日本の警察 装備

日本の警察

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 23:39 UTC 版)

装備

車両

来歴

昭和24年度の時点で、警察車両の勢力は下記の通りであった[14]

  • 自動四輪車
    • 貨物自動車(大・中・小型) - 国家地方警察795両+自治体警察857両
    • 乗用車(普通・小型) - 国家地方警察1,121両+自治体警察984両
    • 払下げ車両 - 国家地方警察425両+自治体警察303両
  • オートバイ - 国家地方警察697両+自治体警察226両(およびサイドカー594両)

特に国家地方警察では、交通不便な地方部を管轄するにもかかわらず、1警察署あたり3両を配備するという基準目標の達成も難しく(昭和24年度時点で2両程度)、また配備されている車両も旧式が多く、故障率は3割に達していた。1949年10月24日の参議院地方行政委員会の報告書でこれら警察装備の充実強化が取り上げられるなど、問題がクローズアップされるのに伴い、少なくとも数的には充足が図られており、1954年7月の新警察法施行時点での警察車両は下記の通りであった[15]

  • 指揮用車2,041両
  • 捜査用車296両
  • 小型輸送車1,922両
  • 無線警ら車567両
  • 白バイ664両
  • その他3,904両

しかし国家地方警察と自治体警察で別々に整備されていたことから車種の統一が図られず、また国内の自動車産業が復興途上であったこともあり、依然として中古車が多数を占めていた。このことから質的整備が急がれ、昭和34年度からは、やはり質的整備に重点を置いた車両整備五箇年計画が発動された。しかしこの時期、モータリゼーションの進展に伴い交通事情が急激に悪化していたほか、自動車利用犯罪も多発傾向となっていたことから、質的だけでなく数的な向上が強く求められるようになり、昭和39年度より第一次車両整備三箇年計画、昭和42年度からは第二次車両整備三箇年計画が発動された。これらによって数的な向上も図られたほか、従来はジープ型が調達されていたのに対し、捜査用車はライトバン型、無線警ら車・指揮用車はセダン型に切り替えられた。また第二次車両整備三箇年計画では、70年安保対策として警備対策車両等の整備も図られた[14]

種類

など。

船舶

来歴

警視庁では、1945年から1949年にかけて、旧海軍の機動艇、自動艇、和船型発動機船(チャカ)計21隻を購入し、戦後の混乱に備えていた[16]。全国的に見ると、昭和24年度の国家地方警察の舟艇の保有状況は、機関搭載のもの40隻、またはによるもの4隻の計44隻であった。またほぼ同時期、全国の自治体警察の合計として、機関搭載のもの169隻、艪または櫂によるもの45隻を保有していた[17]

その後、1954年警察法の全部改正で国家地方警察と自治体警察が統合され、警察庁都道府県警察本部に再編されるのにあわせて、警察用舟艇の購入・配分は、警察庁が直接国費で行うことになった。同年7月に警察用舟艇が警察庁の管理に統合された際、数的には計168隻が在籍していたものの、その2/3までが5トン未満の小型艇で、老朽船も多く、性能的にも劣弱で、極めて不十分な状況であった[18]

1956年の時点で、東京・川崎横浜名古屋大阪神戸下関門司若松博多の10ヶ所に水上警察署が設置されていたが、就役船は全部で18隻程度で、5ヶ所の水上警察署では使用可能な舟艇を1隻ももたないという状況であった。このことから、まず水上警察署を重点とした舟艇の整備が進められ、1959年には、中型艇27隻を含めて計64隻の舟艇が配置されるに至った。このように水上警察署の体制が整ったことから、昭和35年度からはその他の舟艇の整備へと軸足が移された。しかし老朽更新が主体となり、数的な増強は進まなかった[18]

昭和40年代後半には、高度経済成長とともに港湾の整備が進み、これに伴って、警察用舟艇も質量両面での充実が求められるようになった。1972年沖縄返還に伴い、琉球政府が所有していた16メートル型警備艇5隻が国有とされて沖縄県警察に配置され、警察用舟艇の合計数は178隻となった。また全日空羽田沖墜落事故や大規模船舶事故を踏まえて、昭和48年度では、従来の水準を大きく上回る有力な警察用舟艇として2代目「ふじ」が建造され、1974年、警視庁に配備された[16]。これは54総トン、全長21メートルで、エンジン2基によって20.8ノットを発揮した[19]。定員32名で冷暖房装置を備え、レーダーも備えていた[18]

種類

現在では、警察用船舶は、全長に応じて下記の5タイプに分類されている[20][19]

