日野・ブルーリボン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/22 22:58 UTC 版)
ブルーリボン(初代)
1982年に発売されたスケルトンボディの大型路線バスにブルーリボン(Blue Ribbon)の名が与えられ、ブルーリボンシティへの移行まで生産された。
のちにブルーリボンII(KV系)からの移行に伴い、同じくブルーリボンとしてKV系が製造されている。
ノンステップバスは#ノンステップバスを、ワンステップバスは#リフト付超低床バス・京急型ワンステップバスを参照。
K- (P-) RT/RU22系
観光バススケルトンRS系で採用されたスケルトンボディを、中型路線バスのレインボーRJに続いて大型路線バスにも採用し、バスボディの全面スケルトン化が実現した[15]。RU6系観光バスと同じブルーリボンの名称が与えられ、従来のRE/RC系に変わる都市型路線車両として登場した。
1982年[15]、昭和54年排出ガス規制に適合したK-RT/RU22系を発売[15]。このシリーズは新開発のEM100型直噴エンジン (220ps) [15]を搭載し、RB/RC系以来採用されてきた水平式(リアアンダーフロアーエンジン)を変更して垂直式(縦置き)とした[15]。
RT/RU22系に搭載されたEM100型エンジンは、省燃費を目指し9.4Lという小排気量とされ、RE系のEB400型 (190ps) の9.8Lよりも排気量が少なかった。ちなみにRC3系のER200型 (225ps) は11.6Lであった。小排気量ゆえ回さないとパワーが出ず、そのため騒音が大きく実用燃費が悪いという問題があった。
従来の水平式エンジンはバス専用部品が多く、整備性向上とコスト削減を図ってトラックと共通の垂直式エンジンを採用したが、車内後部にデッドスペースが発生してエンジン直上の車体最後端まで座席を設けることができず、保守面からも従来の水平エンジンに慣れた整備士からは不評であった[15]。
RT/RU22系は、1983年の昭和58年排出ガス規制に適合してP-RT/RU22系となりHT/HU系との併売となるが、上記のような点およびRE/RC系が並行生産されていたこともあって販売数が伸びず、1985年のHT/HU系のマイナーチェンジの際にRT/RU22系は製造打ち切りとなった。
RT/RU22系は日野車体製の純正ボディが圧倒的に多かったが、西工製が西日本鉄道、大阪市交通局、長崎県交通局など西日本の一部事業者に納入されている。その多くはスケルトンボディの58MCだが、初期にはモノコックボディの53MCに架装された例も存在する。富士重工製の架装は数えるほどしかなく小湊鉄道向けの2台が唯一の例と推測される。
また、日野車体製ボディにはKC-代の途中まで、RU60/63系(ブルーリボン観光バス)と同様の観光型フロントマスクも設定されていた。
-
日ノ丸自動車
K-RT223AA -
広島電鉄
K-RU223AA
トップドア仕様、RU6A系に準じたボディを架装したもの -
西日本鉄道
K-RU225AA
西工架装車 (53MC)
P-HT/HU22系
1983年[15]、昭和58年排出ガス規制に適合したP-HT/HU22系を発売[15]。このシリーズは、従来RC3系が搭載していたER200型エンジンを水平式(リアアンダーフロアーエンジン)として、RT/RU22系のスケルトンボディに搭載したもので、こちらが日野の標準的な大型路線車であったRE/RC系の正統派後継車両となる[15]。
上述のRT/RU系と併売されていたが販売のメインはこちらに移り、1985年のモデルチェンジで両車種が統合されたため、このシリーズの製造期間は短い。ボディは日野車体製以外に富士製と西工製が存在する。
-
宇部市交通局
P-HU225AA
トップドア仕様、RU6A系に準じたボディを架装したもの -
広島電鉄
P-HU223AA
トップドア仕様、RU6A系に準じたボディを架装したもの
P-HT/HU23、HT/HU27系
1985年[15]、ブルーリボン観光型の後期型(P-RU60/63B系)へのモデルチェンジと同時に[15]、RT/RU22系とHT/HU22系を統合する形で発売[15]。日野車体製の純正ボディはリアスタイルの変更が行われ、角張った形状から丸みを帯びた形状となった。
このシリーズではエンジンが2種類設定された[15]。P-HT/HU23系は、RT/RU系のEM100型をボアアップし水平式に改良したM10U型エンジン9.9L (230ps) を搭載[15]。P-HT/HU27系はRC7系のEK200型エンジン13.3L (270ps) の高出力エンジンを搭載した[15]。
