文書管理システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/02 07:43 UTC 版)
構成要素
文書管理システムには、格納、バージョン、メタデータ、セキュリティ、索引、検索機能といった構成要素がある。以下では、これらについて解説する。
- メタデータ
- メタデータは一般に各文書に付随して格納される。例えば、文書がシステムに格納された日付、格納を行ったユーザー名(ID)などがメタデータとして含まれる。文書内容からメタデータを自動的に抽出するシステムもあれば、ユーザーにメタデータを追加させるシステムもある。文書をスキャンした画像ファイルに対して光学文字認識を行うシステムもある。内容をコンピュータが認識できるテキストとすることで、そこから検索用のキーワードを抽出したり、全文検索を可能にするなどの可能性が生まれる。抽出したテキストもメタデータの一部として元の画像ファイルごとに格納されるか、検索用に集中管理される。
- 連携
- 多くの文書管理システムは、他のアプリケーションとの連携が可能であり、アプリケーションを通して文書を検索して取り出し、修正を加えた文書を文書管理システムに戻すといったことが可能である。連携が可能なアプリケーションとしては、オフィススイートや電子メールやグループウェアなどが一般的である。
- 画像入力
- 紙文書のデジタル画像化にはイメージスキャナや複合プリンタが使われる。光学文字認識ソフトもよく使われ、デジタル画像をコンピュータが内容を処理できるテキストに変換する。
- 索引
- 電子文書を特定するのに使われる。単なる識別子(番号)でもよいが、一般にもっと複雑な形式が使われ、メタデータによる分類や内容から抽出したキーワードなどによる索引付けが行われる。索引は検索のためにある。
- 格納
- 電子文書を格納する。格納には文書を管理するという意味も含まれ、格納位置の決定、格納期間の決定、記憶媒体から記憶媒体への移動、文書廃棄などを行う。
- 検索
- 格納された文書を検索する。ある文書を検索するというのは簡単なようだが、電子的な検索は非常に複雑で強力なものとなりうる。単なる個々の文書の検索は、一意な文書識別子を指定することでなされ、システムがその識別子に対応した文書を取り出す。より柔軟な検索としては、識別子やメタデータの一部と考えられるキーワードを指定することで行われる。この場合は一致した文書の一覧が表示されることが多い。複数のキーワードを使ったブール式を指定できるシステムや、内容の一部を指定できるシステムもある。検索は事前に作成された索引を使って行われる場合もあるし、より時間のかかる全文検索が行われることもある。
- セキュリティ
- 文書のセキュリティは文書管理システムにとっては不可欠である。文書の種類ごとにアクセス制限をどうするかが複雑に決められていることが多い。
- ワークフロー
- ワークフローは複雑な問題であり、文書管理システムによってはワークフロー・モジュールが組み込まれている。ワークフローにはいくつかの種類があり、EDMが適用される環境によってワークフローが異なる。手動ワークフローは、ユーザーが文書を見てそれを誰に送るかを判断する。ルールベースのワークフローは、管理者がフローを規定するルールを作成する。例えば、請求書は決済プロセスを経て支払い部門に送られる。各部門がルールを作成して固有のワークフローを構築できるものもある。例えば、送られてきた請求書の金額によって最終的な送付先を変えるなどのルールが考えられる。
- 共同
- EDM は複数の人間が共同で利用する。各文書は適切なユーザーが処理しなければならない。そのため、あるユーザーがある文書を処理中の場合、他のユーザーが同じ文書にアクセスするのをブロックしなければならない。
- バージョン
- 文書は変更が加えられるたびにバージョン(版)が付与される。これによって更新にミスがあったときに、古いバージョンから処理を再開できる。
固有名詞の分類
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