機動戦士ガンダムSEED HDリマスタープロジェクト

機動戦士ガンダムSEED

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 08:56 UTC 版)

HDリマスタープロジェクト

機動戦士ガンダムSEED HDリマスター
ジャンル ロボットアニメ
アニメ
原作 矢立肇富野由悠季
監督 福田己津央
シリーズ構成 両澤千晶
キャラクターデザイン 平井久司
メカニックデザイン 大河原邦男山根公利
音楽 佐橋俊彦
アニメーション制作 サンライズ
製作 サンライズ
放送局 放送局参照
放送期間 2012年1月 - 11月
話数 全48話
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

2002年10月5日の番組放送から10周年を数えた2011年10月に発表され始まった、続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』も含めたリマスタリングを中心とするリバイバル企画の総称。

正式タイトルは『機動戦士ガンダムSEED HDリマスター』となっており、TVシリーズ(以下、この節では「本放送版」と表記)とはあくまでも別作品扱いとなっている。また、製作クレジットは「サンライズ」のみで著作権表示は「©創通・サンライズ」「©2002,2011 SUNRISE INC.」となっている。

SD素材の再撮影またはアップコンバートといった本来のHDリマスターとは異なり、画面アスペクト比を4:3ノーマル・サイズの原画から上下部分をカットした16:9ワイド・サイズでの高精細度=High Definition(ハイデフィニション)化とリニアPCM音源化などを施して新撮され、一部音楽のリミックス版採用や後半のエンディングの差し替え、新作カットとの差し替え・部分的加筆、各エフェクト・背景などの処理変更、本放送版・VHS&DVD版(以下「原典」)およびスペシャルエディション3部作、そして『DESTINY』とのセル画の統合・再編集といった大幅な変更がされている。原典の第14話・第26話は未放送となり、「01.PHASE-01 偽りの平和」(略)「14.PHASE-15+ それぞれの孤独」「15.PHASE-16 燃える砂塵」(略)「24.PHASE-25 平和の国へ」「25.PHASE-27 果てなき輪舞」(略)「48.FINAL-PHASE 終わらない明日へ」などの話数表記に改定され、第24話(旧25話)を「平和の国」と改題した全48話構成となった[注 4]

ストーリー構成は本放送版に沿っているが、「14.PHASE-15+ それぞれの孤独」で第1話・第2話を回想しているシーンでは、第1部「虚空の戦場」でのコールドオープン(ラスティの出撃シーン)やメビウスゼロとシグーの交戦シーン(リニアガン斬りをしない決着描写)を、「38.PHASE-40 暁の宇宙へ」のエンディング映像には、第2部「遥かなる暁」のものを採用したりしている。また、「36.PHASE-38 決意の砲火」からムウが搭乗するようになったストライクが前編新規カットによるマルチプルアサルトストライカーを装備したパーフェクトストライクへと改定されたり、シホ・ハーネンフースが「39.PHASE-41 ゆれる世界」におけるカーペンタリア基地でのクルーゼ隊談話シーンに新規カットで追加されており、初登場のタイミングが変更されたりもしている。

一方、続編の『DESTINY』への繋がりを意識した伏線も追加されており、「36.PHASE-38 決意の砲火」には『DESTINY』第1話におけるコールドオープンでのへ走るシン・アスカと家族の1カットが挿入され、「39.PHASE-41 ゆれる世界」にはパトリックの演説中継シーンにアカデミー入学直後と思しきシン、ルナマリア・ホークメイリン・ホークの姉妹、レイ・ザ・バレルが一堂に会している新規カットが加えられるなどしている。細かい所ではオーブ解放作戦での対空砲補給艦のカットや、フリーダムのクスィフィアス レール砲の射撃シーンが追加・差し替えなどで流用されている。

2011年12月23日から公式ウェブサイト(バンダイチャンネル)・バンダイナムコライブTVなどのインターネット動画で先行配信され、次いで年明け2012年1月1日にBS11で衛星放送、翌々日の3日にTOKYO MXで地上波放送がスタートし、最終話後からは「HDリマスターセレクション」と題し視聴者人気投票などで上位を獲得したエピソードのスポット再放送が行われた。

商業展開では、バンダイのプラモデル 1/144スケール HG SEED HGシリーズのリニューアルおよび新規キットの発売、ビクターから発売された主題歌・挿入歌をリメイクした「Reunion Series」のCD・ダウンロード販売、コミカライズ版の連載などが行われている。

