海上保安庁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/09 02:35 UTC 版)
組織
海上保安庁 |
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![]() |
海上保安庁本庁 |
総務部 装備技術部 警備救難部 海洋情報部 交通部 |
地方機構 |
第一管区 第二管区 第三管区 第四管区 第五管区 第六管区 第七管区 第八管区 第九管区 第十管区 第十一管区 |
教育機関 |
海上保安大学校 海上保安学校 |
その他 |
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総職員数は13,283人(2021年7月1日現在[31])であり、これは愛知県警察とほぼ同じである。
参考までに、全国の警察官は259,093名[32](2021年4月1日17日)である。
長官と特別な職
内部部局
内部部局として、5つの部と首席監察官が置かれている。
施設等機関
- 海上保安大学校(広島県呉市):初級幹部育成(本科:学士取得、初任科:一般大学出身者)、特修科(幹部登用制度)・潜水研修等各種研修
- 海上保安資料館 - 引退した装備や関連資料の展示施設。横浜海上防災基地には分館の横浜館がある。海上保安大学校の敷地内であるため平日のみ開館している。
- 海上保安学校(京都府舞鶴市):初任育成、各種研修
地方支分部局
地方支分部局として、11の管区海上保安本部が設置されている。
管区海上保安本部
他の地方機関の場合、機関の設置規定がありその管轄区域が定まるのが、通常である。海上保安庁の場合は、これらとは異なり、まず「全国及び沿岸水域を海上保安管区に分か[33]」つことが先にあり、これに続いて「海上保安管区ごとに管区海上保安本部を置」くことが規定されている。そのため、法制上「海上保安管区の区域[34]」というのが正式な言い方になる。各管区の区域は特記のない限り、当該都道府県の区域(陸地)、沿岸水域及びその沖合い水域を担当する。管区の番号は、基本的に小樽(北海道)から日本列島を右回りに付けられている。ただし当初は、第七管区が九州全域を管轄していたものを、南九州を分割して第十管区としたこと及び、沖縄復帰に伴い第十一管区を新設したためこの部分は番号が連続していない。
管区名 | 本部所在地 | 区域 |
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第一管区 | 北海道小樽市 | 北海道(北方領土含む) |
第二管区 | 宮城県塩竈市 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県(沖合い水域は太平洋側のみ担当) |
第三管区 | 神奈川県横浜市中区 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県 |
第四管区 | 愛知県名古屋市港区 | 岐阜県、愛知県、三重県 |
第五管区 | 兵庫県神戸市中央区 | 滋賀県、京都府(南丹市以南)、大阪府、兵庫県(瀬戸内海側)、奈良県、和歌山県、徳島県、高知県 |
第六管区 | 広島県広島市南区 | 岡山県、広島県、山口県(山口市以東の瀬戸内海側)、香川県、愛媛県 |
第七管区 | 福岡県北九州市門司区 | 山口県(宇部市以西の瀬戸内海側、日本海側)、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県(水域上は熊本県の有明海も担当) |
第八管区 | 京都府舞鶴市 | 京都府(京丹波町以北)、福井県、兵庫県(日本海側)、鳥取県、島根県(竹島含む) |
第九管区 | 新潟県新潟市中央区 | 新潟県、富山県、石川県、長野県(沖合い水域は東北地方の日本海側も担当) |
第十管区 | 鹿児島県鹿児島市 | 熊本県(水域上は有明海を除く)、宮崎県、鹿児島県 |
第十一管区 | 沖縄県那覇市 | 沖縄県(尖閣諸島含む) |
海上保安管区の名称は「第一海上保安管区」のように「海上保安管区」まで付したのが正式なものである(本部は「第一管区海上保安本部」)[35]。
管区海上保安本部の事務所
- 海上保安庁の保安部、保安署等一覧
- 海上保安(監)部 [69ヶ所] (海上保安監部 [1ヶ所])
- 海上保安航空基地 [2ヶ所] : 中部空港海上保安航空基地[注釈 5]・関西空港海上保安航空基地[注釈 6]
- 海上保安署 [60ヶ所]
- 分室 [15ヶ所]
- 事務室 [1ヶ所] : 伊東マリンパトロール・ステーション(伊東MPS)
- 海上交通センター [7ヶ所]
- 航空整備管理センター [1ヶ所]
- 航空基地 [12ヶ所] : 千歳・函館・釧路・仙台・新潟・羽田・美保・広島・北九州・鹿児島・那覇・石垣
- 国際組織犯罪対策基地 [1ヶ所]
- 大阪特殊警備基地(大阪府泉佐野市) - 特殊警備隊 (SST) [注釈 7]
- 羽田特殊救難基地(東京都大田区) - 特殊救難隊 (特救隊)
- 横浜海上防災基地(神奈川県横浜市)
- 横浜機動防除基地 - 機動防除隊 (NST)
- 海上保安資料館横浜館(工作船展示館): 九州南西海域工作船事件に係る工作船および回収物などを展示。
- 横浜機動防除基地 - 機動防除隊 (NST)
- 水路観測所 [1ヶ所] : 下里(和歌山県那智勝浦町)・八丈島(無人のため組織上カウントしない、東京都八丈町)[注釈 8]
- ロランセンター [1ヶ所] : 千葉ロランセンター(2013年5月16日千葉海上保安部と統合[36])
- 航路標識事務所 [1ヶ所] : 慶佐次ロラン航路標識事務所
注釈
- ^ イギリス沿岸警備隊のように、軍事どころか警察の機能ももたず、海上の安全および環境保護を任務としているものもある[11]。
- ^ 『米海軍の裁定は以下の通りだった。一、Y機構の名称の海上保安予備隊は不可。ぜひともCoastal Safety Force(沿岸警備隊)とせよ。』[22]
- ^ 『海上保安庁の船舶は、軍艦ではないので、士官、下士官、兵といった海軍の階級制度ではなく、職員部員といった船舶職員の制度に近いものである。』[24]
