徳島県 概要

徳島県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/15 16:17 UTC 版)

概要

県北部はが多く収穫されたことから「粟国」(あわのくに)、県南部は「長国」(ながのくに)であったが、後に統合され、令制国では阿波国(あわのくに)と呼ばれていた。

那賀川吉野川四国山地紀伊水道をはじめとする自然が多く残っており、鳴門渦潮祖谷渓大歩危小歩危などの観光資源や、約400年の伝統がある阿波踊りなどの文化を有する。産業では農作物すだちにんじんなど)と養鶏が盛んである。

地理・地域

鳴門の渦潮

県北部の徳島平野を除いては全体的に山地の多い地形で、特に徳島平野以南に峙える四国山地西日本でも有数の険しい山岳地帯となっている。この山々は昔から現在に至るまで四国内の物流や交流の大きな障害となって来た。その一方で、山間部からは吉野川勝浦川那賀川など、水量の豊富な河川が多数流れ出しており、豊かな水資源をもたらしてくれている。河川が少なく水不足に陥りやすい隣の香川県とは対照的であるが、逆に治水に長年悩まされている。また那賀川下流域ではほぼ毎夏、工業用水などの渇水が深刻化している。なお徳島県内で最長の河川は吉野川(徳島県側延長109km※)ではなく那賀川(延長125km)である(※総延長194kmから高知県側85km[1]を引き算出)。

広袤(こうぼう)

国土地理院地理情報によると徳島県の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは107.37km、南北の長さは79.03kmである。

重心
北緯33度55分17秒東経134度14分25秒
北端
北緯34度15分7秒東経134度36分21秒
西端
北緯33度52分54秒東経133度39分39秒
中心点
北緯33度53分44.5秒東経134度14分28.5秒
東端
北緯33度51分22秒東経134度49分18秒

南端
北緯33度32分22秒東経134度19分12秒

気候

一般的にどの地域も温暖で、夏季と秋季は多雨となり冬季の降水量や降雪量は少ない。概ね徳島平野以北は瀬戸内海式気候四国山地以南は太平洋側気候に属する。

  • 県北東部

徳島平野に当たる地域は典型的な海洋性気候で、年中温暖で放射冷却が起きにくく氷点下まで下がることは稀である。日照時間が全国でも指折りの多い地域である。徳島市吉野川市のある吉野川以南の地域は瀬戸内海式気候に属するが、梅雨、秋雨、台風やそれに伴う太平洋からの湿った気流の影響を夏から秋に受けやすいため、一般的な瀬戸内海式気候とはやや異なる。鳴門市阿波市付近の吉野川以北に当たる地域は典型的な瀬戸内海式気候となっており、温暖少雨である。山間部(勝浦郡付近)は県南部の気候に近く朝晩は冷え込み、平野部に比べると降水量も多く、南海型太平洋側気候に属する。

  • 県西部

全域が内陸性の気候で、朝晩は放射冷却が起きやすく日較差も大きい。も県北東部に比べると降雪・積雪しやすく、山間部では路面凍結も多い。徳島平野に当たる平野部は典型的な瀬戸内海式気候で隣の香川県愛媛県の気候に近い。四国山地である山間部(祖谷地方など)では太平洋側気候に当たり、降水量が多く県南部や高知県の気候に近い。

  • 県南部

全域が典型的な南海型太平洋側気候であり、沿岸部は年中温暖で日照時間も多い地域であるが、山がちである為に県北東部に比べて日較差が大きい。また、四国山地に当たる山間部は台風梅雨秋雨の季節には記録的な降水量になることが多いなど、日本で最も降水量が多い地域の一つである。

徳島県内各地の平年値(統計期間:1981年 - 2010年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
北東部 西部 南部
徳島 美馬市
穴吹[注釈 1]
三好市
池田
三好市
京上
剣山
[注釈 2]
那賀町
木頭
海陽町
宍喰[注釈 3]
海陽
[注釈 4]
美波町
日和佐
阿南市
蒲生田
平均
気温
(°C)
最暖月 27.8
(8月)
26.4
(8月)
25.4
(8月)
22.9
(8月)
15.3
(8月)
24.2
(8月)
26.4
(8月)
27.1
(8月)
26.9
(8月)
最寒月 6.1
(1月)
4.3
(1月)
3.3
(1月)
1.3
(1月)
−6.9
(1月)
2.4
(1月)
6.5
(1月)
6.7
(1月)
6.7
(2月)
年間平均 16.6 15.2 14.1 12.0 13.4 16.7 16.4
降水量
(mm)
最多月 210.0
(9月)
220.4
(8月)
193.2
(9月)
336.3
(7月)
547.8
(9月)
504.3
(9月)
452.8
(6月)
344.0
(6月)
268.9
(9月)
最少月 38.9
(1月)
47.4
(1月)
53.3
(1月)
75.9
(1月)
90.8
(12月)
71.9
(1月)
76.1
(12月)
76.5
(1月、12月)
65.7
(12月)
年間合計 1453.8 1405.7 1389.6 2209.4 3092.4 2516.9 1904.0

