意思決定支援システム コンポーネント

意思決定支援システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/28 09:30 UTC 版)

コンポーネント

旱魃を監視する意思決定支援システムの設計

DSSアーキテクチャの基本となる構成要素は次の3つである[6][7][11][12][13]

  1. データベース(または知識ベース
  2. モデル(すなわち、意思決定のコンテキストとユーザー基準)
  3. ユーザインタフェース

ユーザー自身もこのアーキテクチャの重要な構成要素である[6][13]

開発フレームワーク

DSSは他のシステムと大きく異なるわけではなく、開発においては構造化手法が必要とされる。そのようなフレームワークには、人間、テクノロジー、開発技法が含まれる[11]

DSSのテクノロジー階層(ハードウェアおよびソフトウェア)には以下のものが含まれる。

  1. ユーザーが実際に使用するアプリケーション。意思決定者が何らかの特定問題領域で意思決定を行うことを支援する。
  2. 特定のDSSアプリケーションを容易に開発できるようにするハードウェアとソフトウェアから成るDSS生成開発環境。この階層ではCASEツールや Crystal、AIMMS英語版Analytica英語版、iThink といったシステムが使われる。
  3. より下層のハードウェア/ソフトウェアを含むツール群。DSS生成器は専用言語、ライブラリ、リンク用モジュールなどを含む。

このような階層的な開発技法により、様々な間隔で変更や再設計が可能となっている。システムを設計しても、所望の結果が得られるまで評価と改良を繰り返す必要がある。

区分

DSS アプリケーションの区分けにもいくつかの方法がある。ある DSS が必ずしもどれかのカテゴリに完全に適合するわけではなく、複数のアーキテクチャの混合となることもある。

Holsapple と Whinston[14] はDSSを以下の6つのフレームワークに区分けした。テキスト指向DSS、データベース指向DSS、表計算指向DSS、問題解決指向DSS、規則指向DSS、混合DSS である。

混合DSS(compound DSS) が最も一般的であり、他の5つの基本構造のいくつかを統合したものを指す[14]

DSS による支援は相互に関連する3種類、個人支援、グループ支援、組織支援に区分けされる[15]。である。

DSSの構成要素は次のように区分けすることもできる

  1. 入力 - 解析すべき要因、数値、特徴
  2. ユーザーの知識と技能 - 入力はユーザーの人手による分析を必要とする
  3. 出力 - DSSの「意思決定」が生成した変換されたデータ
  4. 意思決定 - ユーザーが自身の基準に基づきDSSで生成した結果

人工知能知的エージェント技術に基づいた意思決定支援を行うDSSは知的意思決定支援システム(IDSS)と呼ばれ[16]IBMが自然言語に対応した質問応答システムワトソンを開発している。。

勃興期にある Decision engineering では意思決定そのものを工学的オブジェクトとして扱い、意思決定の構成要素の明示的表現にデザイン品質保証といった工学的原理を適用する。

応用例

これまで述べたように、理論的には任意の知識領域で意思決定支援システムを構築可能である。

1つの例は、医学診断のためのコンピュータ支援診断である。他に銀行での融資決定、プロジェクトの技術的意思決定、コスト競争力評価などがある。

DSSは経営や管理によく使われている。デジタルダッシュボードなどのソフトウェアはより素早く意思決定し、負の傾向を識別し、経営資源のより効率的な配分を可能とする。DSSは組織全体から集めた情報を表やグラフの形式でまとめることができ、戦略的決定を支援する。

農業生産でも持続可能な開発の観点でDSSが応用されるようになってきている。例えば、アメリカ合衆国国際開発庁 (USAID) が80年代から90年代にかけて資金援助して開発されたDSSAT4パッケージは[17][18]、農場や政策レベルでの意思決定を容易にすることで世界中でいくつかの農業生産システムの素早い評価を可能にした。しかし、農業へのDSS導入には多くの制約が存在する[19]

また、林業経営は長期的計画が必要とされることからDSS導入が進んでいる。切り出した丸太の輸送、持続可能性を考慮した伐採スケジュール、生態系の保護など、林業経営の様々な観点をサポートするDSSが登場している。

特定の例としてカナダ国有鉄道のシステムがある。このシステムは意思決定支援システムを使って機器をテストするものである。鉄道が直面する問題の多くは、レールが古くなったためか、レールが不完全なために発生する。結果として脱線が発生する。同じ時期に他の鉄道では脱線の発生率は高くなっていたが、DSS により、カナダ国鉄は脱線の発生率を低減させた。

DSS には様々な応用がある。組織が必要と考える任意の領域で利用可能である。株式市場での意思決定支援や製品のマーケティングなどにも利用可能である。


  1. ^ Power 2007
  2. ^ Keen 1978
  3. ^ a b Sol 1987
  4. ^ Efraim Turban, Jay E. Aronson, Ting-Peng Liang (2008). Decision Support Systems and Intelligent Systems. p. 574. 
  5. ^ “Gate Delays at Airports Are Minimised for United by Texas Instruments' Explorer”. Computer Business Review. (1987-11-26). http://www.cbronline.com/news/gate_delays_at_airports_are_minimised_for_united_by_texas_instruments_explorer. 
  6. ^ a b c Haettenschwiler 1999
  7. ^ a b c Power 2002
  8. ^ Stanhope 2002
  9. ^ Gachet 2004
  10. ^ Power 1997
  11. ^ a b Sprague & Carlson 1982
  12. ^ Haag et. al. 2000
  13. ^ a b Marakas 1999
  14. ^ a b Holsapple & Whinston 1996
  15. ^ Hackathorn & Keen 1981
  16. ^ Gadomski 2001
  17. ^ DSSAT4 (pdf) Archived 2007年9月27日, at the Wayback Machine.
  18. ^ The Decision Support System for Agrotechnology Transfer
  19. ^ Stephens, W. and Middleton, T. (2002). Why has the uptake of Decision Support Systems been so poor? In: Crop-soil simulation models in developing countries. 129-148 (Eds R.B. Matthews and William Stephens). Wallingford:CABI.


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