東国 開発

東国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 14:12 UTC 版)

開発

飛鳥時代から平安時代にかけては、朝廷の政策により、朝鮮半島から多数の渡来人難民が東国方面に移住・入植した経緯がある。六国史を始めとする記録からは、これら半島出身者の東国への移住が、朝廷により逐一把握されていたことが分かる。

  • 推古天皇9年(601年)、対馬に到った新羅の間諜迦摩多を捕えて貢上し、上野に流す。[13]
  • 斉明天皇6年(660年)、百済が俘100余人を献上する。今の美濃国不破郡片縣郡の唐人等である。[14]
  • 天智天皇4年(665年)、百済の百姓男女400余人を近江国神前郡に居住させ[15]、3月に田を支給する。[16]
  • 天智天皇5年(666年)、百済人の男女2000人以上を東国に移住させる。凡そ緇素(出家者と非出家者)を択ばず。癸亥年より3年間、同様に官食を給賜する。[17]
  • 天智天皇8年(669年)、佐平餘自信、佐平鬼室集斯等、男女700余人が近江國蒲生郡に遷居する。[18]
  • 天武天皇4年(675年)、筑紫より唐人30口を貢し遠江国に安置する。[19]
  • 天武天皇13年(684年)、百済人の僧尼及び俗人の男女23人を武蔵国へ移す。[20]
  • 朱鳥元年(686年)、新羅沙門行心が謀反し、飛騨国の伽藍に徙す。[21]
  • 持統天皇元年(687年)、投化した高麗56人を、常陸国に居住させ、[22] 投化した新羅人14人を下野国に配する。[23] 又、新羅の僧侶及び百姓の男女22人を武蔵国に移住させる。[24] いずれも土地と食料を給付し、生活が出来るようにする。
  • 持統天皇2年(688年)、百済の敬須徳那利を甲斐国に移す。[25]
  • 持統天皇3年(689年)、投化した新羅人を、下毛野に居住させる。[26]
  • 持統天皇4年(690年)、帰化した新羅の韓奈末許満等12人を武蔵国に居住させる。[27] 又、帰化した新羅人等を、下毛野国に居住させる。[28]
  • 霊亀元年(715年)、尾張国人の席田君邇近及び新羅人74家が美濃国を本貫地とし、席田郡を建てる。[29]
  • 霊亀2年(716年)、駿河・甲斐・相模上総下総・常陸・下野七カ国の高麗人1799人を武蔵國に移し、始めて高麗郡を立てる。[30]
  • 天平5年(733年)、武蔵国埼玉郡の新羅人徳師等の男女53人に請われ、金姓とする。[31]
  • 天平宝字2年(758年)、日本に帰化した新羅の僧32人、尼2人、男19人、女21人を武蔵国の閑地に移住させ、はじめて新羅郡を置く。[32]
  • 天平宝字2年(758年)、美濃国席田郡の子人・吾志等、賀羅造を賜姓される。[33]
  • 天平宝字4年(760年)、帰化した新羅人131人を武蔵国に置く。[34]
  • 天平宝字5年(761年)、新羅征討に備え、美濃・武蔵各国の少年20人ずつに、新羅語を習わせる。[35]
  • 天平神護2年(766年)、上野国の新羅人子午足ら193人が吉井連を賜姓される。[36]
  • 宝亀11年(780年)、武蔵国新羅郡人の沙良・眞熊等2人が広岡造を賜姓される。[37]
  • 延暦7年(788年)、美濃國厚見郡人の羿鹵濱倉が美見造を賜姓される。[38]
  • 延暦8年(789年)、信濃国筑摩郡人の後部牛養が田河造を賜姓される。[39]
  • 延暦16年(797年)、信濃国人の前部綱麻呂が安坂姓を下賜される。[40]
  • 延暦18年(799年)、百済姓の甲斐国人190人、高麗姓の信濃国人12人等、朝廷に願い出て日本姓を下賜される。[41]
  • 弘仁5年(814年)、化来した新羅人加羅布古伊等6人を美濃国に配す。[42]
  • 弘仁11年(820年)、遠江国・駿河国に配された新羅人700人が反逆する。(弘仁新羅の乱[43]
  • 天長元年(824年)、新羅人辛良、金貴賀、良水白等54人を陸奥国に安置し、法により復を給し、乗田を口分田に充てる。[44]
  • 天長10年(833年)、罪人百濟王愛岑を元は安房國に配したが、今は参河國に移す。[45]
  • 承和10年(843年)、出羽国河辺郡の奈良己智豊繼等5人が大瀧宿祢を賜姓される。[46]
  • 貞観12年(870年)、新羅人20人の内、清倍、鳥昌、南卷、安長、全連の5人を武蔵国に、僧香嵩、沙弥傳僧、關解、元昌、卷才の5人を上総国に、潤清、果才、甘參、長焉、才長、眞平、長清、大存、倍陳、連哀の10人を陸奧国に配する。[47]

