機動戦士ガンダムUC
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テレビシリーズ
2016年4月3日から9月11日まで、タイトルを『機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096[注 1]』(RE:0096はリ:ダブルオーナインティシックスと読む[153])と題して、メ〜テレ・テレビ朝日系列、サンライズ・メ〜テレ制作で、毎週日曜7:00 - 7:30(JST)の地上波全国ネットのテレビシリーズアニメとして、2クール・全22話が放送された[121][154]。宇宙世紀が舞台のガンダム作品がテレビシリーズとして全国ネット放送されるのは『機動戦士Vガンダム』以来約22年ぶり[154][155]、テレビ朝日系列におけるガンダムシリーズの放送は『機動新世紀ガンダムX』以来約20年ぶり[155]、そしてメ〜テレ制作によるガンダムシリーズとしては『機動戦士ガンダムΖΖ』以来30年ぶりになる。
キャッチコピーは「君の中の
放送内容は、オリジナルビデオアニメ(OVA)版の既存映像をテレビ放映用のフォーマットに再編集したものとなる[156]。また、池田秀一がナレーションを務める次回予告と第2話以降のアバンタイトルのパートと、新規映像を含めたオープニングとエンディングのパートが追加され、2クール分のテレビシリーズアニメとして再構成された[121]。OVA版からテレビフォーマットへの分割に当たり、各話のタイトルは福井により改めて考案されている[157]。基本的に、本編に関してはOVA版からの変更はない[158]が、作画や演出が修正されているカットが一部ある[159][160][注 28]。
本放送の際には字幕放送を実施しており、主人公のバナージは黄色、ヒロインのオードリー(ミネバ)は水色、その他の人物は白色で表示された。またテレビ朝日系列のアニメ・特撮番組の通例として、同放送局の他のアニメ・特撮番組へのブリッジ予告用のナレーションが池田秀一によって新規に収録された他、データ放送に対応し、当選した視聴者には「ラプラスの箱」と称した関連グッズの詰め合わせセットなどがプレゼントされるキャンペーンも実施された。
オープニング曲とエンディング曲は、OVA版でも音楽を手掛けた作曲家の澤野弘之によるボーカルプロジェクト「SawanoHiroyuki[nZk]」が担当する。テレビシリーズの表題曲として書き下ろされたオープニングテーマ「Into the Sky」のボーカルは、2015年に実施されたオーディションで選出されたTielleが務める。2つのエンディングテーマのボーカルは、1stエンディングテーマ「Next 2 U -eUC-」をシンガーソングライターのななみ(本曲では「naNami」名義)が、2ndエンディングテーマ「bL∞dy f8 -eUC-」をOVA版にも参加していたAimerが務める[161]。オープニング・エンディングパートの映像は、第18話の特殊オープニングと第22話の特殊エンディング含め旭プロダクションが制作に協力している[159]。また、このオープニング・エンディングパートのためにユニコーンガンダムの新規マーキングがカトキハジメによりデザインされ[158]、この新規マーキングのデカールシールを同梱したプラモデル「HGUC 1/144 フルアーマー・ユニコーンガンダム(デストロイモード / レッドカラーVer.)」がテレビシリーズ化を記念して発売された。
メ〜テレのコンテンツ局長である福嶋更一郎によると、OVA版のepisode 1が完成した時点で「テレビ放送するなら、ぜひメ〜テレ発局で」と制作側にオファーを送っており、そのepisode 1完成披露試写会で福井と対面し、福井からも「子供たちにも見てもらいたいので、テレビ放送をぜひ実現させてほしい」と語られたと言う。また、放送局の役割は通常のテレビシリーズアニメの制作進行と特に変わった所はないと語っている。テレビ放送に当たっては「毎週、初見の視聴者が存在する可能性を考えて、構成を工夫してほしい」との要望や、テレビシリーズオリジナルのオープニング・エンディングパートの追加を提案している[162]。
元々、海外での展開に備えて、OVAシリーズをテレビフォーマットに再構成する案自体は存在しており、当初はOVAシリーズの全7章に、最終章のプロローグと宇宙世紀シリーズの過去作のダイジェストを兼ねた『episode EX「百年の孤独」』を含めて、全24話での構成を予定していた。後に、実際に国内でのテレビシリーズ化が決定した放送時間枠が、放送期間中に全米オープンゴルフ中継で2回の休止を挟むことが判明したため、本編全7章のみを用いた全22話に改められた[159]。