地形

主な海
主な河川
主な平野
主な盆地
主な山
主な島

隣接都道府県

自然公園

自治体

以下の8市8郡15町1村がある。徳島県の構成町村は、町はすべて「ちょう」、村は「そん」と読む。なお、かつて存在した脇町(現美馬市)は「まち」と読んでいた。

地域としては東部と南部、西部に分かれる。愛媛県における東予中予南予、香川県における東讃中讃西讃のような地域の呼称は一般的ではなく、「東部」・「南部」・「西部」と呼ぶ。人口密集地の東部のみを中央地区を除いて「東部」と呼ぶこともある[2]。名西郡以西を「西部」と呼ぶこともにある。

北部は香川県との繋がりがあるが、県都・徳島市から西へ離れるにつれて徳島県の影響力が弱まり、相対的に香川県の影響力が強まる傾向にある。県内地域間の人口移動は東部への移動が大半で西部や南部への人口移動は少なく、西部・南部間の移動は皆無に近い状況である。

徳島県の出先機関である南部総合県民局と西部総合県民局についても関連を示した。

東部

県内では京阪神との繋がりが最も深い地域であり、近畿圏の一部として扱われる場合もある。その一方で四国他県や中国地方との繋がりは浅く、言葉や方言なども含め、ほぼ完全な近畿志向の地域となっている。政経両面において、近畿の一員として扱われることも珍しくない。大阪市の民放各局のニュース番組では正確を期するため、「近畿と徳島」という表現がなされている。

中央地区

2市を中央地区とする区分もある

南部(南部総合県民局)

沿岸部の他、内陸部でも在阪民放のテレビが視聴できるため、関西志向が強い。その一方で県内では道路整備が比較的遅れている地域である。

西部(西部総合県民局)

総面積の約33%を占める。県の北東部とは異なり、近畿地方に加えて香川県・愛媛県や中国地方との交流が盛んで、特に近年は高速道路の開通により、それまでの高松市に加え、愛媛県四国中央市新居浜市ショッピングセンターなどにもしばしば買い物へ出掛けるようになった。そのため、同じ県内でも北東部在住の県民と北西部在住の県民とでは交流面での感覚が異なっている。

瀬戸大橋開通後は、山陽地方岡山市などへ気軽にアクセスできるようになっている。

県都から離れた中山間地のため、かつては権力者の力が末端まで及ばず、権力者の支配への抗争が多発していた。山岳武士が権力者の主導する改宗に反抗したり、6つの山村を中心に百姓一揆が連鎖発生(上郡一揆)して大きな動きとなった。

別子銅山土佐藩参勤交代道、借耕牛金毘羅宮参拝等を通じた他県との交流も知られている。

市町村合併

歴史

先史

約2万年前の遺物と推定できる国府型ナイフ形石器[注釈 5]が、徳島県域でも49遺跡から見つかっている。戦国時代には、三好郡を拠点にしていた三好氏が、東四国から山城国までの八国を支配した。豊臣秀吉四国平定により、阿波国は蜂須賀氏が封ぜられ、その統治は明治維新まで続いた。

「徳島県」と「名東県」

元々、徳島市名東郡に属する都市だったので、廃藩置県の第一次府県統合(明治4年(1871年))当時の徳島県は、名東県という名称であった。当初の名東県は、現在の徳島県に当たる旧阿波国の外に、旧淡路国淡路島)も範囲とされたが、康午事変で対立し淡路国は兵庫県に編入された。さらに、1873年(明治6年)2月20日には香川県も編入した。

しかし、第二次府県統合により、1875年(明治8年)9月5日に旧讃岐国部分が香川県として分立再置県され、明治3年(1870年)の庚午事変で敵対した淡路国が1876年(明治9年)8月21日に兵庫県に編入され、阿波国部分は高知県に編入された。

この後の1880年(明治13年)3月2日に、旧名東県が高知県から分離されて、現在の徳島県が発足した。

尚、宮武外骨の説(→都道府県#名称)では、徳島藩は当初「曖昧藩」だったから、徳島藩の首府であった徳島市の所在する名東郡から名前を取って「名東県」となったということになる。しかし、復活の際に、なぜ都市名を取った「徳島県」に変更されたのかは定かではない。

