廃語 廃語の概要

廃語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/12 06:08 UTC 版)

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死語(しご)とも言うが、言語学死語といえば、その言語自体が母語として全く使用されなくなったことを意味する[2]。また、単に「○○は今は存在しない」という意味で(語彙としては現役でも)「○○は死語である」と言うこともある。

日常生活における意味

日常生活における死語とは、かつて使われていた単語や言い回しで、今は使われなくなったものをいう[1]赤紙銃後女子挺身隊のような歴史的事象、洗濯板日光写真のような生活上の道具、おもちゃで今ではもう見かけることのなくなったものなど、言葉が指し示す対象そのものが現在では使われなくなれば、言葉も使われなくなって廃れていくこともある[1]。また、ある単語や言い回しが別の語に置き換わったために、元の単語が使われなくなっていく場合もあり[1]、例えば写真機幻灯機のようにカタカナ表記の外来語で置き換えられたものや、外来語でもエゲレス→(イギリス)など時代と共に表記が変わったものは死語となっている。一部の意味が廃語となることもあり、歴史家の笠松宏至によると室町時代の「中央」という言葉には「猿楽の中央でお帰りになった」など「途中」という意味があったが、これは日本中世史が専門の笠松にとってすら当初は意味不明であったという[3]。 また、語が意味するものは存在していても対義語に当たるものがほぼ消滅した(前述の通り死語になった)ために、区別が不要となって死語となった複合語もある。直通電話、ブロードバンドマキシシングルなどがこの例といえる。

流行語は、時と共に廃れて死語となりやすい。ただし、全く使われなくなるとは限らず、特に使用者の年代によっては未だ使われている語句もある。例えば一部の死語と化した流行語(「ナウなヤングにバカウケ」など[4])は「場を盛り下げる危険な死語」として逆によく認知されており、その言葉が生きていた時間より死語として語り継がれる時間の方が長い言葉も少なくない。故意にそれを用いてウケを狙うようなことも行われる[4]

一般に古い時代の言葉ほど若い世代の間での知名度は低くなるが、例外もあり、例えば戦時中等の言葉(防空壕闇市赤紙等)は、1980年代の「なめ猫[5]等よりも青年層の知名度は相対的に高い。これは戦時中がドラマや映画等の舞台になることが多く、劇中でこういった言葉が使われるからである。

時代を表すものとして

小林信彦は『現代<死語>ノート』を著し、その中で、日本の近年の死語を拾い集め、論評している。彼はそれを通じて時代を語り、そのような言葉について、以下のようにいっている。 「時代を生々しく実感させるのは、当時最も多く使われたこれらの言葉なのだから。[6]

専門用語の場合

科学分野などの専門用語にも、類例がある。その分野の進歩に伴って、概念が変化した、あるいは理解が深まることで意味をなさなくなったなどにより、使われなくなった語がある。

たとえば生物の分類学は、当初は人間に近しい生物が主体であったため、動物では脊椎動物、植物では種子植物のみが詳しく、それ以外のものはその多様さにかかわらずひとまとめにされた。動物ではこれは無脊椎動物、植物では隠花植物という。いずれも現在の生物学的には意味をなさないものと考えられている。ただし前者はその便利さから現在も使われているのに対して、後者は使われる機会がほとんどなくなっている。

かつて唱えられたが、誤りであったことが判明した仮説や用語もある意味ではこれに類する存在である。それらは科学史の中で語られることしかなくなる。たとえばフロギストン説天動説などはこれに当たる。逆に正しいことがわかっても、当たり前になってしまえば科学用語としては使われない。地動説後成説はこれに近い。






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