主題歌(テレビシリーズ)
- オープニングテーマ
- エンディングテーマ
-
- 「Next 2 U -eUC-」(第1話 - 第8話、第10話 - 第12話)
- 作詞 - 澤野弘之、cAnON. / 作曲・編曲 - 澤野弘之 / 歌 - SawanoHiroyuki[nZk]:naNami
- 「merry-go-round」(第9話)
- 作詞 - 堂珍嘉邦、川畑要 / 作曲・編曲 - UTA / 歌 - CHEMISTRY
- 「bL∞dy f8 -eUC-」(第13話 - 第21話)
- 作詞 - cAnON. / 作曲・編曲 - 澤野弘之 / 歌 - SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
- 「StarRingChild」(第22話)
- 作詞・作曲・編曲 - Hiroyuki Sawano / 歌 - Aimer
劇中楽曲(テレビシリーズ)
- 挿入歌
-
- 「LICHT MEER」(第6話)
- 作詞 - Rie / 作曲・編曲 - 澤野弘之 / 歌 - 井上優弥子
- 「EGO」(第8話)
- 作詞 - mpi / 作曲・編曲 - 澤野弘之 / 歌 - 小林未郁
- 挿入曲
-
- 「A LETTER」(第2話、第7話)
- 作詞 - mpi / 作曲・編曲 - 澤野弘之
- 「ビギニング」(第21話)
- 作詞 - 井荻麟 / 作曲 - 井上大輔 / 編曲 - 澤野弘之
- 「流星のナミダ」(第22話)
- 作詞 - 田中秀典、中山豪次郎 / 作曲 - 中山豪次郎 / 編曲 - 澤野弘之
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 総作画監督 | 作画監督 | 放送日 | OVA版該当章 | |
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キャラクター | メカ | |||||||
第1話 | 96年目の |
古橋一浩 | 古橋一浩 佐藤照雄 |
高橋久美子 玄馬宣彦 |
高橋久美子 | 玄馬宣彦 | 2016年 4月3日 |
episode 1 |
第2話 | 最初の血 | 4月10日 | ||||||
第3話 | それはガンダムと呼ばれた | 4月17日 | episode 1〜2 | |||||
第4話 | フル・フロンタル追撃 | 村田和也 古橋一浩 |
村田和也 | 千羽由利子 | 中田栄治 | 4月24日 | episode 2 | |
第5話 | 激突・赤い彗星 | 5月1日 | ||||||
第6話 | その仮面の下に | 5月8日 | episode 2〜3 | |||||
第7話 | パラオ攻略戦 | 古橋一浩 村田和也 玄馬宣彦 |
佐藤照雄 遠藤広隆 |
菱沼義仁 茂木信二郎 小林理 藤澤俊幸 堀内博之 |
仲盛文 高瀬健一 中谷誠一 金世俊 |
5月15日 | episode 3 | |
第8話 | ラプラス、始まりの地 | 5月22日 | ||||||
第9話 | リトリビューション | 5月29日 | ||||||
第10話 | 灼熱の大地から | 古橋一浩 玄馬宣彦 |
菱田正和 綿田慎也 京極尚彦 |
茂木信二郎 堀内博之 濱田邦彦 藤澤俊幸 |
中谷誠一 仲盛文 城前龍治 津野田勝敏 |
6月5日 | episode 4 | |
第11話 | トリントン攻防 | 6月12日 | ||||||
第12話 | 個人の戦争 | 6月26日 | ||||||
第13話 | 戦士、バナージ・リンクス | 村瀬修功 古橋一浩 |
佐藤照雄 | 高橋久美子 玄馬宣彦 茂木信二郎 |
赤堀重雄 堀内博之 辻繁人 柴田淳 飯島弘也 富岡隆司 藤澤俊幸 杉本幸子 |
中谷誠一 仲盛文 城前龍治 津野田勝敏 |
7月3日 | episode 5 |
第14話 | 死闘、二機のユニコーン | 7月17日 | ||||||
第15話 | 7月24日 | episode 5〜6 | ||||||
第16話 | サイド共栄圏 | 松尾衡 古橋一浩 |
初見浩一 | 高橋久美子 玄馬宣彦 |
高橋久美子 寺岡巌 柴田淳 茂木信二郎 濱田邦彦 |
玄馬宣彦 中谷誠一 仲盛文 城前龍治 |
7月31日 | episode 6 |
第17話 | 奪還! ネェル・アーガマ | 8月7日 | ||||||