ホイールベースは、短尺(4.8m、型式末尾が3)・標準尺(5.2m、末尾が5)・長尺(5.67m、末尾が6)の3種類が用意された(当初は高出力の短尺車と低出力のHU長尺車の設定はなかった)。サスペンションはHT(リーフサス)・HU(エアサス)の2種類、路線用は床の高さがツーステップ標準床と低床車(一般低床・都市型低床)の3種類が設定されていた。
またこのシリーズでは、同年に発売された2階建てバスのグランビュー (RY) で初採用された[15]フィンガーシフト「FFシフト」が設定され[15]、電気と空気圧を使用した軽いシフトチェンジ操作で運転者の負担軽減を図った。特にシフトチェンジ時のエアー音がその後の日野製バスの特徴ともなった。
さらなるイージードライブ化を目指し、世界初となる電子機械式オートマチック「EEドライブ」[15]を1986年に追加。これはトルクコンバーター式のオートマチックとは異なり、マニュアルシフトをベースにシフトチェンジを自動化したセミオートマチックトランスミッションで、高トルク仕様のみの設定であった。
「EEドライブ」搭載車は、日野車の大口ユーザーであった近畿日本鉄道を皮切りに、機械式AT車を積極採用した京王帝都電鉄や関東バス、公営事業者の東京都交通局、横浜市交通局、大阪市交通局などに投入された。実際には発進時・変速時のショック[16]や運転者の意図するシフトチェンジが行われないなどの欠点も多く、上記の事業者を除けば京都バス、奈良交通、西日本鉄道、京都市交通局、神戸市交通局、仙台市交通局などで少数の採用にとどまる程度で普及はしなかった。また採用事業者でも通常はHOLD段に入れておいて手動でシフトチェンジを行うことが一般化し、経年変化による乗り心地の悪化を招いたほか、手動シフトチェンジを行うために燃費のばらつきもあった。整備面でもギアチェンジを行うアクチュエーター関連の故障が多かったとされる[16]。
なお、KC-HT/HU2M系にもEEドライブ搭載車が存在するが、こちらは横浜市営および大阪市営に数台が在籍しているのみだと思われる。1998年のKC-HT/HU2M系のマイナーチェンジ時に、EEドライブの設定は抹消された。
-
広島電鉄
P-HU273BA
トップドア仕様、RU6B系に準じたボディを架装したもの -
都営バス
P-HU233BA
前扉グライドスライドドア、逆T字窓 -
関東鉄道
P-HT235BA -
東武バス
P-HT235BA
3扉仕様、中扉引戸・後扉折戸 -
阿寒バス
P-HU276BA -
阿寒バス
P-HU276BAの運転席 -
宗谷バス
P-HT276BA
3扉仕様、中扉4枚折戸・後扉折戸 -
札幌市交通局
P-HU236BA -
琉球バス交通
P-HT235BA
トップドア仕様、富士重工架装車 (5E) -
熊本バス
P-HT233BA
西工架装車 (58MC) -
西日本鉄道
P-HU235BA
西工架装車 (58MC)
輸出仕様
1980年代には海外輸出も盛んで、RE/RC系に引き続きシンガポールとラオスに当車が輸出された。シンガポールにはHT228KとHT238が輸出され、日本仕様には存在しない12m級のロング仕様だった。またリアライトは米粒型ライトで、中央位置ではなくバンパーの上に設置されていた。前中扉仕様で当初は非冷房仕様・黒ゴム付き車両だったが、後に冷房車の後期仕様が1989年頃まで輸出された。2013年時点では全廃となっている。
ラオスでは日野ブルーリボンの右側通行対応版として輸出された。扉は前後扉で非冷房、屋根には荷物を載せる荷台が付けられていた。また先代のRC同様にキャブオーバーバス仕様となっていた。
U-HT/HU2M、HT/HU3K系
1990年、平成元年排出ガス規制に適合したU-HT/HU2M系を発売。EK200型エンジンはK13U型に型式変更され、型式はHT/HU3K系となったが、出力には変化はない。エンジンワンキー操作が標準設定された。
日野車体製の純正ボディでは、U-代以降は前面方向幕部分両端の形状が前絞りになった。この代から、角型4灯ヘッドライトと安全窓がオプションで設定された。なお、角型4灯ヘッドライトはKC-代から標準化されている。
-
茨城オート
U-HT2MLAA -
新常磐交通
U-HT2MMAA -
九州産業交通
U-HT2MMAA -
仙台市交通局
U-HU2MMAA -
京成バス
U-HU2MPAA -
青森市企業局企業部
U-HU3KMAA -
海上自衛隊
U-HT3KPAA -
南三陸観光
U-HU3KPAA
トップドア仕様、RU6B系に準じたボディを架装したもの
