東京ラブストーリー 東京ラブストーリーの概要

東京ラブストーリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 08:30 UTC 版)

東京ラブストーリー
漫画
作者 柴門ふみ
出版社 小学館
掲載誌 ビッグコミックスピリッツ
レーベル ビッグコミックススペシャル
巻数 ビッグスピリッツ:全4巻
小学館文庫:全3巻
文春文庫:全2巻
ドラマ
原作 柴門ふみ
脚本 坂元裕二
演出 永山耕三本間欧彦
音楽 日向敏文
制作 フジテレビ
放送局 フジテレビ系列
放送期間 1991年1月7日 - 3月18日
1993年2月12日(特別編)
話数 全11話
ドラマ:2020年版
原作 柴門ふみ
脚本 北川亜矢子
演出 三木康一郎永田琴、山本透
音楽 戸田信子
制作 アットムービー(協力)
製作 フジテレビ
配信サイト FODAmazon Prime Video
配信期間 2020年4月29日 - 6月3日
話数 全11話
ミュージカル
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画テレビドラマ
ポータル 漫画テレビドラマ舞台芸術

本作の25年後を描いた続編『東京ラブストーリー 〜After 25 years〜』が『週刊ビッグコミックスピリッツ』創刊35周年記念の一環として同誌2016年9号に読み切り作品にて掲載[5]、続いて『女性セブン』に同年11月10日発売号に全7回で連載され[6]、2017年1月に小学館から単行本が刊行された[1]

フジテレビ月9ドラマ」として1991年にテレビドラマ化され最終回平均視聴率が32.3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録する大ヒット作品となった。2020年に配信ドラマとして29年ぶりにリメイクされた[7]。2022年秋にはミュージカル版もされた[8]

あらすじ

下記に、漫画版のストーリーを記述する。テレビドラマ版は設定を除いて、ストーリーの大部分が異っている。

第一章 関口さとみ編

永尾完治愛媛から上京し、東京広告代理店に就職していた。職場では上司の和賀夏樹にイヤミを言われ、同僚の帰国子女赤名リカには「カンチ」と呼ばれてからかわれて振り回される日々。また、社内ではリカには和賀と交際しているという噂が立っていた。そんなとき、完治は幼馴染で都内の私立医科大に通う三上健一と再会する。三上は完治を無二の親友と呼ぶが、地元の名士で資産家の息子で垢抜けた軽い性格の三上に完治は強いコンプレックスを抱いていた。三上は東京での生活にすっかり馴染んでおり、完治が高校時代から片思いする関口さとみを呼び出そうとするが不在。完治はBarで知り合った行きずりの女性二人組をナンパする。それぞれカップルとなり女性をホテルに誘ったものの相手の女性は酔って体調を崩す。彼女を部屋に残して帰ろうとしたが支払いの際に財布がないことに気づいた完治は偶然鉢合わせたリカから金を借りる。「置いてきぼりにされた女の気持ちがわかる?」というリカの言葉が胸に刺さった完治は部屋に戻り女性を介抱。彼女も福島から上京し、「東京の女」ぶってナンパに応じたものの故郷に恋人を残していた。完治は朝までとりとめもない話をして女性を慰める。「東京にコンプレックスを感じているのは自分だけではない」ということにすがすがしさと勇気を得た完治だったが、リカに大きな借りを作ってしまう。

後日、金を返した完治だがリカに付きまとわれるようになる。そんなリカに完治は同級生の田々井アズサを重ねる。和賀に誘われた席で政財界の大物と対面した完治は和賀が完治の思う以上の「やり手」であることと、そんな和賀に自分が高く買われていることをまざまざと知る。帰りのタクシーで話題がリカに及び、和賀がリカの自由奔放さに魅力を感じていることを知るが、完治はリカがアズサに似ており、アズサが自殺したことを打ち明ける。和賀と別れた後、自宅前のアパートでリカが待ち伏せしていた。部屋に入ると電話が鳴っており、それは三上とさとみからの誘いだった。リカは強引に同行し、4人は初めて顔を合わせる。だが、さとみは保母の仕事を理由に早々に帰宅。完治と三上はカラオケに夢中のリカを置いて三上の部屋で飲み直すことにしたが、女癖の悪さが祟り三上の部屋は占拠されており、やむなく二人は完治のアパートに向かうことになる。三上もまたリカがアズサに似ていると感じていた。そして、三上は大嫌いな故郷で認めていたのは完治とさとみの二人だけだったと語る。その後、激怒したリカがアパートに襲来し、完治はパニックを起こしたリカを宥める。そんな完治に、三上はさとみの連絡先を置いていく。

日曜日に完治はさとみをデートに誘う。その日は父親参観日と言われ、完治は嘘をつかれていると思ったが事実だった。仕事を終えたさとみと公園に行くが、そこでさとみの職場の教え子家族と鉢合わせてしまう。デートは散々だったが、さとみから上京の理由が実家が経営するラブホテルについて誰も知らないからだと打ち明けられる。良い雰囲気になりかけたが、アパート前で待ち伏せしていたリカのせいでさとみは帰ってしまう。後日、完治の職場に故郷から研修で上京中の親友青木が訪ねてきていた。かつて完治は青木に頼んでさとみの真意を確かめて貰ったことがあり、さとみは完治について「いい人だけど・・・」と口にしていた。さとみは実家の商売もあって潔癖で身持ちが堅かった。完治は三上に頼んでフランス料理店を紹介して貰い、さとみとデートに行くことになるが、さとみから同僚の北川も一緒でいいかと言われる。北川たちは男っ気のないさとみを賭のネタにしていた。会話が弾む中、三上が現れる。予約人数を変更したことが気になって様子を見に来たのだった。三上は完治とさとみを邪魔しまいと、北川を相手に軽口を叩くがそれを見たさとみが動揺。北川を口説こうとする三上にさとみは激昂する。場所を変えたBarで完治はさとみに交際して欲しいと告げるが、さとみは回答を保留。やがて泥酔した北川はさとみに「本当は三上くんを誰かに取られたくないんでしょう?」とぶちまける。三上は硬直し、さとみは戸惑う。そのことで完治はさとみの真意に気づいてしまう。

