日焼け 日焼けの概要

日焼け

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/13 13:02 UTC 版)

日焼け

日焼けを被った男性。

日焼けた部分が日焼けていない部分の色と合致しないことに注目。
概要
診療科 皮膚科学
分類および外部参照情報
ICD-10 L55
ICD-9-CM 692.71
Patient UK 日焼け
MeSH D013471
GeneReviews

日焼けの治療には、日焼けが軽度であれば、保湿したり、冷やしたり、脱水に注意して水分補給を行う。日焼けの防止には、日傘や帽子、衣類を用い、露出部位に日焼け止めを使う。

日焼けの発生と紫外線

日焼けは、日光(や紫外線人工灯)への過剰な暴露の結果として発生し、人体の色素であるメラニンの保護能力を超えている時に起こる。紫外線の強い時間帯、地理的な高度、水、雪、砂による下からの反射は強い日焼けを起こす条件ともなる[2]。雪の場合は「雪焼け」と呼ばれる。

メラニンの量には個人差があるが、一般に、より浅黒い肌の人々は色白の人より多くのメラニンを持っており、前者は日焼けしにくい。

紫外線は、その波長によってUVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)、およびUVC(短波長紫外線)に分けられる。地球の大気中のオゾンを透過する間に、UVCは大気によって完全に減衰し、15分未満で日焼けが生じる程度のUVAとUVBは、十分に残っている。 近年、クロロフルオロカーボン(CFC、フロンの一種)によるオゾン層の破壊によって、世界的に、特に南半球において増大しており、オゾン層破壊と周期的なオゾンホールの発生が、紫外線を危険なほどに高いレベルまで透過してしまっていることが懸念されている。

以前は、UVBのみが皮膚ガンの原因となると考えられていたが、UVAとUVB両方が皮膚ガンを誘発する。

一部の薬は日焼けのリスクを増加させる[2]テトラサイクリン系などの抗生物質抗てんかん薬抗精神病薬及び避妊薬は副作用に光線過敏があり日焼けのリスクを増大させる。抗がん剤では種類によって黒っぽい日焼けを起こすことがある

症状

種類

日焼け現象には2種類ある。紫外線にあたった直後には発症せず、2~6時間後皮膚が赤くなり、痛みは6~48時間の後に最もひどくなるサンバーン(sunburn)と、24~72時間の間、色素沈着が進行するサンタン(suntan)である。日焼けが起こった3~8日後に、皮膚が剥離し始める。

サンバーン

日焼けによる水泡

サンバーンは紫外線UVBが表皮を透過し、真皮乳頭体まで達した結果、直接的DNA損傷が主因となり乳頭体内の毛細血管が炎症反応として充血を起こし、皮膚の色が赤くなった状態を指す。その際、紫外線量がメラニン色素の防御反応を超えていると、細胞組織が傷を受け、炎症の情報伝達物質である多様な炎症メディエータやサイトカインが産生[3] され発熱や水泡、痛みが起きる。医学的にはこれを日光皮膚炎という。

サンタン

サンタンは紫外線UVAがメラノサイトに働きかけ、メラニン色素の生成を促す。メラニン色素を多く含んだ表皮細胞が基底層から角質層に達するまで新陳代謝による時間のズレがある為、紫外線を浴びてからしばらく後で皮膚が浅黒く変色するのはこのためである。UVAは発赤や炎症を伴う事はないが、真皮の深部まで到達しシワ、タルミの原因になる。

熱傷

日焼けにより表皮が剥離しかかっている状態。 日焼けした部分と、そうでない部分の皮膚の色が大きく違っている。
日焼けによる浅達性Ⅱ度熱傷の初期症状、日焼けした部分が赤く大きく腫れ上がっている。

日焼けは熱傷の深度I度またはII度の熱傷である。多くは赤くなるだけのI度の熱傷であり問題なく治る。強く日焼けした場合、水膨れとなりII度の熱傷となることもある。障害部位において痛痒感、浮腫、赤変、皮膚剥離、発疹、強い灼熱感といった症状を引き起こし、その他全身症状として吐き気及び発熱と言った症状を呈する。一般に熱傷面積が広いため、熱傷深度の割には症状が重篤なものとなり、極端な日焼けでは、身体は衰弱し、入院を必要とする場合もある。


