈と結婚した富貴子の身を案じる。瑠璃が実子ではない事を知った大隈から彼女を守るため、一旦西山(瀬尾)家に瑠璃を預けるよう富貴子に提案。しかし、瑠璃への愛情から綱輝との偽装結婚を解消、本物の夫婦関係に。杉彦の起こした殺人事件のショックで精神が壊れてしまった富貴子の介護をする事を決意。2人で富士山の見える別荘へと移住した。
西山 眞澄(にしやま ますみ)→小日向 眞澄(こひなた ますみ)
演 - 美山加恋〈18〜22〉→伊藤かずえ〈41〜〉
  • 富貴子・美輪子の実母、ぼたんの養母、瑠璃の祖母。1964年(昭和39年)10月6日生まれ。高校時代に交際していた大学生(交通事故で死亡)との子を妊娠・出産した過去を持つ。実は女優・浅黄萌子の隠し子(表向きは「妹」とされている)。ぼたんの墓参りの際、世奈子から罵倒された事がきっかけとなり、ついに崑一に高校時代の出産を告白。25年前に出産した娘・富貴子と対面。『マダム・ヨナ』で世奈子と崑一から富貴子が吉田家の養女であると知らされ、衝撃を受ける。富貴子が小日向家を追われてから、昆一との夫婦仲に亀裂が入る。その直後、崑一が世奈子との情事の最中に腹上死。あまりの事に激怒し、世奈子を追い出した。崑一の葬儀後、暫定的にローズガーデンの社長に就任[11]。銀行からローズガーデンを手放すよう迫られているが、直後に小日向家へと乗り込んで来た世奈子から、一方的に大隈を紹介された。富貴子・美輪子の結婚後は、小日向邸(大隈邸)から萌子のマンション[12]に引っ越した。家のために大隈と結婚した富貴子の事を案じている。病に倒れ入院した母を介護していたが、孫娘・瑠璃が大隈に似ていない事から、綱輝の娘ではないかと疑い、母に相談するも窘められる。杉彦の事件で、精神に異常をきたしてしまった富貴子を引き取る事を、大隈・世奈子に告げる。
小日向 崑一(こひなた こんいち)〈36〜〉
演 - 岡田浩暉
  • ぼたん・美輪子の実父、眞澄の夫。元妻の世奈子からは「崑ちゃん」と呼ばれている。ぼたんの葬儀で、奇跡的に焼け残った『富貴長春図』の油絵を皆に見せ、「ぼたんは心の中で生きている」と述懐していた。娘の死から2年間、ホテル暮らしをしていたが、新たな家を買い新生活を始める事を決意。新居へ引っ越したその夜のパーティーで、吉田家への損害賠償請求を取り下げた事を明かす。眞澄から25年前の出産を打ち明けられ、驚くが富貴子と対面し、大喜びする。
  • 綱輝が退院した直後、世奈子から呼び出されて「富貴子は吉田家の娘だ」と知らされ、衝撃を受け、吉田家に出向き富貴子に「二度と小日向家の敷居を跨ぐな」と絶縁宣言した。この頃から世奈子とよりを戻し、ホテルで世奈子との情事の最中、突如ベッドで発作を起こし、腹上死してしまう。
小日向 カオルコ(こひなた かおるこ)
演 - 鰐淵晴子
  • ぼたん・美輪子の祖母、崑一の母。個性的な性格。元嫁・世奈子とは折り合いが悪く、しょっちゅう嫁姑戦争を引き起こしていた。ぼたんと美輪子が成人する頃に他界している。

