日立の樹
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大樹『日立の樹』について
日立グループでは、CMに登場する大樹のことも『日立の樹』と称している。長期に渡って使用されているモンキーポッドが有名だが、上述の通り1973年の第1代CMでは映像にアニメーションが採用されていたほか、別の木をあしらったCMが存在する。
最も有名な『日立の樹』は、ハワイ・オアフ島にあるモンキーポッドの大樹であり、1975年の第2代CMで用いられた後、マンゴーの木等に変更されたが、その後も視聴者の要望で1984年の第6代CM以降は一貫してこのモンキーポッドが使用されている[13]。この木は、ワイキキから車で30分ほどのダニエル・K・イノウエ国際空港に程近いモアナルア・ガーデンという公園にある。同公園には『日立の樹』と同種の木が多数ある。
2006年現在、ジョン・フィリップ・ダモンの個人所有地だが、無料開放され、CMの撮影場所やハワイの観光名所としてツアー客等が訪れる。2007年にも身売りないし州政府に移管される計画があったが、いまや日立のイメージブランドにもなっていることから、日立が公園を管理する地元企業と年間約40万ドル(約4800万円)で営業目的での独占的撮影権を締結した。しかし、公園に関わる費用は年間60万USドルに上り、日立製作所からの収入を上回るとみられている[14]。2009年には、増収も兼ねて日本人観光客向けの売店ができた。
この木は広大な土地に立つ一つの大樹に見えるが、実際には高速道路に面したそれほど広くない公園内にあり、ほとんど似た形状の複数の木の中の一本でありどれがCMの木か探すのに苦労する。CMの木にはゴミ箱が置かれていないため、それで区別ができる。CM撮影時には高速道路が写らないよう、また孤高の1本に見えるアングルを探して収録が行われた。
- 種類:モンキーポッド
- 樹齢:約120年
- 高さ:25m
- 幅:40m
なお、日立の樹事務局によると歴代の大樹[注 18]の正確な場所は現在では不明とのこと[15]。
CM以外でテレビに登場することはほとんどないが、2010年10月23日に放送された『日立 世界・ふしぎ発見!』の25周年スペシャルでは、出演者一同がモアナルア・ガーデンを訪れ、日立の樹の前で番組撮影を行った。
モンキーポッド
- 学名:サマネア・サマン
- 俗名:アメリカネム(合歓)、サマンの木、レインツリー(Rain tree)
モンキーポッドとは、猿がその実を好んで食べることから付いた名。podはえんどう豆などの「さや」の意味を表す英語である。ネムノキに似た花をつけ、ネムノキ同様に光によって葉が閉じたり開いたりするため俗にアメリカネムとも呼ばれる(モンキーポッドはマメ科サマネア属、ネムノキはマメ科ネムノキ属)。主な産地は中南米、西インド諸島など。日の陰る雨降りの日には葉が閉じることから、レインツリー(雨降りの木)の異名がある。
日本でも栽培キットの入手が可能である。日立チェーンストールでフェアが開催された際、栽培キットが販促品としてプレゼントされたこともあった。
イメージ画像としての採用
ハワイのモンキーポッドの、裾を広げた独特のシルエットは、日立グループとしてのイメージ画像として用いられる例が複数ある。
- 日立から1990年代に発売されたワークステーションの中には、システム起動時にこの樹木のCGが表示されるものがあった。また、かつては日立製パソコンの店頭用デモ画像に使用されていた。
- パソコンのマニュアルに印刷されている「再生紙」マークに使用されている[16]。
- 日立総合病院(茨城県日立市)の診察券にデザインされている。また、日立総合病院の患者図書室の愛称は「モンキーポッド」である[17]。
- 日立のハイビジョンテレビ「Wooo」のインテリジェント・オート高画質機能を搭載した機種では、この樹を模した「エコ効果メーター」が搭載されている[18]。
- 日立製のソフトウェア(JP1など)では、ソフトウェアの情報を表示するアイコンに「日立の樹」として使用されている。
- 日立チェーンストールや家電量販店で開催されるフェアは、歌詞から「きになる日立のきになるフェア」と題して開催され、日立の樹が描かれたPOPなどが店頭に掲示される。
現在、日立の製品CMでは、最後に流れる「Inspire the Next」サウンドロゴをバックに『日立の樹』のイメージ画像が登場する。
注釈
- ^ 日立製作所が100%出資する日立アプライアンス(現日立グローバルライフソリューションズ)が製造した冷蔵庫のカタログにおいて事実と異なる虚偽表記を行っていたことが発覚し、公正取引委員会から景品表示法違反で排除命令(優良誤認)を受けた。