スタッフも「リマスター・スタッフ」としてエンディングクレジットに別記されており、「HDリマスタリング」など原典では存在しなかった役職もある。

HDリマスター版の展開以降、現在はCS放送やインターネットの動画配信サイト・ローカル局での放送[注 14] でもこちらの素材が標準となっており、本放送版の視聴手段が少なくなっている。

リマスター版映像ソフト

映像ソフトはBlu-ray BOXシリーズとして全4巻でリリース。

本放送版との違いとしては、第1期オープニングがPHASE-03から描き直された後期バージョンでの統一化、監督の福田己津央や主要キャラクターの声優陣によるオーディオコメンタリー、「AFTER-PHASE 星のはざまで」[注 8]の収録などが挙げられる。DVD版に比べ廉価的な要素はなく、新作アニメ4クールとほぼ変わらないフルプライスであった。


注釈

  1. ^ 公開メディア別に最優秀賞を決定した年(2003・2014年)を除けばテレビアニメでは唯一の受賞。
  2. ^ HDリマスターでは「MBS」表記。
  3. ^ HDリマスターでは非表示。
  4. ^ a b 公式ウェブサイトのINFORMATION 「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター 各話リスト」 では 「頭に0を置かないアラビア数字と半ないし全角スペース」(1 PHASE-01、10 PHASE-10、48 PHASE-50など)、同サイトのBlu-ray BOX情報やバンダイチャンネルの 「各話あらすじ」 などでは 「頭に0を置くアラビア数字と半角の終止符+一部英語」(01.PHASE-01、48.FINAL-PHASE)という文体で表記されている。なお、本編内では話数表記は廃止されており単なるサブタイトル表記のみとなっている。
  5. ^ TOKYO MXのもの。
  6. ^ a b HDリマスターでは未放送。
  7. ^ HDリマスターでは「平和の国へ」。
  8. ^ a b バンダイチャンネルなどのインターネット無料ライブ配信の最終話(2012年11月23日分)と、Blu-ray BOX最終巻に収録された編集版。イザーク・ジュールの衣装がプラント文官議員のものからザフトの指揮官級(『DESTINY』における白服)に変わっている、などの変更点がある。
  9. ^ DVD第13巻映像特典OVA[24]
  10. ^ 本枠で放送されていた『ワガママ大百科』が遅れネットに降格してから9年半ぶりに同時ネット復帰となった。
  11. ^ 自社制作の『天才クイズ』を放送していた関係から、他の遅れネット局よりさらに30分早い17:00 - 17:30での放送。このパターンは『料理天国』を放送していた頃から踏襲されていた。
  12. ^ 有料の「月額1,000円見放題」サービス加入者に限り正午12:00 - 12:30間に先行配信を視聴できた。
  13. ^ a b c 劇中におけるタイトルロゴでの表記。完結編も劇中では「機動戦士ガンダムSEED -鳴動の宇宙-」と表記されている。
  14. ^ 2021年時点ではテレビ愛知チバテレビでの放送実績がある。
  15. ^ スーパーロボット大戦シリーズデビュー作品。
  16. ^ 没データにより、登場作品には含まれていない(機体はストライクガンダムイージスガンダムのみ)。
  17. ^ ストライクガンダムイージスガンダムのみ登場。
  18. ^ 同ハードの『機動戦士ガンダムSEED』も発売予定をされていたが後に発売中止となった。E3 2004で映像出展をされた。
  19. ^ a b 機体のみ登場。

