日野・レインボー BM320系

日野・レインボー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 15:49 UTC 版)

BM320系

1966年、日野自動車のバスラインナップのボトムレンジを担うべく、RM100系よりさらに小型のフロントエンジン車となるBM320系が登場した。シャシやパワートレインを中型トラックの初代レンジャー(KM300系)と共用するため、初代三菱・ローザ(B10/B20系)同様、国産キャブオーバーマイクロバスとしてはやや大型の部類に入る。ワンマン運転に都合の良い前寄りの客用扉とも相まって営業用としての需要が多く、札幌市営バスの都心循環線など路線バスとしても用いられた。

車体架装メーカーは2社あり、帝国自動車工業製がBM320T型、金産自動車工業製がBM320K型となる。両モデルとも直列4気筒エンジンを搭載するが、車体のスタイルと構造は異なっており、帝国は「カットスタイル」と呼ばれる角形のスケルトンボディを採用し、金産は丸形のセミモノコックボディであった。

1969年、車名が「レインボー」となる。

1970年、金産製K型車体をマイナーチェンジ。助手席窓を引き違いから三角窓+Hゴムのはめ殺しへ変更し、客席窓も角のアール(丸み)がなくなる。

レインボーAM・レインボーAC

レインボーAM 香川県交通 AM101
レインボーAC 上信電鉄 AC140AA

1976年、それまでのフロントエンジン小型バスBM320系をフルモデルチェンジし、AM100系を発売した。車体はスケルトン構造を取り入れ、フロントエンジンながら車体幅は中型バス並みの幅広モデルとしていた。エンジンはEC100型(直6、120ps)を搭載。BM系からは車体も一新して洗練され、当時のトラックレンジャーにも似た一体型のフロントマスクが特徴である。主に自家用バスレンタカーとして用いられたほか、観光仕様路線仕様も用意されてバス事業者にも納入され、また特装車のベースとしても使われた。

1980年にエンジンをEH100型(直6、145ps)に変更し、型式もAM101に変更された。さらに昭和54年排出ガス規制適合により、型式がK-AM101となっている。一部の路線バス事業者向けに全長を切り詰めたものや、中後2ドア仕様も製造された。

1983年昭和58年排出ガス規制によるマイナーチェンジが行われ、シリーズ名もAMから変更されAC140系となり、レインボーの名称も使われた。エンジンはW06C型(直4、145ps)に変更し、型式はP-AC140AAとなった。外観の変化は前照灯の角型への変更など軽微である。観光用・自家用のほか幼児専用車、路線ワンマン仕様もあり、路線用では2ドア車も販売された。

1988年、レインボー7Wに引き継がれ、製造を終了した。

レインボー7M・レインボー7W

日野・レインボー7W

KC-RH4JEAA 名古屋市交通局

AC系の後継として1987年に登場したのが、レインボー7M(CH系) および7W(RH系)である。中型幅(車幅2.3m)で全長7m以下の小型観光・自家用バスで、このクラスの地位向上に果たした役割は大きい。いずれも板ばね併用空気ばねで、前輪にワイドサスを採用して乗り心地にも配慮した。

7Mはシリーズ名CHで、フルデッカー・トップドアの観光用モデルである。直列エンジンを中央床下に水平配置したセンターアンダーフロアエンジンで、7m車という制約のなかで重量配分にも考慮した設計である。エンジンはW06E型(直6自然吸気式、165ps[1])を搭載、型式はP-CH160AA。

奈良交通には、7Mをベースにリヤオーバーハングを延長してこの部分に展望デッキを設けた特注車が販売された。1988年奈良市で開催された「なら・シルクロード博覧会」シャトルバス(4月24日から10月23日まで運行)[2]用に導入され、博覧会終了後は塗装を生かして奈良市内の100円バスに転用された。

7Wはシリーズ名RHで、AC系の代替としてCHに準じたスタイルの、リアエンジンの自家用中心モデルである。7Mに比べて床や車体が低くグレードにも差が付けられていた。当初は中扉専用であったが、1991年以降は路線仕様も追加された。7W系はレインボーRB系の拡幅版ともいえ、シャーシはフレーム付きとして特装車のベースとしても使える設計とした。型式はP-RH160AAである。エンジンはW04C-TI型(直4ターボインタークーラー付き、165ps)[3]を搭載、型式はP-RH160AA。