第18話 | 宿命の戦い | 古橋一浩 村瀬修功 玄馬宣彦 |
佐藤照雄 初見浩一 |
恩田尚之 寺岡巌 菱沼義仁 茂木信二郎 柴田淳 |
中谷誠一 仲盛文 高谷浩利 津野田勝敏 城前龍治 |
8月14日 | episode 6〜7 | |
第19話 | 再び光る宇宙 | 8月21日 | episode 7 | |||||
第20話 | ラプラスの箱 | 8月28日 | ||||||
第21話 | この世の果てへ | 9月4日 | ||||||
第22話 | 帰還 | 9月11日 |
- 2016年6月19日は「第116回全米オープンゴルフ第3日目」中継のため休止。
- 2016年7月10日は「第71回全米女子オープンゴルフ第3日目」中継のため休止。
放送
番組開始となる第1〜3話、第2クール目の開始となる第13〜15話、最終話の第22話では本放送時限定で副音声放送を実施。MCは濱口優(よゐこ)。出演は、福井晴敏(著者)、小形尚弘(プロデューサー)、浪川大輔(リディ・マーセナス役)[163][164]。第22話では浪川に代わって内山昂輝(バナージ・リンクス役)が参加した[165]。
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [167] | 備考 |
---|---|---|---|---|
2016年4月3日 - 9月11日 | 日曜 7:00 - 7:30 | メ〜テレ(製作局)ほかテレビ朝日系列24局 | 日本国内[注 29] | 字幕放送 / 連動データ放送 |
タイアップ(テレビシリーズ)
2016年6月17日に、同年7月9日公開のアメリカ映画『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』とのコラボレーションポスターが制作され、福井もコメントを寄せている[168]。また、バナージとフロンタルがワイプなどで登場し、映画の内容に対してのコメントを述べるコマーシャルも放映された。
メ〜テレ制作・テレビ朝日系列 日曜7:00 - 7:30 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
ブレイブビーツ
(2015年10月11日 - 2016年3月27日) |
機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096
(2016年4月3日 - 9月11日) |
ヘボット!
(2016年9月18日 - 2017年9月24日) |
- ^ a b c d テレビシリーズ版のオフィシャル表記は全角カタカナ表記の「ユニコーン」になっている(EPGでも同様の表記)。
- ^ Vol.3からVol.5は『月刊ニュータイプ』の増刊号として発売。
- ^ 角川文庫版の方が設定されている発売日の関係上、1週間ほど早く店頭に並んだ。
- ^ カバー表紙面および背表紙、扉の書名の下には、小さい文字で『機動戦士ガンダムUC ○○』と明記されている(○○には巻数が入る)。また、カバー表紙面でもデザイン処理によって目立たない形ではあるが『MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN』の文字が入り、『機動戦士ガンダムUC-○○』(○○は巻数表記)の文字も帯に隠れる形で配されている。
- ^ 「獅子の帰還」に関連する日付は、ドラマCDのチャプター・タイトルによる[21]
- ^ 脚本では「バナージらしきパイロットスーツの人影」と表現されるが、単に「バナージ」と表記している箇所もあり、リディもバナージであると認識している。
- ^ 小説版ではバンクロフトの生死は言及がないものの、該当場面の爆発は核爆発と表現されており[23]マリーダが「よりにもよって」と不運を嘆くが、それでも反応炉炉心保護のためのIフィールドによって、放射線が漏れることだけは防がれたという描写となっている[23]。アニメ版では爆光が他と描き分けられているのみで、特に言及はない。
- ^ 原作小説では、物語序盤でビスト財団の館に飾られた「まっすぐな瞳」を向ける羊飼いを描いた油絵を見たオードリー(ミネバ)が、バナージと少し面影が似ているという印象を受ける描写があり[35]、油絵に描かれた羊飼いがサイアム自身であるとは明言されないものの、サイアムは過去に羊飼いであったと言及されている[32]。また物語の終盤、サイアムから見せられた映像に登場するラプラス事件当時の彼に対し、バナージがその横顔を「自分とよく似た」と形容する場面がある[36]。アニメ版でもサイアムの過去(ラプラス事件前後)の姿はバナージと似た容姿で描かれている。