吉田家

吉田 富貴子(よしだ ふきこ)→大隈 富貴子(おおくま ふきこ)〈25〜〉
演 - 黛英里佳(二役)
  • 多摩留・杉彦の長姉。ネイルアーティスト。戸籍上は峰靖・伊佐子夫妻の実子だが血縁関係はない。美輪子の異父姉、大隈の妻、瑠璃の実母。1982年(昭和57年)12月28日生まれ。明光大学在学中[13]に、4年間アメリカ留学。現地で結婚するも、2年後に離婚。市民権を得ている。多摩留がストーカー殺人事件を決行する前に「M計画を実行する」という内容のメールが送られており、両親の元へ国際電話をかける。それから2年後に突然帰国し、実家の窮状を知る。両親に自分のルーツが知りたいと迫るが、蒸し返さないで欲しいと懇願された。逗子の『稲垣産婦人科医院』を訪れ、自身を取り上げた稲垣と対面。誕生時の経緯を聞く。父・峰靖から実母が被害者遺族である事と実の祖母が女優である事、更には弟のストーカー被害に遭っていた美輪子が異父妹である事を知り、ショックを受ける。後日、ネイルサロンを開業するがついに美輪子と対面。同居を持ちかけられたが、加害者家族である事を打ち明けておらず[14]苦悩する。吉田家を出て、小日向家で暮らし始めると、ローズサロンにネイルサロンを移転。美輪子から亡き姉同様に生活するよう懇願され、ぼたんの婚約者であった綱輝と交際するよう強要。綱輝にぼたんがどんな女性だったのかを聞いていたところ、美輪子が現れ絡みだしたため堪忍袋の緒が切れる。美輪子を『天麩羅吉田家』へ連れて行き、亡き多摩留の義姉である事を告白。その直後、崑一に絶縁されてしまう。小日向家を追われ、ローズサロン内で営業していたネイルサロンもテナント契約を切られ途方に暮れたが、綱輝の計らいで美輪子と再会。自由が丘にネイルサロンを再び開業。
  • 昆一の葬儀後、美輪子から乞われ小日向家を再訪。小日向家の多額の負債に驚く。美輪子の理不尽な結婚話を知ると、世奈子に綱輝と婚約解消し、美輪子の代わりに大隈と結婚を宣言。綱輝・美輪子夫妻との合同披露宴前夜、綱輝と永遠の愛を誓い合い、激しく愛し合う。その後、瑠璃を出産。しかし、大隈に瑠璃の実父を知られ、美輪子からの提案により瑠璃を預けた。居候を始めた伸介から監視されるばかりか、無理矢理関係を迫られ逃げ惑っていたところ、偶然、瑠璃に会いに来た杉彦が自身をかばい、模擬刀で伸介の首筋を刺した。事件のショックから自我を失い、ぼたんのような容姿・性格へと変わり、瑠璃の事すら忘れてしまう。
吉田 多摩留(よしだ たまる)
演 - 戸塚純貴
  • 吉田家の長男、富貴子の義弟、杉彦の兄。多摩丘陵の外国人墓地の管理人。美輪子に一目惚れし、交際を重ねるが、彼女の体を無理矢理求めた事が原因で、フラれる。彼女の事が忘れられず、自宅に電話するも取り次いでもらえず、ストーカー行為を行うように。
  • ついには美輪子を殺害しようと小日向家へ現れ、庇ったぼたんを刺殺。最後は座敷に火を放ち焼身自殺した。
吉田 伊佐子(よしだ いさこ)
演 - 魏涼子
  • 富貴子の養母、多摩留・杉彦の母。夫婦で蒲田近くの天ぷら屋兼食堂を経営する。
  • 事件の影響で、遠方で買い物をしなくてはならなくなるなど、肩身の狭い思いをしている。
吉田 峰靖(よしだ みねやす)
演 - 安藤一夫
  • 富貴子の養父、多摩留・杉彦の父、元銀行員。妻・伊佐子とともに天ぷら屋兼食堂を経営する。だが、事件の影響で店は一時廃業となり、小日向家から多額の損害賠償請求を起こされ、酒浸りに。帰国した富貴子に代わり、委任状を偽造して当時の戸籍謄本を入手、富貴子の実母と異父妹が被害者遺族である事を富貴子に明かし「これ以上関わらないほうがいい」と告げる。のちに店を再開する。
  • 富貴子・美輪子の合同披露宴に家族で出席したが、加害者家族である事から世奈子に罵倒される。杉彦の刺殺事件が週刊誌に報じられ、兄弟揃って殺人事件の容疑者となった事からついに完全廃業へと追い込まれた。後日、眞澄が瑠璃を連れて、自宅を訪れ瑠璃と対面。孫娘の可愛らしい姿に目を細めている。
吉田 杉彦(よしだ すぎひこ)
演 - 石田愛希
  • 富貴子の義弟、多摩留の弟、吉田家の次男。養護学校に通っている。多摩留の恋人・美輪子を紹介され、その美しさにピュアな感情を持つ。帰国した義姉・富貴子が小日向家へ引っ越してしまい、彼女を恋しがり頻繁に小日向家へと行くようになる。富貴子・美輪子の合同披露宴では世奈子に絡まれた両親らの言い争いに興奮し、ウエディングケーキをひっくり返してしまう。
  • 姪・瑠璃を可愛がり、大隈邸を訪れた際、大隈の指示で伸介に無理矢理関係を求められ、逃げ惑う義姉の姿を目にし、富貴子を救いたい一心から、床の間に飾られた模擬刀で伸介の首筋を刺し、死なせてしまう。

