横浜FC ソシオ・フリエスタ

横浜FC

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 23:39 UTC 版)

ソシオ・フリエスタ

横浜FCは企業の資本に頼らない純市民参加型のサッカー・スポーツクラブ作りを目指すという観点で、クラブ運営の核となる任意組織「ソシオ・フリエスタ」を設立した。モデルはスペインFCバルセロナとされている。同クラブも一般市民から集めた会費を基としてサッカークラブを中心とした様々なスポーツクラブ活動を展開してきた。

横浜FCも創設当初は市民から会員(ソシオ)を募集した。会員は会費をクラブに納める見返りとして、希望者への年間指定席の斡旋の他、試合会場や各種イベントでの運営アシスタント(ボランティア)への登録やクラブ上層部との意見交換会などに出席できる権利を得ることが出来た。

しかし、J2加入が確定した2001年年頭ごろから問題が表面化した。ソシオの役員改選選挙が実施されている最中、ソシオの会員宛に運営会社の株式会社横浜フリエスポーツクラブ(横浜フリエSC)から「協約書」が送付された。その内容は「ソシオ会員は全員横浜フリエSCと直接契約を結ぶことを求める」もので、「本協約書にご賛同いただけず退会を希望される方には、ご返金いたします」という内容だった。

ソシオとの協議で、横浜フリエSCは「ソシオの会費は当初から運営会社の運営費として捻出されることになっていたが、理事会の承認なしに運営費を拠出できないのは責任ある球団経営が見込めないと判断した」と主張し、これまでのソシオとの協定書を破棄することを宣言した。

2001年9月、横浜フリエSCはソシオに代る新しいチームの後援組織「横浜FCクラブメンバー」を創設し、新社長に就任した奥寺保有の株式をソシオ会員ではなく、クラブメンバーに割り当てること、また会員には「サッカーをする・ふれるといった体験型のイベントを充実させる」ことや「個人情報の管理・責任をより徹底・明確にする」ことなどを提案。名称についてもソシオの名前が係争中だったことから別の名前に変更したという。[要出典]これにはソシオ理事会側が遺憾の意を示す。

その後、ソシオは横浜フリエSCに対し、ソシオの会費の一部(740万円相当)と会員名簿の返還を求めるよう横浜地方裁判所仮処分申請を行ったが、2002年1月却下された。ソシオは東京高等裁判所即時抗告を行ったが、これも2003年に却下された。その趣旨は「入会事務・会員名簿の作成は運営会社から委託された業者が行い、団体として内部的にも自立して運営されているとは認めがたいから、ソシオは(法人格を有しない団体でも例外的に当事者能力が認められる)民事保全法7条・民事訴訟法29条の『法人でない社団』とは認められない。よって、当事者能力がないから、申立ては不適法である」というものだった[35]

その間、横浜フリエSCが「ソシオの名称は横浜フリエSCに商標登録がある。このまま使用を続けるのなら法的な処置も辞さない」とソシオに通告を行い、2003年にソシオは「ソシオ・フリエスタ」から「ソシオ横浜」に名称を変更した。2003年9月、ソシオと横浜フリエSCは和解合意書に調印し、2年以上に及んだ横浜フリエSCとソシオの対立は区切りを迎えた。なお、ソシオ横浜の公式サイト は2008年1月を最後に更新が止まっている。


