時をかける少女 (アニメ映画)
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登場人物
- 紺野 真琴(こんの まこと)
- 本作の主人公。東京の下町にある高校に通う2年生。栗色のショートヘアで快活な性格。
- 私服は動きやすい格好が多く、制服も至ってシンプルな着こなしをしている。
- 朝寝坊しがちで、始業時間ギリギリに登校することが日常となっている。学校の成績は中の下。
- 同じクラスで男友達の千昭や功介とは放課後に野球やカラオケをして遊ぶ間柄で、どちらとも恋愛には発展していない。
- ある日突然、時間を跳躍する「タイムリープ」の能力を身につけ、その使い方に慣れると私利私欲のために能力を駆使する。
- ミニスカートでのアクションが多いが、スカートが不自然になっても下着が見えないように作画されている。
- 間宮 千昭(まみや ちあき)
- 真琴の男友達。高校2年の春に真琴のクラスに転校して来た。オレンジ色の髪で制服もかなり着崩しており、校内でも目立っている。
- 真琴同様、毎朝遅刻ギリギリで登校している。数学の成績は極めて優秀だが、一方で簡単な漢字すら読めない。
- 転校当初は同級生と喧嘩をするような問題児だったが、真琴たちから野球に誘われて以来徐々に感化され丸くなっていった。
- 密かに真琴を意識していた(姿を消したあとに、功介が真琴にその点を伝える描写がある)。功介が後輩に告白されたことに半ば乗っかる形で交際を持ちかけるが、真琴のタイムリープによって「なかったこと」にされてしまう。
- 実は未来からタイムリープで現代にやってきた人物。その目的は、この時代のこの季節にのみ所在が確認されているある絵画を見ることであったが、真琴や功介と一緒にいることがあまりに楽しかったため長逗留することになったと真琴に話している。
- 津田 功介(つだ こうすけ)
- 真琴のクラスメイトで、遊び友達。真琴とは中学時代から親交がある。
- スポーツ刈りの精悍な容貌で、授業中などには眼鏡をかけている。ボランティア部に所属しており、後輩の果穂から告白される。
- 家は病院で彼自身も医者を目指しており、勉学に優れている。将来を真剣に考えない真琴に苦言を呈する一面もある。
- 芳山 和子(よしやま かずこ)
- 真琴の叔母で、原作のヒロイン。東京国立博物館で絵画の修復をしている。
- 30代後半だが独身で、浮世離れしたその雰囲気からか、真琴からは「魔女おばさん」と呼ばれている。
- 自身の若い頃と真琴を照らし合わせており、色々と助言じみたことを遠回しに語る。
- 美術館内の自室には、現代の真琴たちとよく似た関係性を思わせる、親しい男子の友人二人と並んで撮影した高校生時代の写真を飾っている。
- 藤谷 果穂(ふじたに かほ)
- ボランティア部に所属する、真琴たちの下級生。
- 引っ込み思案な性格でいつも俯いている少女だが、過去のボランティア部の活動から功介に好意を抱いている。
- 世話焼きな友人が二人おり、彼女らに引きずられるかたちで功介に告白する。
- 早川 友梨(はやかわ ゆり)
- 真琴のクラスメイトで、仲の良い女子生徒。スポーティーな真琴とは正反対で非常に女の子らしく、制服も可愛く着こなしている。
- 何かと千昭を気にかけており、真琴を通じて彼のことを知ろうとする。
- 真琴がタイムリープを使ったことが原因で負傷するが、その一件がきっかけとなって千昭と交際する。
- 紺野 美雪(こんの みゆき)
- 真琴の妹で中学生。真琴には常々「バカ」と評されているが、真琴より早く起きたり、料理の手伝いを積極的にしたりと真面目な性格。
- 真琴が自室の窓から飛び降りてタイムリープを試そうとしている場面を目撃した際には、自身が彼女のプリンを勝手に食べたことが原因での自殺と勘違いするなど心配性な一面もある。
- 上杉 盛子(うえすぎ たかこ)
- 果穂の友人で、ボランティア部所属。髪を後ろで束ねている。
- 野分 析美(のわけ ともみ[注釈 1])
- 果穂の友人で、ボランティア部所属。前髪をヘアピンで留めている。
- 福島(ふくしま)
- 真琴らの担任教師。担当教科は数学。
- 長髪オールバック・口ひげ・ネックレス・細く整えた眉のチンピラファッションだが、テストの答案用紙に「もっと頑張りましょう」「Excellent!!」と書いて返したり、進路志望を出さなかった真琴を注意したりする真面目な教員。
- 高瀬 宋次郎(たかせ そうじろう)
- 真琴のクラスメイト。
- タイムリープによって真琴が回避した不幸(調理実習での小火)をかぶり、それがきっかけで加藤たちから嫌がらせを受けるが、毎度反撃するため虐めがエスカレートする。やがて原因を作った真琴にその矛先を向けて消火器を投げつけるが、場に居合わせた友梨が巻き込まれてけがを負ってしまう。
- 加藤(かとう)
- 真琴のクラスメイト。
- 調理実習の際、小火の対応で(真琴のタイムリープ後に)高瀬から消火器を吹きかけられたことを根に持ち、仲間とともに高瀬との間で嫌がらせをやり合う。
- おばさん
- 坂道で真琴とぶつかる子連れの女性。
注釈
- ^ 音声コメンタリーでは名前の読みは「せきみ」。
- ^ クルミ形という設定について細田は、『銀河鉄道の夜』に登場するクルミの化石から着想したと述べている[6]。
