日本の電力会社 日本の発電所

日本の電力会社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 09:01 UTC 版)

日本の発電所

発電電力量構成比

構成比の推移

2015年度における電気事業連合会加盟の電力会社と卸電気事業者の発電電力量構成比は以下の通り[32][33]

太字は一番割合が大きいものを表す。なお、電気事業連合会の資料に載っていない電源開発及び原子力発電が100%の日本原子力発電は省略している。

会社名 水力発電 火力発電 原子力発電 新エネルギー
北海道電力 16 78 - 6
東北電力 13 81 - 6
東京電力 6 91 - 3
北陸電力 26 71 - 3
中部電力 10 85 - 5
関西電力 12 84 1 3
中国電力 7 88 - 5
四国電力 12 80 - 8
九州電力 8 72 10 10
沖縄電力 - 96 - 4

すべての事業者において火力発電の割合が最大となっている。九州の電力は原子力発電の割合が1割。また、北陸電力は水力発電の割合が電力会社では一番多い。

政官界との関係

関西電力において、少なくとも1972年から18年間に亘り、歴代内閣総理大臣に対し、原発推進などの目的で多額の政治献金が行われてきた実態が、2014年に同社元副社長の内藤千百里の証言により明らかになった[34]

自民党の政治団体「国民政治協会」の政治資金収支報告書を2007年から2009年まで精査すると、原発を持たない沖縄電力を除き、全国9電力会社の役員のべ912人が同協会に合計1億1567万円の献金をしている[35]。また、この3年間、電力労組から民主党議員・関連団体へ多額の政治献金がなされている[36]

天下り問題

経済産業省は、旧通商産業省時代から半世紀近くもほぼ切れ間無く東京電力などの電力会社への天下りを行っている[37]

日本の代表的な電力会社である東京電力については、1962年に石原武夫・元次官が東電の取締役に就任し副社長などを歴任したのが始まり、その後も、増田実・元資源エネルギー庁長官(1981年 - 1989年)、川崎弘・元資源エネルギー庁次長(1991年 - 1999年)、白川進・元資源エネルギー庁次長(2000年 - 2010年)と、いった調子で、ほぼ切れ目なく天下りで取締役のポストを得てきた[37]。その結果、東電6人の副社長ポストのうち1人分は「経産省OBの指定席」などと見なされる始末だった[37]。このような天下りによる癒着は東京電力に限らず、他の電力会社でも起きているという[37]。本来、原子力発電の安全性を審査する役目を担うはずの組織として原子力安全・保安院が存在してはいるが、この保安院は経済産業省の下部組織であるので、上部組織の経産省が天下りによって電力会社と癒着したことで、原子力安全・保安院の機能も損なわれてきたと見なされている[38]

2011年に行われた経済産業省の調査によると、経済産業省から電力会社への天下りが過去50年間で68人あったとの調査結果を発表した。このうちの13人は現在も顧問や役員などの肩書で勤務しているために、監督官庁である経産省とのこのような緊密な関係は原子力発電所の安全基準のチェックを甘くさせるなどの弊害などがあるとも指摘されている(ただし、沖縄電力には原子力発電所は存在しない)。この調査では経産省(前身の通商産業省、商工省を含む)の元職員で、再就職先で常勤の役員か顧問だった人物を対象とされた[39]

天下りの人数

[39]

(※このうち中国電力をのぞく11社で現在も1 - 2人の経産省OBが残っている[39]。)

天上がり問題

2001-2011年の間、電力会社の社員が臨時職員として官庁に採用されてきた。内訳は内閣官房12人、内閣府15人、文科省9人。また、東電をふくむ電力会社7社、日本原子力発電、日本原燃IHI日本原子力産業協会電力中央研究所に在職したまま、内閣府、経産省、文科省に採用された非常勤の公務員は102人にのぼる[40]

新電力への切り替え

2016年4月電力小売完全自由化後の2018年9月30日まで、電力の購入先を新電力へ変更した契約件数は約489万件となった[41]。自由化から2年半の2018年12月14日経済産業省の発表によると795万件、新電力への切り替えが12%を超えた[42]


注釈

  1. ^ 田原総一朗『ドキュメント東京電力企画室』によれば、日本発送電の解体には「日本政府も野党も、学者も実業界も反対」であったとされる。
  2. ^ 現存する子会社である住軽アルミ箔とは別。
  3. ^ 発電設備の規模などによる区分であるため、売電の対象(余剰電力)が発電電力の全量であっても該当する。
  4. ^ なお、地域によって利用可能な事業者が異なるため、 「登録小売電気事業者一覧」にて確認が必要。