注釈

  1. ^ 弥生時代における「東日本」も、文化的にも学術的にも流動的かつ曖昧さを排除できない地域名であり、統一的見解でもって範囲を示すことはできない。
  2. ^ 「足柄坂本」で坂の神を下し、坂に登り「吾妻はや」とのたわったので、「その国を号けて阿豆麻と謂う」とされている。
  3. ^ 四月癸卯条に「坂東九国軍三万人をして騎射を教習し、軍陳を試練せしむ」とある。この「坂東九国」は、坂東八国(相模・上総・下総・常陸・上野・武蔵・下野・安房)に陸奥国を含んだ総称。

出典

  1. ^ a b 平凡社百科事典マイペディア』. “東国”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  2. ^ a b 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “東国”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  3. ^ a b 日立デジタル平凡社世界大百科事典』第2版. “あづま”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  4. ^ a b c ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “東国”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  5. ^ a b c d 旺文社『旺文社日本史事典』. “東国”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  6. ^ a b c d 平凡社『百科事典マイペディア』. “坂東”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  7. ^ とうごく【東国】”. 学研全訳古語辞典. ウェブリオ株式会社. 2020年5月24日閲覧。
  8. ^ a b 東下り”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  9. ^ a b 東下”. コトバンク. 2020年5月24日閲覧。
  10. ^ a b 松村明監修『大辞林』三省堂(1999年)
  11. ^ 『日本書紀』景行天皇40年是歳条
  12. ^ 松村明監修『大辞泉』小学館(1998年)
  13. ^ 『日本書紀』巻二二推古天皇九年(六〇一)九月戊子八
  14. ^ 『日本書紀』巻二六斉明天皇六年(六六〇)十月
  15. ^ 『日本書紀』巻二七天智天皇四年(六六五)二月是月
  16. ^ 『日本書紀』巻二七天智天皇四年(六六五)三月是月
  17. ^ 『日本書紀』天智天皇五年是冬
  18. ^ 『日本書紀』巻二七天智天皇八年(六六九)是歳
  19. ^ 『日本書紀』巻二九天武天皇四年(六七五)十月丙戌十六
  20. ^ 『日本書紀』天武天皇十三年五月甲子
  21. ^ 『日本書紀』巻三〇持統天皇即位前紀朱鳥元年(六八六)十月丙申廿九
  22. ^ 『日本書紀』持統天皇元年三月己卯
  23. ^ 『日本書紀』持統天皇元年三月丙戌
  24. ^ 『日本書紀』持統天皇元年四月癸卯
  25. ^ 『日本書紀』持統天皇二年五月乙丑
  26. ^ 『日本書紀』持統天皇三年四月庚寅
  27. ^ 『日本書紀』持統天皇四年二月壬申
  28. ^ 『日本書紀』持統天皇四年八月乙卯
  29. ^ 『続日本紀』霊亀元年七月丙午
  30. ^ 『続日本紀』霊亀二年五月辛卯
  31. ^ 『続日本紀』天平五年六月丁酉
  32. ^ 『続日本紀』天平宝字二年八月癸亥
  33. ^ 『続日本紀』巻廿一天平宝字二年(七五八)十月丁卯廿八: 美濃國席田郡大領外正七位上子人。中衛无位吾志等言。子人等六世祖父乎留和斯知。自賀羅國慕化來朝。當時未練風俗。不著姓字。望隨國号。蒙賜姓字。賜姓賀羅造。
  34. ^ 『続日本紀』天平宝字四年四月戊午
  35. ^ 『続日本紀』巻廿二天平宝字五年(七六一)正月乙未九
  36. ^ 『続日本紀』天平神護二年五月壬戌
  37. ^ 『続日本紀』巻卅六宝亀十一年(七八十)五月甲戌十一
  38. ^ 『続日本紀』巻卅九延暦七年(七八八)九月丁未乙巳朔三、『続日本後紀』巻五承和三年(八三六)閏五月乙酉十七: 乙酉。美濃國人主殿寮少属美見造貞繼。改本居貫附左京六條二坊。其先百濟國人也。
  39. ^ 『続日本紀』巻四十延暦八年(七八九)五月庚午廿九
  40. ^ 『日本後紀』巻五延暦十六年(七九七)三月癸卯十七
  41. ^ 『日本後紀』延暦十八年十二月甲戌
  42. ^ 『日本後紀』弘仁五年八月丙寅
  43. ^ 『日本紀略』弘仁十一年二月丙戌
  44. ^ 『日本後紀』巻卅二逸文(『類聚国史』一五九口分田)天長元年五月癸未
  45. ^ 『続日本後紀』巻二天長十年(八三三)六月己巳十四
  46. ^ 『続日本後紀』巻十三承和十年(八四三)十二月乙夘朔:出羽國河邊郡百姓外從五位下勳八等奈良己智豊繼等五人。賜姓大瀧宿祢。其先百濟國人也。
  47. ^ 『三代実録』貞観十二年九月十五日甲子


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