KC-HT/HU2M、HT/HU3K系
1995年、平成6年排出ガス規制に適合したKC-HT/HU系を発売。ヘッドライトが角型4灯に統一された(それまでは丸型4灯が標準で角型4灯はオプション)。
1998年に衝撃吸収式ステアリングホイールが装備された。それ以前の車両では、日野自動車のコーポレートマークが一新された後であっても、旧ロゴが入ったステアリングホイールが継続していた。また一部でセレガ初期車と同じデザインのステアリングホイールが採用された車両もあった。
また1999年から、観光マスクにはブルーリボン観光形(RU60/63系)タイプに加え、初代セレガタイプも追加された。
-
東急バス
KC-HT2MLCA -
名古屋市交通局 基幹2
KC-HU2MMCA -
茨城オート
KC-HT2MMCA -
阿寒バス
KC-HU3KPCA -
東急バス
KC-HT2MLCA
車体後部 -
東京空港交通
KC-HU2MPCA
3扉、RU6B系に準じたフロントマスクを採用 -
北海道中央バス
KC-HU3KPCA
2扉、同 -
八千代バス
KC-HU3KPCA
初代セレガに準じたフロントマスクを採用 -
茨城オート
KC-HT2MMCA
富士重工7E架装車 -
京都市交通局
KC-HU2MLCA
西工架装車 (96MC)
ワンステップ -
奈良交通
KC-HU2MMCA
ワンステップ4枚折戸仕様 -
奈良交通
KC-HU2MPCA改
ワンステップ4枚折戸仕様
リフト付超低床バス・京急型ワンステップバス
1991年に東京都交通局向けに初めてワンステップ超低床車が組立自動車として登場する。後部までワンステップ低床で、3ドアが最大の特徴であった。
1992年製からは2ドア化され、中ドアには車いす用のリフトが取り付けられる。いわゆるリフト付超低床バスと呼ばれる車両である。特注の高価な車両のため、都営以外の納入例は大阪市交通局(前・後扉車、現在は関東自動車へ譲渡)と熊本市交通局(現熊本都市バス)のみである。1996年まで製造された。
車体の構造が通常のツーステップバスと大幅に異なり、エンジンを右側にオフセット。駆動系の動力部分も右側に寄せ、スペースがなくなったラジエーターはファンを電動2基にして左側に移設。リヤサスペンションを小型ベローズ4個のワイドエアサスにすることでドロップアクスルとし、後部までの低床に対応している。よくエンジンを「直立にした」と言われているがこれは誤りで、横倒しのままである。組立自動車扱いのため排ガス規制記号が付かず、型式は「HU2ML」。
なお、1988年に京浜急行電鉄(現: 京浜急行バス)向けに、都市型低床車をベースにした前中扉間のワンステップバスを改造車扱いで納入している。いわゆる京急型ワンステップバスと呼ばれる車両である。当初は改造扱いで型式末尾に「改」が入っていたが、1993年からは正式発売された(当初はHT系のみ、HU系は1996年に追加され、KC-HU2MLCSとなった)。
-
東京都交通局
スロープ付き超低床バス
HU2ML -
東京都交通局
リフト付き超低床バス
KC-HU2MLCS
ノンステップバス
CNG車については#CNGノンステップバスを参照。
1997年の東京モーターショーに日野自動車初のノンステップバスが出品される。当初は組立自動車扱いで一部事業者に販売される。この当時の形式名はHU2PM/HU2PP(規制記号なし)で、HU2PMが東京都交通局・横浜市交通局・南海バスなど計12台、HU2PPが遠州鉄道に1台生産された[17]。その後、1998年10月に排ガス規制に適合し、正式に型式証明を取得し発売された。
車体構造は前年に登場した日産ディーゼルUAノンステップに近く、エンジンを最後部に垂直横置き、リヤオーバーハング部分を短縮、かつホイールベースを延ばすことでホイールベース間のノンステップエリアを拡大しているが、その影響で中扉より後ろは3列13席しか配置できず、前後の間隔を詰めて4列にすることもできない設計が災いし、他のノンステップバスに比べるとあまり普及していなかった。型式はKC-HU2PMCEが全長10.52m(ホイールベース5.11m)、KC-HU2PPCEが全長10.98m(ホイールベース5.57m)である。エンジンはそれまでトラック専用であったP11C-TI (250ps) を搭載、トランスミッションはZF製オートマチックトランスミッション"ECOMAT"(標準は4速、オプションで5速)を採用している。なお、先行販売されたロットは側面後部の非常口窓周り(右側)と冷却水給水口周り(左側)が樹脂製パーツでブラックアウトされていない点で識別できる[注釈 5]。