後日、北川の伝言を伝えるためさとみは三上に会う。その際に、三上から真顔で「完治に友達でいましょうとだけは言うな」と釘を刺され、「俺たちの中で一番ひどい人間は実は自分なんだって思わない」と言われ、さとみは泣いてしまう。一方、完治に呼び出されたさとみはその場で交際して欲しいという言葉を撤回され、「これからも友達でいよう」と言われる。別れ際に完治から「俺じゃダメなんだろ」と言われたさとみは胸が締め付けられる。一方、三上は交際中の女性からさとみをけなされて激怒する。北川と部屋で話をしていたさとみの所に青木から連絡が入る。東京への転勤が決まり、案内して欲しいという話だった。さとみは青木に完治を連れてくるよう告げる。水族館を楽しみ、その後、三人は食事する。青木は完治とさとみが良い雰囲気でもう少しで恋人同士だと評する。駅で別れる際に完治は青木に先に部屋に帰るよう促し、さとみを送っていく。駅に着いた途端、完治は「もう会わない方がお互いのためだと思う」と言って去っていく。自宅に帰ると三上から「愛しているからやらせろ」と何度も電話が入る。後日、さとみに三上の母親から電話が入り実家からの差し入れを届けるよう頼まれ、三上が実家と不仲で勘当同然であることを知る。一方、三上は大学内で孤立していた。出席日数が足りず、周囲からも浮いていた。大病院の令嬢で優等生の長崎尚子も三上を毛嫌いするが、誰にもノートを貸して貰えない三上に黙ってノートを置いていく。さとみは完治を頼ることも出来ず三上に差し入れを届ける。そこには伊達男が台無しで眼鏡をかけ髭面の三上がいた。既に学費が納入済みで留年が出来ない三上は試験勉強に追われていた。三上はお裾分けをあげるからとさとみを部屋に招き入れる。三上は国立医大に進学出来るほどの優等生だったがわざと金のかかる私立を選んでいた。それも尊大な父親に金を遣わせたかったからで、東京に来たかったから来たのではなく故郷に帰りたくないからだった。そんな三上にさとみは自分の事情を重ねる。さとみは地元の銘菓「一六タルト」の中に隠された母親からの手紙に「大好きな関口さんに頼んであげます」の一言を見てしまう。高校時代からさとみに片思いを続けていたのは完治だけでなく三上もだった。三上は「愛しているずっと前から」と言ってさとみにキスをする。

渋谷で仕事をしていた完治とリカは女連れの三上とばったり出会う。その際、三上が差していた安物のビニール傘がさとみとの別れ際に渡したものではないかと完治は疑う。一方、ベッドインしかけた三上とさとみだったが、行為の前にさとみは出て行ってしまう。ところが三上の父親が倒れたが三上に連絡がつかないため、さとみの許に連絡が届いていた。さとみは三上の許を足繁く訪ねる。山ごもりしていた三上がようやく帰宅し連絡をしてみると、帰る必要はないという回答だった。三上の父親は実の息子を勘当し、甥っ子を養子にしていた。「俺にはお前が必要なんだ」と言う三上をさとみは受け入れ、二人は同棲をはじめる。一方、完治は和賀と飲みに入った店で三上の連れていた女性を目にする。三上のマンションを訪ねた完治は三上とさとみが同棲を始めたことを知る。その後、三上を呼び出した完治は三上が遊び半分で連れ歩いていた女性が三上との交際を真剣に考えており、玉の輿に乗れると有頂天だった様子を語る。そして、女遊びがやめられないなら絶交すると宣言する。

完治はさとみへの失恋のショックが痛手となって仕事も手に着かない状態となっていた。一方、リカは別人の如く仕事にやる気を見せる。沈み込む完治をリカが励まし、重大な接待の席でも完治は失態を繰り返すが、セクハラを受け流したリカのお陰で救われる。「ねぇ、セックスしよう」というリカの一言から二人の関係は始まった。

第二章 赤名リカ編

行きずりでリカと関係してしまった完治だがリカは全く意に介していなかった。そんなとき、完治は和賀に書類を届けるため自宅を訪問する。そこは社長の住まいとは思えぬ汚い安マンションの一室だった。若い女に入れあげて夢中になり、家族と別居し、愛を口にした途端に離れて行ったと和賀は語る。その若い女がリカだと完治は直感し、「お前も女には気をつけろ」と忠告されたことで完治とリカが関係したことに和賀が勘付いたことを知る。完治はリカに自分の気持ちだけが大事なのかと問い詰めてしまう。一方、和賀は別居中の息子にプレゼントするナイフを購入していた。リカはリカで子供向けのシール入りチョコに夢中の様子。息子と会うのに立ち会って欲しいと和賀に頼まれた完治は和賀の息子から「沢山シールを送ってくれたからいいのに」という言葉を聞いてしまう。リカは自分が愛を求めたことが他人を不幸にしたことに深く傷ついていた。産婦人科を訪れたリカは研修医として働く三上と再会し自宅に招かれる。完治は乗り気でないが、リカの求めに渋々訪問する。落ち着いた暮らしをする三上とさとみに完治は動揺を隠せない。三上と二人で話していた完治は三上がアズサと寝ていたことを知る。田舎町ではアズサが求める濃密な愛を与える存在など居らず、それに絶望して自殺したのではと三上は語る。一方、さとみは完治に思わせぶりな態度をとる。三上のTVゲームに夢中だったリカは突然帰ると言いだす。もうちょっとという完治にリカは部屋を飛び出していく。リカが遊んでいたコントローラーは壊されていた。近くの公園に居たリカはヘアピンで落雷自殺をしようとしていた。完治のさとみへの態度に勘付いていたリカは泣き崩れる。完治はさとみへの未練とリカから目を離してはならないことを自覚する。

