機動戦士Ζガンダム 製作

機動戦士Ζガンダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/22 22:05 UTC 版)

製作

企画の経緯

戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士ダンバイン』、『銀河漂流バイファム』、『重戦機エルガイム』などと立て続けに制作されてきたバンダイとサンライズのロボットアニメは商業的にはガンダムに勝らなかった[2]。一方、ガンダムは『模型情報』や『コミックボンボン』などの雑誌で展開していたものの、劇場版三部作が公開されていた当時よりも売上が落ち込んでいたことからバンダイにより本作が企画された。なお、前作のメインスポンサーであり、玩具を商品化したクローバーがすでに倒産していたため、バンダイはプラモデルにとどまらず玩具も担当している。

企画は『ダンバイン』の放映時、クローバーの倒産によるスポンサー撤退直後から始まっている。もう既に『ダンバイン』の後番組は『エルガイム』に決定していたが、バンダイがクローバーの代わりにメインスポンサーを務める条件の一つが、ガンダムのテレビシリーズの復活であった[要出典]。間に『エルガイム』の放映期間を挟むので、テレビアニメとしてはかなりの準備期間があった。ところがこのように長い準備期間をとったにもかかわらずΖガンダムはその複雑なデザインや変形機構のため、デザイン決定や商品化が遅れた。このためΖガンダムの登場は第2クールの終わりにスケジュール変更された。Ζが登場するまでの2クールの主人公MSをどうするかが問題になり、「MSV(モビルスーツバリエーション)」の流れを取り入れることが提案され、MSVのフルアーマーガンダムヘビーガンダムのような「強化されたガンダム」をコンセプトとしたガンダムMk-IIが前半の主人公機になった[3]

MS(モビルスーツ)デザイン

前作で登場したデザインの系譜を受け継ぎ、なおかつ新しいものを生み出すという意図のもと、若い世代のデザイナーが多数参加した。

当初は富野の指示により、本作の前番組『重戦機エルガイム』のデザイナーである永野護がデザインを進めていたが、彼が提出したリック・ディアスガルバルディβが、サンライズ上層部での評価が芳しくなかったため、永野は番組放送直前で降板。代わって、急遽前作のデザイナーである大河原邦男に加えて当時21歳の藤田一己が招聘され、永野、大河原のアイデアを藤田がまとめるという方式で作業が進められた。例えばガンダムMk-IIハイザックアッシマーは大河原→藤田、百式は永野→藤田という流れでまとめられている。

最初に登場する数点のデザインワークが終了した後しばらくは、藤田が一人でデザインを担当することとなったが、さらに多くの可能性を探るため終盤にかけては後にΖΖガンダムをデザインすることになるイラストレーター/モデラーの小林誠を筆頭に、漫画家の近藤和久、アニメーターの大畑晃一はばらのぶよし、デザイナーの佐山善則岡本英郎など多くのデザイナーを登用、一度降板した永野にも再度発注が行われキュベレイハンブラビが描かれている。

MSVからも数点のMSが登場しており、MSVシリーズの商品がパッケージを換えて本作のプラモデルラインナップに組み込まれ、再発売されている。富野は7年間の時間の経過を強調する要素として、一年戦争当時の旧式MSの登場の必要性を感じ、特に一目でそれと分かるような外観に特徴があるものを中心に選んだという[4]

音楽

BGMは三枝成章(現:三枝成彰)が担当し、アメリカの人気歌手・作曲家のニール・セダカにテーマ曲を依頼した。鮎川麻弥が歌う前期OPテーマ「Ζ・刻を越えて[注 3]」とEDテーマ「星空のBelieve[注 4]」は、過去のセダカのアルバム収録曲に新たな詞がついたものであるが、森口博子が歌う後期OPテーマ「水の星へ愛をこめて」は新規に提供されたものである。「星空のBelieve」の方がオープニングテーマになる予定であった[5]。また、永野がテレビ放送当時に参加したイベントの席上で発言したところによると、当初主題歌についてはヴァン・ヘイレンに未使用曲を譲ってもらおうという案も出ていた[要出典]

間嶋里美の歌う「ハッシャバイ」は元々『無敵鋼人ダイターン3』のイメージソングとして録音された楽曲である。間嶋の夫・古谷徹が演じるアムロ・レイの登場シーンに劇中歌として使用された(小説版の同シーンにおいても使用されている)。