眞澄の家族関係者

浅黄 萌子(あさぎ もえこ)
演 - 山口いづみ
  • 本名:西山萌子。女優。眞澄の実母、富貴子・美輪子の祖母(表向きは「叔母」)、瑠璃の曾祖母。シングルマザー。眞澄とは表向き「姉妹」という事にしている。眞澄を湘南市の両親(眞澄の祖父母)に預けていたが大学生になってから、同居するように。ローズサロンで孫娘・富貴子と再会した。大隈と富貴子、綱輝と美輪子の合同披露宴から5年後、病に倒れ入院している。眞澄から曾孫である瑠璃の出生について相談されたが驚き、慌てて窘める。容態が急変し、駆けつけた富貴子と美輪子に、姉妹仲良くするよう言い残し、病死。
長谷川 梅鳳(はせがわ ばいほう)
演 - 佐藤仁哉
  • 本名:寺岡時夫、歌舞伎俳優。眞澄の実父、富貴子・美輪子の祖父、瑠璃の曽祖父。萌子と若い頃、恋愛関係にあり眞澄を儲けた。認知はしたものの、成人した眞澄が楽屋へ会いに訪れると「二度と顔を見せるな」と冷たく追い返した。美輪子との接点は一切ない。
西山 今朝義(にしやま けさよし)
演 - 河原崎建三
  • 眞澄の祖父、萌子の父。富貴子・美輪子の曽祖父、瑠璃の高祖父。湘南で眞澄を親代わりに育てていた。富貴子と峰靖が湘南を訪ねた際、数年前に他界している事が判明。
西山 ミサオ(にしやま みさお)
演 - 三谷侑未
  • 眞澄の祖母、萌子の母。富貴子・美輪子の曽祖母、瑠璃の高祖母。今朝義とともに眞澄を親代わりに育てていた。数年前に他界している[15]

