布袋寅泰 来歴

布袋寅泰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/20 21:27 UTC 版)

来歴

1981年BOØWYギタリストとしてデビュー。BOØWY解散後はソロ活動の他、吉川晃司とのユニット・COMPLEX、他ミュージシャンへの楽曲提供など幅広く活動している。またレコーディングではギターだけでなく、ベースドラムスキーボードなども演奏する。

また、「HOTEI」名義でイギリスドイツなど欧州でアルバムをリリースしている。イギリスのロックバンド、ジーザス・ジョーンズと親交があり、ジョイントツアーも行った。

映画CMへの出演など、俳優・タレントとしての活動も行っており、テレビ出演もBOØWYの元メンバーの中では一番積極的に行っている。

「最新のHOTEIが最高のHOTEI」がモットー(ポルシェ社のキャッチコピーから)。過去の愛車はトヨタアルファードAMGE63Tシボレーのエクスプレスバン、アストンマーティンV8ヴァンテージポルシェベントレーなどを使用しており、2012年のロンドン移住後はBMWミニクーパーを愛用している。

A-ROCK本選会にてアイデア賞を受賞[7]し、17歳(高校3年時に中退後)の時に上京。

1981年氷室京介らと共に暴威(後に「BOØWY」と改名)を結成。翌1982年にリリースしたアルバム『MORAL』でデビューする。BOØWYは1987年12月24日渋谷公会堂で解散を発表し、翌1988年4月に行われた東京ドームでのライブ『LAST GIGS』をもって活動を終えた。

BOØWY初期には、演劇型アプローチのロックバンド、AUTO-MOD(他に、高橋まこと、PERSONZの渡邉貢らが在籍)やPETSというバンドにも参加していたり、ギタリストとして知られるようになってからは、鈴木雅之のソロデビュー曲『ガラス越しに消えた夏』をはじめ、吉川晃司中島みゆき後藤次利プロデュース)、アニメ『ストップ!! ひばりくん!』ED、『風の谷のナウシカ』サウンドトラック、山下久美子吉田建プロデュース)などのアルバムに参加している。

1985年6月から8月にかけては泉谷しげるのバックバンドのメンバーとして、1986年以降は当時の妻だった山下久美子のバックバンドのメンバーとしても活動していた。

BOØWYでの活動を終えて、氷室京介が1988年7月21日にソロデビューしたのに続き、半年後の同年10月にソロ1stアルバム『GUITARHYTHM』をリリースし、ソロ活動を開始。藤井丈司ホッピー神山とのコラボレーションによるギターとコンピュータの融合で歴史に残る斬新なアルバムとして注目された。イギリスにおいてシングルを発表するも注目されることはなく、同年12月吉川晃司COMPLEXを結成し、シングル『BE MY BABY』でデビュー。2枚のアルバムを発表したが、音楽性の違いで吉川と対立し、1990年11月8日に行われた東京ドームでのライブをもって無期限活動休止に入る。

COMPLEX休止後は一貫してソロ活動に専念する。音楽プロデューサーとして今井美樹相川七瀬TOKIO藤井フミヤJILL (PERSONZ) や江角マキコなどのアーティストに楽曲を提供したり、『新・仁義なき戦い』や『KT』などの映画音楽も手掛ける。また『新・仁義なき戦い』や『サムライ・フィクション』などでは俳優としても活躍。その長身と強面を生かし、永瀬正敏とのコマーシャルにも出演。1990年-1993年、NHK-FM『ミュージック・スクエア』木曜日分のパーソナリティを務める。

1994年東大寺にて行われたUNESCO主催の『GME '94 〜21世紀への音楽遺産をめざして〜 AONIYOSHI』に日本を代表するアーティストの一人として出演。マイケル・ケイメンジョニ・ミッチェルINXSロジャー・テイラーライ・クーダーレイ・クーパー英語版レナード衛藤らと共演した。

1996年、上記イベント『AONIYOSHI』をきっかけに交流を深めたマイケル・ケイメンからのオファーでアトランタオリンピックの閉会式に出演。1998年にはケイメンとギターとオーケストラとの融合作品『GUITAR CONCERTO』に参加したり、シングル『THANK YOU & GOOD BYE』のプロデュースをケイメンに依頼したこともあった。

2003年クエンティン・タランティーノからのオファーにより、「新・仁義なき戦いのテーマ」が「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」として映画『キル・ビル』のメインテーマに採用される。これによりイギリスiTunes Storeの音楽部門で1位を獲得したり、欧州サッカー連盟の入場テーマにも使用されたりと、同曲の知名度は飛躍的に上昇した。

2007年、『HOTEI presents "SUPER SOUL SESSIONS" BRIAN SETZER vs HOTEI vs CHAR』と冠したライブにおいて、Charブライアン・セッツァーとの競演を果たし、翌2008年にはKREVA亀田誠治との単発ユニット『The THREE』にて、映画『隠し砦の三悪人THE LAST PRINCESS』の主題歌をリリースしている。