成り行きで同棲生活を始めた完治とリカだったが、リカは完治の些細な気持ちにも敏感に反応する。自身の感情をコントロール出来ないリカに対し、完治は突き放すが、和賀は父親の気持ちで優しく諭す。そんなとき、完治のもとにさとみから連絡が入る。さとみは三上の女癖に手を焼き「馬鹿になろう」と努めていた。さとみは三上に乗り換えの際にあたしのためにガムを買ってと頼む。通学途中で尚子を口説いていた三上はさとみの一言を思い返し、一本取られたと悟る。ある日、さとみは財布を忘れた三上に届けるため大学を訪れるがそこで尚子と鉢合わせて睨まれ、三上からも物凄い形相で睨まれる。さとみからの呼び出しで、東京タワーでさとみと会った完治は三上宛ての領収書を見せられる。ほとんどがホテルの利用に関してだった。そして、完治は三上に怯えるさとみを抱きすくめる。さとみは帰宅後、完治と会ったことを三上に打ち明ける。すると三上は一晩中プラモデル作りに没頭する。その翌日、電話で完治にもうダメかも知れない、別れるかどうか決めてと言うさとみだったが、三上が完治の会社を訪ねていた。三上は完治とさとみが会っていたことを真剣に問い詰め、まだ未練があるのかと聞く。完治は「彼女はお前に夢中だよ」と言い繕う。完治とさとみに不安を感じた三上は一晩中プラモデル作りで気分を紛らわせた。完治はさとみには三上が帰ったら笑顔で迎えてやってと伝え、これで良かったのだと思う。

二週間の長期休暇を終えたリカは空港で完治に出迎えさせる。帰国したリカの話は何処までが冗談なのかわからないような話ばかりで、アラブの金持ちからダイヤモンドの指輪を貰ったなどと語る。仕事に復帰したリカだったがいきなり同僚の野村にペンキをぶっかけようとする。盲腸炎が悪化して入院したさとみの見舞いに行った際、北川と会った完治は一時期憔悴していたさとみが元気になったと聞かされる。完治は酷く惨めな気持ちに陥るが、後日野村に謝罪された完治は完治に対する悪口に激怒したリカにひっぱたかれたと語り、お前に対するやっかみもあると話す。リカに求婚しているのは途方もない相手ばかりだった。ダイヤの指輪を貰ったのは事実で、リカはそれを売って高級外車を買うなどと言いだす。和賀の指示で豪華なパーティに出席することになった完治は英語が堪能なリカを同伴する。ドレスアップしたリカに注がれる眼差しは尋常ではなかった。そして、リカは贅沢は味わい尽くしたと豪語する。「だったらなにが人生の目的なんだ」と言ってふて腐れた完治は帰ろうとするが、セレブたちのリカに対する悪口を聞いてしまう。思い直した完治はリカを送って帰ることになる。リカは金持ちと寝たことや、豪華なプレゼントを貰ったけれど、すべて愛ゆえで金銭や地位が目的であるほど卑しくないと話す。そして、完治の言葉を思い出したリカはパニック発作を起こしてしまう。アフリカの広い風景を思い出させて発作を鎮めた完治は、休暇を申請しリカを故郷の愛媛につれて行こうとする。完治はネックレスをプレゼントし、休暇に故郷に連れていくと告げるがリカは給湯室で再び発作を起こし、完治はリカを三上の勤務する病院に連れて行く。発作の原因は「不安」だった。帰国後、リカはフィリピン人の男に付きまとわれていたが、完治は三上に頼んで会話の内容を聞き出す。診察後、完治のアパートを訪ねたリカは完治からフィリピン人の男と寝たことを問い詰められ、悪びれることなく「寝た」と答える。完治がリカの頬を叩くと、「こんなもので束縛しないで」とネックレスを壊し、完治が「もう別れよう」と切り出すと再び発作を起こし、救急搬送される。リカが倒れたと聞いて病院に駆けつけた和賀は物事が順調で上手く行きかけているときほど発作を起こしやすく、行きずりの男と寝るなど破滅的な行動に走ってしまうと語る。リカは愛だと信じていたが、つきまとっていたフィリピン人は誰とでも寝る尻軽だと仲間に話していた。街でさとみと偶然再会した完治はリカについて相談する。完治を案ずる和賀は海外勤務の話を持ち出し、リカはそれを察して完治の画を描こうと苦闘。だが完治は「逃げ出すのはボクの流儀じゃない」と転勤を断る。