- ^ 自衛隊法第80条第1項は、「内閣総理大臣は、第七十六条第一項(防衛出動)又は第七十八条第一項(治安出動)の規定による自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れることができる。」、同法同条第2項は「内閣総理大臣は、前項の規定により海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れた場合には、政令で定めるところにより、防衛大臣にこれを指揮させるものとする。」、同法同条第3項は「内閣総理大臣は、第一項の規定による統制につき、その必要がなくなつたと認める場合には、すみやかに、これを解除しなければならない。」と規定する。
- ^ 2008年10月1日、常滑保安署と伊勢航空基地を統合し開設。
- ^ 関西空港海上警備救難部と八尾航空基地とを統合。
- ^ 1996年前後に存在が明らかにされた。
- ^ 美星(岡山県井原市(旧美星町)、2008年4月1日閉所)・白浜(静岡県下田市、2006年3月31日閉所)
- ^ 参考として、特別職の国家公務員である海上自衛隊は、人員45,293人、総予算規模1兆2922億円であり、防衛省予算に占める陸・海・空自衛隊の総人件・糧食費の比率は42.0%になる。令和4年度予算(令和3年度補正を含む)の概要- (令和4年3月24日掲載)p43,51,56
出典
- ^ a b 「国土交通省定員規則(平成13年1月6日国土交通省令第28号)」(最終改正:2022年3月25日国土交通省省令第164号)
- ^ a b 令和4年度一般会計予算 (PDF) 財務省
- ^ a b c 平成12年版海上保安庁白書「広く国民の皆様に海上保安庁の業務を分かりやすく理解していただくため、海上保安庁のロゴ、ロゴマーク及びキャッチコピーを定めた。」
- ^ 海上保安庁法第1条
- ^ “海上保安庁”. 日本大百科全書. 小学館、コトバンク. 2019年4月13日閲覧。
- ^ “海保”. デジタル大辞泉、精選版 日本国語大辞典. 小学館、コトバンク. 2019年4月13日閲覧。
- ^ 我が国の情報機能について,首相官邸資料,P5 (PDF)
- ^ “海上保安庁”. 世界大百科事典 第2版. 平凡社、コトバンク. 2019年4月14日閲覧。
- ^ 特集 海上保安庁の精神 正義仁愛,海上保安レポート2014
- ^ “海上保安庁”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、日本大百科全書. コトバンク. 2019年4月15日閲覧。
- ^ a b 岩並 & 大根 2021, pp. 12–20.
- ^ a b c “海上保安庁法(昭和23年法律第28号)第25条”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2012年9月5日). 2020年1月17日閲覧。 “この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。”
- ^ “海上保安官”. 日本大百科全書. 小学館、コトバンク. 2019年4月13日閲覧。
- ^ 『よみがえる日本海軍(上)』p.129
- ^ a b “海上保安レポート2021資料編 船艇(令和3年4月1日現在)”. 海上保安庁 2022年4月26日閲覧。
- ^ a b “海上保安レポート2020資料編 航空機(令和3年4月1日現在)”. 海上保安庁 2022年4月26日閲覧。
- ^ 航路標識の種類と基数 海上保安庁
- ^ a b c {{{1}}} (PDF)
- ^ 5 海を知る > CHAPTER II 海洋情報の提供,海上保安レポート2014
- ^ 坂本新一『海上保安官』並木書房、P.29-30、2008年8月。ISBN 978-4-89063-232-9。
- ^ 諸外国への海上保安能力向上支援等,海上保安庁
- ^ 『海上自衛隊はこうして生まれた―「Y文書」が明かす創設の秘密』 p.259 NHK報道局「自衛隊」報道班
- ^ 国連海洋法条約 条文第2部(英文)Definition of warships: For the purposes of this Convention, "warship" means a ship belonging to the armed forces of a State bearing the external marks distinguishing such ships of its nationality, under the command of an officer duly commissioned by the government of the State and whose name appears in the appropriate service list or its equivalent, and manned by a crew which is under regular armed forces discipline.:条文で軍艦などの「艦」とつく船の定義(乗員についても)が行われている。政府用船(巡視船等)については“government ships”としている。
- ^ 『海上保安庁パーフェクトガイド』 p.159
- ^ 『実録「海猿」の世界 海上保安庁最前線』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2010年9月、P112。ISBN 978-4-86248-601-1。
- ^ 自衛隊法第八十二条
- ^ 2004年防衛白書
- ^ パイロットと整備士を養成する海上保安学校宮城分校 航空研修
- ^ 自衛隊法施行令第103条「法第80条第2項 の規定による大臣の海上保安庁の全部又は一部に対する指揮は、海上保安庁長官に対して行うものとする。」。
- ^ 海上保安庁の武力紛争法上の地位
- ^ a b 一般職国家公務員在職状況統計表 (PDF) (令和3年7月1日現在)
- ^ 各都道府県警察の条例定員(警察庁、皇宮護衛官、一般職員は含まない) (PDF)
- ^ 海上保安庁法第12条第1項
- ^ 海上保安庁法第12条第2項
- ^ 国土交通省組織令第258条
- ^ 千葉海上保安部ホームページ
- ^ 海上保安庁の旗について (PDF)
- ^ 海上保安庁 「令和4海上保安庁関係予算決定概要p2 (PDF) 」 2021年12月報道発表
- ^ “海上保安庁幹部職員一覧 (PDF)”. 海上保安庁 (2020年5月15日). 2020年6月1日閲覧。
海上保安庁と同じ種類の言葉
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