出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/05 03:34 UTC 版)
分数表現との関係
無限小数は、厳密には極限 の概念を用いて定義される。特に、循環小数が表す数は無限等比級数、すなわち等比数列 の和の極限と見なすことができ、ゆえに有理数である。例えば、
2.
4
˙
2
3
˙
=
2
+
423
10
3
+
423
10
6
+
423
10
9
+
⋯
=
2
+
423
10
3
−
1
=
2
+
47
111
=
269
111
{\displaystyle 2.{\dot {4}}2{\dot {3}}=2+{\frac {423}{10^{3}}}+{\frac {423}{10^{6}}}+{\frac {423}{10^{9}}}+\cdots =2+{\frac {423}{10^{3}-1}}=2+{\frac {47}{111}}={\frac {269}{111}}}
である。
一般には、冒頭の循環していない有限小数部分を分離し a とおき、循環部分の循環節の部分だけ取り出した小数部分を b 、循環節の長さを n とすれば
a
+
b
(
1
+
1
10
n
+
1
10
2
n
+
1
10
3
n
+
⋯
)
{\displaystyle a+b\left(1+{\frac {1}{10^{n}}}+{\frac {1}{10^{2n}}}+{\frac {1}{10^{3n}}}+\cdots \right)}
となる。ところで、級数部分の総和は
1
1
−
1
10
n
=
10
n
10
n
−
1
{\displaystyle {\frac {1}{1-{\frac {1}{10^{n}}}}}={\frac {10^{n}}{10^{n}-1}}}
であるから
a
+
b
(
10
n
10
n
−
1
)
{\displaystyle a+b\left({\frac {10^{n}}{10^{n}-1}}\right)}
となることが分かる。この方法をロバートソン (J.Robertson, 1712-1776) の方法という。
やや厳密さに欠ける説明として、以下のようなものがある。
x = 2.423423423…
とおく。両辺を1000倍すると、「1000倍すると小数点は3桁右に移動するから」
1000x = 2423.423423…
辺々引くと「循環部分が打ち消しあって」
999x = 2421
となる。よって、x = 269 / 111 が分かる。「 」の主張が正しいことが曖昧であるが、無限等比級数の値の計算と同等であることからこの計算は正当化される。