第三章 二つの破局編

三上はアプローチを続けていた尚子からフィアンセを紹介される屈辱を味遭わされて失恋。傷心を抱えて自宅に戻ったとき、さとみはそのことに気づいて三上に尚子にフラれたのでしょと指摘し、そのまま発作的に部屋を出て行く。取り乱した三上は完治のアパートを訪ねるが完治とリカが寝ているだけだった。完治はきっと北川のところだろうと告げるが、三上は「お前の方がさとみのことを知っているんだな」と皮肉を言う。その一ヶ月後、完治が三上のマンションを訪ねると女を連れ込んでいた。外に飲みに出た二人。三上は一ヶ月の間のことを語り、保育園を訪ねたものの間に立った北川から「会いたくない」と拒否され、失踪から三日後には荷物も引き上げられていたことを語る。だが、それっきりだった。お前ならどうすると問われた完治は自分なりの対処を語る。その後、さとみを訪ねた完治はこのままではいけないと忠告し、さとみは翌日三上と会うと告げる。何食わぬ顔の三上にさとみは完全な別れを言い渡す。だが、三上の衝撃は大きかった。三上はさとみが失踪してから二日間一睡も出来ず、このままではダメだと睡眠薬を取りに出た隙に荷物を持ち出され、その後は毎晩プラモデルを作っては壊し続けた。いよいよ新しく作るものがなくて途方に暮れていたとき店員の女性に色目を使われ寝た。その翌日、完治が訪ねてきた。完治のもとにはさとみから別れたという電話がかかっていた。ボジョレーヌーボーを手土産にやつれた様子で完治のアパートを訪ねた三上は完治とリカに気持ちを救われる。そして、完治のアパートに居候することになる。ある日、完治のアパートをさとみが訪ね、完治は招き入れるが三上は悪態の限りを尽くし、さとみは怒って出て行く。転居先が完治のアパートだと知ったさとみは偶然を装い訪ねたのだった。三上は必死に立ち直ろうと努力し、完治の隣室が空き部屋になってからはそこに移り住む。週末はリカも交えて、三人で過ごすうち完治は鳩を飼い始める。リカは「リンチ」と名付けて可愛がっていたが、ある日、猫に襲われて大怪我を負い、やがて死んでしまう。

和賀の会社が傾き、このままでは倒産という運びになり、和賀は人脈を駆使して完治たちの再就職先を決める。完治とリカは二ツ橋産業という大手に中途採用されるが、仕事が忙しくなりすれ違いの日々が続く。完治はリカのことが気がかりだったが、リカは完治のことを考え我慢を重ねる。様子を見に訪れた和賀からリカは他人を愛するエネルギーが五倍あると忠告され、それを適当に受け流しているから完治とは続くと指摘される。だが、二人の間にも危機が迫っていた。休日、完治は激務に疲れて電話線を引き抜き、三上からリカが来ると聞いて外出し、居眠りしてしまう。三上は気を利かせてリカの相手をしていたが、リカから本気で迫られてしまう。三上は適当にあしらったため何事も起きなかったが完治と顔を合わせたリカは24時間ずっと愛し続けてと完治に要求する。和賀と再会した完治はリカが退職して留学したいと話していることを知らされる。またさとみと再会した完治は連絡先を教えられる。バレンタインデーに三上はさとみと会うことになり、完治はリカと会う約束をする。4人で会うという待ち合わせに完治とリカは現れず、完治とリカはプラネタリウムで会っていた。三上はさとみと話すが完治に連絡する隙にさとみは帰ってしまう。プラネタリウムで愛を確かめた完治とリカだったが、リカは完治と和賀に見送られて渡米してしまう。

尚子の結婚が迫る中、三上は尚子にアプローチするフリをして「結婚おめでとう」と告げる。その後、突然尚子が三上を訪ね「泊めて欲しい」と言いだし、三上は尚子と寝てしまう。同じ日、完治はバレンタインの出来事を確認するためさとみに会うがこじらせた風邪が原因で寝てしまい、彼女の部屋で朝を迎える。完治はリカについてさとみの前ですべてぶちまけ、不覚にも泣いてしまう。帰宅すると三上の部屋から尚子が出ていくところだった。三上は自信たっぷりに分があると言うが、翌日強引に尚子をホテルに誘った三上は身の上話を並べる尚子に拒絶される。後日、大学で尚子と顔を合わせた三上は尚子から真意を引き出す。三上と寝た際に母親に謝罪していたことで、親のために結婚するつもりだったのだと語る尚子に、三上は国家試験に受かったらプロポーズすると宣言する。プレゼンの成功報酬にコンサートのチケットを貰った完治はリカが不在のためさとみを誘う。ところが会場で三上、尚子と鉢合わせてしまう。さとみに当てつけるように試験に合格したら三上と結婚すると宣言する尚子に、完治はさとみを必死にフォローする。帰宅後、三上に問い詰められる完治のところにさとみから電話が入る。リカからの国際電話だと嘘をついて切ったものの、再びさとみから電話が入り三上が出てしまう。何故嘘をつくと問い詰める三上に、完治は三上が尚子と寝た日に、自分もさとみと寝たと嘘をつく。完治はさとみに電話して遭い、そこで二度目の電話に出たのが三上だったことを告げ、さとみに好きだ、君が必要だと告白する。完治とさとみに動揺したことを尚子に見透かされた三上は試験が終わるまで遭わないと宣言される。

