放射性物質 定義

放射性物質

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/04 07:03 UTC 版)

定義

  • 原子炉で核燃料物質が核分裂して生成された物質を核分裂生成物、原子炉及び設備の鉄骨や水が中性子を吸収して生成された物質を「核燃料物質によって汚染された物質」、濃縮等の製錬によって核燃料物質となる原料を核原料物質という[4][注釈 2]
  • 放射線療法などで使用する放射線を生み出す放射性物質を、放射線源という。
  • 原子力施設や放射線利用施設などで発生する放射性物質を含む廃棄物を、放射性廃棄物という。

放射性物質の測定

放射性物質とは広義には放射性同位体を含む物質をいい、化学的には単一物質と混合物がある[3]。また、化学的には単一の物質であっても、同位体の比率が異なるなど同位体レベルでは異なる物質の混合物であることもあるが、この場合放射化学的に不純であるという[3]

放射性物質は放射能がかなり強くても質量換算および原子数、モル数では極めて微量であることも多く、通常用いる化学的手法で分析することが難しい場合は放射線や半減期を測定することによって分析する[3]。また放射性物質を化学的に単離するには、溶媒抽出やイオン交換など、同時に存在するほかの物質の影響を被りにくい化学的手法が用いられる[3]。また同位体レベルで分離するには化学的手法が通用しないため、質量差を利用した遠心分離など物理的手法が用いられる。

半減期

放射性物質は時間とともに崩壊し、最終的には放射能を持たない安定な同位体となる。その期間を示す指標として半減期という値を用いる。半減期は核種により異なり、1マイクロに満たないものから、ビスマス209の1900年に及ぶものがある。同じ元素でも質量数により大きく異なり、例えば55は2.73年なのに対し、鉄61は5.98秒とかなり短い。半減期が長い元素ほど少しずつ放射線を放出するため放射能濃度が低く、逆に半減期が短い元素は短期間に放射線を放出するため放射能濃度が高い。

自然の放射性物質

核燃料核兵器の製造や、加速器を用いて人工元素を合成することなどで人為的に取り扱われるものばかりが放射性物質ではない。

太陽恒星から降り注ぐ宇宙線中性子)は、大気に含まれる原子や人工物に吸収されて放射化する。例えば、炭素14は、空気中又は鉄骨中の窒素原子が宇宙からの中性子線を吸収して自然に生成される。また、ウラン235が放射線を放出しながら、ラドン等の娘核種を経て生成されていくものもある。

自然界には多種多様の放射性物質が存在し、そのうちのいくつかは生物に取り込まれている。土壌に含まれている放射性物質からは、その地に生息する生物は継続的に被曝している。


注釈

  1. ^ 放射線物質や放射能物質などの用法は誤りである。
  2. ^ IAEA では "nuclear material" を "Any source material or special fissionable material" と定義している。[5]

出典

  1. ^ 文部省日本物理学会編『学術用語集 物理学編』培風館、1990年。ISBN 4-563-02195-4 
  2. ^ 原子力基本法(昭和30年法律第186号)第3条第二号
  3. ^ a b c d e 長倉三郎ほか編、『岩波理化学辞典』、岩波書店、1998年、項目「放射性物質」より。ISBN 4-00-080090-6
  4. ^ 同法第3条第3号
  5. ^ IAEA Safeguards Glossary 4.1 (PDF)






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