森林 森林の概要

森林

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/19 02:09 UTC 版)

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日本・上高地の森林

樹木が密生している植物群落樹林(じゅりん)という。高木からなる樹林を森林高木林(こうぼくりん)、低木からなるものを低木林(ていぼくりん)という。

森林、高木林のうち、比較的小規模・低密度のものを(はやし)、そうでないものを(もり、)とも呼ぶが、明確な区別はない。なお日本語の「林(はやし)」は「生やし」を語源とし[1][2]、「森(もり)」は「盛り」と同語源[3][4] であるという。日本農林水産省は、人工的なもの(人工林)を自然にできたもの(自然林)をと定めているのは語源に沿ったものといえる。なお、林業分野ではむしろ人工林を指して森林と言うことが多い。また、これも科学的な用語ではないが、の比較的まばらなものを疎林(そりん)、密集したものを密林(みつりん)[5] という。広域にわたって樹木が繁茂し、高所から見ると海のように見える大きな森林を樹海(じゅかい)という。国際連合食糧農業機関(FAO)は、森林を「樹冠投影面積が10%以上であり、0.5ヘクタール以上の広さがあり、成木となると5m以上となる樹種の樹林であり、農地等森林以外の目的に使用されていない土地」と定義している[6]。ただしこの定義の場合、低木林は森林に含まれないこととなる[7]

森林の形成

木が並んで生えていても、それを「森」とは言わない。見かけ上、木が並んでいるのが見えず、木のが一面に並んでいるのが見えるのが森である。これは定義としては成立し難いが、ある意味で森の性質を示している。森では外見上、多数の木が一つのまとまりを呈する。外から見えるのは木の葉ばかりである。つまり、表面に木の葉の層ができるので、森の中は暗くなる。したがって、枝葉は森の中では少なくなる。そして、枝葉の層で包まれることによって、森の中は、森の外とは異なった微気候の場となる。おおよそ、最高気温は低く、最低気温は高く、湿度は一定の範囲内に保持された、穏やかな条件を維持する。

森林は、一定の構造をもっている。それを構成する種組成、構造などに関する研究は、森林生態学が担当する。森林の構成の基本は、植物にあると言ってよい。森林を植物が構成するものと見た場合、この植物群落の構成を植生と呼ぶが、それを研究するのは、植物の群集生態学、いわゆる植物社会学、あるいは植生学である。

森林は、それぞれの地域、環境によって一定の形をもつ遷移によって形成され、それなりのいくつかの類型に分けられる。それによって種組成もある程度の決まった組み合わせとなる。

森林のとぎれるところを外から見ると、高い木の側面は見えず、低木蔓草の層によって森の中が見えなくなっているのが普通である。また、その根本には、が生えている範囲がある。前者をマント群落、後者をそで群落と呼ぶ。これらは森への風の出入りをふせぎ、森林の内部を保護するように働いている。

森林の構造

森林には、その型や発達程度にもよるが、ある程度の似かよった構造がある。これを階層構造と言う。森林を外から見たときに目につくのは、一番高いところの、枝葉の折り重なった層である。この層は、森林でもっとも多くの同化組織が集中する場であり、林冠とよばれる。この層を造る木をまとめて、高木とよぶ。高木層の少し下には、その高さに達しない木が造る層があり、これを亜高木層と言う。この層の木は、高木層に空きができたときに、そこを埋めるように待機しているものを含む。

本州中南部の平地に見られる照葉樹林では、高木層は25m程度、亜高木層は15m程度。その下の、数m程度の高さには低木層があり、高木ののほかに、背が高くならない木が出現する。さらにその下には、シダ植物などがあり、草本として区別する。さらに、地表に這うようにして存在するものを、コケという。

なお、森林の地表面を林床(りんしょう)という。林床に生える植物は、森林に独特のものもあるが、その森の林冠を構成する樹木の苗が出るのが普通である。これがない場合、その森林の樹木構成は、次第に変化するものと考えられる。

日本の照葉樹林の場合、以上のように5層くらいを区別するのが普通であるが、森林の型によっては、さらにそれ以下、あるいはそれ以上を区別する。東南アジア熱帯雨林では、高木層は50mにも達し、さらにそれを超えて伸びる超高木層の木が点々と現れる。

