当世具足 各部の名称

当世具足

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/18 02:16 UTC 版)

各部の名称

当世具足の各部の名称
鉄地肉色漆塗烈勢目の下頬当 曲輪付。江戸時代中期・18世紀(東京富士美術館蔵)
  1. (どう) - 右図のものは仏胴
  2. 草摺 (くさずり)
  3. 佩楯 (はいだて)
  4. 立挙 (たてあげ)
  5. 臑当 (すねあて) - 右図は篠臑当(篠金物[しのがなもの]を布地に綴じつけた形式の臑当)。
  6. 甲懸 (こうがけ)
  7. (そで) - 「当世袖」とも言う。
  8. 籠手 (こて) - 右図は篠籠手。
  9. 手甲 (てっこう、てこう) - 右図は摘手甲(つみてっこう)。
  10. 兜鉢 (かぶとばち) - 兜の頭部を覆う部位。右図は日根野[7]頭形。
  11. 腰巻 (こしまき)
  12. 眉庇 (まびさし) - 兜の額の庇(ひさし)。帽子の用語「眉庇」(つば)と同じ。
  13. 吹返 (ふきかえし)
  14. (しころ) - 右図は日根野しころ。
  15. 立物 (たてもの) - 右図は水牛の脇立(わきだて)。
  16. 立物 - 右図は日輪の前立(まえだて)。
  17. 面頬 (めんぽお、めんぽう) - を護る。
  18. (たれ)
  19. 襟廻 (えりまわし)

有名な当世具足

  • 黒漆塗五枚胴具足 (くろうるしぬり ごまいどう ぐそく) - 伊達政宗所用。仙台市博物館蔵。
    • ユニフォーム化を図った仙台藩を代表する具足で、足軽に至るまで同一形式の具足に統一されている。兜の前立が左右非対称の三日月型になっているのが特徴だが、デザインセンスのみならず、刀を振る時に邪魔にならないように右側を小さくするという実用上の意味合いもある。代々の仙台藩主も、同じ形式の具足を所用している。
徳川家康の南蛮具足
  • 南蛮胴具足 (なんばんどう ぐそく) - 徳川家康所用。日光東照宮蔵。
  • 伊予札黒糸威胴丸具足 (いよざね くろいとおどし どうまる ぐそく) - 徳川家康所用。久能山東照宮蔵。
    • 関ヶ原の戦い前夜、家康が大黒天の夢を見て作らせたという伝説が残る。歯朶の前立てが付くことから「歯朶具足」と呼ばれる。大坂の陣で着用したと伝わる。
  • 金溜塗二枚胴具足 (きんためぬり にまいどう ぐそく) - 伝徳川家康所用。久能山東照宮蔵。
    • 金箔と漆で仕上げてあり色彩は派手であるが、付加的な装飾は一切無く、意匠は単純である。家康が初陣の際(今川義元の人質として辛酸を舐めていた当時)に着用したと伝わる。
  • 畦目綴桶側胴具足 (うなめとじ おけがわどう ぐそく) - 細川忠興所用。永青文庫蔵。
    • 実戦を重視し身動きがとりやすいよう最低限の防御を備えた越中流と呼ばれる甲冑。後に細川家の御家流となった。
  • 金小札白絲素懸威胴丸具足 (きんこざね しろいとすがけおどし どうまるぐそく) - 前田利家所用。前田育徳会蔵。
    • 前田利家が末森城の戦いで着用したと伝わる。胴丸から当世具足への進化がみられる貴重な品。
  • 片肌脱胴具足 (かたはだぬぎどう ぐそく) - 伝加藤清正所用。東京国立博物館蔵。
    • 肌色に塗った当世具足の上に、胴丸を模して色糸を貼付けており、あたかも胴丸を半脱ぎにしたような意匠になっている。
  • 朱漆塗桶側胴具足 (しゅうるしぬり おけがわどう ぐそく) - 伝井伊直政所用。彦根城博物館蔵。
    • 井伊直政は、配下の兵まで全て朱塗りの具足に統一し、「井伊の赤備え」として知られる。
  • 黒絲威二枚胴具足 (くろいとおどし にまいどう ぐそく) - 伝本多忠勝所用。個人蔵。
  • 金小札浅葱威二枚胴具足 (きんこざね あさぎおどし にまいどう ぐそく) - 伝直江兼続所用。上杉神社蔵。
    • 兜の前立が、「愛」の文字になっている事で知られる。

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