水尾 教育

水尾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/07 14:11 UTC 版)

教育

休校中の水尾小学校

1872年(明治5年)、上嵯峨村・天龍寺村・水尾村・原村・越畑村の5村が連合し、天龍寺旧招慶院に上嵯峨校を設置し、やがて嵯峨小学校となった[1]。水尾(念仏寺)と越畑には嵯峨小学校の分校が作られ、水尾の分校は1876年(明治9年)に独立して水尾尋常小学校となった[1][18]。1886年(明治19年)には小学校令が改正されて嵯峨尋常小学校の分校となり、1890年(明治23年)には村制が施行されて水尾村立水尾尋常小学校と改称した[18]。1930年(昭和5年)には高等科が設置され、1931年(昭和6年)には水尾が京都市右京区に編入されて京都市立水尾尋常小学校と改称された[18]。1941年(昭和16年)には京都市立水尾国民学校と改称され、1947年(昭和22年)には京都市立水尾小学校と改称された[18]。1953年(昭和28年)には校舎が焼失したが、1954年(昭和29年)には鉄筋2階建の新校舎が完成し、1961年(昭和36年)には防火水槽を兼ねたプールが完成した[18]。1976年(昭和51年)には創立100周年を迎えたが、児童数の減少によって2002年(平成14年)に休校となった。2001年度の児童数は2名だった。水尾小学校が休校となるまで、水尾小学校の卒業生は越畑にある宕陰中学校に通った。2010年(平成22年)時点で水尾の20歳以下人口はゼロである。

交通

鉄道の最寄駅は、秘境駅として知られるJR山陰本線保津峡駅である。保津峡駅は桂川の渓流保津峡のそばにあり、駅付近に人家はない。保津峡駅から4km離れた水尾まで徒歩約1時間[4]

保津峡駅と水尾の間では、水尾自治会が独自にバスを運行している[4]。一日5往復運行されているが、木曜・祝祭日・盆・年末年始は運休となる。運賃を支払えば住民でなくとも利用可能。白ナンバーの自家用バスを使用する。1966年(昭和41年)にバス事業の認可を得ない状態で運賃を徴収するバスとして運行を開始し、2003年3月に当時の道路運送法80条に基づき国土交通省の正式な認可を受け80条バスとなっている[19]

駅から水尾までは京都府道50号京都日吉美山線が通じており、京都府道50号をそのまま進むと宕陰地区(嵯峨越畑・嵯峨樒原)に至る。宕陰地区からは京阪京都交通バスが山陰本線八木駅までのバスを運行しているが、水尾と宕陰地区の間に公共交通機関は通じていない。

愛宕山登山道

水尾山稜参道が、水尾集落を起点とし水尾岐れを経由して愛宕神社・愛宕山まで続いている。

メディアでの登場

  • 木谷恭介『京都柚子の里殺人事件』(有楽出版社、2008年) - 水尾を舞台とした推理小説。
  • 『里とパティシエを繋いだ縁と人』(KBS京都、2008年12月21日放送) - 京都の人気洋菓子店「パティスリー・オ・グルニエ・ドール」のオーナーシェフである西原金蔵に密着し、水尾の柚子を素材に使った洋菓子を制作する過程を記録したドキュメンタリー番組。
  • 『柚子で故郷を守れ – 大都市の限界集落 京都・水尾』(テレビ大阪、2010年3月20日放送、2010年4月25日再放送) - 水尾出身の元パティシエが柚子の菓子で故郷の復興を目指すドキュメンタリー番組。

注釈

  1. ^ 1:25,000地形図「京都西北部」国土地理院(昭和54年第2回改測/平成17年更新/平成18年発行)による。
  2. ^ 本来は神事に用いるのが、仏事に用いるのがである。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 角川日本地名大辞典編纂委員会 (1982)、1335頁「みずお 水尾」「[古代]水尾」「[近世]水尾」「[近代]水尾」
  2. ^ a b c d e f g h i j 平凡社 (1981)、1064-1065頁「水尾村」
  3. ^ a b c 水尾小学校百周年記念行事実行委員会 (1976)、56頁
  4. ^ a b c d e f 水尾 京都市右京区
  5. ^ a b c d 平凡社 (1981)、1065頁「清和天皇陵」
  6. ^ 平凡社 (1981)、1065-1066頁「清和神社」
  7. ^ 平凡社 (1981)、1065頁「円覚寺」
  8. ^ a b c d 京都市右京区役所区民部まちづくり推進課 (2007)
  9. ^ a b c 水尾の柚子とは”. KBS京都. 2013年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月20日閲覧。
  10. ^ a b c 角川日本地名大辞典編纂委員会 (1982)、645-647頁「さが 嵯峨」「[近世]嵯峨村」「[近代]嵯峨村」「[近代]嵯峨町」
  11. ^ 里とパティシエを繋いだ縁と人”. KBS京都. 2013年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月20日閲覧。
  12. ^ 住民基本台帳人口 最新の統計表 京都市
  13. ^ 水尾小学校百周年記念行事実行委員会 (1976)、69頁
  14. ^ a b 右京区制70周年記念事業実行委員会 (2002)、36-37頁
  15. ^ a b 柚子の里とパティシエ”. KBS京都. 2013年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年9月20日閲覧。
  16. ^ a b 『おこしやす右京 – 人と自然と歴史が織りなすまち』おこしやす右京編集委員会、2002年、26頁
  17. ^ 水尾小学校百周年記念行事実行委員会 (1976)、71頁
  18. ^ a b c d e 水尾小学校百周年記念行事実行委員会 (1976)、7頁
  19. ^ 加藤博和『日本における住民主導による地域公共交通確保の取り組み』 (PDF) - 国土交通省『運輸と経済』第71巻第7号 2011年7月 99頁


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