また、基本的には前中グライドスライドもしくは前グライドスライド/中引戸の2扉であるが、M尺には車体後部にドアを設けた3ドア仕様も存在しており神戸市バスと南海バスに導入された。こちらの型式はKC-HU2PMCFである[18]。
-
ノンステップ車
仙台市交通局
KC-HU2PMCE -
ノンステップ車後部
型式取得後(1999年)
東京都交通局
KC-HU2PMCE -
ノンステップ車
東急バス
KC-HU2PPCE
CNGノンステップバス
この節の加筆が望まれています。 |
このノンステップバスで初めて設定されたCNG車は型式がKC-HU2PMCE改となった。
東京都交通局に1台だけ導入され[注釈 6]、扉は前グライドスライド・中引戸が採用された。2012年12月に除籍された。
-
CNGノンステップ
東京都交通局
KC-HU2PMCE改
HIMR
1991年に本格的な電気ディーゼルハイブリッドバス(パラレルマイルドハイブリッド)として、HIMR(ハイエムアール、Hybrid Inverter-controlled Motor & Retarder system)が試作され、公営交通などで試験運行が行われた。
設計思想は回生ブレーキの原理で制動時のエネルギーを回収して効率を高め、加速時のディーゼルエンジンの負荷を下げることで排気ガス中の有害排出物の低減を目的とするものである。日野自動車の鈴木孝によれば、源流は高過給小型エンジンのエンジンブレーキ不足対策にフライホイールにコアを取付け電気ブレーキとする研究からで、これはモーターになるのではないかという発想から始まったとし、当初から低公害車としてハイブリッドにしようという高邁な発想ではなかったとしている[19]。
実際のアイデアおよび開発は、日野自動車の鈴木孝幸グループによって行われたが、鈴木孝幸によれば発想は日毎かかわっていたエンジン動力計の一種、ワードレオナード方式の電気動力計から得たとしており、応用する事で補助動力およびエンジンブレーキ時の回生に使えるのでは、また燃費改善にも繋がるのではないかというものだったとしている[20]。
1991年に開発に着手した当時は鉛蓄電池を使用しており、まだパワーエレクトロニクスが開発途上の段階で、大電力半導体素子の開発には半導体メーカーの協力が不可欠であった。日野自動車は1973年に名古屋市営バスに日野BT900を1台納入して1979年まで運行した実績はあったものの[21]、まだ電気関係の経験が浅かったため、電気式ハイブリッドシステムの開発には困難が伴い、HIMRは開発が難航した[22]。
コアとなる技術は、フライホイール部分に収まる薄型モーター/ジェネレーターおよび電力の往復を制御するインバーターである。薄型モーター/ジェネレーターは澤藤電機の協力のもと開発が進んだが、インバーターの開発は極めて難渋し、最終的に東芝の協力を得て完成した[20]。当初は運行しているバス会社で故障が頻発したが、開発者たちの尽力により徐々に解決された[22]。
そして1994年に正式発売された。エンジンは通常のHT/HU2M系と同じM10U型を用いていた。当初は改造扱いのため型式がU-HT2MLAA改だったが、型式指定を受けた後はU-HT2MLAHとなった。
1995年にHIMRは平成6年排出ガス規制適合に併せ第二世代へ移行し、中型用エンジンを用いたバスに変更された。従来の大型車と共通のM10U型エンジンから、中型車用のJ08C型 (240ps) に過給器を取り付け使用している。そのため、エンジンは垂直シリンダー型となり、型式もKC-RU1JLCH(ホイールベース4.8m)/KC-RU1JMCH(同5.2m)/KC-RU1JPCH(同5.67m。足利工業大学のスクールバス用として1999年に1台のみ納入)となった。
なお、関東バスでは全国で唯一、富士重工製の7E車体を架装したHIMRを2台所有していた(2008年7月までに除籍、1台が岩手県交通に移籍後2010年12月廃車済)。また阪急バスでは全国で唯一、HIMRに西日本車体工業製の車体(58MCおよび96MC)を架装している。
-
日光交通「わたすげ号」
HIMR U-HU2MMA -
東京都交通局
HIMR U-HU2MLA改 -
東京都交通局
HIMR U-HT2MLAH -
京都市交通局
HIMR KC-RU1JLCH -
東京都交通局
HIMR KC-RU1JLCH
デンソービルトインクーラー搭載車 -
運転席(日野オートプラザ保存車)
-
HIMR付きM10U型エンジン(日野オートプラザ展示品)
9m大型バス