その他

牧原 世奈子(まきはら よなこ)〈38〜〉
演 - 田中美奈子
  • ぼたんの実母で、崑一の元妻。結婚時の姓は小日向。スペインレストラン『マダム・ヨナ』を経営。気性が激しく、我がままで身勝手な性格。姑だったカオルコとは折り合いが悪く、離婚後は昆一が引き取ったぼたんに過干渉する毒母で、強引に綱輝との縁談を薦めるなどするトラブルメーカー。ぼたんの殺害時には、事の原因となった美輪子を罵倒し、以降も美輪子と眞澄を勝手に逆恨みする。小日向家の新たな家族となった富貴子を一目見て、あまりにも瓜二つである事に驚愕していた。だが、富貴子が亡きぼたん同様に扱われていた事から「偽物のぼたんだ」とあからさまに不快感を示し、彼女を疎んじている。
  • 『マダム・ヨナ』に来店した清塚の会話から不審に思い調べたところ、富貴子が加害者家族の養女である事を知り、後日、崑一らに暴露したが、綱輝の富貴子への愛は変わらず富貴子への憎しみを募らせる。その直後、よりを戻した崑一とホテルで関係を持っていた最中に、崑一が腹上死。激怒した眞澄に処置室を追い出されるが、葬儀には参列。後日、資産家・大隈を美輪子に紹介。さらに小日向家へと乗り込み、生前、崑一が眞澄と離縁すると約束したと宣言。同伴した大隈を一同に紹介する。富貴子・美輪子の合同披露宴の際、吉田家が出席していたため、不快感を露わにし罵倒。さらに、眞澄・萌子とも言い争う。5年後、瑠璃の幼稚園を訪れた際、瑠璃が大隈に似ていない事に気づき、瑠璃の父親が大隈ではなく綱輝ではないかと大隈に告げた。その後、自分の娘ではないと確信する大隈に、結婚以来ずっと騙し通した富貴子への報復を進言した。杉彦の事件が原因で、自我を失った富貴子との今後について苦悩する大隈を慰める。
瀬尾 綱輝(せお つなき)
演 - 片岡信和
  • [16]美輪子の夫、瑠璃の実父。人材派遣会社社長。青森県出身、妹がいる[17]。世奈子がぼたんに縁談相手として勧めた。ぼたんに夢中になりトルコ石の指輪を贈るなど猛アプローチするが、全く愛されていない。多摩留のストーカー殺人事件で、ぼたんを喪う。
  • 2年後の富貴子・美輪子のバースデーパーティーで、亡きぼたんに瓜二つな富貴子と対面し、感激。当初は富貴子から距離を置かれていたが、自身がケガを負った事件がきっかけとなり、急接近した。後に世奈子から加害者遺族の養女である事を暴露されたが、5月に富貴子と結婚すると宣言。崑一が急逝した際、富貴子に葬儀へ出席するよう勧める。大隈・富貴子夫妻との合同披露宴前夜に富貴子と永遠の愛を誓い合い、激しく愛し合う。美輪子と結婚した後も別居状態を続けていた。
  • 5年後、大隈邸(旧小日向邸)を訪れ、妹の幼い頃に似ている瑠璃を見て、自身の子だと確信。その後、美輪子が瑠璃を預かり生活すると、美輪子との偽装結婚を解消。杉彦の事件で自我を失い、亡きぼたんにそっくりとなった富貴子の姿にショックを受ける。
稲垣 士朗(いながき しろう)
演 - 西村和彦
  • 眞澄が出産した産婦人科の医師で、後に院長[18]。牡丹の花を好み、眞澄に女児の名付け親を頼まれた時には、牡丹の花から「ぼたん」「富貴子」を提案。25年後、富貴子が訪ねて来た事から、彼女に出生の際の事情を明かした。
三上看護師(みかみ)
演 - 大河内奈々子
  • 眞澄が出産した産婦人科の看護師。
野島看護師(のじま)
演 - 小沢真珠
  • 眞澄が出産した産婦人科の看護師。
柴崎(しばさき)
演 - 岡田太郎
  • 稲垣産婦人科医院医師。義父である稲垣に代わり、病院を引き継いでいる[19]
貸金融業社長(かしきんゆうぎょうしゃちょう)
演 - 神保悟志
  • 富貴子とテナントを共同経営している、皮革職人・神崎が皮革鞄製造販売店を開業した際、彼に融資する。だが、経営に行き詰まると手のひらを返して部下を連れて取り立てに現れた。
藤岡 隆久(ふじおか たかひさ)
演 - 谷本幸優
  • 眞澄が18歳の時に出産した富貴子の実父。大学生。就職先が決まり、地元の福岡に帰省中に交通事故で亡くなってしまう。
藤岡の母
演 - 川上麻衣子
  • 眞澄が隆久を訪ねて福岡へ現れた際、喪服姿で玄関に現れ、息子の死去を眞澄に伝える。そのため、眞澄は妊娠を打ち明ける事ができず、孫・富貴子の存在は知らない。
乾 友子(いぬい ともこ)
演 - 堀本雪詠
  • 眞澄の高校の同級生。今朝義とミサオに眞澄が産婦人科に通っていることを伝えた。
