機動戦士ガンダムSEED 作品のテーマ

機動戦士ガンダムSEED

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/05 07:45 UTC 版)

作品のテーマ

監督の福田が公式サイトのインタビューにおいて2004年9月25日付で語るところによれば、『ガンダムSEED』シリーズ第1作は、「キラとアスランを主人公に据えて『非戦』というテーマを描いた」とのことである[8]。また、同年12月10日に同インタビューで、2作目『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』についてエグゼクティブプロデューサーの竹田青滋も、「前作から引き続き非戦ということを訴え続けるつもりである」と述べている。

加えて竹田は、「再選を果たしたアメリカのブッシュ大統領ファルージャでの掃討作戦を展開し、ますます混迷を深めるイラク情勢」についても述べ、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』を観ることで「視聴者が世界情勢を少しでも自分の身にひきつけて考えてもらえるようになれば」とも語っていた。

製作エピソード

2002年に放送開始した「機動戦士ガンダムSEED」(以下、SEED)であるが、企画は2000年の10月には既に存在したという[9]。監督である福田己津央はインタビューにおいて、従来のガンダムシリーズからよりターゲット年齢層を下げた作品を意識したと語っている[9]。また、ウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズが時代ごとにその都度に合わせた作品作りをしていたことや、ガンダムシリーズそのものが既に「機動武闘伝Gガンダム」のように新機軸の作品が存在した事から、機動戦士ガンダムとの共通項を持ちつつも時代に合わせた作品を作る方針になったという[9]。また、福田は後年のインタビューにおいては9.11テロの影響を受け、米軍の中で戦うイスラム兵士というコンセプトからSEEDの主人公像を形成したと語っている[10]。登場するメカニックが電力駆動するという設定は福田がかつて監督を務めた「GEAR戦士電童」の影響があり、ガンダムという機体の扱いに関しては、搭乗するキャラクターの象徴としての側面を重視したという[10]。また、福田は製作にあたっては自身が以前に監督を務めていた作品である「GEAR戦士電童」から継続したスタッフで固めていた事と、当時サンライズの社長であった吉井孝幸とMBSのプロデューサーである竹田青滋が環境作りに尽力し、「SEED」のヒットを支えたと語っている[11]

また、「SEED」放送当時にバンダイにてプラモデル担当として携わった狩野義弘はインタビューに際し、メカニック展開において5体編成のガンダムが登場した点に関しては『新機動戦記ガンダムW』の影響によるものだと語っている[12]

一方で、設定を担当した森田繁はインタビューに際し、直前に放送していた「∀ガンダム」が商業的に不振に終わった事から、より商業的な成功を重視するよう各方面からの圧力がかけられていたと語っている[13]。また、製作当時ガンダムのホビー人口におけるファン年齢層が上がっていた事を受け、「SEED」では小中学生への訴求を重視するようオーダーがあったという[13]。尚、「SEED」ではコーディネイターとナチュラルという遺伝子による対立構図が描かれたが、この発案はプロデューサーの竹田青滋だという[13]。また、森田は∀ガンダムの製作途中に「SEED」の企画に参加し、「∀ガンダム」がSFとしての色合いから裏設定が増えたのに対し、「SEED」では監督である福田からは映像での描写に説明付ける設定制作を依頼されていたと語っている。また、アフレコの現場で設定面の監修も行っていた事から、自らの所有する脚本に加筆しながらガヤに専門用語を入れていたとしている[14]

設定製作を担当した下村敬治はコラムにおいて、当初は「ガンダムSAGA」というタイトル案も存在したとしている。また、打ち合わせの際には『海底軍艦』や平成『仮面ライダーシリーズ』といった特撮作品や、『機甲戦記ドラグナー』の話題が度々みられたという[15]

世界観設定を担当した吉野弘幸はインタビューに際し、『SEED』は複数あったガンダム次回作の企画書から福田たちが提出したものが採用された。シナリオの製作においては大河ドラマや少女漫画の影響が存在したと語っている[16]

プロデューサーを務めた古澤文邦はインタビューに際し、作品名の本決定以前には10体のガンダムが登場する事から「ガンダムズ」といった名称も候補に挙がっていたとしている(同名のバーが既に存在しなかったことから、この案は見送られた)。また、本作の脚本は他のシナリオライターが提出したものをシリーズ構成の両澤千晶が練り直す方式をとっており、該当話数では連名となったという[17]。また、古澤は他のインタビューにおいてはキャラクター、メカニックのデザインにおいて5、6人のオーディションを通して決定したと語っている[18]