- ^ 名前は不明。カーディアスとマーサの実父であり、アルベルトとバナージの祖父。サイアムの跡目候補筆頭であり、生真面目な男であったとされる。連邦政府の議員や官僚に焚き付けられ、クーデターまがいの財団の乗っ取りを計画していた。
- ^ 名前については、小説版4巻でのマーサとアルベルトとの会話中にのみ登場。
- ^ 小説版9巻において、マーサの思考の中に肩書きと名前のみ登場。父方か母方かは語られない。
- ^ フル・フロンタルの声がシャア・アズナブルと酷似しているという原作小説での設定から、アニメ版ではシャアの担当声優である池田秀一がフロンタル役に起用された。
- ^ アニメではストーリーを担当した福井は、フロンタルに宿っていた残留思念についてシャアの「納得できずにそのまま滞留した“怨念”のような一部分」で、シャアそのものではなく、アニメ版でのフロンタルの最期にシャア本人の魂が現れたのは「“落とし物”を回収しに来た」と述べている。
- ^ 実際にタイムトラベルした訳ではなく、“宇宙の記憶”を精神的イメージとしてフラッシュして垣間見たとの事。
- ^ シャアがジンネマンを選んだ理由と、当時ジンネマンがシャアの周辺にいた理由は描写されていない。
- ^ 『機動戦士ガンダムUC パーフェクトガイド』97頁より。小説版では「ヤス」とのみ記載。名前の由来は漫画家の徳光康之から。
- ^ どちらも『ガンダムユニコーンエース Vol.3』に掲載された。
- ^ 『ガンダムユニコーンエース Vol.3』までは『E.F.S.F. 星月の欠片』表記。
- ^ オアシスのブリッジでは中央情報局やエコーズも絡んだきな臭さも感じる状況に、ネェル・アーガマ行く末を憂慮する会話がされていた。
- ^ スタッフロールでは役名は表記されずノンクレジット扱い。だが、テレビシリーズ『RE:0096』本放送の際の字幕放送では、台詞に三者の役名が表記されており、また各所インタビューの際にも演者三人や制作者らが、上記三人のキャラクター名を挙げている。
- ^ 同年6月7日付の週間ランキングで、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE.』が35.7万枚で、アニメ・BD総合の最高記録を更新。
- ^ 同一アニメ作品のダブル1位獲得は『コードギアス 反逆のルルーシュ R2 volume01』(2008/9/1付)、『サマーウォーズ』(2010/3/15付)に続く3作目。
- ^ 上映期間中の2011年3月11日に東日本大震災が発生し、それに伴う計画停電により、一部劇場では3月10日までの上映となった。
- ^ 配信、劇場での公開日。
- ^ Blu-ray / DVDの発売日。
- ^ メ〜テレは3週連続放送ではなかったため、「地上波初!『機動戦士ガンダムUC』完結記念スペシャル」と題して放送した。
- ^ DVDではドルビーデジタルの5.1チャンネルサラウンドである。
- ^ 第1話で例を挙げると、ユニコーン初搭乗時のバナージの掌の作画の修正、工専講義中のカメラの回転方向が左回転から右回転へ変更、などがある。
- ^ ANNフルネット局が存在しない山梨県・富山県・福井県・鳥取県・島根県・徳島県・高知県・佐賀県・宮崎県を除く。
- ^ プラモデル「MGユニコーンガンダム専用ビーム・ガトリングガン2丁セット」が付属する。
- ^ プラモデル「MGシナンジュ専用バズーカ」が付属する。
- ^ プラモデル「MGユニコーンガンダム専用シールド増加ユニット【アームド・アーマーDE】」が付属する。
- ^ プラモデル「MG フルアーマー・ユニコーンガンダム専用シールド増加ユニット【アームド・アーマーDE(発動仕様)】」が付属する。
- ^ プラモデル「HGUC ガンダムユニコーン2号機バンシィ・ノルン(デストロイ・モード)専用【ハイパー・ビーム・ジャベリン】」が付属する。
固有名詞の分類
OVA |
トムとジェリーのくるみ割り人形 イソップ寓話 機動戦士ガンダムUC Phantom -PHANTOM THE ANIMATION- SHADOW SKILL |
アニメ作品 き |
逆転イッパツマン キム・ポッシブル 機動戦士ガンダムUC キャンディ・キャンディ きらりん☆レボリューション |
日本の小説 |
次郎物語 ふれ愛 機動戦士ガンダムUC 予定日はジミー・ペイジ マリアビートル |
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