- ^ 千昭はリストバンドで隠した左手首に表示されていた。表示箇所(チャージした場所との関連等)についての明確な説明や設定はなされていない。
- ^ 2023年7月に本作が映画館でリバイバル上映された際には、真琴が最初にタイムリープした日付にちなんで、7月13日に限りこの表示を模したタトゥーシールが入場者特典として配布された[7]。
- ^ 真琴が思い付いて実践した操作方法のうち、最初に利用できたものが「助走をつけてジャンプ」であった。
- ^ 原作や1983年版映画に登場する深町一夫は「西暦2660年」の研究者である。
- ^ 監督の細田は、「個人個人が未来を構築する」という立場から、千昭が「個人的な想いから現代にやってくる」設定にしたと述べ、絵の制作背景から未来を想像させる形にしたと話している[10]。
- ^ 2002年11月10日放送。このエピソードには、魔法を捨てた魔女・未来が登場し、未来の声優を務めたのは大林版(1983年版)『時をかける少女』で主役を演じた原田知世であることから、大林版『時をかける少女』のオマージュではないかという見方もある[11]。
- ^ 当時、丸山は今敏監督作品『パプリカ』(2006年)の映像化の許諾を受ける際に原作者の筒井康隆から『時をかける少女』の映像化の許可も得ていた[14]。
- ^ 丸山は『時をかける少女』の原作が角川文庫から出版されていたので声をかけたというが、書籍『細田守とスタジオ地図の仕事』内のインタビューによれば、渡邊は丸山に以前「雑誌編集の後は映像に関わりたい」と告げた記憶があるという。
- ^ 「隠岐配流図」は1989年の『室町時代の屏風絵 「国華」創刊100年記念特別展』で、実際に東京国立博物館で展示されたことがある。また、東博の研究員である鷲頭桂によれば、「隠岐配流図」は先行研究において『増鏡』の後鳥羽院もしくは後醍醐天皇の隠岐配流を描いたものとされてきたが、実際は『源氏物語』の「須磨」「明石」が典拠になっているという[22]。
- ^ ただし、舟木本「洛中洛外図屏風」については、本作公開後に岩佐又兵衛の作であることが有力視されるようになっている[24]。
- ^ 公開は2007年4月20日のDVD発売日まで続けられた[17]。
- ^ なお、岡田は番組でオンエアされなかった箇所では、「見たことがない」タイムリープ機の表現と(現実にある)携帯電話による会話が共存する世界が、「すごい不思議なリアリティを出している」と評価する発言もおこなっている[50]。
- ^ 受賞作は萩尾望都『バルバラ異界』。
- ^ 全曲ライブの会場である「よみうりホール」でのMCにて本人が発言。
出典
- ^ “細田守最新作『おおかみこどもの雨と雪』-「理想の母親像を追求した」”. マイナビニュース. マイナビ (2011年12月14日). 2021年10月25日閲覧。
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- ^ “『ガーネット』は“あたし”と“あなた”の歌。『時かけ』の結末を知っているとより切ない歌詞に……”. ファミ通. KADOKAWA (2021年9月26日). 2021年10月25日閲覧。
- ^ “映画『時をかける少女』4DX上映が決定”. 電撃オンライン (2021年2月25日). 2021年4月14日閲覧。
- ^ 金曜ロードショー公式twitter(2015年7月17日)
- ^ “『時をかける少女』『サマーウォーズ』各記念日限定で入場者プレゼント配布決定”. ORICON NEWS. (2023年6月28日) 2023年7月14日閲覧。
- ^ 『絵コンテ』、p.227
- ^ 『時をかける少女 NOTEBOOK』、p.71
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- ^ 『時をかける少女 NOTEBOOK』、p.83。
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- ^ 国宝指定が決定!「洛中洛外図屏風(舟木本) 」が東京国立博物館にて5月8日(日)まで公開に - SPICE(2016年4月27日)
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- ^ 博物館で野外シネマ - 東京国立博物館(過去のイベント)
- ^ 博物館で館内上映 - 東京国立博物館(過去のイベント)
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- ^ “東京国立博物館が「バーチャルトーハク」を開設。特別展「アノニマス ―逸名の名画―」で『時をかける少女』の展覧会を再現”. 美術手帖ニュース. (2020年11月18日) 2020年12月12日閲覧。
- ^ 中井商友会アーチが見納め 映画『時をかける少女』モデル - 新宿区(2022年9月8日)2023年7月16日閲覧。
- ^ 全曲ライブ有難うございました! 公式サイト 2016年07月27日閲覧(スタジオ地図から贈呈された花輪の写真あり)
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