メカニックデザインを務めた大河原邦男は自著において、「SEED」当時においてプラモデルがガンダムシリーズ一作目『機動戦士ガンダム』以来のヒットであったことから、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が製作されたと語っている[19]

あらすじ

C.E.70年、プラントと「地球連合」において発生した戦争は農業用プラント・ユニウスセブンに核ミサイルが撃ち込またことで激化。物量で勝る地球連合軍の勝利で終わると予想されていた戦争は、膠着状態によって11か月が経過した。

C.E.71年、工学を専攻するコーディネイターの少年キラ・ヤマトは、中立国オーブのコロニー・ヘリオポリスで平和に暮らしていた。しかし、このコロニー内では連合軍による5機のMSの開発新造戦艦の建造が極秘裏に行われており、その情報を得たザフトのクルーゼ隊は独断で奪取作戦を開始する。日常は一変しコロニーは戦場へと変わり果てた。キラは逃げ惑ううちにMS工場へと辿り着き、連合兵とザフト兵の激しい銃撃戦に鉢合わせしてしまう。その中には、幼少の頃の親友のアスラン・ザラがいたのだった。

思わぬ場所でキラと再会したアスランは、戸惑いながらもMS「イージスガンダム」を奪取。キラは居合わせた連合の技術士官マリュー・ラミアスに促されるまま、残された機体「ストライクガンダム」に搭乗し脱出を図る。しかし、待ち構えていたクルーゼ隊のMS・ジンとの戦闘に巻き込まれてしまう。最初はパイロットですらないマリューがアスランとの銃撃により腕を負傷した状態で操縦しており、徐々に窮地に追い込まれていくも、キラは絶体絶命の際に強引に操縦を代わり、未完成だった機体のOSを瞬時に書き換えるという離れ業をこなし、ジンを撃破する。

キラは無事脱出していた友人達と再会するが、戦闘はまだ続いていた。ストライクガンダムはキラにしか扱えないことから、マリューはコロニーからの脱出を成功させるためにも彼に出撃を要請する。キラも友人達を守るため、否応なくストライクガンダムに搭乗し、ザフトと戦っていくのだった。




注釈

  1. ^ このDVD関連業績が非常に好調だったため、制作の遅滞から考慮されていた監督・福田己津央の降板が白紙となったことを、プロデューサーの古澤文邦が明らかにしている。
  2. ^ 公開メディア別に最優秀賞を決定した年(2003・2014年)を除けばテレビアニメでは唯一の受賞。
  3. ^ HDリマスターでは「MBS」表記。
  4. ^ HDリマスターでは非表示。
  5. ^ a b 公式ウェブサイトのINFORMATION 「機動戦士ガンダムSEED HDリマスター 各話リスト」 では 「頭に0を置かないアラビア数字と半ないし全角スペース」(1 PHASE-01、10 PHASE-10、48 PHASE-50など)、同サイトのBlu-ray BOX情報やバンダイチャンネルの 「各話あらすじ」 などでは 「頭に0を置くアラビア数字と半角の終止符+一部英語」(01.PHASE-01、48.FINAL-PHASE)という文体で表記されている。なお、本篇内では話数表記は廃止されており単なるサブタイトル表記のみとなっている。
  6. ^ TOKYO MXのもの。
  7. ^ a b HDリマスターでは未放送。
  8. ^ HDリマスターでは「平和の国へ」。
  9. ^ a b バンダイチャンネルなどのインターネット無料ライブ配信の最終話(2012年11月23日分)と、Blu-ray BOX最終巻に収録された編集版。イザーク・ジュールの衣装がプラント文官議員のものからザフトの指揮官級(『DESTINY』における白服)に変わっている、などの変更点がある。
  10. ^ DVD第13巻映像特典OVA[20]
  11. ^ 本枠で放送されていた『ワガママ大百科』が遅れネットに降格してから9年半ぶりに同時ネット復帰となる。
  12. ^ 天才クイズ』を放送していた関係から、他の時差ネット局より30分早い17:00 - 17:30に放送。このパターンは『料理天国』を放送していた頃から踏襲されてきた。
  13. ^ a b c 劇中におけるタイトルロゴでの表記。完結編も劇中では「機動戦士ガンダムSEED -鳴動の宇宙-」と表記されている。
  14. ^ スーパーロボット大戦シリーズデビュー作品。
  15. ^ 没データにより、登場作品には含まれていない(機体はストライクガンダムイージスガンダムのみ)。
  16. ^ ストライクガンダムイージスガンダムのみ登場。
  17. ^ 同ハードの『機動戦士ガンダムSEED』も発売予定をされていたが後に発売中止となった。E3 2004で映像出展をされた。
  18. ^ a b 機体のみ登場。

