燃料コック 燃料コックの概要

燃料コック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/29 19:16 UTC 版)

Jump to navigation Jump to search

オートバイでの利用

燃料気化装置にキャブレターを採用し、キャブレターへの燃料供給に自然流下式を用いるオートバイのほとんどは燃料タンクからの燃料供給経路を開閉する燃料コックが備えられている。通常は一つの燃料タンクに一つの燃料コックが装備されるが、トライアンフ・ボンネビルは二つの燃料コックを持ち、燃料タンクの両側に一つずつ取り付けられている。

自然流下式の燃料供給は、燃料タンクをキャブレターよりも高い位置に設置して、重力によって燃料がキャブレターのフロート室へと流れて供給される方式である。フロート室に溜められたガソリンは駐車中にも徐々に蒸発して、燃料コックで供給を止めない限りは蒸発で減少した分だけ次々に供給される。この状態が続くと燃料を無駄に失うだけでなく、車体周辺の空気中に揮発性の燃料成分が流出することになる。また、フロート室には不揮発性の燃料成分が残り、キャブレターの流路を詰まらせる場合もある。こうした問題を解消するために、燃料コックを設けて燃料の流出を止めることができるようになっている。

燃料供給装置にインジェクターを採用するオートバイでは電気式燃料ポンプが採用され、燃料コックが装備されないことが一般的である。近年の先進国で販売されるオートバイに関しては、自動車排出ガス規制の強化とともに燃料噴射装置を用いる車種が増えており、燃料コックを装備した車種はなくなりつつある。

手動式

オートバイに用いられる燃料コックのうち手動式のものは「オン」(on)、「オフ」(off)および「リザーブ」(reserve、略:RES)の3つの切り替えポジションで構成される。リザーブは「予備」の意味で、燃料タンクの底部から燃料を取り出す流路を開く。多くの場合、燃料コックは燃料タンクの底部から内部へ垂直に突き出したパイプと一体になっており、パイプの上部と下部に燃料を取り出す口が設けられている。普段は燃料コックを「オン」にしておくとパイプの上部の取り出し口から燃料が流れ出て、燃料の消費に伴ってタンク内の液面がパイプ上部の取り出し口より低くなると燃料の流出が止まる。このとき、底部にはまだ1 L程度の燃料が残っていて、運転者が燃料コックを「リザーブ」に切り替えると残りの燃料を使って走行することができる。この機構によって、燃料を完全に使い切る前に運転者が残量が少ないことを知ることができ、燃料メーターを省略することができる。

自動型(負圧型)

1980年代末頃からは自動型燃料コックを採用した車種も製造されていた。自動型燃料コックはインテークマニホールドの負圧を利用したダイアフラムでバルブを作動させる。「オン」、「リザーブ」および、「プライマリー」(Primary、略:PRI)の3つの切り替えポジションを備え、「オン」ではインテークマニホールドに負圧がかかったときにバルブが開き、エンジンがかかっているときか、クランキングの際にしか燃料が流れない。プライマリーは負圧が発生していないときでも、ダイアフラムバルブを迂回してキャブレターに燃料を送るためのものである。整備後や長期にわたって運転していなかったときなど、キャブレターのフロート室に十分な量の燃料がない場合に、始動前にプライマリーポジションに切り替えると燃料が供給される。一般的にはプライマリーポジションはリザーブポジションの取り出し口から燃料を取り出していて、燃料タンク内の全ての燃料を利用することが可能である。負圧式燃料コックの中にはリザーブポジションを備えず、代わりに燃料計を備えた車種もある。

自動車での利用

現代の自動車においては自然流下式の燃料タンクは採用されずに燃料ポンプによって気化装置に供給する構造が一般的で、燃料コックが装備される車種はほとんどないが、旧い時代の自動車では燃料コックが装備されていた。比較的近年のものでは、1950年代に製造されたポルシェ・356が、「オン」、「オフ」、「リザーブ」の3ポジションを持つ燃料コックが装備されていた。日本車においても1950年代に登場したスバル・360などの車種は自然流下式の燃料タンクと燃料コックが採用されていた。また、ドイツのトラバント P601は1950年代末の形態のまま1989年のドイツ再統一に至るまで製造され、燃料コックが装備されていた。






「燃料コック」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「燃料コック」の関連用語

燃料コックのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



燃料コックのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの燃料コック (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS