機動戦士ガンダム アグレッサー 機動戦士ガンダム アグレッサーの概要

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機動戦士ガンダム アグレッサー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/30 16:11 UTC 版)

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機動戦士ガンダム アグレッサー
ジャンル SFガンダムシリーズ
漫画
原作・原案など 矢立肇富野由悠季
作画 万乗大智
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデーS
レーベル 少年サンデーコミックススペシャル
発表号 2014年12月号 -
巻数 既刊14巻(2020年9月現在)
テンプレート - ノート

テレビアニメ機動戦士ガンダム』の世界観を元にした作品で、一年戦争後期に、ジオン公国からの亡命兵で構成された地球連邦軍アグレッサー部隊を主役とした物語[1]。現代の各国空軍に実在するアグレッサー部隊は仮想敵国の装備・戦術を模して自国軍の訓練相手となる役割であるが、本作では祖国の敵側に寝返って最前線での実戦に従事している。連載開始となった2014年12月号には主人公が搭乗する機体「BPR-072 レッドライダー」のTCGガンダムトライエイジ用カードが付属した[1]

あらすじ

ジオンからの亡命兵で構成された通称「アグレッサー部隊」はジャブローに近い区域で任に着いていた。アグレッサー部隊に所属しているチェイス・スカルガード伍長はパトロール中に撃墜された輸送機を発見し、ジオン軍との戦闘のさなかに輸送機に積まれていた試作機「レッドライダー」に乗り、これを撃退することに成功する。その後も、何度かジオン軍の侵攻を防ぐことに成功する。

連邦軍からは、レッドライダーのテストパイロットの捜索のためレッドライダーの開発元でもある「グレイブ・ファントム」から人が訪れる。レッドライダーのテストパイロットには不法に集められた子供たちを薬物などで強化し、使い捨てにしていたのだった。グレイブ・ファントムを退けたチェイスたちだったが、同時にジオンのジャブロー侵攻作戦が開始される。

ジオン軍時代の同僚でもあるグリフォン隊の猛攻を、チェイスは整備不良のレッドライダーでどうにか撃退することに成功する。しかし、ジオン軍の目的は侵攻そのものではなく、侵攻したことでジャブローへ撤退する連邦軍の中にスパイを紛れ込ませることであった。

スパイとしてジャブローに潜入したグリフォン隊隊長の娘ミリア・シェルは、チェイスが書き残していた一年戦争開戦時の真実、チェイスらが亡命に至った理由を見つける。

ホワイトベース単艦からなる第13独立艦隊に続く、第3次おとり部隊としてアグレッサー部隊は第23独立艦隊の指揮下に編入され、ジャブローを飛び立った。目的地はサイド2経由でソロモン攻略戦への参加。グラナダからソロモンへの応援艦隊を引き付ける囮であった。一方、ダイアン・ノイスはグリフォン隊隊長の遺言か、ダイアン自身も知らぬプロジェクト「トゥーム・ストーン」なるものが親衛隊内部で画策されていることを知る。

ヤロスラフ中佐が艦長を務めるザンジバル級アナスタシアは地上で軍上層部がかき集めた文化遺産を運ぶため、地球から打ち上げられようとしており、ノイスもこれに同乗する。輸送が主目的のため、MS2機しか積載していないアナスタシアに第23独立艦隊の追撃命令が下る。第23独立艦隊は指揮官の無能さとヤロスラフ中佐の有能さが相まって、指揮官負傷を含む大きな損害を受けるが、途中から戦術指揮を引き継いだサノ・カオリによって全滅だけは免れた。

大損害を受けた第23独立艦隊はサイド2へと向かう。そこには親衛隊サイラス少佐から命を受けたスナイパーのタイタス中尉単騎による罠がしかけられており、第23艦隊は再び大損害を被る。サノ・カオリの指揮とチェイスの奮戦で、どうにかタイタス中尉を撃破。ここにきてようやく第23独立艦隊の連邦軍士官たちもサノ・カオリとアグレッサー部隊の能力を認めるのだった。その頃、サイラス少佐はプロジェクト「トゥーム・ストーン」を探るノイスの暗殺を実行するが失敗。サイラス少佐は暗殺者を返り討ちにしたノイスに反乱の汚名を着せる。ノイスはかつてのチェイスをそう仕向けた時のように、今度は自身がジオンからの脱走者となるのだった。

登場人物

アグレッサー部隊関係者

チェイス・スカルガード
階級は伍長。ジオン親衛隊に反乱分子と看做され処刑されるところをハイウェイと共にサイド6経由で連邦に政治亡命した。
以前は文字通りのアグレッサー(仮想敵機)部隊として連邦軍MSパイロットの教官やザクに搭乗してジャブローでのジムの対戦相手を勤めていた。
幼い頃、テロリストによるシャトルジャック事件で父を亡くし、ハイウェイに救われて以来、ハイウェイを信奉している。一年戦争開戦以前からMS開発の試験パイロットとして軍のMS教導隊に引き渡す前のMSの機動限界にも近い試験に携わっており、開戦時点で既にMS操縦に関してはベテランであった。
ハインツ・ハイウェイ
階級は軍曹。61式戦車に搭乗する。ジオン軍で階級が中尉であったため、今でもチェイスは「中尉」と呼ぶことがあり、繰り返し訂正させている。
テロリストによるシャトルジャック事件で顔に傷を負い、息子を亡くすが、幼いチェイスを救うことになる。
「軍人は政府ではなく、民衆に忠誠を誓うべき」という信念を持つ。ブリティッシュ作戦でのジオン軍によるスペースノイド虐殺に異を唱えたため親衛隊に処刑されそうになり、親代わりに育てたチェイスと共に連邦に政治亡命する。
ルウム戦役においては、サノ・カオリの父親の乗る艦をチェイスと共に撃沈している。
サノ・カオリ
階級は少尉。ジャブローからの特命でレッドライダーの試験運用を行うことになっていたが、ジオンに急襲され予定の試験パイロットや技術陣の大多数が死亡。アグレッサー部隊に助けられた。
以前にサイド6でジオンからの亡命を手助けする任務にも就いていたことがあり、その時にチェイスに何度も命を救われている。このこともあって、レッドライダーをアグレッサー部隊に託す。
父も連邦軍の艦長であったが、ルウム戦役においてチェイスとハイウェイに艦を撃沈され亡くしている。そのことでチェイスとハイウェイとの最初の出会いでは銃を突きつけることになるが、戦闘行為の上でのこととして納得する。
ダグラス・トランブル
階級は大尉。アグレッサー中隊の中隊長。元ジオン兵ではない。
かつてはエルラン中将の部下であり、エルランがジオンに内通していたことが露見。部下だったトランブルも出世の道を絶たれて、アグレッサー中隊に異動してきたという経歴もあって、自分の出世のことしか頭に無い。
エルザ
レッドライダーの技術主任。ただし、技術部に配属されて3日目であり、本来の技術主任や他の技術部員は襲撃の際に戦死している。
実はサイド6政府からのスパイであり、MS製造技術についての諜報活動を行っている。
ロッコ
アグレッサー中隊の兵士。戦争のドサクサに紛れて地球に降り、隠れ住んでいたが不法移民として囚われてアグレッサー中隊に送られた。普段は軽口を叩き、真面目さはうかがえないが、妻子を守るために戦う。グリフォン帯に包囲された部隊を救出する際に浮橋設置の指揮を執った。味方を渡らせたのち浮橋を爆破して自身も退却しようとしたが爆破装置を作動させる前に撃たれる。チェイスに助けられるが撤退中に自分が犯罪を犯して逃亡してきたのだと告白して戦死した。

その他連邦兵

ローストン
03中隊の士官で、階級は大尉。61式戦車に搭乗する。当初はアグレッサー部隊を快く思っていなかったが、軍人としてはまっとうな人物であり、防衛戦での奮闘を見て考えを変え、感謝の意を伝える。
ヒギンズ
中央情報司令部の中佐だが、その正体はサイド6のスパイ。ジオンによるコウノトリ作戦を利用しようとし、トランプルを射殺。カオリに手にかけようとするが、自身が誤射して死んだと思っていたエルザに射殺される。

第23独立艦隊

第3次おとり部隊として、サイド2経由でグラナダ侵攻が目的であるとジオンに欺瞞させ、グラナダからソロモンへの応援艦隊をくぎ付けにすることを目的とする艦隊。

ウォーカー中佐
艦隊指揮官。艦隊旗艦マゼラン級ゼピュロスの艦長を兼任する。
アグレッサー部隊を信用しておらず、用兵家としても凡庸。後手を踏み、悪手を打ってヤロスラフ中佐の用兵に翻弄され、負傷する。
ジェンマ
負傷したウォーカー中佐に代わって、ゼピュロス艦長と艦隊指揮を引き継ぐ。ウォーカー同様にアグレッサー部隊を信用していなかったが、タイタス中尉との戦いを経て、ようやくアグレッサー部隊を認めるようになる。
バズ・ガント中尉
第23独立艦隊のジム部隊長。既婚者であり幼い子供がいる。
チェイスとは開戦前から面識があり、互いに良い印象は抱いていない。