第四章 それぞれの選択編

さとみとのことで三上と完治の友情にも亀裂が生じてしまうが、仕事で疲労しきった完治を見かねた三上は完治を許す。一方、さとみは北川にすべてを語る。三上とのセックスに最初は快感を感じていたが、三上の浮気が明るみに出るや地獄だったと。そして次に好きになる男は絶対に浮気をしない男だと決めていたがさとみが好きになったのは優柔不断な完治だった。完治と寝たいと思って誘ったものの、キャッチホンでリカからの電話が入り動揺する完治を突き放したものの、それでも完治と寝たいと覚悟を決めていた。完治の部屋を訪ねたさとみは三上と鉢合わせ、しばし想い出を語るがすべて終わったことだった。完治の帰りを待ち、さとみは完治と結ばれる。だが、完治はリカの悪夢にうなされていた。さとみは完治の部屋でリカの「カンチ、愛してるわ、愛しているわ、愛してるわ!!」というハガキを見てしまうがさとみはリカと対決する覚悟を決めていた。完治はさとみに遭いに行く。そこで「美しい風景を目にしたとき、誰かと分かち合いたいと思っていた。それが関口さとみなら最高だ」と語る。五日間の出張を終えて九州から東京に戻った完治のもとに和賀から連絡が入っていた。「リカが帰国している」。動揺してパニックを起こすリカの姿を想像した完治は動揺する。そして、さとみにもリカの帰国を伝える。三上はリカと遭い、リカが不在の間に完治とさとみがくっついたことを嘆くのを聞く。それで少し安心するがリカは妊娠していた。三上との会話でリカの子供が自分の子ではないとわかる完治だったが、リカを放ってはおけなかった。リカのお腹の子は和賀との間に出来た子供だった。さとみの杞憂を知りつつ、リカと遭った完治は「和賀と結婚する」というリカの言葉にホッとした表情を見せてしまう。

三上は尚子の両親に挨拶に行くが、そこで地方の勤務医になる意向を伝える。尚子にとっても初耳だった。三上にとって「幸福な幼少期」がなかったことはコンプレックスだった。自分の子供に幸福な幼少期を与えたいという三上の思いは尚子の両親には理解されない。一方、完治とさとみの交際は順調そのものだったが、リカは完治に連絡をつづけ、完治とさとみの心は揺れる。完治の心にはリカを幸せにしたいという思いが燻っていた。行方をくらませたリカの行き先が完治の故郷である愛媛だとあたりをつけた完治は和賀と連絡を取りながら帰郷することを決める。これが最後だと言いながらリカに対して行動する完治にさとみは不満をぶつける。さとみの不安を救ったのは三上だった。三上は完治の不在で心乱れるさとみをパチンコに連れ出すなどして支える。だが、運悪く尚子と鉢合わせてしまう。尚子は両親に三上を理解させようと奔走し、疲れ切っていた。親を捨てろと頑固に譲らない三上に尚子は三上に確信を持てないことが辛いとこぼす。そして、三上のもとに尚子の母親から別の男との縁談が進められているという連絡が入る。落ち込む三上は行きずりの女と寝てしまい、現場を尚子に見られてしまう。「もう終わりよ」と言い残し、尚子は三上の前から姿を消す。

帰郷した完治はさとみ宛てに手紙を綴る。その中で、重大なことを思い出したと書く。田々井アズサが自殺した際、表面的に同情を装う級友を尻目に、委員長のさとみが「死者の脅迫に屈してはいけない」という呼びかけに教室に残ったのは完治と三上だけだった。完治はアズサから「寝てもいい」と言われていたがさとみを思って誘いを断った。三上はアズサが本心から好きな相手が親友の完治だと知っていた。さとみは実家のラブホテルから出てくるアズサと鉢合わせ、教師に告げ口したと疑われていた。三人ともアズサの自殺に誰よりも動揺していたのだった。結局、その手紙は完治自身が処分する。実家に戻った完治はさとみとの結婚を両親に報告し、さとみに連絡を入れる。

完治はリカの好みに合ったホテルを探し出し、お腹の大きなリカと再会する。そしてリカに忘れ物だったアフリカの風景写真を返し、さとみとの結婚を報告する。リカはお腹の子を愛することを決めていた。完治はアズサについてリカに話す。だが、リカはアタシはアタシと意に介さない。一生生きてやると宣言するリカに完治は安堵する。海辺のブランコでこれからのことについて話をしていたリカは突然、「やっぱり離したくない」と言いだし、ホテルにもう一部屋とると言いフロントに走って行く。それが完治がリカを見た最後となる。精算を済ませたリカはチェックアウトし、完治への置き手紙を残していた。「またいつか東京のどこかで遭いましょう」という言葉に完治はリカとの関係が完全に終わったことを悟る。そして、さとみの待つ東京へと戻った。

終章

完治とさとみは結ばれた。一方、尚子は親のすすめる相手と結婚式をあげ、三上は尚子を掠おうとするが失敗する。だが、傷心の三上の前に成田離婚した尚子が現れる。完治とさとみ、三上と尚子はそれぞれ結婚式を挙げる。

三年後、完治とさとみに第一子が誕生し、仙台に赴任した三上と尚子も駆けつける。三上と尚子は3年かけて結婚と仙台暮らしを尚子の両親に納得させた。男の子の名前を考えていた完治は「カンチ」という名を思い出し、リカに呼ばれたと錯覚する。偶然、リカによく似た女性と遭った完治は子供が生まれたんですと嬉しそうに語った。

登場人物

タイトルは東京ラブストーリーだが、主要登場人物で都内出身なのは長崎尚子のみ。当初は地方出身者である完治、三上、さとみが東京で三角関係を繰り広げる「東京トライアングル」というタイトルを想定していたという[9]