ブルーリボンシリーズの全長9m、車体幅2.5mの9m大型バスは1984年にRD系の後継としてRK系(型式: P-RK172AA)が登場する。RK系は中型車レインボーRJ系のシャーシ(車輪やサスペンションなど)を広げて用い、9m大型バスというより2.5m幅中型バスという方が正しいバスであった。RU17系登場後も、1990年まで設定された。エンジンは中型車用のH07C型 (175ps) を用いている。
1986年にRT/RU17系(型式: P-RT174AA/P-RU174AA)が登場する。シャーシは通常の大型車の物を使い、エンジンはRK系と同じ中型車用のH07C型 (180ps) を用いている。RT/RU17系は平成元年排出ガス規制 (U-) にあわせて1990年にRU3H系(型式: U-RU3HJAA)に変更される。リーフサスの設定が無くなり、エアサスのみの設定になる。エンジンは中型車と共通のH07D型 (195ps) を用いている。
さらに、RU3H系は1995年に平成6年排ガス規制にあわせ、RU1J系(型式: KC-RU1JJCA)に変更される。エンジンは排ガス規制に適合したJ08C〈j-ii〉型 (215ps[23]) に変更された。この世代に作られたRU1J系で、1996年秋に北海道中央バスに納入された車両には、富士重工製路線ボディー(17E系)を架装した車両が1台のみ存在している。
2000年の平成11年排ガス規制適合に際しては、大型車に併せてボディスタイルの変更が行われ、ブルーリボンシティの車体デザインとなった。型式はKL-HU1JJEAとなり、エンジンはそのままJ08C型が搭載され垂直配置にもかかわらずHUとなった。ツーステップ車のみの設定で交通バリアフリー法への適合が行われず、自家用も含め2002年で製造中止となった。路線車向けの車両も、北海道中央バスが十数台程導入した程度である。
-
日ノ丸自動車
P-RU174AA -
宮城交通
(前扉仕様)
P-RU174AA -
九州旅客鉄道(当時)
U-RU3HJAA -
ジェイアールバス関東
U-RU3HJAA -
富士急山梨バス
(リフトバス仕様)
KC-RU1JJCA
輸出先での使用例
タイでは、HU3系シャーシに国内車体メーカー製のバスボディ(冷房付き・非ワンマン仕様)を架装し、バンコク大量輸送公社(BMTA)によりバンコク都市圏で路線バスとして使用されている。
-
バンコク大量輸送公社
HU3KKSKL
注釈
- ^ 混雑の激しい路線を多く持つ東京都交通局では、このレイアウト特有のエンジンの熱とブローバイガスが車内にこもることを嫌い、特別に天井ベンチレーターを増設していた。
- ^ 『バスラマ・インターナショナル スペシャル 臨時増刊号1995 リエッセ&日野バスファミリー』p.75-92「日野バスファミリーの系譜」では、「1950年代末期」と記載されている。
- ^ V8エンジン搭載のRV系。
- ^ 代表的な違いはドア窓や車掌窓の大きさ、後部三角窓の形状が帝国は下辺が水平、金産は斜め。金産では後部非常口扉が狭いなど。また観光系ボディは金産は帝国より側窓の天地が小さく、前面傾斜タイプでは傾斜角が帝国と異なるなど[10]。
- ^ a b 遠州鉄道では、ブルーリボン(量産車)・ブルーリボンシティともにブラックアウトではなく、金属パーツでシルバーアウトされていた。そのため同社のブルーリボン試作車とブルーリボン量産車は似た外観となっていた。
- ^ 2000年3月に北営業所に新製配置(局番N-F463)され、2011年2月に深川営業所に転籍(局番S-F463)。
- ^ 旧尼崎市交通局導入。
- ^ 先に登場した三菱ふそう・エアロノンステップHEVと同じ手法。
- ^ ただし、ブルーリボンIIを改造したCNGノンステップバスは存在する(別途記述)。
- ^ エルガは「ISUZU」であるが、当モデルは「HINO」になっている。
- ^ 国際興業で採用されているカラーリングは、買収した神戸タクシーが採用していたカラーリングを社長が気に入ってグループ全体で採用された。国際興業ではグループ会社の関係上、一部を除きいすゞ自動車製の車両が導入されている。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 『バスラマ・インターナショナル スペシャル 臨時増刊号1995 リエッセ&日野バスファミリー』p.75-92「日野バスファミリーの系譜」、1995年11月15日発行、ぽると出版。ISBN 4-938677-75-X
- ^ a b 2018日本自動車殿堂 歴史遺産車 日野アンダーフロアーエンヂンバスBD10型 日本自動車殿堂 (JAHFA) 公式サイト
- ^ 『商用車初、日野ブルーリボンBD10型が「2018日本自動車殿堂 歴史遺産車」認定』(プレスリリース)日野自動車、2018年11月15日 。2020年10月8日閲覧。