境 レナ(さかい レナ)
演 - 伊藤あいみ
  • 崑一の愛人。世奈子を介して知りあい、ダイヤを贈られる。
袴田 さやか(はかまだ さやか)
演 - 小宮有紗
  • 眞澄の大学時代の友人。
暢子(ようこ)
演 - 市原あやの
  • 眞澄の大学時代の友人。
平野(ひらの)
演 - 平田まり
  • 小日向家の田園調布時代の家政婦。世奈子と共に富貴子の実家をこっそり訪れる。
瀬尾 徹馬(せお てつま)
演 - 酒向芳
  • 綱輝の父、瑠璃の祖父。青森県会議員。
瀬尾 ハナエ(せお はなえ)
演 - 和泉ちぬ
  • 綱輝の母、瑠璃の祖母。青森に住む。
明子(あきこ)
演 - 鴨志田媛夢
  • 美輪子の大学の友人。
遥香(はるか)
演 - 茜音
  • 美輪子の大学の友人。
冬美(ふゆみ)
演 - 高井泉帆
  • 美輪子の大学の友人。
神崎 篤(かんざき あつし)
演 - 内野謙太
  • 皮革職人。富貴子とテナントをシェアする形で、皮革鞄製造販売店を開く。富貴子に好意を抱き、自身がデザインしたポシェットを彼女に贈る。腕は確かだが、経営はうまくいかず開店当初から閑古鳥だった。美輪子からは「カマキリ野郎」と呼ばれている。美輪子から罵倒された上に店を荒らされた直後、金融業からの厳しい取立てに遭い、夜逃げ同然で廃業に追い込まれ逃げるように富貴子の前から去る。
清塚 雅弘(きよづか まさひろ)
演 - 中山卓也
  • 富貴子の旧友。富貴子を「フー子さん」と呼んでいる。昔は「レゲエの親族か」(富貴子談)というような風貌だったとの事。富貴子が出張ネイルアートをしていたホテルで、彼女と再会。後日、クリスマスデートを楽しんだ。美輪子から「姉と別れて欲しい」と懇願され、非常識だと怒るも彼女から誘惑され、美輪子と交際する。
  • ところが、綱輝から代理で美輪子からの別れ話を切り出されて、怒るがしぶしぶ同意。テーブルに同席する世奈子に、富貴子の実家の事を話したことから、世奈子を通して、崑一に富貴子の本当の養父母を知られた原因を作ってしまう。
大隈 春馬(おおくま はるま)〈65〜〉
演 - 大和田伸也
  • 富貴子の夫。金融業・株式会社シレン社長。関西を拠点に東日本へ支店を拡大する他、海外に複数の不動産を所有し、「金融界の帝王」と呼ばれる。バツイチで関西弁を話す。野卑で亭主関白なところがあり、富貴子を束縛し、彼女が外で働く事を許さず、ネイルサロンも閉店するよう迫っている[17]。世奈子の紹介でローズガーデンや小日向邸を訪れ、邸宅を8億円で買い取る代わりに、その条件として美輪子との結婚を提示。しかし、美輪子の代わりに富貴子と結婚。夫婦関係は良好で、瑠璃を溺愛。
  • 世奈子から瑠璃が自身ではなく綱輝の子ではないかと告げられ、病院で先天的な精子無力症だと診断されたことから、自身の子ではないと確定。富貴子と美輪子に裏切られた怒りから、ハサミを手に『富貴長春図』の油絵を切り裂く。さらに伸介を呼び寄せて、大隈邸に居候させ、不在中の富貴子の監視と自身に代わって、大隈家の血筋を引く跡取りを遺すべく、富貴子と無理矢理関係を持たせようと画策。だが、杉彦の事件で伸介が亡くなり、そのショックから富貴子が自我を失ったため、今後の事で頭を抱え途方に暮れていた。
大隈 瑠璃(おおくま るり)〈4〉
演 - 古川凛(二役)
  • 富貴子と大隈の娘。実は綱輝との娘。幼稚園児。大隈に自身が実父ではないと知られたことから、身を案じる美輪子の元に預けられた。事件からしばらくの後、綱輝と共に別荘で静養していた母・富貴子を訪ねる。だが、容姿・性格が生前のぼたん同様に変貌した母親の姿に「ママじゃない」と驚く。
伸介(しんすけ)
演 - 脇知弘
  • 大隈の甥(大隈の妹の息子)。学がない反面、運動神経だけは良く、大学時代から柔道を続けている。大隈に呼び寄せられ、用心棒として大隈邸に居候するが、実際は富貴子の監視と伯父に代わって、大隈家の後継者を遺すべく、強制的に富貴子との関係を持つことが目的だった。
  • 富貴子に関係を迫っていたところ偶然、瑠璃に会いに大隈邸を訪れた杉彦に、床の間に飾られた模擬刀で首筋を刺され絶命。
披露宴会場司会者(ひろうえんかいじょうしかいしゃ)
演 - かもめんたる
  • 富貴子・美輪子の合同結婚式の際、披露宴で司会を務めたお笑いコンビ。新婦側親族席で、言い争いを始めた世奈子たちを見咎めた大隈からウエディングケーキ入刀を早めるよう指示される。

