扉 動力による分類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/27 15:55 UTC 版)

動力による分類

以下は扉を動作させる動力による分類。

手動扉

人が身体の力を用いて開ける扉。手動の扉。歴史的にももともと扉は手動であった。現在でも建物では、もっとも一般的な扉。建物の扉では単に「扉」と言えば基本的には手動の扉を指している。

公共の乗り物では20世紀に自動ドアが増え、自動ではないドアを意識的に呼び分けるために、レトロニムを用いて、「手動ドア」「手動扉」と呼ぶことがある。

自動扉

動力を用いて自動で開閉する扉。 主に電気モーターを動力源として使っている。ここまでに述べたすべてのタイプの扉には自動扉が存在する。

建築物のドア

用途に適した材料で作られる。木製、金属製(ブロンズ製、鋼鉄製)、日本では材木と紙を組み合わせたものも用いられる。

一般家屋では玄関扉、通用口(裏口)の扉、各部屋の出入口の扉、クローゼットの扉、バスルームの扉などがあり、それぞれの機構、大きさ、材質、追加部品がある(後述)。

出入り後に自動で閉じるようにバネを追加したドアも何世紀も以前からある。また現代では閉じる時に「バタン」と音がしないように一定のゆっくりとした速さで閉じる機構がついたドアクローザが広く普及している。現代では機械的な動力で自動で開閉する扉(自動ドア)も普及している。

空気は出入りさせるが虫は出入りさせないようにする場合、網戸を加える。

玄関扉

玄関の開口部につけられる扉。泥棒等の侵入者を防ぐため、比較的しっかりしたロック)がつけられることが多い。 玄関扉は建物(集合住宅なら部屋)の内側から外側へ押し開く構造の開き戸が比較的多い。来訪者の第一印象にも影響を与えるので、ひとつの建物の中のドア群の中でも比較的立派なつくりになっていることが多い。扉や来訪者が雨にさらされないように玄関にはポーチがつけられることも多いが、それらが無い玄関につけられる玄関扉は高頻度で雨にさらされるため、強い耐雨性も求められる。

分厚い玄関扉では、外から建物や部屋の中の人を呼び出すために、欧米では伝統的に、扉にドアノッカー[4](扉を叩くための金具)がつけられる。代わりに呼び鈴で済ますことや、近年ではドアホンが取り付けられることもある。

超広角の特殊レンズで外にいる人を見られるようにするドアスコープが取り付けられているものもある[4]

部屋の扉

建物内の各部屋の扉は雨に晒されないので、薄い塗装の扉や、塗装無しの木材でできた扉も使うことができる。日本家屋ではふすまなど、紙も多用される。 錠(ロック)は付けられているものも、付けられていないものもある。

非常扉

非常口の扉は内側からは開き、外側からは開けられない構造にしてある。平時に安易に使用されることを防ぐために、扉内側のロック)に覆いをかぶせてあるものもある。使用時には取り除いたり割ったりした上でロックを解除する。ホテル旅館での宿泊時など、初めて訪れた建物では、非常口の扉の仕組みを確認しておくとよい。

防火扉

火災時に火災報知機などと連動して自動的に閉鎖される耐火性のある扉。炎熱を遮断して延焼を遅らせ、またを遮断することで避難者の安全を確保する。閉鎖しても人力で開閉することもできるか、あるいは人が通り抜けられるよう小さな扉が取り付けられるなどしてあり、避難を妨げない様になっている。

パニックオープン

災害などパニックが発生した場合などに、広い開口部に切り替えられる扉。大規模な災害の際には、出入り口がボトルネックとなって群集事故に発展することもあるが、パニックオープン(機構・機能・システム)を具えたこれらの扉は、防災設備の操作で電磁ロックが外れ一斉開放されたり、内側の手摺り状のハンドルを押す(体当たりでも構わない)ことで開放され、建物からの脱出を容易とする。普段動力で開閉される自動ドアでも同システムを具えたものでは、扉左右の引き戸ごと外側に開放され、通常の倍以上の開口部となるものも見られる。

なお地震などで建物が歪んでしまった場合、扉の開閉に支障をきたす場合もあるが、パニックオープンなど被災時を想定した扉では、多少の歪みでも開閉性が損なわれない強化されたものもある。