注釈

  1. ^ a b 2017シーズン以降は、チームの公式サイトなどで 「HAMABLUE」と表現されることもある[2][3]
  2. ^ 第10節の神戸戦以来から合計9試合で達成、連続完封は7試合。従来の記録は1993年の清水が記録した731分で、これが現在でもJ1記録となっている。
  3. ^ 2010年に横浜F・マリノスコーチ就任のオファーをもらい、そのまま就任したことによる
  4. ^ 高丘陽平の右膝外側半月板断裂に伴い、登録ウインドーの適用例外規定(自チームに既に登録されている他のGKが、怪我等により試合に出場することができない特別な事情により、なおかつ所属しているリーグが認めた場合、登録ウインドー期間にかかわらず、新たなGKを登録できる)を利用し獲得した。
  5. ^ 新型コロナウイルスの感染拡大により中断していたリーグ戦の日程消化を優先するため、J1リーグの成績上位2チームのみが参加するレギュレーションになったため。
  6. ^ 2020年に大宮アルディージャに期限付き移籍しており、2021年から松本山雅FCに完全移籍した戸島章を含む。
  7. ^ この時点では降格は決まっていなかったが、得失点差の関係で翌節は大量得点での勝利(かつ柏が大量失点での敗戦)が必要となっていた[16]ため、この時点で残留が絶望視[17][18]されていた。湘南戦に敗れた段階で、「ほぼ(降格)確定[19]」や「事実上決定[20]」と表現したメディアもあった。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n プロフィール:横浜FC”. 日本プロサッカーリーグ. 2017年8月20日閲覧。
  2. ^ 横浜FC [@yokohama_fc] (2017年4月18日). "選手たちの活躍を後押しし、スタジアムの一体感をより強いものにするため、スタジアムをHAMA BLUE(スカイブルー)に染めよう! HAMA BLUEであふれ返ったスタンドからの声援は必ず選手の力となります。". X(旧Twitter)より2024年2月23日閲覧
  3. ^ 1/28(金)より DAZN×Jリーグ 横浜FCドキュメンタリー『THE BLUE episode.3&4』配信のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2022年1月28日https://www.yokohamafc.com/2022/01/28/dazn_documentary_ep3-4/2022年3月16日閲覧 
  4. ^ a b c d e クラブ概要”. 横浜FC. 2017年8月20日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 2017年度(平成29年度)Jクラブ個別情報開示資料”. 日本プロサッカーリーグ. 2018年8月7日閲覧。
  6. ^ 横浜FCオフィシャルクラブマスコット 誕生!!名前をつけてください!!
  7. ^ History of YOKOHAMA FC 1999”. 横浜FC. 2017年8月20日閲覧。
  8. ^ 日光事業所のアイスホッケー部(現在のH.C.栃木日光アイスバックス)も強豪として知られ、横浜研究所のサッカー部と共に日光事業所のアイスホッケー部も会社からの全面的な支援を受けた。アイスホッケーとサッカーは古河電工にとって社技として扱われた。
  9. ^ 古河電工の前身会社のひとつ横浜電線製造が横浜に事業所を置いていたため、古河電工もこれを引き続いて横浜に事業所の多くを置いた。このためサッカー部関連の施設は横浜に集中し、チームは古河電工グラウンドで練習し、三ツ沢公園球技場で試合をする事が多かった。同球技場のバックスタンド裏に古河電工の社宅があり、ここに住んでいた選手も多かったため頻繁に用いられ、古河のプロ化(ジェフ市原)に際してはホームスタジアムの候補にもなった。
  10. ^ 横浜FC新監督に岸野氏有力、今季限りで鳥栖退任”. (神奈川新聞サイト). 2011年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年11月26日閲覧。
  11. ^ 「ほけんの窓口グループPresents 燃やせ!福島魂Match」 開催決定のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2012年7月17日http://www.yokohamafc.com/news/2012/07/17/j235-fc-vs-presents-match2013年3月21日閲覧 
  12. ^ 横浜FC被災地復興支援試合』(プレスリリース)横浜FChttp://www.yokohamafc.com/2464-22013年3月21日閲覧 
  13. ^ 横浜FC、タヴァレス監督解任の経緯説明 「自動昇格を目指す中これ以上上位と離されることは看過できない」”. 超WORLDサッカー! (2019年5月16日). 2020年8月3日閲覧。
  14. ^ 下平隆宏監督 解任のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2021年4月8日https://www.yokohamafc.com/2021/04/08/2021040072300/2021年4月8日閲覧 