- ^ 番組自体は1966年10月から放送されていたが、日曜 19:30 - 20:00の枠に移動したのは1975年4月以後である。
- ^ 19:00から開始する1時間番組であるため、前半は大塚製薬、後半は日立グループが担当している。この番組が2時間スペシャルの場合、この時間帯で日立グループと大塚製薬の2社提供で行う。
- ^ プロ野球中継時のみ「日立グループ」ではなく「日立製作所」名義での提供となっていたが、「日立の樹」CMは放送された。また、番組中のグループ会社のロールがない代わりに、「日立の樹」CMは2回放送された。
- ^ 番組自体は1986年4月から放送されていたが、1997年10月に日本テレビ系日曜19:30 - 20:00枠から放送枠が移動した。
- ^ ミニ番組。30秒に短縮された第9代CMの独自バージョンが放映されていた。
- ^ 公式サイトに掲載されているのはこちらのバージョン。
- ^ a b 公式サイトで公開されているものは1種類のみ。
- ^ 「私たち~」と表示されるようになったのは2000年4月以降。
- ^ 公式サイトには掲載されていない。
- ^ 公式ホームページ「日立の樹オンライン」で公開されているものは樹と光編1種類のみで、社名スクロールが入っていないものが使われている。
- ^ 2022年9月1日からサンロッカーズ渋谷の経営権はセガサミーホールディングスに移行された。
- ^ なお、現在公式サイトで公開されているものはエンド最下部の表示がない。
- ^ ただし、最初期は表示されていなかった。
- ^ ただし歴代CMの中にはナレーションや映像が異なるバージョンのCMが数種類存在するが、公式サイトでは1種類しか見られない。
- ^ 当時、日立グループ傘下だった。
- ^ 第9代CMソングはボーナス・トラックとして収録。
- ^ マンゴー(第3代CM)、バニヤンツリー(第4代CM)、カリフォルニアオーク(第5代CM)を指す。
出典
- ^ 日立の樹について - 日立の樹オンライン
- ^ a b c “日立の樹テレビCMの誕生”. 日立の樹オンライン. 日立製作所. 2017年4月21日閲覧。
- ^ Archived 2020年8月25日, at the Wayback Machine.
- ^ Archived 2020年8月24日, at the Wayback Machine.
- ^ 「この木なんの木」CM曲がついに着うたに、ORICON NEWS、2007年2月18日 10時。
- ^ INSPi新メンバー決定、ORICON NEWS、2007年4月4日 15時。
- ^ 日立製作所 社歌・応援歌,都市対抗野球大会 特設サイト
- ^ “明秀日立のブラバンは「この木なんの木」の「日立の樹」演奏 各校バラエティーに富む応援話題呼ぶ”. デイリースポーツ (2022年8月10日). 2022年8月11日閲覧。
- ^ “明秀日立アルプス席 地元ゆかりの曲披露し恩返し”. 産経新聞 (2022年8月10日). 2022年8月11日閲覧。
- ^ プロフィール - Natural Crayon、2020年4月24日
- ^ この木なんの木 ヒデ夕樹,朝礼志 - ORICON NEWS、2020年4月24日
- ^ Natural Crayon「Natural Crayon」 - Apple Music 2020年4月24日。
- ^ AERA2007年8月13-20日号「コーポレートキャラクター 日立の樹 日本人を見つめる“気になる木”」(文・神山典士)
- ^ Rick Daysog, "'Hitachi tree' bringing owner $4 million" (Honolulu Advertiser, January 26, 2007)
- ^ Archived 2020年8月25日, at the Wayback Machine.
- ^ “Prius 取扱説明書 設置と配線編”. 日立製作所デジタルコンシューマ事業部 (2007年4月). 2021年11月1日閲覧。
- ^ 患者図書室、日立総合病院 - 2023年1月14日閲覧。
- ^ 「できる録画テレビ」で視聴スタイルを変える - Wooo新モデルが目指すテレビ進化形、Phile-web、2009年4月9日。
- 1 日立の樹とは
- 2 日立の樹の概要
- 3 テレビCMについて
- 4 CMソングについて
- 5 大樹『日立の樹』について
- 6 関連項目
固有名詞の分類
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