法華経
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注釈
- ^ 法華経の 現代の解説書にはしばしば、このような写真とこのような主旨の解説が添えられている。
- ^ 聖徳太子によって著されたとされる法華経の注釈書「法華経義疏」は、三経義疏の1つである。
- ^ 経の字をはずすと「法華」になるが、これは一般に「ほっけ」と発音する。
- ^ サンスクリット語版『法華経』を日本語に訳した仏教学者の植木雅俊も、鳩摩羅什訳の正確さを高く評価している。植木は、岩波文庫版『法華経』(1976)の岩本裕訳には誤訳が多いこと、岩本が誤訳した箇所についても鳩摩羅什は正確に訳していることを、具体例を挙げて詳述している。植木雅俊『法華経―梵漢和対照・現代語訳』(上・下、岩波書店、2008)、および植木雅俊「絶妙だった鳩摩羅什訳―サンスクリット語から『法華経』『維摩経』を翻訳して―」(創価研究第7号、2014)を参照。いっぽう「優れたといっても、サンスクリット語原本に忠実な訳というわけではなく、漢文として読みやすいという方がより正確であろう。方便品末尾の十如是など、鳩摩羅什の創意により原本にない文章が付け加えられた所もある。(岩本・坂本1976)」という見解もある。
- ^ この28品が法華経成立当初から全て揃っていたかどうかは後述の成立年代についての議論の通り、疑問だが、少なくとも智顗の説は28品全てがはじめから揃っていたことを前提として展開されている。岩本・坂本1976。これに対して吉蔵の『法華義疏』「論品有無」は提婆達多品が欠けていたのを最終的に真諦の訳で補われたと記しており、これは竺道生や法雲の注釈書、更に聖徳太子の『法華義疏』も提婆達多品が欠けているからも、鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』は何らかの事情で提婆達多品が訳されなかったか欠落して27品になっていたと考えられる。井上亘は智顗の説でも南岳禅師こと慧思が諸本を対校してこれを正したとしていることから、慧思が真諦訳の提婆達多品を補って本来あるべき28品に正し、それが隋による天下平定後に中国全土に広まり、遣隋使に随行した僧侶が28品揃った経典を日本に持ち帰ったとしている[9]。また、闍那崛多訳によって提婆達多品が付け加えられ、現在の全28品構成となったとする説もある。闍那崛多訳が『添品妙法蓮華経』と呼ばれるのはこのためであるという。ただし、闍那崛多訳では「提婆達多品」という独立の章を立てずに「見宝塔品」の後半に編入される形をとっている。同様に「観世音菩薩普門品」の偈頌も当初は鳩摩羅什訳にはなかったが、闍那崛多によって訳出されたものが鳩摩羅什訳に移入されているとされる[10][11]。
出典
- ^ 精選版 日本国語大辞典「法華経」、小学館。
- ^ NHK 100分de名著 法華経[新]第1回「全てのいのちは平等である」2018年4月2日放送。新版・NHK「100分de名著」ブックス、2021年6月
- ^ 三枝充悳、日本大百科全書(ニッポニカ)「法華経」、小学館。
- ^ 植木雅俊『仏教、本当の教え』中公新書、2011年、82-97頁。
- ^ a b 植木雅俊、「Saddharmapundarika の意味」 『印度學佛教學研究』 2000 年 49 巻 1 号 p. 431-429, doi:10.4259/ibk.49.431, 日本印度学仏教学会
- ^ 中文维基文库『妙法蓮華経』
- ^ 植木雅俊『法華経とは何か:その思想と背景』中公新書、2020年
- ^ 平岡聡「法華経の成立に関する新たな視点:――その筋書・配役・情報源は? ――」『印度學佛教學研究』第59巻第1号、日本印度学仏教学会、2010年、390-382頁、doi:10.4259/ibk.59.1_390、ISSN 0019-4344、NAID 110008574399。
- ^ 井上亘「御物本『法華義疏』の成立」古瀬奈津子 編『古代日本の政治と制度-律令制・史料・儀式-』同成社、2021年 ISBN 978-4-88621-862-9 P212-223.
- ^ 坂本 幸男、岩本 裕 『法華経〈上〉』 岩波文庫、1976年 P421-428.
- ^ 金岡 秀友 『仏典の読み方』 大法輪閣、2009年 P129-135.