出典

  1. ^ 機動戦士ガンダムSEEDサンライズ、作品紹介。
  2. ^ スペシャルインタビュー 福田己津央が語るガンダムSEED - ウェイバックマシン(2007年7月3日アーカイブ分)
  3. ^ 『ロマンアルバム 機動戦士ガンダムSEED ストライク編』 、スタッフインタビュー。
  4. ^ 『月刊ニュータイプ』2002年9月号、角川書店、18-19頁。
  5. ^ 『週刊ダイヤモンド』 ダイヤモンド社、2012年5月12日号。
  6. ^ 後藤リウ 『機動戦士ガンダムSEED』 角川スニーカー文庫、第2巻。
  7. ^ 放送局への回答要請/青少年委員会/BPO2015年5月13日閲覧、オリジナルアーカイブ
  8. ^ 福田監督インタビュー機動戦士ガンダムSEED DESTINY 公式
  9. ^ a b c 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル メカ編vol.1』講談社、2003年2月、24頁、ISBN 4-06-334678-1
  10. ^ a b 『機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月28日初版発行、263-269頁、ISBN 978-4-575-46469-6
  11. ^ 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル キャラ編vol.4』講談社、2003年11月、28-29頁、ISBN 4-06-334807-5
  12. ^ 『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY Re:Master Edition 5』角川書店、2013年7月発売、163頁、ISBN 978-4041207918
  13. ^ a b c 『機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月28日初版発行、277-281頁、ISBN 978-4-575-46469-6
  14. ^ 『グレートメカニックG 2019 SPRING』双葉社、2019年3月、84-85頁。ISBN 978-4575465143
  15. ^ 下村敬治(サンライズ)『機動戦士ガンダムSEED RGB ILUSTRATIONS』角川書店、2004年8月、59頁、61頁。ISBN 4-04-853763-6
  16. ^ 『機動戦士ガンダムSEED コズミック・イラ メカニック&ワールド』双葉社、2012年11月28日初版発行、282-289頁、ISBN 978-4-575-46469-6
  17. ^ 『機動戦士ガンダムSEED オフィシャルファイル ドラマ編Vol.01』講談社、2003年7月、39頁。ISBN 978-4063347470
  18. ^ 『ロマンアルバム 機動戦士ガンダムSEED ストライク編』徳間書店、2003年7月、105頁。ISBN 4-19-720226-1
  19. ^ 『メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人』光文社、2015年8月、174頁、ISBN 978-4334038748
  20. ^ バンダイビジュアル公式サイト”. バンダイビジュアル. 2016年10月8日閲覧。
  21. ^ TBS 春の番組改編 「土6」枠移動「日5」へ - 『アニメ!アニメ!』2008年2月6日付
  22. ^ 土6アニメ、「地球(テラ)へ…」がTV放送後に無料BB配信 - 『AV Watch』2007年4月5日付
  23. ^ 「ガンダム 40周年プロジェクト」本格的に始動!シネマ・コンサート他、各種イベントを展開!2019年4月7日 機動戦士ガンダム40周年プロジェクト
  24. ^ 「ガンダム映像新体験TOUR」TCXで実施決定!DOLBY CINEMAでの上映日も公開!2019年11月①4日 機動戦士ガンダム40周年プロジェクト
  25. ^ 『機動戦士ガンダムSEED 公式ガイドブック 運命の再会』角川書店、2003年2月、87頁、ISBN 978-4048535960
  26. ^ 『電撃ホビーマガジン』2003年11月号、メディアワークス、60頁。





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