折り畳み 利用

折り畳み

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/18 11:47 UTC 版)

利用

折りたたみの典型的な利用として、そのままでは大きすぎるものを折りたたむ機構をつけることで小さくまとめる、と言うものがある。小さくまとめることは、運搬、持ち運びの利便性と、収納の容易さの両面がある[1]

折りたたみ傘、折りたたみトラベルギターの一種などは携帯する際の利便性を向上させたもので、乗り物でも同様の目的で数々が開発されてきた。1979年に発明されて人気を博した自転車「ブロンプトン」、キックスケーターの「レイザー (Razor)」、小型飛行機の「ICON A5[注 1]など[2]フォールディングタイプカヤックにも、日本伝統の折り紙(17世紀に発達したといわれる)の方式を応用したものが登場している[3]大日本帝国陸軍では九五式折畳舟という二分割の組立式の舟もあった。ベビーカー車椅子など、座面に布地を用いることで折りたたみを実現しているものもある。

他方でアコーディオンカーテンなどは運搬を普通は考えないため、収納のコンパクト化に目的があると考えられる。

蛇腹などを用いる「伸縮する筒状構造物」も、産業界における「折りたたみ設計」として含める場合がある[4]。キッチン用品においても、シリコンなどの柔らかい素材を用いて折りたたみを容易にしている例もある[4]。近年は宇宙開発などの工学において、折りたたみが重要な位置を占めることになったともいわれる[5]。 また、数理モデルとしての研究発表も登場している[6]

日本

「大きく広げて、小さく折り畳む」というのが、日本の折りたたみ文化であるという指摘もある[7]。毎日寝具布団)や和服を畳んで収納(出し入れ)してきた歴史から、「畳む文化(包む文化、折る文化[8])」という言葉が用いられることもある[9][10]。他に、袱紗風呂敷[注 2]蚊帳三面鏡ちゃぶ台扇子屏風[注 3]なども、一例として挙げられることがある[11][12]

発展の要因の一つとして、遊牧文化の歴史を持たず定住化が顕著だったこと[9]や住環境が狭隘だったことを唱える説もある[12]。前述の着物や洗濯物など、「畳むことで行為を終える」というのが日本的な所作なのではないかという見解もある[13]折り紙も、基本的には折りたたみによる変形で形を作る。

江戸時代には、木製の[14][15]や、田中久重が発明したとされる旅行や医師の往診に用いられる「懐中燭台」など、折りたたむと平面的になるものもあった[16][17]

脚注

出典

  1. ^ 折りたたみ翼は、航空母艦の艦載機に採用されている機構でもあるという。 (米ベンチャー企業が発表、折りたたみ翼を装備したライトプレーン - BusinessNewsline)
  2. ^ 1980年頃まで風呂敷は日本独自のものとの一般認識があったが、その後「多くの国々で使用されている」ことが広まったという。 (第12回展示「世界のふろしき展」part.1 - 宮井ふろしき・袱紗ギャラリー)
  3. ^ 屏風中国の発祥で、最古のものは新羅から日本に伝来したといわれる。
  1. ^ モノ・マガジン」 No.438 (ワールドフォトプレス、2001年 10-16) p.117-123 折りたたみの美学 タタミズム (文/山本雅也)
  2. ^ CNN.co.jp : 「折り紙」ヒントにカヤック開発、収納便利で運びやすく - (2/2)
  3. ^ CNN.co.jp : 写真特集:折りたたみ式のカヤックや飛行機を見る - (1/9)
  4. ^ a b 伝統折紙の“技”! 曲がった筒の折り畳み設計手法 p.2-3 - 明治大学 先端数理科学インスティテュート(MIMS)
  5. ^ 「かたち・機能のデザイン事典」 (丸善出版、2011年1月) p.5 構造
  6. ^ 【応用数学】物体の折りたたみを説明できるコンパクトな数理モデル - Nature Publishing Group、2012年12月19日
  7. ^ 日本の折りたたみ文化 - 企業文化誌「エプタ」(ヒノキ新薬) vol.64 2013.11月[雪号]
  8. ^ 霞の文化と光の文化 - 千葉大学教育学部研究紀要 第54巻
  9. ^ a b おりがみの歴史 - 東京おりがみミュージアム
  10. ^ 12月!収納術(和文化研究家 三浦康子) - YAMAZEN BOOK
  11. ^ たたむ収納、たたむ文化 - 小さな家の生活日記(大平一枝) - asahi.com(朝日新聞社)、2009年10月19日
  12. ^ a b レーダーNo.642 「畳む」文化 - 信用交換所名古屋本社、2013年10月
  13. ^ THE NIKKEI MAGAZINE」 No.94 (日本経済新聞日曜第2部、2011年2月20日) p.17-19 特集 たたむ-四季に寄り添う営み (真家和生、塩坂純代ほか)
  14. ^ 枕の物語 vol.2 旅と枕 - LOFTY
  15. ^ 枕博物館 - 富士ベッド工業株式会社
  16. ^ 先駆者たちの大地 株式会社東芝 田中久重 - IRマガジン2005年夏号 Vol.70 野村インベスター・リレーションズ
  17. ^ 図録・INAX BOOKLET 「携帯の形態」(1993年) p.50-51 江戸の旅道具


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