- ^ 歴史遺産車 日本自動車殿堂 (JAHFA) 公式サイト
- ^ 日本の自動車技術330選(1952年)日野BD型バス(ブルーリボン) 公益社団法人自動車技術会
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.200(1999年発行、ISBN 4-87687-206-6 )、新版 p.145(2009年発行、ISBN 978-4-87687-308-1)、グランプリ出版
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.114(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )、新版p.88(2009年発行 ISBN 978-4-87687-308-1)グランプリ出版
- ^ a b c d e 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.150-151(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )、新版p.114(2009年発行 ISBN 978-4-87687-308-1)グランプリ出版
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.151(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )※新版には記述なし。グランプリ出版
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.139-140(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )、新版p.106-107(2009年発行 ISBN 978-4-87687-308-1)グランプリ出版
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.191(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )、新版p.129-130(2009年発行 ISBN 978-4-87687-308-1)グランプリ出版
- ^ 「日本のダブルデッカーショートヒストリー」『鉄道ファン』No. 293特集・ダブルデッカー、交友社、1985年9月、pp. 65-66、68。
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.161(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )、新版p.125(2009年発行 ISBN 978-4-87687-308-1)グランプリ出版
- ^ 鈴木文彦著『バスの年代記』旧版 p.213(1999年発行 ISBN 4-87687-206-6 )、新版p.181(2009年発行 ISBN 978-4-87687-308-1)グランプリ出版
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『バスラマ・インターナショナル スペシャル 1995 リエッセ&日野バスファミリー』ぽると出版、1995年11月15日、91頁。ISBN 4-938677-75-X。
- ^ a b 「近鉄バスのAT社の評価」『バスラマ・インターナショナルNo.69』、ぽると出版、2001年12月、pp. 14-16、ISBN 4-89980-069-X。
- ^ リコール 国-0591-0
- ^ スーパードルフィン・プロフィア、大型バスリコールお知らせ
- ^ 鈴木孝. “自動車技術会インタビュー 自動車技術を築いたリーディング・エンジニア ガソリン・エンジンとディーゼル・エンジンと” (PDF). 自動車技術会. 2022年7月閲覧。
- ^ a b 日本自動車殿堂. “日本自動車殿堂 - 殿堂者 - 鈴木孝幸 - 詳細記事” (PDF). 日本自動車殿堂. 2022年7月閲覧。
- ^ 電気自動車の時代 (読売科学選書). 東京: 読売新聞社. (1991). ISBN 978-4643911312
- ^ a b “特集:21年目の躍進! 日野のハイブリッドバス”. バス・グラフィック (ネコ・パブリッシング) 16. (2012年10月). ISBN 9784777013388.