  15. ^ 早川知伸 氏 監督就任のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2021年4月8日https://www.yokohamafc.com/2021/04/08/202104081430/2021年4月8日閲覧 
  16. ^ 鹿島vs横浜FCの試合結果・データ(明治安田生命J1リーグ:2023年12月3日)”. Jリーグ (2023年12月3日). 2024年2月9日閲覧。
  17. ^ 湘南ベルマーレのJ1残留が確定! 直接対決敗戦の横浜FCは今節降格回避も絶望的に…”. GOAL.com (2023年11月25日). 2024年2月9日閲覧。
  18. ^ 横浜FC 湘南との大一番に負けた…柏△で今節の降格回避もJ1残留“絶望的”に”. Sponichi Annex (2023年12月25日). 2024年2月9日閲覧。
  19. ^ 横浜FCのJ2降格がほぼ確定…落胆の四方田監督「現実として受け止めている」”. ゲキサカ (2023年11月25日). 2024年2月9日閲覧。
  20. ^ 今季のJ1リーグ「上位以外」で可能性を感じたのは? 残留争いから一気に飛躍漂わすチームも”. AERA dot (2023年11月27日). 2024年2月9日閲覧。
  21. ^ a b 【J2日記】横浜FC(10.06.23)”. J's Goal (2010年6月23日). 2017年8月20日閲覧。
  22. ^ 西谷浄水場内の体育施設を活用する事業予定者を決定しました!』(プレスリリース)横浜市水道局、2009年11月25日http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/press/press-20091125.html2013年3月21日閲覧 
  23. ^ a b c Jリーグ「横浜FC」の活動拠点が水道局西谷浄水場内に移転しました!』(プレスリリース)横浜市水道局、2010年6月28日http://www.city.yokohama.lg.jp/suidou/press/press-20100628.html2013年3月21日閲覧 
  24. ^ 横浜FC東戸塚フットボールパーク in 横浜スポーツマンクラブ 開設のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2013年9月17日http://www.yokohamafc.com/2013/09/17/fc-in2014年5月17日閲覧 
  25. ^ チケット販売価格にカテゴリー制を導入”. SOCCER KING (2011年2月15日). 2013年8月5日閲覧。
  26. ^ 2021シーズン横浜FCチケット販売における変更点及びフレックスプライス導入のお知らせ”. 2021年1月25日閲覧。
  27. ^ 株式会社ユナイテッドアローズ、オフィシャルクラブパートナーとして横浜FCにスーツを提供ユニフォーム デザインにも参加し、幅広くサポート』(プレスリリース)ユナイテッドアローズ公式サイト、2007年3月6日https://www.united-arrows.co.jp/news/corp/2007/03/003406.html2018年10月15日閲覧 
  28. ^ 横浜FCの新ユニホームにユナイテッドアローズがデザイン提供』(プレスリリース)ヨコハマ経済新聞公式サイト、2007年3月7日https://www.hamakei.com/headline/2236/2018年10月15日閲覧 
  29. ^ 「プーマジャパン株式会社」とオフィシャルパートナー契約締結のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2023年1月4日https://www.yokohamafc.com/2023/01/04/puma-2023/2023年1月4日閲覧 
  30. ^ アカデミー・スクール|横浜FCオフィシャルホームページ”. 2017年2月22日閲覧。
  31. ^ クラブ情報|横浜FC鶴見ジュニアユース”. 2021年4月1日閲覧。
  32. ^ ベトナムが憧れるジャパンクオリティ。横浜FCの若武者たちが示した最高の手本 フットボールチャンネル(2017年1月13日)
  33. ^ 一般社団法人・横浜FCスポーツクラブ設立のお知らせ』(プレスリリース)横浜FC、2012年7月5日http://www.yokohamafc.com/news/2012/06/01/fc-62013年2月5日閲覧 
  34. ^ 横浜初、なでしこリーグを目指す 横浜FCシーガルズ誕生のお知らせて』(プレスリリース)横浜FC、2012年6月1日http://www.yokohamafc.com/news/2012/07/05/fc-8/2012年6月9日閲覧 
  35. ^ ソシオ横浜(旧ソシオ・フリエスタ)の資料






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