- ^ 日蓮は「月水御書」(月経中でも仏典を読誦してもよいのか、という女性信者からの質問に対する回答の手紙)の中で「法華経は何れの品も先に申しつる様に愚かならねども、殊に二十八品の中に勝れてめでたきは方便品と寿量品にて侍り。余品は皆枝葉にて候なり」「寿量品・方便品をよみ候へば、自然に余品はよみ候はねども備はり候なり。薬王品・提婆品は女人の成仏往生を説かれて候品にては候へども、提婆品は方便品の枝葉、薬王品は方便品と寿量品の枝葉にて候。されば常には此の方便品・寿量品の二品をあそばし候て、余の品をば時時御いとまのひまにあそばすべく候」と述べている。日蓮系の仏教が日々の勤行で方便品と寿量品を読誦する根拠となっている。
- ^ 妙法蓮華經廣量天地品第二十九 (No. 2872 ) in Vol. 85
- ^ 妙法蓮華經馬明菩薩品第三十 (No. 2899 ) in Vol. 85
- ^ 『更級日記』原文「夢にいと清げなる僧の、黄なる地の袈裟着たるが来て『法華経五の巻をとく習へ』といふと見れど、人にも語らず。習はむとも思ひかけず。」
- ^ 『(改正略解)法華経要品訓読』明治20年9月20日御届/同21年6月再版/同37年9月譲受、元版人・須原屋茂兵衛、譲受発行人・鈴木荘次郎、印刷人・三功舎 鈴木耕太郎
- ^ a b c d 『哲学 思想事典』岩波書店、1998年、pp.1485-1486 【法華経】
- ^ 苅谷定彦『法華経一仏乗の研究』1983
- ^ 『法華経の成立と思想』1993
- ^ 松下博宣第6講:語られ得ぬ法華経の来歴 | 日経クロステック(xTECH)
- ^ Lopez 2016, p. 7.
- ^ 法華経の成立 (広済寺ホームページ)
- ^ サンスクリット版縮訳, p. 421-422.
- ^ 宮本正尊 編『大乗仏教の成立史的研究』(昭和29年) 附録第一「大乗経典の成立年代」
- ^ 渡辺照宏『日本の仏教』岩波新書 青版、2002年6月12日、188頁。ISBN 978-4004121510。
- ^ 植木雅俊訳『梵漢和対照・現代語訳 法華経 (上)』岩波書店、pp.593-595
- ^ チベット仏教書籍のご紹介
- ^ 藤谷厚生, 「金光明経の教学史的展開について (PDF) 」『四天王寺国際仏教大学紀要』 平成16年度 大学院 第4号 人文社会学部 第39号 短期大学部 第47号, p.1-28(p14), NAID 110006337539
- ^ 法華経は佛教の生命「仏種」である。第2章 第2話 法華宗真門流
- ^ ミステリーな日蓮 #005〈唱題で、法華経の再興を目指す〉 | 論創社
- ^ 大南龍昇, 「大乗経典のゴーストライター」『印度學佛教學研究』 1991年 39巻 2号 p.524-529, 日本印度学仏教学会, doi:10.4259/ibk.39.524, NAID 110002661557。
- ^ 『法華経』成立の背景 | NHKテキストビュー
- ^ 柴田章延 2013, p. 32.
- ^ 「『法華経』─仏教研究の要」 M・I・ヴォロビヨヴァ = デシャトフスカヤ/江口満 訳 東洋哲学研究所(創価学会)
- ^ 柴田章延 2013, p. 34.
- ^ 「松原正剛の千夜千冊・梵漢和対照・現代語訳「法華経」岩波書店 2008[訳植木雅俊]」閲覧日2022年4月3日
- ^ 岩波新書『日本の仏教』岩波新書、p.178
- ^ 植木雅俊『今を生きるための仏教100話』平凡社新書、2019年、pp.237-238
- ^ 植木雅俊『今を生きるための仏教100話』平凡社新書、2019年、p.249
- ^ 坂本幸男・岩本裕訳注『法華経』岩波文庫(上中下)、1976年
- ^ 植木雅俊「絶妙だった鳩摩羅什訳―サンスクリット語から『法華経』『維摩経』を翻訳して―」(『創価教育』pp.27-61、2014年3月16日)
- ^ 橋爪大三郎・法華経はどこが、最高の経典なのか、橋爪大三郎・植木雅俊共著『ほんとうの法華経』紹介より(ちくま新書、2015年)
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