また、アーケードゲーム機動戦士Ζガンダム エゥーゴvs.ティターンズ』およびそのバージョンアップ版の『同DX』には「星空〜」を除く上記3曲は収録されているものの[注 5]、そのコンシューマ機移植版であるPS2・GC用『機動戦士ガンダム ガンダムvs.Ζガンダム』では収録されていない。VS.シリーズ第7作の『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』では、登場作品中唯一主題歌が収録されていない[注 6]。第8作となる『NEXT』でも、劇中のBGMでの代用となっている[注 7] 。しかし、『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』では、劇場用主題歌 「Metamorphoze 〜メタモルフォーゼ〜」が収録されている。




注釈

  1. ^ キャスト欄での小杉のクレジット表記は登場人物のヘンケンではなく、ナレーターである。
  2. ^ 富野は「ガンダムはこれで終わりにする」という意味を込めたとインタビューで答えている[要出典]。さらにファーストガンダム続編としての数字の"2"の字形にも似ていることが指摘されている。
  3. ^ 原曲は1972年のアルバム「Solitaire」に収録されている「Better Days Are Coming」。後に10ccとなるメンバーが全員参加している。「Solitaire」は永年CD化されていなかったが、「Emergence/Solitaire」として2008年10月にオリジナルの形でCD化された。
  4. ^ 原曲は1976年のアルバム「Steppin'Out」に収録されている「Bad And Beautiful」。
  5. ^ PS2版『エゥーゴvs.ティターンズ』のみ、ミッションモードクリア後のエンディングテーマとして『星空のBelieve』が収録されている。
  6. ^ 厳密にいえば、隠し要素として登場した『機動戦士ガンダム00』も主題歌が収録されていない。劇中のBGMによる代用もない。
  7. ^ 『ガンダム00』についてはファーストシーズン後期の主題歌が収録されており、主題歌が収録されていない作品はΖのみとなっている。ただしROMによっては『逆襲のシャア』の主題歌が収録されていないことがある(その場合はΖの劇中BGMで代用される)。
  8. ^ DVDはLDより普及率が高いので、このようなことは珍しいことではないが、オリコン調べによると『機動戦士ガンダムΖΖ』はDVD-BOXがLD-BOXを下回っており、本作と明暗が別れた。
  9. ^ サンライズ作品で版権管理の都合上用いられる名義。実際の原案は富野。
  10. ^ a b アメリカでは作詞と作曲が分割されずに著作権登録されることもあり、ここでのセダカの原曲作品も作詞・作曲が分割されずに登録されているため、ここではレコード等でのクレジットによらず実際の登録でのクレジットによる。
  11. ^ 2007年2月上旬から3月上旬までにおいて「バンダイチャンネル@ShowTime」で配信された5話限定無料視聴ラリーにおいて本来のかたちで視聴できていた。
  12. ^ 第24回終了時の予告編では「コロニー落ちる日」と紹介されている。
  13. ^ a b c 「宇宙」のルビは「そら」であり、「うちゅう」ではない。
  14. ^ 一部の地方では11月1日の17:00に先行放送された。
  15. ^ 第一部は「名古屋テレビ」だったが、第二部以降は「メ〜テレ」とクレジットが変更された。
  16. ^ テレビ版で使用されていたものと、展開に合わせて新たに編曲された、あるいは新規に作曲されて録音されたものもある。
  17. ^ E&Mプランニングセンターは1995年に活動を終結している。
  18. ^ 『機動戦士ΖガンダムIII -星の鼓動は愛-』に限り、クラウンレコードと表記されていた。
  19. ^ ただし、スタッフロールにおいてのクレジット上では「井上大輔」と表記。
  20. ^ 富野は本作のため、新たにFinal Cut Proによるノンリニア編集を習得している(アップルジャパン映画監督 富野由悠季」)
  21. ^ 旧作画は映像内の塵やホコリの除去や色、ズレの修正。新作画はワザと汚したりしたりするなどを行う処理法のこと、手塚治虫の実験映画『おんぼろフィルム』など特殊な例を除き、長丁場の映像作品としては本作で初めて行われた。
  22. ^ 皆川ゆか著『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡』では、テレビシリーズの描写を優先し、劇場版を「異説」としたスタンスで執筆している。
  23. ^ ただし、従来は2月2日とされているメールシュトローム作戦の日付が2月20日となっている年表は、劇場版以前の1999年発行の『機動戦士ガンダム エピソードガイド vol.3 ネオ・ジオン編』の5頁に存在している。
  24. ^ 各話の第1話は「ガンダムエース増刊 Ζガンダムエース」に掲載。
  25. ^ 「Ζガンダムエース」と「ガンダムエース」で読みきり掲載後に連載。
  26. ^ こちらは通称「藤田版」として知られており、ガンダムMk-IIやΖガンダムはガレージキット化もされている。
  27. ^ 当初は要望により動かしていたが、2014年現在では動かしていない。そのかわりに年に数回だが、コクピットに乗せてもらえる機会がある。

