本結び
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 05:37 UTC 版)
特徴・用途
本結びはロープの端と端を結ぶ方法だが、主に1本のロープを端と端を結ぶことによってなにかを縛るために利用され、2本のロープの端同士を連結させるのにはあまり適さない。本結びで連結したロープの強度は同じ種類の1本のロープの強度の半分未満となってしまう。特に太さの異なるロープの連結や滑りやすい素材のロープ・太いロープを連結させるために用いるのは不適当である[14][2]。
本結びで繋がれた2つのロープの片方のみに荷重がかかると外れやすく、事故の原因となっている[15]。
本結びの具体的な使い方としては、
- 箱や新聞・雑誌の束をまとめて縛る[16][8]。
- ハンモックなどを編むときに使う[17]。
- 風呂敷を結ぶときに使う[18]。
- 穴の空いた小物に紐を通して本結びで輪にして首にかけられるようにする[19]。
- 快気祝い・結婚祝いなどのとき水引を結ぶために使う。このとき「2度と起こらないように」という意味で2つの端を放したままにする(結び切り)。[20]
- 三角巾を使った応急手当のときに使う[21]。
- ショールを結ぶのに使う(これはパーティー結びともいう)[22]。
- 1本のロープに対して両端を長めにとって本結びを何度も繰り返し施して縄梯子として使う[23]。
などが挙げられる。
額田巌の研究によると、日本全国で本結びは男結びについで2番目によく作業結びとして用いられているとされる[24]。また、日本において犯罪で使われる結びについても、本結びは一重結びについで2番目によく用いられているとしている(全体の17%)[25]。
本結びはきつく締めると解きにくくなるため、あとで解く必要がないときに多用される。あとで解く必要があるときは片花結びや花結びが使える。[2]
きつく締まってしまった本結びを解く必要があるときは、片手で動端のうち一方を持ち、その動端と同じ側の残りのロープの部分をもう片方の手で持ち、それらを逆方向に引っ張ればよい(右図参照)。そうすると結び目はひばり結び状になるため、あとは結び目を移動させて動端を抜き取ることによって解くことができる。[26][14]
- ^ a b c 『ロープの結び方』80頁。
- ^ a b c 『アウトドア・ロープテクニック』106頁。
- ^ 『結び』187頁。
- ^ 寺島裕夫 「基本臨床手技第7回:結紮(糸結び)」『レジデント』2009年、2巻、10号、p130
- ^ L・H・カウフマン 『結び目の数学と物理』 培風館、1995年、4頁。ISBN 978-4563002374。
- ^ 『図解 実用ロープワーク』26頁。
- ^ 『結びのテクニック』141頁。
- ^ a b 『アウトドア・ロープテクニック』115頁。
- ^ 河内明夫 『結び目理論』 シュプリンガー・フェアラーク東京、1990年、95頁。ISBN 978-4431705710。
- ^ 鈴木晋一 『結び目理論入門』 サイエンス社、1991年、60頁。ISBN 978-4781906331。
- ^ 村杉邦男 『結び目理論とその応用』 日本評論社、1993年、25頁。ISBN 978-4535781993。
- ^ 石田隆信 『第14回 本結び・たて結びとマジックのかかわり』(2004年2月17日)
- ^ 『結びのテクニック』135頁。
- ^ a b 『結びのテクニック』134頁。
- ^ 『結びの百科―実用70種の結び方を鮮明な連続写真でマスター』130頁。
- ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』90頁。
- ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』132頁・207頁。
- ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』146頁。
- ^ 『アウトドア・ロープテクニック』114頁。
- ^ 『結び』67-68頁。
- ^ 『暮らしに役立つひもとロープの結び方』250-251頁。
- ^ 『結び方全書―暮らしに使える170の結び』67頁。
- ^ 『結び方全書―暮らしに使える170の結び』224頁。
- ^ 『結び』81頁。
- ^ 『結び』206頁。
- ^ 『アウトドア・ロープテクニック』113頁。
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