日本国籍 概説

日本国籍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/12 08:29 UTC 版)

概説

日本国籍は、父親または母親出生時に日本国民であった者、外国籍から帰化した者などが有する。1984年昭和59年)まではいわゆる父系血統主義(父が日本国籍で母が外国籍の場合の子は日本国籍、逆の場合は出生による自動的日本国籍取得は不可であり帰化のみ可)であったが、その後は母系に関する制限はなくなっている。当該制度変更の際には、旧制度下の一定の期間内(1965年(昭和40年)1月1日から1984年(昭和59年)12月31日まで)に生まれた母系の者に対して3年間の時限的経過措置(届出による日本国籍即時取得)が採られた。

なお、天皇皇族も日本国籍を有し、従って憲法第10条にいう日本国民(国家構成員)である。ただし、天皇は憲法第1章により国および国民統合の象徴とされ、参政権を含め一定の人権の制約を受けるため、「主権者としての国民」ではない。また皇族については、皇室典範その他の法律により若干の制限はあるものの一般の国民との差異は本来大きいものではない。皇族の参政権は、皇族が戸籍を有しない為、公職選挙法付則により当分の間停止されているだけである。しかし、実態として皇族の権利や自由は大きく制約されている。これは、「『皇族という特別な地位にあり、天皇と同じように制限されるべきだ』という考え方が市民の間で根強かったため」であるとされる。[1][2]

日本国籍の実際

取得

出生・準正による取得

国籍法では次の3つを出生による日本国籍取得の条件とし、これらの事例では自動取得となる[3]。この他、「準正」による取得は届出により取得できるとしている。

  • 出生の時に父又は母が日本国民
  • 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民
  • 日本で生まれ、父母がともに不明のとき又は国籍を有しないとき

帰化による取得

国籍法では帰化により、日本国民でない者(外国人)が日本国籍を取得できるとしている。帰化には法務大臣の許可が必要で、原則として次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。(第5条)

  • 引き続き5年以上日本に住所を有すること。
  • 20歳以上で本国法によって行為能力を有すること。
  • 素行が善良であること。
  • 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営む事ができること。
  • 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(多重国籍の制限)。
  • 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

日本人の配偶者(第7条)や日本国籍をかつて有していた者の子(第6条)などについては、上記条件に当てはまらない事例でも許可することができる場合がある。また、「日本に特別の功労のある外国人」は上記によらず国会の承認を得て帰化を許可することができる(第9条)。帰化が許可された場合官報で告示される(第10条)。

喪失

国籍法では下記の場合は日本国籍を喪失すると規定している。

  1. 自己の志望によつて外国の国籍を取得したとき
  2. 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれた者(両親が日本国民で出生地主義の国で生まれた場合や、父または母の一方が血統主義を採用する外国籍であって日本国外で生まれた場合など)が、日本国籍を留保する意思を表示しない場合

他に、他の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることによって国籍を「離脱できる」としている(「喪失する」ではない)。

重国籍の制限

他の国籍と日本国籍を有する成人の重国籍者は、多重国籍になった時点から2年以内にいずれかの国籍を選択しなければならない。日本国籍を選択する場合は、他の国籍を離脱するか、または日本国籍を選択する旨の宣言をして他の国籍の離脱に努めなければならない。ただし、日本国籍を選択した者が他の国籍を離脱しなかった場合(故意・懈怠・不可抗力など原因の如何を問わない)の罰則規定はない。

証明

日本の場合、国籍法では国籍の取得方法等に関する規定はあるものの、国籍を国家が一元的・直接的に登録・管理・証明する記録制度(他国における国民登録制度に相当するもの)が規定されておらず、戸籍法に基づき作成・管理される戸籍簿市区町村管理)が事実上の国籍登録であり、さらにそれに基づいて日本国政府外務大臣外務省)所掌)より発行される「日本国旅券」(パスポート)が、日本国外における日本国籍証明の役割を果たしている。特別永住者には「日本国籍を所持していない」ことから、当然、日本国旅券は発行されない。


  1. ^ 芦部信喜『憲法』p86
  2. ^ 朝日新聞デジタル『皇族の「人権」どこまで? 目につく「不自由さ」』
  3. ^ 国籍法第二条。[1]
  4. ^ 国民体育大会参加資格 (PDF)”. 日本スポーツ協会. 2007年10月11日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年11月21日閲覧。





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