出典

  1. ^ テレビ版『機動戦士Ζガンダム』第13話より。
  2. ^ a b 猪俣謙次『ガンダム神話Ζ』50ページより。
  3. ^ 『GREAT MECHANICS5』より[要ページ番号]
  4. ^ コミックボンボン緊急増刊『機動戦士Ζガンダムを10倍楽しむ本』69頁。
  5. ^ 晋遊舎ムック『サッとわかる機動戦士ガンダム』より[要ページ番号]
  6. ^ 『機動戦士Ζガンダム大事典』より[要ページ番号]
  7. ^ 上野五郎, 編纂.「ジャーナル特集 プラモからホビーへ! Vol.1 転換の時を迎えた模型業界 ホビーの視点から新需要の開拓を!」、『トイジャーナル』1985年4月号、東京玩具人形問屋協同組合、1985年4月1日、 17頁。
  8. ^ a b 柿沼秀樹、加藤智「ガンプラシーン回顧対談 1980〜2007 川口克己×柿沼秀樹」『バンダイ キャラクタープラモ年代記 鉄人からヤマト、ガンダムまで』学習研究社、2007年4月3日、ISBN 978-4-05-403282-8、156-157頁。
  9. ^ 松本悟・仲吉昭治「SCENE10 ―ロングヒットへ― ■『Ζガンダム』の登場とグレードアップ」『俺たちのガンダム・ビジネス』日本経済新聞出版社、2007年10月19日、ISBN 978-4-532-16598-7、161頁。
  10. ^ 日経BP社技術研究部編「第三章 ビジネスの仕組みが変わる 二.ケーススタディー―ガンダム・ビジネス ●LD史上に残るファースト・ガンダム」『アニメ・ビジネスが変わる―アニメとキャラクター・ビジネスの真実』日経BP社、1999年6月17日、ISBN 4-8222-2550-X、109頁。
  11. ^ 日経キャラクターズ!編「機動戦士Ζガンダム ビジネス検証」『大人のガンダム HISTORY & BUSINESS』日経BP社〈日経BPムック〉、2004年10月1日、ISBN 4-8222-1705-1、31頁。
  12. ^ 全ガンダム大投票 40th 結果発表 (「ガンダムソングス」のタグをクリック)NHK
  13. ^ あくまで休戦協定締結であって絶対的勝利ではない。
  14. ^ hoshi_sunのツイート(765129217738612736)
  15. ^ Gundam_FanCのツイート(941631398724517888)
  16. ^ a b 「2005年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」、『キネマ旬報2006年平成18年)2月下旬号、キネマ旬報社、2006年、 178頁。
  17. ^ 「2006年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」、『キネマ旬報2007年平成19年)2月下旬号、キネマ旬報社、2007年、 184頁。
  18. ^ 『機動戦士Ζガンダム ヒストリカ』第02巻、31頁。
  19. ^ a b Saeko Shimazu Official Web Site 'Angel Voice' -Four/Zeta-”. Angel Voice. 2006年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月17日閲覧。
  20. ^ Saeko Shimazu Official Web Site 'Angel Voice' -Four/Zeta-”. Angel Voice. 2006年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月17日閲覧。
  21. ^ ΖガンダムⅡ”. 機動戦士ΖガンダムII A New Translation -恋人たち-. 2014年5月17日閲覧。
  22. ^ 『パーフェクト・アーカイブ・シリーズ7 機動戦士Ζガンダム 劇場版』竹書房、22頁。
  23. ^ 『機動戦士Ζガンダム ヒストリカ』第12巻、32頁。
  24. ^ 『機動戦士Ζガンダム ヒストリカ』第12巻、31-33頁。
  25. ^ 『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』2巻、182頁。
  26. ^ 上映館の数については バンダイビジュアルの資料 より抜粋。
  27. ^ 道の駅 久米の里ホームページ





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