また、つる植物や、樹木の上に根を生やしてくっついている着生植物は、亜熱帯熱帯に近いほどよく出現し、熱帯林では、地表の植物をしのぐほどとなる。

森林は単独の樹種のみで形成されることはごく少ない。一般に南北の寒冷な地域では構成樹種が少ないが、一般には複数の樹木から森林は構成される。ほぼ1種の樹木しか見られない場合や、中の1種のみが極めて多い場合もあり、そのような森は純林といわれる。

植生調査はこれらの森林の特徴をもとに行われる。一般にはまず層の構造を見つけ、それぞれの層ごとに、構成樹種やその数、被っている程度などを記録する。


  1. ^ 講談社『暮らしのことば新語源辞典』初版
  2. ^ 三省堂『新明解語源辞典』初版
  3. ^ 「モリ(盛り)と同源の語といわれている」講談社『暮らしのことば新語源辞典』初版
  4. ^ 「遠くから見ると濃い緑が盛り上がって見え、近づいてみると日のさすことがほとんど無い所の意」三省堂『新明解国語辞典』第七版
  5. ^ 密林はジャングル(熱帯雨林)を指していう場合もある。
  6. ^ 「林政学講義」p4-p6 永田信 東京大学出版会 2015年11月20日初版
  7. ^ 「林政学講義」p5 永田信 東京大学出版会 2015年11月20日初版
  8. ^ 「流系の科学 山・川・海を貫く水の振る舞い」p52 宇野木早苗 築地書館 2010年9月10日初版発行
  9. ^ 「森と人間の文化史」p109 只木良也 日本放送出版協会 1988年10月20日第1刷
  10. ^ 「26年間で国中ハゲ山 世界的不足で輸入木材も高値」『日本経済新聞』昭和25年10月10日2面
  11. ^ 「流域学事典 人間による川と大地の変貌」p61-62 新谷融・黒木幹男編著 北海道大学出版会 2006年7月25日第1刷発行
  12. ^ ジャングルは狭義には東南アジアの熱帯雨林を指していう。また、広義には熱帯雨林に限らず、密林を意味する語としても用いられる。
  13. ^ 「環境の経済史 森林・市場・国家」p53 斎藤修 岩波書店 2014年6月18日第1刷
  14. ^ a b c http://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_3.html 「世界の森林を守るために 3」環境省 2016年11月23日閲覧
  15. ^ 丸山浩明 (2012-03). “ブラジルのバイオ燃料生産とその課題”. 立教大学観光学部紀要 (立教大学観光学部) 14: 61 - 73. doi:10.14992/00006318. 
  16. ^ a b c http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/22hakusyo_h/all/h32.html  平成22年度 森林・林業白書第1部 第III章 第3節 国際的な取組の推進(1) 林野庁 2016年11月18日閲覧
  17. ^ a b http://watashinomori.jp/study/basic_01.html 「森学ベーシック:1.日本の森・世界の森:世界の森林分布・面積」私の森.jp 2016年11月23日閲覧
  18. ^ http://www.env.go.jp/nature/shinrin/index_1_2.html 「世界の森林を守るために 2」環境省 2016年11月23日閲覧
  19. ^ 見山謙一郎 (2009年2月18日). ““森林大国ニッポン”にチャンスあり! 地方銀行が、新たな「森」と「ビジネス」を育てる : この「環境ビジネス」をブックマークせよ!”. ダイヤモンド・オンライン: p. 1. http://diamond.jp/articles/-/6092 2016年1月1日閲覧。 ※ 面積の算出根拠などが違うため統計により数値は異なる。
  20. ^ 日本の森林法では地方自治体などが所有する公有林は民有林に含まれる。
  21. ^ 森林の土地の所有者届出制度”. 林野庁ホームページ (2012年). 2020年9月17日閲覧。
  22. ^ 林地開発許可制度の概要”. 林野庁ホームページ. 2020年9月17日閲覧。
  23. ^ 林地台帳制度の概要”. 林野庁ホームページ (2018年). 2020年9月17日閲覧。





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