スタッフ(2015年版)

  • 脚本 - 中島丈博
  • 音楽 - 中川幸太郎
  • 演出 - 西本淳一(東海テレビ)、藤木靖之
  • プロデュース - 西本淳一(東海テレビ)、大久保直実・坪ノ内俊也(ビデオフォーカス)
  • 制作・著作 - ビデオフォーカス
  • 制作 - 東海テレビ放送

主題歌・劇中歌(2015年版)

放送日程(2015年版)


  1. ^ 「役立たずのブタ!」伝説の昼ドラ『牡丹と薔薇』 東海テレビ日曜深夜枠で12日から再放送”. 東京中日スポーツ (2022年6月10日). 2023年10月19日閲覧。
  2. ^ ぼたんが成人後、腎臓病で入院した際の病室の名札には「野島真世」と書かれている場面がある。鏡子から出生の秘密を明かされた際に戸籍上の名前を出生当時の名前である「野島真世」に戻したと考えられるが、劇中では特に言及されていないため詳細は不明
  3. ^ ぼたんは香世への配慮から、父の豊樹が不倫していた事は言わず絶交した。理由を明かさず絶交した事により、香世がぼたんに恨みを抱く原因となってしまった。
  4. ^ ちなみにこの時、浅間は果物のパパイヤを食べていた
  5. ^ 妻がいる関係上ぼたんとは入籍はしておらず正式な夫婦ではない
  6. ^ 牡丹と薔薇 『牡丹と薔薇』 企画・プロデューサー インタビュー BS11
  7. ^ 昼ドラ主演の小沢真珠にいじめられ願望があった?”. オリコン (2006年1月11日). 2020年3月27日閲覧。
  8. ^ 2015年12月30日 - 2016年1月4日は年末年始編成のため休止。
  9. ^ 次期フジ系昼ドラ「新・牡丹と薔薇」 今月30日スタート 中日スポーツ - ウェイバックマシン(2015年11月7日アーカイブ分)
  10. ^ 大隈から洗ってほしいと頼まれたジョギングシューズをトングでつまむなど。なお、大隈邸を訪れた綱輝の靴を慌てて傘立ての中に隠した時には素手で持っていた(第38話より)。
  11. ^ 多額の負債を抱えている事から、社員から尻込みされたとのこと(第36話より)。
  12. ^ 西山(萌子の本名)・瀬尾の表札が出ている(第38話より)。
  13. ^ 合同結婚披露宴にて、司会者からのスピーチで明かされる。(第38話より)
  14. ^ 小日向家の家族には、「鎌倉の養父母に育てられた」と話していた。のちに、美輪子には自ら真実を明かす。
  15. ^ 今朝義の項を参照。
  16. ^ ゴーオンブルー・片岡信和、“昼ドラ”『新・牡丹と薔薇』出演へ”. ORICON STYLE (2015年11月24日). 2015年11月24日閲覧。
  17. ^ a b 第38話より。
  18. ^ 25年後に富貴子が訪ねてきた時点で(第17話より)。
  19. ^ 稲垣のことを、柴崎が「お父さん」、看護師が「大先生」と呼んでいる(第17話より)。






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