出典

  1. ^ 電力の小売り全面自由化って何?”. 資源エネルギー庁. 2016年7月21日閲覧。
  2. ^ 電気事業法(最終改正:平成二七年六月二四日法律第四七号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2016年7月21日閲覧。
  3. ^ 事業概要 会社情報 東京電力ホールディングス”. 2016年7月22日閲覧。
  4. ^ 電気事業制度の概要 小売電気事業の登録申請受付について”. 資源エネルギー庁. 2016年7月22日閲覧。
  5. ^ 登録小売電気事業者一覧”. 経済産業省. 2021年1月26日閲覧。
  6. ^ 送配電事業者一覧(一般送配電事業者、送電事業者、特定送配電事業者)”. 資源エネルギー庁. 2020年3月29日閲覧。
  7. ^ 登録特定送配電事業者一覧 資源エネルギー庁
  8. ^ 発電事業者一覧”. 資源エネルギー庁. 2021年1月26日閲覧。
  9. ^ a b c d 電気事業制度について資源エネルギー庁、2016年7月22日閲覧。
  10. ^ a b c 電気事業の概要(2011年5月27日時点のアーカイブ)」 経済産業省 関東経済産業局、2011年5月23日閲覧。
  11. ^ a b 参考資料7 IT分野における規制・制度改革検討シート (PDF) (30ページ)」 (規制・制度改革に関する分科会(第6回)内閣府行政刷新会議、2011年1月26日。
  12. ^ IPP とはコトバンク、2011年5月18日閲覧。
  13. ^ 小水力発電事業化へのQ&A(改訂版)-クリーンエネルギーとしての検討-(56,76ページ) (PDF) 」 農業土木機械化協会、2005年3月。
  14. ^ 電気事業政策の現状と課題(7ページ) (PDF) 」 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部、2010年11月12日。
  15. ^ 特定電気事業(2011年10月10日時点のアーカイブ)」 経済産業省 北海道経済産業局、2011年5月13日閲覧。
  16. ^ 平成23年度のRPS法対象電気事業者一覧」 RPS法ホームページ(資源エネルギー庁)、2011年5月13日閲覧。
  17. ^ 設備情報 ダム・水力発電 別子山エリア(愛媛県新居浜市) 住友共同電力
  18. ^ 千葉市『蘇我特定地区』における特定電気事業許可の取得について 2004年2月2日 JFEスチール
  19. ^ 電力供給サービス:コージェネと系統電力を併用、ガス会社が電力事業に参入ITmedia、2012年11月30日。
  20. ^ 経済 : 四賀に太陽光発電所 諏訪エネルギーサービス」 長野日報、2013年6月13日。
  21. ^ 特定規模電気事業者 とはコトバンク、2011年5月18日閲覧。
  22. ^ 電力小売市場の自由化について(電気供給者選択の自由化について) (PDF) (2011年3月4日時点のアーカイブ)」 資源エネルギー庁、2010年11月、3-4頁。
  23. ^ 特定電気事業者名称を「新電力」に 経産相” (日本語). 日本経済新聞 電子版. 2019年11月30日閲覧。
  24. ^ キーワード解説「特定規模電気事業者(PPS:Power Producer and Supplier)」 スマートジャパン
  25. ^ 電気事業法施行規則附則(平成24年3月23日経済産業省令第16号)
  26. ^ 視点・論点「電力自由化のリスク」 NHK解説委員会・解説アーカイブス、2012年7月31日。
  27. ^ 電力市場の概要について(2013年12月1日時点のアーカイブ)」 経済産業省 北海道経済産業局、2011年5月14日閲覧。
  28. ^ エネクス (8133) IPPS出資やJEN買収で電力関連事業強化サーチナ、2011年2月28日。
  29. ^ 中央電力、インド進出へ-マンション向け一括契約サービス展開日刊工業新聞、 2010年7月8日。
  30. ^ 過半数が4LDK・セレッソコート伊丹GC(2ページ)」 All About、2006年5月30日。
  31. ^ マンション向け電力サービス「J:COM電力」関東全域で提供開始 ジュピターテレコム、2013年4月18日。
  32. ^ b-電力設備 (全19ページ) 11スライド目”. 2018年4月10日閲覧。
  33. ^ 『平成22年度電気事業便覧』 - オーム社(2010年)46 - 48ページ ISBN 9784889482317
  34. ^ “関電、歴代首相に年2000万円 計7人、72年から18年献金 内藤元副社長が証言”. Yahoo!ニュース. 朝日新聞デジタル. (2014年7月28日). オリジナルの2014年8月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140802185938/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140728-00000001-asahik-soci 
  35. ^ 『原発の深い闇』宝島社〈別冊宝島〉、2011年、87-91頁。ISBN 978-4-7966-8369-2  文献には役員の個人名記載
  36. ^ 『原発の深い闇』宝島社〈別冊宝島〉、2011年、92-95頁。ISBN 978-4-7966-8369-2  文献には個人名・団体名記載
  37. ^ a b c d 吉永康朗. “東京電力:石田顧問辞任へ 天下り、なれ合い半世紀 「原発安全規制に緩み」”. 毎日新聞社. 2011年4月19日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年4月21日閲覧。
  38. ^ 高橋洋一の民主党ウォッチ 原子力安全・保安院の問題体質 経産省「植民地」、そして「東電の虜」”. JCASTニュース. 2011年4月21日閲覧。
  39. ^ a b c “50年間で68人が電力会社に天下り 経産省調査”. MSN産経ニュース. (2011年5月2日). オリジナルの2011年5月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110504235032/http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110502/biz11050220220024-n1.htm 
  40. ^ 『原発の深い闇』宝島社〈別冊宝島〉、2011年、96-97頁。ISBN 978-4-7966-8369-2  文献には受け入れ部局と期間が個別に掲示されている。
  41. ^ “新電力への切りかえ、25万件を突破(〜2016年11月) 沖縄電力はまだゼロ”. (2016年12月12日). https://www.kankyo-business.jp/news/013958.php 2017年1月1日閲覧。 
  42. ^ 電力のスイッチング率(事業者間・事業者内、低圧)が20%を超えました”. 2019年3月22日閲覧。





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