グレイブ関係者

グレイブ
レビル将軍信奉者の高官」とされる謎の人物。新型モビルスーツ「ペイルライダー」の開発計画を進める。元は『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』の登場人物で、そちらでは「グレイヴ」表記。
ターニャ
戦災孤児の子供。薬物、外科手術などにより身体強化されており、リミッターを外した場合に一般人の耐性を超える機動性を発揮するレッドライダーのテストパイロットの1人。レッドライダーがチェイスに預けられる前にサノ・カオリに見つかり、以降は匿われていた。
ターニャ同様に戦災孤児が多数集められ、レッドライダー/ペイルライダーの試験パイロットとして使い捨てにされている。
グレイブ・ファントム
グレイブの実行部隊。階級章や部隊章は身に着けておらず、戦争犯罪者などを集めた懲罰部隊の意味合いも持つ。名前も偽名、コードネームであり本名は別にある。
ハングマン
味方を犠牲に敵前逃亡した上官殺害の経緯を持つ。スマイリー、スノーマンの監視役を兼ねていたがグレイブの裏事情も知り過ぎていたため、ターニャを連れサイド6へ政治亡命するというエルザの提案に乗る。
地球降下作戦時に破棄され、書類上からも抹消されていたザクをチェイスに提供する。
書類上はスマイリーらと所属不明のザクとの交戦で戦死したことになっている。
スマイリー
過去に民間人の女性と子供を殺害したが、軍法会議では実刑を受けずグレイブ・ファントムに転属した。
他人をいたぶるのが好きなサディスト[2]であり、女性捕虜を拷問し時には殺害することが多々あったため、チェイスは彼を殺人鬼と評した[3]。ターニャ回収のためにサノ・カオリに拷問を行うも耐える彼女を研究所に連れ帰り、更なる拷問を加えようとしていたが、途中でハングマンが提供したザクに乗るチェイスと交戦する。
かつては、チェイスにMS戦技を教わっており、卒業試験時のデモンストレーションではザクに乗るチェイスをジムで圧倒した経験を持つ。だが、これは卒業生に配慮して手加減するようチェイスが命じられていたためだった[4]
前述の民間人殺害に激怒したチェイスに命乞いをするが無視され、ザクのヒートホークでジムの前部装甲ごと斬殺された[5]
スノーマン
MSトレーラーを運転するスマイリーの相棒。スマイリーとの会話で人身売買などを行っていることをほのめかしていた[6]
サノ・カオリを人質にしようとしたが、ハイウェイの長距離狙撃によって頭を撃ち抜かれて死亡[7]
リム・バーゲンホルム
女性、博士、技術大佐。ペイルライダー計画の中心人物の一人。レッドライダーの設計を行った。
第23独立艦隊編成時にアグレッサー部隊の技術主任として赴任してくる。
クルーガー
第23独立艦隊編成時にアグレッサー部隊に転属してくる。

ジオン軍

ダガー
ダガー隊の隊長で、階級は大尉。グフを乗機として、レッドライダーとたびたび対戦する。
ダイアン・ノイス
キシリア・ザビ直属の親衛隊女性士官で、階級は少佐 。「ジオンの目」と称される。
胎内宇宙線被曝により、生来視力を失っているが、人の感情を感知することで、人の存在や行動を察知できる能力を持つ。これはMS搭乗時にも活かされ、「殺気」として射線を捕らえることで射撃される直前に回避運動を開始できる。
マクシミリアンが養父となっており、幼いころにマクシミリアンから与えられたゴーグル状の義眼(元は軍用技術で映像信号を脳に直接伝達させる装置)を常時付けている。
養父であるマクシミリアンを守るためにハイウェイとチェイスの反逆罪のみを強調した。ルウム戦役直後に拘束するためハイウェイとチェイスの許を訪れるが、結果としてそれが元原因となって2人は政治亡命をすることになり、2人をサイド6まで追撃する。
別命でキャリフォルニアベースに赴任した際、チェイスらがアグレッサー部隊にいることを知る。
ヤロスラフ中佐
ザンジバル級アナスタシアの艦長。ヘビースモーカーでありパイプを愛用している。ダイアン・ノイスとは知己。
サイラス少佐
親衛隊長。局長代理も務める。