- ^ 日野ブルーリボン 公式サイト(アーカイブ)
- ^ a b c d e f g h ブルーリボンシティ公式サイト
- ^ a b c 『日野自動車、大型路線バス「日野ブルーリボンシティ ハイブリッド」を改良し平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させ新発売』(プレスリリース)日野自動車、2010年6月15日 。2010年6月16日閲覧。
- ^ 『日野自動車、バスシリーズを改良して新発売』(プレスリリース)日野自動車、2012年5月10日 。
- ^ 第38回東京モーターショー・日野スペシャルサイト
- ^ 日刊自動車新聞2007年11月19日付け
- ^ 国土交通省による、IPTハイブリッドバス試験運行のプレスリリース
- ^ 東京都交通局「非接触給電ハイブリッドバスが都営バスとして走行します」2009年4月6日付け
- ^ 環境再生保全機構・エコカーワールド公式サイト 出展車両紹介/電気自動車
- ^ 東京都交通局「非接触給電ハイブリッドバスの実証運行概要について」2011年1月24日付け
- ^ 日野自動車「非接触給電ハイブリッドバス実証運行実施のお知らせ」2011年11月30日付け
- ^ 日刊自動車新聞2008年1月17日付け
- ^ 都バスの新車導入が始まります(平成19年度分) 東京都交通局
- ^ 『年鑑バスラマ 2007→2008』ぽると出版、2007年、16頁。ISBN 978-4899800132。
- ^ 『日野自動車、大型バス「日野ブルーリボンII」を改良し平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させ新発売』(プレスリリース)日野自動車、2010年8月5日 。2010年8月14日閲覧。
- ^ 『日野自動車、大型バス「日野ブルーリボンII」と中型バス「日野レインボーII」を改良して新発売』(プレスリリース)日野自動車、2012年6月19日 。2012年6月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g 『日野自動車、大型路線バスをモデルチェンジして新発売』(プレスリリース)日野自動車、2015年8月26日 。2015年8月27日閲覧。
- ^ “日野、大型路線バスをモデルチェンジ、「ブルーリボン」「ブルーリボン ハイブリッド」発売”. Car Watch. (2015年8月27日) 2015年8月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 日野自動車、路線バスを改良して新発売
- ^ ラインアップ 日野自動車
- ^ “日野自動車、路線バスを一部改良して新発売” (2020年6月17日). 2020年6月18日閲覧。
- ^ 『日野自動車、路線バスを一部改良して新発売』(プレスリリース)日野自動車、2023年1月11日 。
- ^ a b 日野ブルーリボン 日野自動車公式サイト(2015年8月27日閲覧)
- ^ 日野ブルーリボンハイブリッド 日野自動車公式サイト(2018年6月18日閲覧)
- ^ a b 特別調査委員会による調査結果および今後の対応について日野自動車 2022年8月2日
- ^ a b 日野自動車(株)の排出ガス・燃費性能試験における不正行為について国土交通省 2022年8月2日
- ^ a b c “日野自動車、大型路線ハイブリッド連節バス「日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス」を新発売 | ニュース”. 日野自動車株式会社. 2019年7月28日閲覧。
- ^ “国産初の連節バス、大量輸送トレンドにあわせた和製技術の結晶[フォトレポート]”. Response. (2019年5月25日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ 『日野自動車、国産初の連節バス 「日野ブルーリボン ハイブリッド 連節バス」を横浜市に納車』(プレスリリース)日野自動車株式会社、2020年2月5日 。2020年5月26日閲覧。
固有名詞の分類
- 日野・ブルーリボンのページへのリンク