長らくソロ・ミュージシャンとして活動していたが、2011年4月28日に公式サイト上にて、東日本大震災の復興支援ライブとして21年ぶりに東京ドームにてCOMPLEXの一夜限りの復活を発表。当初は7月30日のみの予定だったが、5月末には7月31日の追加公演も発表された。『日本一心』と銘打ったこのライブの動員数は2日間で10万人以上、収益は6億5431万8473円に上った。収益金は震災の復興、復旧に全額寄付された。

同じく2011年には、映画『ミッション:インポッシブル』シリーズのメインテーマを布袋がアレンジするという形で、12月に公開された同シリーズの第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』の日本国内向け宣伝用楽曲を手掛けている[8][9][10]

2012年夏、長らく住み慣れた日本を離れロンドンへと移住。音楽面をはじめ自身に多大な影響を及ぼした同地にて新たな夢を叶える旨を表明した[11]

2014年3月6日、ローリングストーンズの『14 ON FIRE JAPAN TOUR』東京ドーム公演に、バンド側からオファーを受けゲストとして出演。「RESPECTABLE」で共演を果たした[12]

2015年4月、イギリス現地のレーベル『スパインファーム・レコード』と契約。同年10月にはアルバム『STRANGERS』をイギリス、欧州、日本にて同時リリースした。

2021年8月、東京2020パラリンピック開会式の「片翼の小さな飛行機の物語」の演出にて、パフォーマンスを披露した。 披露後、自身のギターを国際パラリンピック委員会に寄付した。


注釈

  1. ^ BOØWYメンバーとマネージャーの土屋浩の5人で立ち上げた個人事務所。
  2. ^ IRc2 CORPORATION、DADA MUSIC共に自身設立の個人事務所。日本国内での活動はIRc2 CORPORATIONが引き続きマネージメントしている。CEOも務めている。
  3. ^ デヴィッド・ボウイとは1996年6月5日の『OUTSIDE TOUR日本武道館公演にて、ロキシー・ミュージックとは2010年7月31日の『FUJI ROCK FESTIVAL 2010』にて共演を果たしている。
  4. ^ GUITARHYTHM III』にて『さよならアンディー・ウォーホル』という楽曲を発表しているほどである。
  5. ^ 小池とは『HOTEI ROCK THE FUTURE 2000-2001 "fetish"』のツアーパンフレットに掲載された短編小説「闇のオンディーヌ」や、『DOBERMAN』収録の「EVIL DANCE」の作詞など、コラボレーションも果たしている。
  6. ^ 一部ピアノを演奏したツアーも存在する
  7. ^ このポスターのカメラマンである鋤田正義は、布袋の『SCORPIO RISING』『Still Dreamin'』のアートワークも手掛けている。
  8. ^ 現在はクラブDJとして活動している。
  9. ^ 後にBOØWYのメンバーとなる諸星アツシも在籍していた。
  10. ^ COMPLEXの『BE MY BABY』のPVで布袋がTE-HTを弾いていないのは、この盗難事件のため。なおこの時、前述の松井のペイント・ベースも盗難に遭っている。
  11. ^ 後にBOØWYのマネージャーとなり、「紺待人」のペンネームで書籍「大きなビートの木の下で(1986年 ソニー出版)」などバンド関連の書籍等も手掛けた。
  12. ^ 2011年の過密スケジュールにより年一回開催の公約を果たせなかったお詫びとしてファンクラブの会員のみに無料送付された。規格品番の数字が公演日を表している。
  13. ^ 村上"ポンタ"秀一佐山雅弘村田陽一のユニット。
  14. ^ BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」「さらば青春の光」を順に披露。