グリフォン隊

かつてチェイス、ハイウェイが所属していた部隊。グリフォンの部隊エンブレムをMSに記している。

マクシミリアン
グリフォン隊の隊長で、階級は大尉。ハイウェイと並ぶ戦術家。「死のダンス」と呼ぶ複数機のMSのコンビネーションで、レッドライダーに乗るチェイスを苦しめる。
妻は亡くしているが娘が1人いる。チェイス、ハイウェイ、ダイアン・ノイスとも知り合いである。
ハイウェイ同様にブリティッシュ作戦での民間人虐殺には異を唱えていたため、親衛隊からは排除されかかったが、ダイアン・ノイスの執り成しで、ハイウェイのみが危険人物とされたため粛清は免れている。そのため、功績の割には昇進が遅い。コウノトリ作戦の締めとしてゾゴックで自爆するためにジャブロー突入を試みチェイスとの戦闘となる。
ミリア・シェル
コウノトリ作戦で連邦兵に偽装しジャブローに潜入した3人のスパイの1人。コードネームは「白鳥」。マクシミリアンの実子であり、工作員としての訓練でチェイスと知り合いひそかに好意を寄せるも表向きの亡命理由によって憎んでいた。ジャブローのマップデータを手に入れるための時間稼ぎにチェイスの部屋からウイルスを流す。しかし、その際、端末に書き込まれていた手記からチェイスは隊やジオンを裏切った訳ではないことを知る。
二律背反な感情に苦しむが、共に潜入した仲間のためにも任務達成の手段としてチェイスに撃たれることを選ぶ。

狩人部隊

ルウム戦役時に月近郊宙域で作戦行動を行っていた部隊。ハイウェイとチェイスが亡命を企てたことで追撃命令を受ける。「ウサギを口に銜えた黒い狼」を部隊エンブレムとする。

ヴォルフガング
機動戦士ガンダム 黒衣の狩人』の主人公。
狩人部隊の隊長。チェイス同様に開戦前からのMS開発パイロットであり、チェイスの教官も務めていた。MS操縦技量においては、近接戦闘で勝り、中距離戦闘でも互角とチェイスの上を行く。右手にザク・マシンガン、左手にヒートホークを携える戦闘技法を編み出し、得意としている。
自身の指導についてきたチェイスを気に入り、自身の相棒・バディ役として引き抜こうとした。

民間人

ウォルター
ロッコの息子。コロニー育ちで地球に馴染めず、同じ居住地に住む子たちには「ジオン」といじめられていた。父の戦死を知るが、チェイスに励まされ「多くの連邦兵を救ったパパはヒーローなんだ」といじめっ子に立ち向かった。チェイスが聞いた話では近々弟か妹が生まれるとのこと。



  1. ^ a b 万乗大智のガンダム新連載、サンデーSで始動”. ナタリー (2015年10月26日). 2015年2月19日閲覧。
  2. ^ 作中で「サディスト」とは明記されていないが、サノ・カオリを嬉しそうに拷問する描写からそれが伺える。
  3. ^ 単行本3巻107頁
  4. ^ 単行本3巻139頁
  5. ^ 単行本3巻141〜142頁
  6. ^ 単行本3巻70、74頁
  7. ^ 単行本3巻146〜147頁
  8. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 1”. 小学館. 2016年5月18日閲覧。
  9. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 2”. 小学館. 2016年5月18日閲覧。
  10. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 3”. 小学館. 2016年5月18日閲覧。
  11. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 4”. 小学館. 2016年5月18日閲覧。
  12. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 5”. 小学館. 2016年11月18日閲覧。
  13. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 6”. 小学館. 2017年5月18日閲覧。
  14. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 7”. 小学館. 2017年10月18日閲覧。
  15. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 8”. 小学館. 2018年3月19日閲覧。
  16. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 9”. 小学館. 2018年8月14日閲覧。
  17. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 10”. 小学館. 2019年4月26日閲覧。
  18. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 11”. 小学館. 2019年8月31日閲覧。
  19. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 12”. 小学館. 2020年2月28日閲覧。
  20. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 13”. 小学館. 2020年9月30日閲覧。
  21. ^ 機動戦士ガンダム アグレッサー 14”. 小学館. 2020年9月30日閲覧。
  22. ^ 万乗大智が元ジオンの連邦兵士の戦いを描く、「機動戦士ガンダム アグレッサー」1巻”. ナタリー (2015年2月18日). 2015年2月19日閲覧。


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