文楽 歴史

文楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/27 06:08 UTC 版)

歴史

人形浄瑠璃について

国立文楽劇場(大阪市中央区)

人形芝居江戸時代初期に三味線音楽、浄瑠璃と結びついて生まれたとされる。太夫では竹本座を大坂に開いた竹本義太夫、作者では近松門左衛門紀海音といった優れた才能によって花開いた。一時期は歌舞伎をしのぐ人気を誇り、歌舞伎にもさまざまな影響を与えた。今日でも櫓下(最高位の太夫)は芸事における地位が高いとされる。多くの歌舞伎が人形浄瑠璃の翻案であり、浄瑠璃を省略なく収めた本を丸本と称するところから、丸本物(まるほんもの)と呼ばれる。

その後、福内鬼外(平賀源内)により江戸浄瑠璃が発生した。18世紀末から19世紀のはじめにかけて(寛政年間)、淡路仮屋出身の初世植村文楽軒は歌舞伎の人気に押されて廃れつつあった人形浄瑠璃の系統を引き継ぎ、高津橋(大阪市中央区)に座を作り再興させた。この劇場は1872年三世植村文楽軒(文楽翁)の時に松島(大阪市西区)に移り、「文楽座」を名乗る。明治末期には文楽座が唯一の人形浄瑠璃専門の劇場となったことから、人形浄瑠璃の代表的存在となった。

1909年には文楽座は松竹の経営となり、松竹が文楽の興行を行うこととなった。文楽座はのちに御霊神社境内(大阪市中央区)に移転。焼失後の1929年には四ツ橋(大阪市西区)に新築移転したが、1945年の大阪大空襲で再度焼失。翌1946年に復興したが、1956年道頓堀弁天座跡(大阪市中央区)へ新築移転した。復興に関しては細井幾太郎が戦火を免れた四国を周り人形を収集、多大なる貢献をしたとして黄綬褒章を授与された。また細井幾太郎は文楽座楽屋周りの責任者として長く支えた。

1948年、松竹との待遇改善がからみ、文楽界は会社派の「文楽因会」と組合側の「文楽三和会」に分裂した。こうした内紛もあって戦後は興行成績が低迷。1963年、松竹は文楽から撤退し、文楽座も朝日座と改称。新たに大阪府・大阪市を主体に文部省(現・文部科学省)・NHKの後援を受けた財団法人文楽協会が発足し、文楽界は再統一され、再出発することとなった。

1984年には国立文楽劇場が完成し、松竹の撤退後もときおり文楽を興行して大阪の文楽の定席的役割を担っていた道頓堀朝日座(旧文楽座)は長い歴史の幕を閉じた。

2003年、「人形浄瑠璃文楽」が「人類の口承及び無形遺産の傑作」と宣言された(無形文化遺産参照)。

2012年、有料入場者数が3年ぶりに10万人を超えた。劇場の開場25周年だった09年度以来[9]

2014年日本財団が人形浄瑠璃「文楽」の普及をめざし「にっぽん文楽」プロジェクトを立ち上げ、東京オリンピックが開催される2020年まで年2回の全国公演を実施することを発表した[10]

2015年、2014年度の入場者数が増加。1994年度以来、20年ぶりの高水準で、1984年の劇場開場以来3番目に多い。平均入場者数は、過去最高となった[11]3月には「にっぽん文楽」プロジェクトの一環で、六本木ヒルズのアリーナに檜舞台を組み立てての公演を実施した[12]




  1. ^ 文楽以外の人形浄瑠璃である。
  2. ^ 文楽の場合は浄瑠璃の一派である義太夫節文楽以外では古浄瑠璃によって演じられる人形浄瑠璃も存在する。
  3. ^ 大阪の人形浄瑠璃、あるいは文楽座の源流の一つである淡路や阿波の人形浄瑠璃の影響を受けている場合など、文楽座の直接の系譜以外にも「文楽」を称する人形浄瑠璃がある。
  4. ^ “『太夫』表記のお知らせ”. 独立行政法人 日本芸術文化振興会. (2016年3月14日). http://www.ntj.jac.go.jp/topics/bunraku/27/5233.html 2016年4月11日閲覧。 
  5. ^ 歌舞伎の舞台で義太夫節を語る、いわゆる竹本の太夫の場合は、文楽で「大夫」と表記していた期間も「太夫」と表記していた。
  6. ^ これは近年の研究で誤りだったことが判明している。詳細は「芦屋道満大内鑑#三人遣い」参照。
  7. ^ 暁 晴翁「雲錦随筆」吉川弘文館(日本随筆大成 巻2)、1927年,107頁
  8. ^ 「操り浄瑠璃史」より、2012.7.28閲覧、http://homepage2.nifty.com/hay/rekisi07.html
  9. ^ “国立文楽劇場 橋下効果?3年ぶり入場者10万人超え”. 朝日新聞. (2013年1月29日). オリジナル2013年2月8日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130208021439/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2013/01/29/kiji/K20130129005080080.html 2013年2月8日閲覧。 
  10. ^ “「にっぽん文楽」プロジェクト立ち上げ/普及目指し五輪まで年2回公演”. ソーシャルイノベーション探訪. (2014年9月4日). http://blog.canpan.info/nfkouhou/archive/333 2014年12月25日閲覧。 
  11. ^ “文楽劇場入場者数、20年ぶり高水準 14年度、11万7000人”. 日本経済新聞. (2015年1月27日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC26HAK_W5A120C1AC8000/ 2015年2月25日閲覧。 
  12. ^ “六本木ヒルズに檜舞台が出現! 大盛況「にっぽん文楽」初公演”. 日本財団. (2015年5月8日). http://www.nippon-foundation.or.jp/what/spotlight/culture_sports/video/ 2015年6月1日閲覧。 
  13. ^ 「時代物」の内、奈良時代及び平安時代を舞台にしたものを特に「王朝物」、『太平記』の世界を描いたものを特に「太平記物」という。江戸期においては武家の事件をそのまま上演する事は検閲の対象となって上演が禁止され関係者が処罰される恐れがあったことから、太平記の世界に仮託されて創作された作品も多い。
  14. ^ 振り仮名は「文化デジタルライブラリー・文楽資料(番付)」に基づいた。独立行政法人・日本芸術文化振興会サイト2012年8月16日閲覧
  15. ^ 同上
  16. ^ https://www.city.iida.lg.jp/site/puppet/imada-history.html
  17. ^ http://www.82bunka.or.jp/bunkazai/legend/detail/04/post-58.php




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