  1. ^ 上出良一「紫外線防御の皮膚科学的意義」『日本化粧品技術者会誌』第30巻第3号、1996年、265-272頁、doi:10.5107/sccj.30.265 
  2. ^ a b c d e f g "Summer Burn Safety Educator's Guide" (PDF) (Press release). American Burn Association. 2019年7月4日閲覧
  3. ^ a b c d 上出良一:太陽紫外線による皮膚障害―サンバーンの治療― 日本皮膚科学会雑誌 Vol.124 (2014) No.6 p.1115-1119
  4. ^ 日焼け メルクマニュアル
  5. ^ 大西 俊造、梶原 博毅、神山 隆一 編集『スタンダード病理学 (第2版)』 p.489 (右側中央部) 文光堂 2004年3月30日発行 ISBN 4-8306-0449-2
  6. ^ a b WHO Disease and injury country estimates”. World Health Organization (2009年). 2009年11月11日閲覧。
  7. ^ Holick MF (July 2007). “Vitamin D deficiency”. The New England Journal of Medicine 357 (3): 266–81. doi:10.1056/NEJMra070553. PMID 17634462. 
  8. ^ Holick, Michael F. (February 2002). “Vitamin D: the underappreciated D-lightful hormone that is important for skeletal and cellular health”. Current Opinion in Endocrinology & Diabetes 9 (1): 87–98. doi:10.1097/00060793-200202000-00011. 
  9. ^ フロンによるオゾン層の破壊」『昨日今日いつかくる明日~読切り「エネルギー・環境」』2008年、ISBN 978-4434116209
  10. ^ 5・6班テーマ学習:日焼けについて”. 大分大学医学部・医学系研究科. 2015年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月10日閲覧。
  11. ^ a b Jemal A, Siegel R, Ward E et al. (2008). “Cancer statistics, 2008”. CA Cancer J Clin 58 (2): 71–96. doi:10.3322/CA.2007.0010. PMID 18287387. オリジナルの2011年7月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110703021822/http://caonline.amcancersoc.org/cgi/content/full/58/2/71. 
  12. ^ “がんになっても、窃盗してでも… 日焼けサロンに依存する人々”. フランス通信社. (2015年9月29日). https://www.afpbb.com/articles/-/3060252 2015年10月31日閲覧。 
  13. ^ Traikovich SS (October 1999). “Use of topical ascorbic acid and its effects on photodamaged skin topography”. Arch. Otolaryngol. Head Neck Surg. (10): 1091–8. PMID 10522500. 
  14. ^ Garland, CF; Garland, FC; Gorham, ED; Lipkin, M; Newmark, H; Mohr, SB; Holick, MF (2006). “The role of vitamin D in cancer prevention”. American journal of public health 96 (2): 252–61. doi:10.2105/AJPH.2004.045260. PMC 1470481. PMID 16380576. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1470481/. 
  15. ^ “Vitamin D 'can lower cancer risk'”. BBC News. (2005年12月28日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/4563336.stm 2006年3月23日閲覧。 
  16. ^ Gorham, ED; Garland, CF; Garland, FC; Grant, WB; Mohr, SB; Lipkin, M; Newmark, HL; Giovannucci, E et al. (2007). “Optimal vitamin D status for colorectal cancer prevention: a quantitative meta analysis”. American journal of preventive medicine 32 (3): 210–6. doi:10.1016/j.amepre.2006.11.004. PMID 17296473. 
  17. ^ Garland, CF; Mohr, SB; Gorham, ED; Grant, WB; Garland, FC (2006). “Role of ultraviolet B irradiance and vitamin D in prevention of ovarian cancer”. American journal of preventive medicine 31 (6): 512-4. doi:10.1016/j.amepre.2006.08.018. PMID 17169713. 


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