欧州連合の政治
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外交
欧州連合の外交は共通外交・安全保障政策を基調としており、また欧州委員会による経済・通商協議を通じて実行される。欧州連合の外交の最高責任者は外務・安全保障政策上級代表である。
問題点
2007年から2013年の欧州連合の財政見通しが2005年に定められ、加盟国は欧州連合の予算の規模を域内総生産の 1.045% に固定することで合意した[16]。イギリスの首相トニー・ブレアは、1984年にマーガレット・サッチャーがとり決めた対英払戻措置の見直しに同意した。フランス大統領ジャック・シラクは予算規模の増大によって、欧州連合の予算から農業や研究・技術開発といった共通の政策に資金を出すことができるものだとした。このときフランスが求めていた、外食産業における付加価値税の減税要求は却下されている[17]。財政に関する協議では、対英払戻措置、フランスが受けている共通農業政策からの利益、ドイツやオランダの欧州連合の予算への負担、欧州地域開発基金改革や、欧州議会がブリュッセルとストラスブールの2か所に拠点を置き続けていることへの是非が争点となった。
欧州のための憲法を制定する条約は欧州連合の憲法を制定することが企図された条約であった。ところがこの条約はフランスとオランダで実施された国民投票で否決され[18]、この結果はほかの国でも実施される予定だった国民投票や批准手続の延期や中止につながった。欧州のための憲法を制定する条約に替わって「改革条約」と位置づけられるリスボン条約が署名され、すべての加盟国による批准が完了したことを受けて2009年12月1日に発効した。
欧州連合への新規加盟は主要な政治課題となっており、欧州連合をどこまで拡大させるかということが議論となっている。拡大は欧州連合の発展を助ける大きな政策手段とする考え方があるいっぽうで、欧州連合の過剰拡大と希薄化を懸念する考え方もある[19][20]。
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- ^ “MEPs Advanced Search” [欧州議会議員 (MEP) 詳細検索] (英語). 欧州議会. 2020年6月9日閲覧。 “閲覧時点 (2020年6月) でPolitical groups (政党) の絞り込み検索選択肢として、Group of the European People's Party (Christian Democrats): 欧州人民党グループ (EPP)、Group of the Progressive Alliance of Socialists and Democrats in the European Parliament: 社会民主進歩同盟 (S&D)、Renew Europe Group: 欧州刷新 (旧ALDE)、Group of the Greens/European Free Alliance: 欧州緑グループ・欧州自由連盟 (Greens-EFA)、Identity and Democracy Group: アイデンティティ・民主 (ID)、European Conservatives and Reformists Group: 欧州保守改革グループ (ECR)、Confederal Group of the European United Left - Nordic Green Left: 欧州統一左派・北方緑の左派同盟 (GUE-NGL)、Non-attached Members: 無所属が挙げられている。”
- ^ “Financial Perspective 2007?2013” (PDF) (英語). Council of the European Union (2005年12月17日). 2010年3月28日閲覧。
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- ^ “Q&A: EU enlargement” (英語). BBC NEWS (2007年1月1日). 2010年3月28日閲覧。
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