水上原子力発電所 水上原子力発電所の概要

水上原子力発電所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/28 15:19 UTC 版)

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造船所: Sevmash
進水: 2007年4月15日
操業開始: 2010年 計画中
排水量: 21,500トン[1]
長さ: 144m[1]
舷側幅: 30m[1]
機関 改良型KLT-40S核動力炉(砕氷船型)x2基、70MW電力 または 300MW熱出力
計画コスト 3億3600万USドル[2]

これらはロシア連邦原子エネルギー局で建造が進められている自己完結、低容量の浮かぶ原子力発電所であり、原子力砕氷船セブモルプーチで用いられていたKLT-40の改良型であるKLT-40S核推進動力炉を2基そなえる施設となる。現在数隻の建造が計画されている。

この施設はまず造船所において大きな構造物を造り上げ、電力消費地である市や町、工場群地帯の近くの沿岸部まで曳航されてゆく。それぞれの船は最大70MWの電力または300MW分の熱エネルギーを供給し、これはほぼ20万人の人々が住む市への供給分に相当する。これは24万m3/日の脱塩化処理プラントに改造することが出来る。[1][3]

燃料

このプラントは3年ごとに核燃料の交換が必要となり、これは毎年20万メートルトンの石炭や10万トンの石油の消費削減に貢献することになる。この原子炉は40年の寿命が見込まれており、12年ごとに故郷である造船所へと曳き戻されて波止場につながれオーバーホールを受ける。核廃棄物は、造船所とロシアの核エネルギー産業による組織がすべての処理を行う予定である。これにより発電する場所での放射性物質の痕跡は一切残らないことになる。

安全

環境保護団体や核専門家達はこの浮かぶ発電所が、陸の発電所に比べて事故やテロに対してより脆弱ではないかと危惧している。彼らは、これまでのロシアとソビエト連邦時代の海軍での原子力潜水艦事故の歴史や、1986年のチェルノブイリでの事故を指摘している[4]。 製造業者達は、たとえクルスク爆発事故のように原子炉が沈んでも引き上げればその原子炉はおそらく再び使用できると説明した。

現時点ではどのような遮蔽構造が採られもしくはどのようなミサイル防御がその船に備えられているのかは判らないが、製造業者達はたとえ航空機が船に激突しても原子炉を破壊することは不可能であると信じている[5]

アカデミック・ロモノソフ

2007年4月15日に一号機のアカデミック・ロモノソフがセヴェロドヴィンスクのセブマアシュ造船所で建設が始まった。式典にはロシア第一首相のセルゲイ・イワノフロシア連邦原子エネルギー局局長のセルゲイ・キリエンコも出席した[6]

2010年6月30日に進水式が行われ、当初は2010年程度の完成が予定されていた[7]

2018年4月28日、建造が完了した[8][9]

2019年、北極海に面したチュクチ自治管区北部の都市ペヴェクへ回航し、現地で発電する計画が進行している[10]

今後の計画

これまでには2015年までに7隻を建造する予定があった[11]が、完成は遅れている。

いくつかは、タイミル半島ドゥディンカカムチャツカ半島ヴィリュチンスクチュクチ半島ペヴェクを含むロシアの北極圏で使われる予定であり、いくつかは輸出の計画がある[1]。ロシア連邦原子エネルギー局によれば15ヶ国がこの船の購入に興味を示している。[11]






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