レインボー7W 奈良交通
U-RH1WFBA
葛城営業所所属 632号車

1990年1月に平成元年排出ガス規制適合。7M系はエンジンをH07D型(直6、195ps)に変更し、出力を大幅に向上させるとともに、最後部席の5人掛け対応やボディ最後部へのトランクルーム設置などの改良がなされた。型式はU-CH3HFAA。7W系は、エンジンはW04C-TI型(直4ターボインタークーラー付き、165ps)、特装用胴殻仕様が追加されている。型式はU-RH1WFAA。

1991年に7Wがモデルチェンジ。型式はU-RH1WFBA。ホイールベースを短縮して中扉専用からトップドアに変更、外観的にはより7Mの下位車種の位置付けが濃くなった。また観光用のほか路線用2ドア車も追加、奈良交通などに納入され路線バスとしても使用された。

1995年に平成6年排出ガス規制適合。7MはレインボーRJ/RRと共通の新型エンジン・J08C<j-ii>型(直6無過給、215ps)に変更し、型式はKC-CH1JFAAとなった。7Wはリエッセと共通のJ05C-TI型エンジン(直4ターボインタークーラー付き、175ps)に変更、またオプションとして3速ATが追加され、同時に足回りも改良された。型式はKC-RH4JEAA。

1998年7月にフルモデルチェンジし、メルファ7に名称変更された。7Mがメルファ7(ハイデッカー・CH系)、7Wがメルファ7(ミドルデッカー・RH系)にそれぞれ引き継がれ、2004年まで製造された。


レインボー7M

レインボー7W




注釈

  1. ^ 日デからのキャパシタハイブリッド技術の供与に対する補完契約で中型エンジンを日野から日デへ供給することになったため。

出典

  1. ^ 日野自動車発行、レインボー7Mのカタログに「W06E 165ps」の記載あり。
  2. ^ 昭和19年~昭和64年(奈良交通設立後)”. www.narakotsu.co.jp. 奈良県バス100周年記念特設サイト | 奈良交通 (2017年5月). 2020年3月20日閲覧。
  3. ^ 『TLB-0020 日野レインボーバス P-RH160AA型車 取扱説明書』日野自動車工業株式会社、155頁
  4. ^ 天然ガス自動車”. 株式会社フラットフィールド. 2020年5月2日閲覧。
  5. ^ バスラマ・インターナショナル No.77』「特集:小型CNGバスの新しい動き」ぽると出版、2003年4月25日、ISBN 4-89980-077-0
  6. ^ バスジャパンハンドブックシリーズ R65 小田急バス 立川バス』BJエディターズ、2008年9月1日。ISBN 978-4-434-11565-3
  7. ^ 立川バスさよなら運転【第7弾】エルガJ さよなら運転 いすゞエルガJ さよなら運転を実施します 2015年2月26日、立川バス公式サイト、2018年6月12日閲覧。 (PDF)
  8. ^ 日野自動車、中型路線バス「日野レインボーII」を改良し平成22年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させ新発売日野自動車プレスリリース 2011年11月30日
  9. ^ “日野自動車、大型バス「日野ブルーリボンII」と中型バス「日野レインボーII」を改良して新発売” (プレスリリース), 日野自動車, (2012年6月19日), http://www.hino-global.com/j/news_release/172.html 2012年6月19日閲覧。 
  10. ^ “日野自動車、中型路線バスをモデルチェンジして新発売” (プレスリリース), 日野自動車, (2016年4月11日), http://www.hino.co.jp/news_release/16-007.html 2016年4月19日閲覧。 
  11. ^ a b “路線バスを改良して新発売” (プレスリリース), 日野自動車, (2017年8月8日), http://www.hino.co.jp/news_release/17-016.html 2016年11月10日閲覧。 
  12. ^ a b c 日野自動車、バスシリーズを改良して新発売 日野自動車ニュースリリース、2019年6月17日
  13. ^ a b c 日野バスシリーズ「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を搭載して新発売 横浜日野自動車、2019年6月18日
  14. ^ a b c 日野自動車、大・中型路線バスにもドライバー異常時対応システムを搭載 Response.、2019年6月18日





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