出典

  1. ^ 機動戦士ガンダムSEED”. 作品紹介. サンライズ. 2021年8月18日閲覧。
  2. ^ スペシャルインタビュー 福田己津央が語るガンダムSEED - ウェイバックマシン(2007年7月3日アーカイブ分)
  3. ^ a b c d 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM:第3弾PVにMS続々 ライジングフリーダム、イモータルジャスティス 新勢力? 謎の編隊も”. まんたんウェブ (2023年10月5日). 2023年10月11日閲覧。
  4. ^ a b c d 歴代ガンダムで最も「アンチ」多かった? 新世紀のスタンダード目指した『SEED』誕生から20年”. マグミクス (2022年10月5日). 2024年1月30日閲覧。
  5. ^ 『ロマンアルバム 機動戦士ガンダムSEED ストライク編』 、スタッフインタビュー。
  6. ^ 月刊ニュータイプ』2002年9月号、角川書店、18-19頁。 
  7. ^ 『週刊ダイヤモンド』2012年5月12日号、ダイヤモンド社[要ページ番号] 
  8. ^ 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED』 2巻、矢立肇富野由悠季(原作)、角川書店〈角川スニーカー文庫〉、2003年、[要ページ番号]頁。ISBN 4-04-429102-0 
  9. ^ 発表!全ガンダム大投票 40th 投票結果発表!”. NHK (2018年5月5日). 2023年9月25日閲覧。
  10. ^ 福田監督インタビュー”. 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 公式. 2021年8月18日閲覧。
  11. ^ 『機動戦士ガンダムSEED 20周年記念オフィシャルブック』株式会社バンダイナムコフィルムワークス、2023年4月、117頁。 
  12. ^ a b c 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル メカ編vol.1』講談社、2003年2月、24頁。ISBN 4-06-334678-1 
  13. ^ a b メカニック&ワールド 2012, pp. 263–269.
  14. ^ 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル キャラ編vol.4』講談社、2003年11月、28-29頁。ISBN 4-06-334807-5 
  15. ^ 『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY Re:Master Edition 5』KADOKAWA、2013年7月、163頁。ISBN 978-4-04-120791-8 
  16. ^ a b c メカニック&ワールド 2012, pp. 276–277.
  17. ^ 『グレートメカニックG 2019 SPRING』双葉社、2019年3月、84-85頁。ISBN 978-4-575-46514-3 
  18. ^ 『機動戦士ガンダムSEED RGB ILUSTRATIONS』角川書店、2004年8月、59,61頁。ISBN 4-04-853763-6 
  19. ^ メカニック&ワールド 2012, pp. 282–289.
  20. ^ 『ロマンアルバム 機動戦士ガンダムSEED ストライク編』徳間書店、2003年7月、105頁。ISBN 4-19-720226-1 
  21. ^ 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル ドラマ編Vol.01』講談社、2003年7月、39頁。ISBN 978-4-06-334747-0 
  22. ^ 『機動戦士ガンダムSEED 20周年記念オフィシャルブック』株式会社バンダイナムコフィルムワークス、2023年4月、121頁。 
  23. ^ 『メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人』光文社光文社新書〉、2015年8月、174頁。ISBN 978-4-334-03874-8 
  24. ^ バンダイビジュアル公式サイト”. バンダイビジュアル. 2016年10月8日閲覧。
  25. ^ TBS 春の番組改編 「土6」枠移動「日5」へ」『アニメ!アニメ!』、2008年2月6日。2021年8月18日閲覧。
  26. ^ 土6アニメ、「地球(テラ)へ…」がTV放送後に無料BB配信」『AV Watch』、2007年4月5日。2021年8月18日閲覧。
  27. ^ 「ガンダム 40周年プロジェクト」本格的に始動!シネマ・コンサート他、各種イベントを展開! 2019年4月7日 機動戦士ガンダム40周年プロジェクト
  28. ^ 「ガンダム映像新体験TOUR」TCXで実施決定!DOLBY CINEMAでの上映日も公開!”. 機動戦士ガンダム40周年プロジェクト (2019年11月14日). 2021年8月18日閲覧。
  29. ^ 『機動戦士ガンダムSEED』新プロジェクト始動。テレビシリーズの続編となる映画を福田己津央監督のもとで制作中、新作ゲームも開発決定!」『ファミ通.com』、2021年5月28日。2021年5月29日閲覧。
  30. ^ “映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』2024年1月26日に公開決定。シリーズ最新作、完全新作ストーリー”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage). (2023年7月2日). https://www.famitsu.com/news/202307/02308288.html 2023年7月2日閲覧。 
  31. ^ “劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」2024年1月26日に公開!第1弾PV&ティザービジュアルが公開に”. ORICON NEWS. (2023年7月2日). https://www.oricon.co.jp/article/2270736/ 2023年7月3日閲覧。 
  32. ^ “「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」来年1月に公開、第1弾PVが解禁”. 映画ナタリー. (2023年7月2日). https://natalie.mu/eiga/news/531207 2023年7月3日閲覧。 
  33. ^ Pフィーバー機動戦士ガンダムSEED機種情報”. 777パチガブ (2023年8月7日). 2023年8月7日閲覧。
  34. ^ 『機動戦士ガンダムSEED 公式ガイドブック 運命の再会』角川書店、2003年2月、87頁。ISBN 978-4-04-853596-0 
  35. ^ 『電撃ホビーマガジン』2003年11月号、メディアワークス、60頁。
  36. ^ 放送局への回答要請/青少年委員会/BPO(2015年5月13日閲覧、オリジナルアーカイブ






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