愛媛県
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 05:11 UTC 版)
歴史
由来
「えひめ」の地名は、古くは古事記上巻のイザナギとイザナミによる国生みの段に、「伊豫國謂愛比賣」(伊予国は愛比売と謂ひ)と見える。のちに「愛比売」が「愛媛」へと転化した。全国で唯一の神名をつけた県である。
先史
県内では2万2000年以上も前から人々が生活していた。1995年(平成7年)伊予市の旧双海町の東峰遺跡・高見I遺跡[注釈 4]でAT火山灰(姶良・胆沢火山灰)の下から石器が出土している。
古代
松山市の久米地域は、久米国造の支配地域であり、その中心地でもあった。久米地域の堀越川と小野川にはさまれた来住(きし)台地とその周辺に7 - 8世紀代の諸官衙遺構が集中して分布しており、発掘調査が進められている。台地北辺に政庁、中央に「回廊北方官衙」、南南東部に「回廊状遺構」、その南東外部に来住廃寺塔基壇、西に「久米郡衙正倉院」がある[3]。来住廃寺は、7世紀の終わりに回廊状遺構が壊された後、東半分に重なるように建てられた寺である。
中世
- 藤原純友 (藤原純友の乱)
- 河野通有(元寇と対峙した水軍大将)
- 脇屋義助(南朝)
- 村上通康(村上水軍)
- 村上武吉(村上水軍)
- 河野通宣(河野氏)
- 河野通直
- 金子元宅(伊予金子氏)
- 宇都宮豊綱(伊予宇都宮氏)
- 西園寺公広(伊予西園寺氏)
- 戸田勝隆(織豊大名)
- 加藤嘉明(織豊大名)
- 藤堂高虎(織豊大名)[4]
江戸時代
伊予八藩、すなわち、松山藩、紀州藩の支藩の西条藩、小松藩、今治藩、大洲藩と支藩の新谷藩、宇和島藩と支藩の吉田藩。ごく短期間、川之江藩が存在した[5]。
近代
- 1871年
- 7月 - 廃藩置県により8藩がそのまま県となる。旧幕府領は倉敷県に分属。
- 9月 - 旧幕府領が丸亀県に移管。
- 11月 - 丸亀県の一部と西条・小松・今治・松山の各県が合併して松山県に、大洲・新谷・吉田・宇和島の各県が合併して宇和島県となる。
- 1872年 - 松山県は石鉄県(いしづちけん)、宇和島県は神山県(かみやまけん)となる。
- 1873年(明治6年) - 石鉄県、神山県が合併し、愛媛県となる(太政官布告第60号)。
- 1876年(明治9年) - 香川県と合併、「愛媛県」となる。
- 1886年(明治19年) - 歩兵第22連隊が創設される。
- 1888年(明治21年) - 香川県が分離、今日の愛媛県となる。伊予鉄道の松山(現在の松山市) - 三津間路線開通(四国初の鉄道路線)。
- 1891年(明治24年) - 児島惟謙は、大津事件において司法の独立を死守し、後世の史家から『護法の神様』と称される。
- 1893年(明治26年) - 二宮忠八は、玉虫型飛行機完成。世界初の動力航空機を創り上げる。
- 1894年(明治27年) - 歩兵第22連隊、日清戦争で平壌から清を排除。
- 1904年(明治37年) - 歩兵第22連隊、日露戦争の旅順要塞攻略で活躍する。以後『伊予の肉弾連隊』と称揚される。
- 1943年(昭和18年) - 日本海軍。吉田浜飛行場を完成。
- 1944年(昭和19年) - 太平洋戦争の戦局悪化に伴い神風特別攻撃隊が初出撃。参加パイロット5名のうち2名が愛媛県人で、敵空母を撃沈する。
- 1945年(昭和20年) - 吉田浜飛行場上空において日本海軍航空隊がアメリカ海軍航空隊を迎撃し、多数のアメリカ軍機を撃墜する[6]。
- 1945年(昭和20年) - 歩兵第22連隊、沖縄戦にて奮戦し、アメリカ軍に大損害を与えるも玉砕する。
戦後・昭和後期
- 1946年(昭和21年) - 南海大地震が発生し、県内で26人が死亡。
- 1949年(昭和24年) - 4つの旧制高等学校等を統合し、国立愛媛大学が発足。
- 1951年(昭和26年) - 松山市が国際観光文化都市に指定。
- 1953年(昭和28年) - 第8回国民体育大会(四国国体)開催。県内初の民放南海放送が開局。
- 1957年(昭和32年) - NHK松山放送局がテレビ放送を開始。
- 1964年(昭和39年) - 東予地方が新産業都市に指定される。
- 1973年(昭和48年) - 別子銅山閉山。
- 1977年(昭和52年) - 四国電力伊方原子力発電所稼動開始。
- 1982年(昭和57年) - 四国初のFM放送局としてFM愛媛が開局。
- 1983年(昭和58年) - テクノポリス地域に指定される。
- 1985年(昭和60年) - 四国初の高速道路として松山自動車道の三島川之江IC - 土居ICが開通。
- 昭和の合併
- 1955年(昭和30年)を境として、全国的な動きではあったが、市町村合併が急速に進み、1954年(昭和29年)2月1日時点で、6市41町186村、計233市町村であったのが、1958年(昭和33年)4月1日には、10市42町29村となった。