永尾 完治(ながお かんじ)
本作の主人公。東京の広告代理店「和賀事務所」に勤務する会社員。地元の愛媛を愛し、地元大学に進学したものの、教授の推薦で上京して和賀の許で働くことになった。性格は誠実で真面目かつ気配り上手で誰に対しても優しい。反面、その優しさが災いして優柔不断な面もある。趣味は伝書鳩の育生。高校時代は軟式野球部員。その当時から片思いする関口さとみにはふり向いて貰えないが、田々井アズサや赤名リカといったエキセントリックな女性に何故か好かれてしまう。三上は猛獣使いの素質があるためだと評している。東京での生活に馴染めず、コンプレックスを抱く。愛称カンチ(リカ限定)。三上とさとみが交際することになり、失恋の痛手からリカと寝てしまい、その後はなし崩しに通い同棲生活を送る。だが、完治が真剣にリカを愛するようになるや、次第にリカが発作を起こすようになってしまう。三上とさとみの破局、リカの突然の留学で、さとみに対する未練とリカを持て余していたことを自覚。さとみと結婚を前提に交際を始める。帰国したリカ、さとみの間で心揺れるが、最終的にリカが身を引く形でさとみと結ばれた。さとみと結婚し、第一子をもうける。
赤名 リカ(あかな りか)
本作のヒロイン。完治の同僚。商社マンの娘でジンバブエ育ち。自由奔放に生きる。劇中当初は和賀と交際しつつ、完治に興味を抱いていた。和賀が家族を捨ててリカを選んだことで和賀と破局し、さとみに失恋した完治と交際をはじめる。愛に生きる性格ゆえ、様々な男性と浮き名を流し、贅沢を味わい尽くす。だが、他人から愛されることに慣れておらず、パニック障害を抱える。感情のコントロールが下手で特に「怒り」を制御出来ない。また、愛する男性と上手く行きかけても破滅的で無軌道な行動をとってしまう。完治を心から愛していたが、突然会社を退社して留学のため渡米し、完治の前から姿を消す。和賀との息子(アフリカ)を身篭る。結局、和賀とは結婚せず、シングルマザーとして生きるつもりで完治と別れた。完治にとっては「東京」の象徴とみなされていたが、語学堪能でアフリカ育ちの彼女にとって東京は窮屈なコンクリートジャングルだったようで長期休暇では海外を飛び歩いている[注 1]
三上 健一(みかみ けんいち)
完治とは高校時代の同級生。高校時代は水泳部所属。私立医科大学の学生。地元の名士の息子で成績優秀。二枚目で女性にはモテる。だが、実の父親との仲は最悪で、勘当され従兄弟を養子にされたことで実家とは絶縁に近い状態にあり、実母だけが将来を心配している。表面的には軽薄で数々の女性と簡単に関係を持つが、根は子供っぽく寂しがり屋で内向的な性格。趣味はプラモデル作り。小学生時代にイジメから庇ってくれた完治と、父親の策略で万引き犯の噂を流されたときに唯一人信じてくれたさとみだけを信頼し、故郷の愛媛を憎悪し、そこから逃れるために上京した。親に嫌われる惨めな幼少期を過ごしたことで愛情に飢え、幸福な幼少期にコンプレックスを持つ。片思いしていたさとみと結ばれ、同棲するが尚子への関心は尽きず、彼女から手酷くフラれたことでさとみと破綻。一時期、完治の部屋に居候する。三上とさとみの復縁を完治がお膳立てするも、さとみの三上に対する絶望感は深く、復縁はならなかった。一方、尚子との関係は次第に深まり、真剣に彼女と交際するようになる。尚子の両親の反対もあり、一度は破局したものの、成田離婚した尚子と結ばれる。医師となった後、仙台に赴任する。行きずりの女性とも関係するが、「友達の彼女とだけは絶対に寝ない」という確固たるポリシーを持ち、リカに誘惑されたときもサラっと受け流した。
関口 さとみ(せきぐち さとみ)
本作のもう一人のヒロイン。完治、三上の高校時代の同級生。高校時代はバレー部員。優等生気質で誰に対しても優しい。その性格故に完治、三上からそれぞれ片思いを寄せられる。実家がラブホテルを経営していることでからかいの対象となるが、それをさりげなく庇っていた完治に好意を持っていた。だが、潔癖で身持ちの堅い性格であり、完治がアズサとキスをしたことを気にしていた。自身の秘密を知らない土地で生きる決意をして上京。保育士として就職した東京で、完治、三上と再会する。当初は完治に心惹かれていたが、実は三上に対して独占欲に近い愛情を持っていたことがわかり、三上に纏わる事情が発覚してからは三上への思いを自覚し、完治にフラれたこともあって三上と同棲するようになる。だが幸福は長く続かず、さとみの愛に安心しきった三上に何度も裏切られ、「馬鹿になる」と決めて寄り添っていた。だが、三上が尚子に失恋したことを機に破局した。三上との交際と別離は潔癖だった彼女を一回り大きく成長させた。完治とは互いに良き相談相手となっていたが、リカとの関係に憔悴しきった完治の姿を見て、改めて完治の魅力と思慕を確認し、リカと対決して完治を奪い取る決意を固める。三上と完治を靴に喩え、三上は「誰もが振り返る自慢の靴」だが、完治は「履き心地が良すぎて履いていることを忘れてしまう」と評している。高校時代は学級委員だったが芯の強い性格故に煙たがられていた。田々井アズサの突然の自殺で、実家のホテルから男性と出てきたことを教師に告げ口したと誤解から憎まれたまま死なれたことにショックを受けつつ、「死者に振り回されるべきではない」と反論し、クラスメイトたちの不評を買った。完治との順調な交際を帰国したリカにかき乱されるが、完治を信じて待ち、リカと別れた完治と結婚する。