近・現代

  • 明治2年6月17日1869年7月25日) - 版籍奉還により全国に府藩県三治体制が実施される。
  • 明治4年7月14日1871年8月29日) - 廃藩置県により、徳島県(旧徳島藩阿波国淡路国)が設置された。全国は3府302県となる。
  • 明治4年11月15日(1871年12月26日) - 徳島県を名東県(みょうどうけん)に改名。徳島城下(今の徳島市)が名東郡に属していたことが名称の由来。全国的にいわゆる第一次府県統合(明治4年10月28日(1871年12月10日) - 明治4年11月22日(1872年1月2日))実施により全国は3府72県となった。
  • 1873年(明治6年)2月20日 - 香川県(旧讃岐国)が名東県に編入された。
  • 1875年(明治8年)9月5日 - 香川県が名東県から分離独立し、名東県の範囲は再び旧阿波国と旧淡路国となった。
  • 1876年(明治9年)8月21日 - 全国的に県の大規模な削減が実施(いわゆる第2次府県統合)され、名東県は分割されて廃止された。淡路島は兵庫県に編入され、旧阿波国は高知県に編入された。全国で38府県まで削減された。
  • 1880年(明治13年)3月2日 - 旧阿波国が高知県から分離独立し、現在の徳島県となった。
  • 1887年(明治20年)10月28日 - 日本赤十字社徳島県委員部(現・徳島県支部)が創設される。四国では1番目。
  • 1888年(明治21年) - この年までに富山県、福井県、奈良県、鳥取県、徳島県、香川県(1888年12月3日に愛媛県から分離独立。全国最後の設置)、佐賀県、宮崎県の8つの県が復活。
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 市制(同日実施されたのは全国で31市(特別市制施行の京都市・大阪市・赤間関市(現・下関市)を含む))・町村制を実施。徳島市は同年10月1日市制施行(四国で同年4月1日施行は高知市のみ(全国1番)で、徳島市は四国では高知市に次いで2番目(全国36番目)、松山市は同年12月15日(全国39番目)、高松市は翌年1890年(明治23年)2月15日実施(全国40番目)。
  • 1890年(明治23年)5月17日 - 府県制郡制の施行を経て3府43県に統合。現在の都道府県の原型になる。
  • 1928年昭和3年)12月18日 - 徳島市下助任町(現・吉野本町)と応神村(現・応神町古川)を結ぶ国道11号(現・徳島県道39号徳島鳴門線(旧国道11号))の吉野川橋が開通した[4]
  • 1945年(昭和20年)1月29日 - 貞光町(現・つるぎ町貞光)の真光寺に疎開していた大阪市立南恩加島小学校児童が火災の犠牲になった[5]

戦後

阿波の大地震




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注釈

  1. ^ 統計期間:2001年 - 2010年
  2. ^ 2001年観測停止。統計期間:1981年 - 2000年
  3. ^ 2009年観測停止。統計期間:1981年 - 2000年
  4. ^ 2009年観測開始。
  5. ^ サヌカイトで作られたナイフ形石器
  6. ^ 沖縄県には普通鉄道の電化区間はないが、戦前には路面電車沖縄電気が存在した。また現存する沖縄都市モノレール線(ゆいレール)は電気運転である。
  7. ^ 1916年に開業した阿波電気軌道(現在の高徳線・鳴門線、および廃止された鍛冶屋原線)は電化を企図していたが、資金不足により実現しなかった。また、徳島県の事業で徳島線徳島穴吹間の電化計画事業があったが、かなりの費用が必要なため、否決された。
  8. ^ 佐古-徳島間は一見複線に見えるが、実際は高徳線と徳島線の単線並列区間である。全区間単線宮崎県のみ。

出典

  1. ^ 高知県海洋局HPより
  2. ^ 市町村民経済計算推計結果 | 徳島県
  3. ^ 市町村民経済計算推計結果 | 徳島県
  4. ^ 徳島新聞 週刊阿波っ子タイムズ 第155号 2016年12月18日 5面 親子の時間 きょうは何の日?
  5. ^ 徳島新聞 週刊阿波っ子タイムズ 第161号 2017年1月29日 5面 親子の時間 きょうは何の日?
  6. ^ 徳島新聞 週刊阿波っ子タイムズ 第89号 2015年9月13日 5面 親子の時間 きょうは何の日?
  7. ^ 徳島新聞 週刊阿波っ子タイムズ 第88号 2015年9月6日 5面 親子の時間 きょうは何の日?
  8. ^ 徳島新聞 週刊阿波っ子タイムズ 第160号 2017年1月22日 5面 親子の時間 きょうは何の日?
  9. ^ 徳島新聞 週刊阿波っ子タイムズ 第159号 2017年1月15日 9面 親子の時間 きょうは何の日?
  10. ^ 独ニーダー州交流10周年 県訪問団23日出発”. 徳島新聞 (2017年4月17日). 2018年5月5日閲覧。
  11. ^ 福井県では2018年夏に導入される計画がある。愛媛県では伊予鉄道松山市駅に2014年まで存在していた。
  12. ^ 徳島県における区域外(県外)波受信対策について 総務省ホームページ 2015年2月12日閲覧。 (PDF)
  13. ^ モービルハム 1986年1月号 電波実験社







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