船種 全長 活動水域 配備数
(平成26年度末現在)
23メートル型 23メートル以上 島嶼部、離島を含む沿海区域まで 14隻
20メートル型 19メートル以上、23メートル未満 離島を含む沿海区域まで 3隻
17メートル型 15メートル以上、19メートル未満 43隻
12メートル型 10メートル以上、15メートル未満 沿海区域より平水区域の多い水域
(波風中程度の水域)
48隻
8メートル型 10メートル未満 小規模な港湾、河川、湖沼等の平水区域
(波風が平穏な水域)
51隻

これらのうち、23メートル型は、特に密航・密入国、密漁事犯等の海上犯罪対策、災害対策、重要防護施設の警備・警戒、離島連絡等の水上警察活動に重点をおいている。また12メートル型と8メートル型は、落水者の救助や遺体揚収のためのトランサムリフトを装備している[20]

なお、同様に海上犯罪の取締りにあたっている海上保安庁との分担としては、一般的には河川は警察、港区外は海上保安庁、港内は両者が協議して担当を決めるが、警察になることが多いとされる[19]

航空機

警察庁では、昭和35年度より各都道府県警察へのヘリコプターの導入を開始し、昭和38年度までにピストンエンジンの小型ヘリコプター6機を配備して、警視庁大阪福岡北海道を拠点として、おおむね管区単位で広域運用を図った。その後、昭和41年度で大阪府警察に川崎/ベルKH-4 1機が導入されたものの、これは同年の全日空松山沖墜落事故に伴う二重遭難事故で失われた機体の補充機であり、1960年代を通じて、国有機6機の体制が維持された[21]

この間、ヘリコプターの改良発達はめざましく、また警察用航空機の需要も著しく増大していた[21]。これに応じて、警視庁では、1968年に富士-ベル204Bを追加導入していた[22]。また昭和46年度からは国有機の増強も開始されたが、こちらもいずれもターボシャフトエンジン搭載の高性能機とされた[21]


注釈

  1. ^ かつて、東京都小笠原村では、所轄の小笠原警察署につながっていた。

出典

  1. ^ フランク・B・ギブニー編『ブリタニカ国際百科事典 1-20』(ティービーエス・ブリタニカ、1972年)第6巻383項、警察の項の機能についての記述を参考。
  2. ^ [1]
  3. ^ 福地重孝 『士族と士族意識―近代日本を興せるもの・亡ぼすもの』 春秋社 p.333
  4. ^ 警察政策学会 『警察政策』 第20巻(2018) 立花書房 p.274
  5. ^ a b (1) 戦前の警察制度」『平成16年 警察白書警察庁(原著2004年9月)。2010年2月22日閲覧。
  6. ^ (2) 旧警察法の制定」『平成16年 警察白書』警察庁(原著2004年9月)。2010年2月22日閲覧。
  7. ^ 2 新警察法の制定…市町村警察から都道府県警察へ」『平成16年 警察白書』警察庁(原著2004年9月)。2010年2月22日閲覧。
  8. ^ 警察法 第15条
  9. ^ 警察法 第49条
  10. ^ 青木理『日本の公安警察』、講談社講談社現代新書〉、2000年、P17-18
  11. ^ 神一行 『警察官僚―日本警察を支配するエリート軍団』 勁文社 p.47
  12. ^ 驚愕の深層レポート 新たなる公安組織< Ⅰ・S >の全貌 前編
  13. ^ 警察行政職員とも呼ばれている。
  14. ^ a b 警察庁警察史編さん委員会 1977, pp. 307-309.
  15. ^ 警察庁警察史編さん委員会 1977, pp. 507-513.
  16. ^ a b 東京湾岸警察署 2008.
  17. ^ 警察庁警察史編さん委員会 1977, pp. 307-308.
  18. ^ a b c 警察庁警察史編さん委員会 1977, pp. 513-516.
  19. ^ a b c 小林 2008.
  20. ^ a b 警察庁生活安全局地域課 2015.
  21. ^ a b c 警察庁警察史編さん委員会 1977, pp. 516-518.
  22. ^ 東山尚一: “日本のヘリコプター半世紀(1960年代)” (2002年12月6日). 2018年11月11日閲覧。
  23. ^ 大分県警察本部>110番について>海外では?”. 2011年11月27日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年8月27日閲覧。
  24. ^ 警察庁. “警察総合相談電話番号”. 2012年7月12日閲覧。
  25. ^ 警視庁史編さん委員会 1978, pp. 330-332
  26. ^ 島根県警察本部:110番制度の歴史”. 2015年9月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。
  27. ^ 110番通報の適切な利用の促進について:政府広報オンライン”. 2014年10月20日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。





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