長崎 尚子(ながさき なおこ)
三上と同じ医大生。大病院の令嬢。お嬢様育ちで優等生気質。反面、三上のような不良学生も放っておけない愛情の深さを持つ。性格的にどことなくさとみと似た部分があるため、さとみとの同棲中も三上から執拗にアプローチされる。さとみに対しては初対面から敵愾心丸出しだった。だが、性格的にはさとみよりも強く、自信過剰な三上に痛手を与えるためわざとデートに応じたフリをしてフィアンセを紹介し、三上の自尊心を傷つけた。このことが三上とさとみが破局する直接要因となる。さとみとの破局後、立ち直ろうと必死に足掻き、女遊びを控えるようになった三上を勉強面でサポート。やがて、親の決めた相手との結婚が近付く中、三上への思いを確認するためアパートに赴き、結ばれた。親の敷いたレールに沿って疑問を抱かなかったことを自覚し、三上と国家試験に合格したら結婚することを約束する。だが、地方医になりたい三上の意向が尚子の両親に容れられず、興信所を使って過去を調べられるなどされたことで両親と三上の板挟みに苦しみ、そんな尚子の気持ちを裏切るように、元カノのさとみと睦まじげに振る舞ったり、行きずりの女と寝る三上に愛想を尽かし、両親の勧める縁談を受け入れる。結婚式で尚子を奪いに来た三上を相手にしなかったが、成田離婚の末に三上の許に戻った。その後、3年を経て両親に仙台住まいと結婚を了承させた。
和賀 夏樹(わが なつき)
個人事務所の経営者でリカと完治の上司。元は大手企業の幹部候補で人脈も広くやり手だったが、一匹狼的な性格が派閥争いなどの企業体質に馴染まず独立した。リカと不倫関係となり家族と別居するが破綻。リカを本気で愛していた。完治の人格や誠実さを認めており、陰ながらリカとの交際も応援する。資金繰りに詰まった会社を畳んだ際には社員達に再就職先を斡旋した。完治とリカの関係が煮詰まった際にリカの求めに応じて関係し、子供を成す。やがて妊娠し帰国したリカと結婚するつもりだったが「愛しているのはカンチ」だと別れを告げられる。行方をくらませたリカの身を案じて完治と連絡を取りあう。ある意味、完治以上にリカの魅力と彼女の抱える障害を理解しており支えていた。妻子を捨てた身だが息子には変わらぬ愛情を注ぐ。
田々井 アズサ(たたい アズサ)
完治、健一、さとみの高校時代の同級生で故人。派手だった男関係とは裏腹に本心では完治が好きだったが、さとみを片思いする完治にフラれた。その後、教室の黒板に「みんな大嫌い」と書き残して投身自殺する。別の男とラブホに入ろうとしたところを、帰宅したさとみに目撃されたことからトラブルが発生。さとみを誤解し攻撃していた。三上とは肉体関係を持っており、本当は完治が好きだという真意もほのめかしていた。完治、三上、さとみにとってはトラウマであり、リカについてそれぞれアズサに似た雰囲気があるとみなしている。田舎町では彼女の深く自由な愛を受け止めきれる存在が居なかったことが自殺の要因だと三上は評している。後に完治はリカにアズサについて話すが、生きることに執着するリカからは違うと評された。
青木
完治の高校時代の親友。黒縁眼鏡でやや肥満気味。地元に就職したが、研修を経て東京勤務となる。さとみをからかったりもしていたが完治がさとみに片思いをしていることを知る人物。高校時代、完治に頼まれてさとみの真意を確かめた際に、「いい人たけど…」という言葉を引き出した。当時、完治はすべてを聞かなかったがその前段が「永尾くんがアズサさんとキスしたって本当?」だったことを再会後に明かす。
北川先生
さとみの同僚。ロングヘアーの美人。職場柄お互いを「関口先生」、「北川先生」と呼びあうが親友。三上が紹介したフランス料理店で完治とさとみのデートに同席し、予約人数の変更で気を利かせて現れた三上と軽口を言い合う。その後、泥酔して「本当は三上くんを誰かに取られるのが嫌なんでしょう」と発言したことが完治とさとみの破局と三上とさとみの交際の契機となる。翌日、この件を謝罪する。その後、三上が尚子にフラれ、さとみが部屋を飛び出した際には彼女を受け入れ、しばらく同居していた。さとみと三上との破局後、間を取り持つ完治と話す機会も増え、さとみから同棲生活中の深い話も聞き出す。リカの存在があった上で完治と結ばれることを願うさとみを後押しした。「恋愛は闘い」という考えの持ち主。