ペットドア
キャットフラップ。

人が通るためのドアが閉じていても、飼い犬や飼い猫などは通すための、扉に取り付けられた小さな扉は「ペットドア」という。上方向に開くものは英語ではflapと呼び、ネコ用は「cat flap キャットフラップ」などと言う。

金庫扉

金庫室の出入口に設置される扉。外部からの破壊攻撃に耐える防盗性と、火災から保管物を守る耐火性を兼ね備える。強盗がドリル、溶断機(溶接機)、ハンマーなどで攻撃・破壊する場合でも相当時間耐えられなければならない。つまり耐、耐溶断、耐衝撃でなければならない。なかでも銀行の金庫室英語版の扉は、さまざまな扉と比較しても特に頑丈に作られている。金融機関の金庫室のものでは、ロック(錠)の機構も巨大で、油圧で動く多数の棒で壁とがっちり一体化するものもあり、そういったものでは重量が数トンほどにもおよぶ。

乗り物のドア

船舶

船舶)は数千年前からある歴史の長い乗り物だが、船にもドアがつけられていることがある。岸壁から荷物を積み込むためのドア、甲板と船室を隔てるドアなど。大型船(本船)では、船内に多数の小部屋があり、それぞれの出入口にドアがついている。

なお、甲板にある、甲板上の空間と甲板下の空間との間にある板、蓋(ふた)状のものは「ドア」ではなく、「ハッチ」と呼ぶのが正しい呼び方である。甲板上には荒天時などに海水が押し寄せるので、ハッチは水の侵入を防ぐために、甲板側には十分な高さのハッチコーミング(穴の周囲の、高さ数センチ~10数センチ程度の囲い壁)が施工されており、それをすっぽりと包むように覆うような形状になっている。(なお船舶の「ハッチ」という概念や用語が、航空機用語の「ハッチ」や、自動車の「ハッチバック」に流用されている。)

自動車

自動車業界では「ドア」を総称、かなり広い範囲を指すための用語として用いており、人が出入りするためのものは勿論のこと、車内のヒンジ付きのものもスライド式のものも、後部座席の引き戸も、車体後部のハッチも「ドア」と分類する。

「2ドア」「3ドア」「4ドア」「5ドア」などと、ドアの数によって、自動車を分類することも行われている。 自動車で車体後部に、飛行機のハッチ(通用口)を大きくしたような、跳ねあがるガラス製のドアをつけたものは「ハッチバック」と言う。

現在では運転席や助手席のドアは開き戸が一般的。20世紀前半には、ヒンジが自動車の後部側についていて前方(運転者の足の側)が大きく開くドアも多かったが、その後、ヒンジが前方に付き後ろ側が開くドアが標準的になった。

近年のワンボックスカーの後部座席横にはスライドドア(引き戸)を持つものが一般的。助手席側だけにスライドドアを持つものが一般的だが、左右両側にスライドドアを持つものもある。

一部にガルウィングという、開けるとカモメの翼のような形で広がるドアを持つ自動車もある。

自動車のドアは交通事故によって変形しても開閉が妨げられにくいよう工夫されている。

軍事用自動車のドアには(車体同様に)防弾素材が埋め込まれているものもある。

鉄道

客車プラットホーム側のドアは自動の引き戸が一般的。 上吊式の引き戸もある[4]国鉄気動車など。)

列車の先頭車(先頭車両や動力車)や最後尾車の運転手車掌が乗り降りするドアは開き戸で内開きが一般的。

航空機

航空機の出入り口、外部空間と内部空間の間にある構造物は、船舶とのアナロジーで船舶用語を流用して「ハッチ」と呼ぶのが、航空業界関係者の間で伝統的でもともとは正式名称ではある。(船舶のハッチは水密構造になっているが)航空機のハッチのほうは気密構造になっているものが多い。 なお、乗客となる一般人(非-航空業界人)のほとんどは(航空業界人の慣習は知らないので)むしろ建築物の出入口との類似性を感じて「ドア」と呼ぶので、その呼び方もすでに非常に一般的で、様々な文献でもそう表記されていることはある。

宇宙船

エアロックは乗員や貨物が通過することを可能にし、空気が大量に放出されてしまうことは防ぎ、内外の気圧差(圧力差)を保持する。




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