手筋 (囲碁)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 17:26 UTC 版)
概要
手筋には、相手の石を取る手、自分の石が生きる手、連絡を図る手、攻め合いに勝つ手、形を整える手、相手の地を削減する手、先手を取る手などが含まれる。これらはツケ、ハサミツケ、トビツケ、ハナヅケ、ツケコシ、オキ、ワリコミ、キリ、ハネとオサエ、コスミ、コスミツケ、サガリ、ゲタ、シチョウ、ワタリ、捨て石、目を欠く、アテコミ、オイオトシ、ダメヅマリ、シボリ、オシツブシ、トビなどの形で現れる。
手筋ではない筋の悪い手を俗筋、イモ筋という。また一見手筋風の手、本物の手筋の一路違いだが効果がない手を筋違い・異筋などと称することがある。
依田紀基は、手筋をより合理的に定義できる「筋場理論」を提唱している。
棋力の向上には部分的な死活を問う詰碁と共に有効であるとされ、様々なレベルの手筋だけを反復練習する本が多数出版されている。
手筋の例
相手の石を取る手筋の例として「鶴の巣ごもり」と呼ばれる手がある。図のように、白△とトビ出して3子を逃げだそうとした場合である。
これに対し、トンだ石の間の黒1へワリコむのが手筋である。白2と逃げようとしてきたら、黒はaにツガず、黒3に切る。1子のアタリに構わず切る発想の飛躍が、手筋たるゆえんである。
白は白1と1子を取りつつ逃げるしかないが、ここで黒2とアテれば全体がオイオトシとなり、白は脱出できない。
石を取る手筋の例
筋場理論
- 提唱する依田紀基によれば、「筋場理論」は「碁の歴史を変えるほどの大発見である筋の根本原理である」理論である。
- 筋場とは、石が2つ以上並んだ瞬間に存在するもので、「2つ以上石が並んだ、相手の石がない側の1路横」、つまりアキ三角になる場所のことである。
- 手筋とは、「利き筋を手順よく利用して、相手の石を筋場に持って来て石の働きをよくする打ち方、あるいは自分の石が筋場にこない、そういう形を目指す打ち方」とできる。なお、碁の筋には、①筋場理論と②ダメ詰まり(ウッテ返し系)があり、筋場が手筋になる場合もある。
- 1 手筋 (囲碁)とは
- 2 手筋 (囲碁)の概要
- 3 参考図書
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