注釈

  1. ^ ティファニーで朝食を』の主人公であるホリー・ゴライトリーがモデルとのこと[9]
  2. ^ 転勤願いは、完治の入社以前に出していたもので、リカ自身も完治が入社後はそれを出していた事自体忘れていた。
  3. ^ 坂元の提案後スタッフ陣で1か月間話し合い、プロデューサーの大多が最終的に判断した[2]
  4. ^ 1988年に放送されたフジテレビのトレンディドラマの代表作の1つ。主演のW浅野(浅野温子浅野ゆう子)が人気となり、作中の彼女たちの生活スタイルは当時の若い女性の憧れとなった。Wikipediaの当該記事によるとこの作品のヒットにより、以後数々のトレンディドラマが作られたとされる。
  5. ^ 後述の2020年版では、平成不況後の等身大の若者風俗となっている。作家・評論家の佐藤優は、人工透析中に両者を見比べて、日本の貧困化を実感したという[12][13]
  6. ^ 木造の柱には「永尾完治・赤名リカ」の名が実際に彫られ、放送後に名前の上から透明のカバーで保護された。
  7. ^ 当時男女雇用機会均等法ができてから5年ほど経っていたが、一般社会では女性はまだまだ自分の意思をはっきりと表明しにくい時代だった[2]
  8. ^ 詳しくは、完治の方からリカに街で会う約束をするが、部屋を出る直前に訪れたさとみに引き留められ、結局約束をすっぽかしてリカを傷つけるというシーン。
  9. ^ 具体的には、当時おでんは馴染みのある食べ物だったが、まだコンビニに置かれていない頃だった。永山はビーフシチューにしようか迷ったが、リカには都会的で“洋”のイメージを持ち、さとみに“和”のイメージを持っていたことからおでんに決めた[2]
  10. ^ オープニングでは乗っているシーンが登場するが、特別編ではスポンサーの関係で劇中のシーンに差し替えられた。
  11. ^ 1993年9月27日に、空港ターミナルビル「ビックバード」供用開始により、建物は取り壊されている。
  12. ^ 当時建設途中のレインボーブリッジ橋脚部分が見える。
  13. ^ 現在は取り壊されて跡地にはマンションが建設されている。
  14. ^ http://www.amlux.jp/index.html
  15. ^ 海側のホームは高浜方面行きの乗り場であり、梅津寺駅の隣の駅である高浜駅が終点である。
  16. ^ 放送終了後25年以上経過した現在もホームの柵へはハンカチが結ばれている。
  17. ^ 1999年、新校舎の建築に伴い旧校舎は取り壊される。校舎の柱は、2000年に同じ久万高原町に開館したふるさと旅行村に移設、展示されている。

出典

  1. ^ a b “50歳のリカとカンチを描いた『東京ラブストーリーAfter25years』単行本発売!「50歳のリカとカンチの生きざまが感慨深い!」と反響続々”. ダ・ヴィンチニュース (KADOKAWA). (2017年1月13日). https://ddnavi.com/news/346013/a/ 2020年1月24日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 週刊現代2022年9月24日・10月1日号・週現「熱討スタジアム」第445回「ドラマ『東京ラブストーリー』を語ろう」p144-147
  3. ^ a b c “「東ラブ」に翻弄された有森也実 続編あればやると明言”. 週刊女性セブン. (2016年11月24日). https://www.news-postseven.com/archives/20161114_465685.html/ 2018年9月30日閲覧。 
  4. ^ “東京ラブストーリー:「女性セブン」で続編、27年ぶり連載へ 前作の25年後“アラフィフ”のカンチとリカ描く”. MANTANWEB. (2016年10月27日). https://mantan-web.jp/article/20161027dog00m200024000c.html 2022年3月26日閲覧。 
  5. ^ “「東京ラブストーリー」続編がスピリッツに、50歳になったカンチとリカが再会”. コミックナタリー. (2016年1月25日). https://natalie.mu/comic/news/173533 2016年10月28日閲覧。 
  6. ^ “「東京ラブストーリー」26年ぶり連載再開 「女性セブン」で全7回”. スポニチアネックス. (2016年10月28日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/10/28/kiji/K20161028013615530.html 2016年10月28日閲覧。 
  7. ^ a b “「東京ラブストーリー」、29年ぶり復活! 次世代スターで今春FOD配信”. SANSPO.COM (産業経済新聞社). (2020年1月24日). https://www.sanspo.com/article/20200124-JO2QAFZSCNIJNCFDZI5CTPJTNU/ 2020年1月24日閲覧。 
  8. ^ “ミュージカル「東京ラブストーリー」柿澤&笹本、濱田&唯月がカンチとリカに”. ステージナタリー (ナターシャ). (2022年3月16日). https://natalie.mu/stage/news/469729 2022年3月25日閲覧。 
  9. ^ a b 漫道コバヤシ』第33回 東京ラブストーリー刊行25周年!柴門ふみSPより
  10. ^ a b c 大多亮『ヒットマン テレビで夢を売る男』角川書店刊/1996年。
  11. ^ 『月刊カドカワ』1991年5月号「柴門ふみスペシャル/本人自身による全作品解説」/角川書店刊。
  12. ^ クローズアップ現代『佐藤優ロングインタビュー スクープの舞台裏、混迷する世界・新時代への思い
  13. ^ 貧困だからこそ “贈与の連鎖”を 『佐藤優×片山杜秀 「東京ラブストーリー」リメイクが描き出した日本経済の衰退』NEWSポストセブン
  14. ^ 東京ラブストーリー(2020年版)”. 2020年6月6日閲覧。
  15. ^ 東京ラブストーリー”. 2020年6月6日閲覧。
  16. ^ a b "伊藤健太郎、石橋静河ら出演 現代版『東京ラブストーリー』フジテレビで地上波放送決定". Real Sound. blueprint. 17 September 2021. 2021年9月17日閲覧
  17. ^ “Vaundy、2020版「東京ラブストーリー」の主題歌担当”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年4月13日). https://natalie.mu/music/news/375138 2020年4月13日閲覧。 
  18. ^ "『東京ラブストーリー』ミュージカル化 "カンチ役"に柿澤勇人&濱田龍臣「どうなっちゃうの?」「緊張で頭が真っ白」". ORICON NEWS. oricon ME. 2 August 2022. 2022年8月2日閲覧


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