- ほとんどの合併は1956年(昭和31年)度中に成就した。その後1963年(昭和38年)頃までは五月雨式に合併が続いた。昭和40年代に入ってからは、壬生川町・三芳町の合併(東予町の誕生、翌年東予市に昇格)、久谷村の松山市への編入、宇和海村の宇和島市への編入があったのみである。
平成
- 1993年(平成5年) - JR予讃線伊予市駅 - 高松駅間の電化工事が完了。
- 1999年(平成11年) - 西瀬戸自動車道が全面開通(島部の一部は未開通)。
- 2000年(平成12年) - 松山市が中核市に昇格。
- 2001年(平成13年) - 芸予地震が起こる。
- 2005年(平成17年) - プロ野球独立リーグ四国アイランドリーグ(現:四国アイランドリーグplus)発足と同時に愛媛マンダリンパイレーツが創設される。
- 2006年(平成18年) - 西瀬戸自動車道の一部未開通部分が完成し、1本の道路として繋がる。
- 2006年(平成18年) - 愛媛FCが J2 に昇格。
- 2017年(平成29年)8月12日-北朝鮮の弾道ミサイル発射予告に伴い、陸上自衛隊松山駐屯地に迎撃用パトリオットミサイルPAC3が初展開する。
注釈
- ^ 現在の県章は1989年制定。現在も県章を定める公告は有効であるがほとんど使用されず、県旗のみが紹介されることが多い。
- ^ 海上を隔てて隣接
- ^ 海上を隔てて隣接
- ^ 両遺跡は標高約300メートルの地点にある。東峰遺跡ではAT火山灰の下から局部磨製石斧・台形様石器・安山岩大型石核が、高見I遺跡でもチャート製の剥片と推奨製の破片が出土している。なお高見I遺跡のAT火山灰の上からナイフ形石器や石核などが出土している[2]。
- ^ ジェイエア、日本エアコミューターの機材・乗務員で運航する便あり。
- ^ ANAウイングスの機材・乗務員で運航する便あり。
- ^ 全日本空輸(ANA)とのコードシェア(全便)。
- ^ 日本航空(JAL)とのコードシェア(JAL国際線との乗継時のみ)。
- ^ 日本航空(JL)との共同運航便。
- ^ 就航時、週2便(月・金)。 2012年4月18日から週3便(月・水・金)、2012年10月29日以降 4便(月・水・金・土)に増便されたが、2013年10月27日から週2便(月・金)に減便。エアバスA319型機。
- ^ 2017年11月2日から週3便(火・木・日)で就航。ボーイング737-800型機。 2018年7月・8月および冬ダイヤ期間中は週5便に(月・火・木・金・日)に増便された。2019年冬ダイヤは増便検討も日韓関係悪化に伴い中止。
- ^ 全日本航空(NH)・ニュージーランド航空(NZ)との共同運航便。
- ^ 2019年7月18日より週2便(木・日)で就航。エアバスA321型機。 2020年4月10日より週4便(水・木・土・日)に増便。
- ^ 開局当時は計画レピータの制度がなく広域レピータ周波数の割り当てがなかったため。
- ^ 名古屋市科学館が竣工する2010年までは総合科学博物館は世界1だった。
出典
- ^ 全国都道府県市区町村別面積調 国土地理院 2013年11月28日閲覧
- ^ 寺内浩「愛媛のあけぼの」『愛媛県の歴史』 13-14ページ。
- ^ 寺内浩「古代国家と伊予国」」『愛媛県の歴史』43-44ページ。
- ^ 『日本の特別地域特別編集64 これでいいのか愛媛県』42、43頁。
- ^ 『日本の特別地域特別編集64 これでいいのか愛媛県』44、45頁。
- ^ 『日本の特別地域特別編集64 これでいいのか愛媛県』46、47頁
- ^ a b c “愛媛県人口ビジョン” 2017年1月5日閲覧。
- ^ a b c 農林水産省統計部 (2010) 『生産林業所得統計』
- ^ 愛媛県農林水産部森林局『愛媛の森林・林業について(平成22年度実績版)』
- ^ a b c d 愛媛県企画振興部管理局統計課経済統計係 (2010) 『平成22年工業統計調査』
- ^ 【放射能漏れ】四国電力、原子力本部を愛媛に移転へ - MSN産経ニュース 2011年4月13日[リンク切れ]
- ^ 愛媛県 (2011) 『平成23年 観光客数とその消費額』、2頁
- ^ a b 愛媛県 (2011) 『平成23年 観光客数とその消費額』、3頁
- ^ a b 愛媛県 (2011) 『平成23年 観光客数とその消費額』、5頁
- ^ 愛媛県 (2011)『平成23年 観光客数とその消費額』、4頁
- ^ モービルハム 1985年5月・1986年1月号 電波実験社、CQ ham radio 2008年10月号 CQ出版社、JARL愛媛県支部報 1983年 - 1998年号
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