煎茶
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/08 18:44 UTC 版)
定義
公益社団法人日本茶業中央会は以下のように煎茶を定義している:
茶葉を蒸熱、揉捻、乾燥して製造したもの[5]
一方、深蒸し煎茶は下記のように定義されているため、深蒸し煎茶は煎茶に含まれない:
煎茶と同様な製造で、茶葉の蒸し時間を煎茶の 2 倍以上の時間で製造したもの[6]
消費者庁の食品表示企画課による食品表示基準Q&Aにおいても、上記と同一の分類が採用されている[7]。
それに対し全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会の説明[3]では深蒸し煎茶も煎茶の一種としており、深蒸し煎茶を含まない狭義の煎茶を普通煎茶と呼んでいる[3]。
さらに広義には抹茶のような挽いて作る茶の対義語として用い[4]、玉露(高級品)と番茶(低級品)を含み[4]、これら2つの間に挟まる中級のものが通常の意味での煎茶である[4]。
名称の由来
最初に茶が日本に伝わった平安初期には茶葉を煮出して飲む「煎茶法」(せんちゃほう。烹茶法(ほうちゃほう)とも[8])で茶を飲むのが一般的で[9]、「煎茶」の名称はこの手法による[9]。
しかし今日では煎茶はその名に反し、茶葉を湯に浸してそのエキスを飲む「淹茶法」(えんちゃほう)で飲むのが一般的である[9]。この方法は江戸時代前期に明から伝わったものである[9]。
淹れ方・飲み方
急須に茶葉を入れ、お湯を注ぐ。一定時間待ち、急須から茶碗に少しずつ順番に注ぐ。この際の湯量・湯温・茶葉の量・待ち時間の目安は緑茶#淹れ方を参照。 水出し緑茶(冷茶)は、急須に茶葉を多めに入れ、冷水を注いで5分待つ。専用のティーバッグを使う、お湯で淹れて氷に注ぐ方法もある[10]。
注釈
出典
- ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ “煎茶と緑茶の違いとは?用語の意味を知ってお茶をさらに楽しむ”. 煎茶堂東京. 2021年6月5日閲覧。
- ^ a b c d “茶ガイド-全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会”. www.zennoh.or.jp. 2024年3月26日閲覧。
- ^ a b c d e f “薬草園歳時記(16)チャノキ(茶の木)と茶 2022年4月 | 大学案内 | 静岡県公立大学法人 静岡県立大学”. www.u-shizuoka-ken.ac.jp. 2024年5月7日閲覧。
- ^ “緑茶の表示基準”. 公益社団法人日本茶業中央会. p. 21. 2024年3月19日閲覧。
- ^ “緑茶の表示基準”. 公益社団法人日本茶業中央会. p. 21. 2024年3月19日閲覧。
- ^ 消費者庁 食品表示企画課 (平成27年3月(最終改正 令和3年3月17日消食表第115号)). “食品表示基準Q&A”. p. 24. 2024年3月20日閲覧。
- ^ #改訂版 日本茶のすべてがわかる本 p.57.
- ^ a b c d #橋本 p.12.
- ^ “おいしい冷茶のつくり方 4つの方法”. All About. 2017年4月24日閲覧。
- ^ a b c “Japanese Green Tea”. 農林水産省. pp. 5-6. 2024年3月19日閲覧。
- ^ “荒茶と仕上げ茶について深く知る(その1)”. 日本茶専門店の組合【東京都茶協同組合】. 2024年3月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z #改訂版 日本茶のすべてがわかる本 p.100-108
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