出典

  1. ^ 複数のバンドコンテストに出る為、"FLY AWAY"というバンド名も使用していた[40]
  2. ^ 当時所持していたのは白いボディに黒ラインの物。なおこの時、松井はペンキを撒き散らしたフェンダー・プレシジョン・スペシャルを作成しており、こちらもBOØWY時代に松井のメインモデルとして使用された。[18]
  1. ^ True, Chris. Tomoyasu Hotei | Biography & History - オールミュージック. 2020年6月20日閲覧。
  2. ^ 布袋寅泰 / GUITARHYTHM 5”. CDJournal. 株式会社シーディージャーナル. 2021年7月4日閲覧。
  3. ^ 布袋寅泰 / SUPERSONIC GENERATION”. CDJournal. 株式会社シーディージャーナル. 2021年7月4日閲覧。
  4. ^ TOMOYASU HOTEI / GUITARHYTHM BOX [紙ジャケット仕様] [6CD+DVD] [SHM-CD] [限定]”. CDJournal. 株式会社シーディージャーナル. 2021年7月4日閲覧。
  5. ^ 布袋寅泰BOφWY回帰 35周年記念アルバム発売 - 音楽 : 日刊スポーツ
  6. ^ a b 布袋寅泰イギリスで成功するまで帰らない”. 日刊スポーツ (2013年2月1日). 2013年2月11日閲覧。
  7. ^ 『夢と共に、50歳。』 BEAT主義日記 (2012年2月3日)
  8. ^ 映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』テーマを布袋寅泰がプレイ”. BARKS (2011年11月29日). 2011年11月30日閲覧。
  9. ^ 布袋寅泰と『ミッション:インポッシブル』が日米最強チームを結成!”. ぴあ映画生活 (2011年10月18日). 2011年10月19日閲覧。
  10. ^ 布袋寅泰「また絶対ギターでセッションしようよ!」トム・クルーズとの共演振り返り再会願う”. 日刊スポーツ (2022年6月3日). 2022年6月3日閲覧。
  11. ^ a b 布袋寅泰&今井美樹、イギリス移住を決意「ロック発祥の地で腕試しを」”. MSN産経ニュース (2012年5月9日). 2023年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月11日閲覧。
  12. ^ a b 『THE ROLLING STONESからの招待状』 BEAT主義日記 (2011年5月9日)
  13. ^ a b SUPERSONIC GENERATION』CD-EXTRAの本人コメントより
  14. ^ a b c 布袋寅泰、ハービー山口、森永博志『よい夢を、おやすみ』八曜社、1993年。ISBN 4827001391
  15. ^ a b GIGS』1999年6月号 (シンコー・ミュージック)
  16. ^ 『ギター・マガジン』2007年3月号 21ページ(リットーミュージック)
  17. ^ 『スネア』211ページ 高橋まこと(2007年 マーブルトロン)
  18. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 『秘密』(2006年 幻冬舎ISBN 4344011082
  19. ^ a b 『BOØWY B to Y THERE'S NO BEGINNING AND THE ENDS』 33ページ (2004年 宝島社)
  20. ^ a b テレビ朝日関ジャム 完全燃SHOW』2016年9月4日放送分より[出典無効]
  21. ^ ”. BEAT主義日記 (2009年5月7日). 2009年5月8日閲覧。
  22. ^ GIGS』2001年2月号9ページ
  23. ^ a b c ALL TIME SUPER BEST』初回特典版付属の「BAD FEELING」ギター教則映像より
  24. ^ a b GIGS』2001年2月号10ページ
  25. ^ 別冊カドカワ 総力特集 布袋寅泰』118ページ 小渕健太郎のコメントより(2009年2月7日 発売)
  26. ^ 『サムライ音楽論』マーティ・フリードマン 日経BP社[要ページ番号]
  27. ^ フジテレビNEXTChar meets ???? 〜TALKING GUITARS〜 #01. Char meets 布袋寅泰』(2003年12月3日放送)にて[出典無効]
  28. ^ オフィシャルファンクラブ会報誌のインタビューより[信頼性要検証]
  29. ^ 布袋寅泰のギタープレイ徹底解剖 彼の奏でるフレーズはなぜ耳に残るのか? Real Sound (2014.12.24) のコラムより
  30. ^ a b 月刊カドカワ 1994年8月号
  31. ^ a b c d e f g h i j k HOTEI ROCK THE FUTURE 2003-2004 DOBERMAN TOUR』ツアーパンフレット「THE BIBLE 別有天地非世俗」より
  32. ^ セルフ・ライナーノーツ オール・アバウト 「COME RAIN COME SHINE」 - HOTEI.COM - 2013年1月30日閲覧
  33. ^ 『GUITAR HEROES』Vol.1 59ページ(1997年 ソニー・マガジンズ)
  34. ^ 別冊カドカワ 総力特集 布袋寅泰』88~89ページ(2009年2月7日 発売)
  35. ^ 『ギター・マガジン』2007年3月号 22ページ(リットーミュージック)
  36. ^ a b DVD『Top Runner 完全版』内でのコメントより
  37. ^ 『スネア』高橋まこと 212~213ページ(2007年 マーブルトロン)
  38. ^ HOTEI OFFICIAL BLOG 「母のゴール」
  39. ^ タグチハナ on Strikingly
  40. ^ a b c d e 『布袋寅泰 ビッグストーリー』J-ROCK研究会(1999年 飛天出版)ISBN 4894401584
  41. ^ a b 『BOØWY STORY 大きなビートの木の下で』紺待人(1986年 ソニー出版)ISBN 4789702669[要ページ番号]
  42. ^ HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP』(2005年2月28日放送分、フジテレビ系列)[出典無効]
  43. ^ 大きなビートの木の下で(1986年、CBSソニー出版)ISBN 4-7897-0266-9
  44. ^ 『1977 ヤガミ・トール自伝』176~178ページ ヤガミトール(2018年 音楽と人
  45. ^ 布袋寅泰、自身の歩みは「ギターの幾何学模様のよう」 コロナ禍でストレートに思いを届ける”. ORICON NEWS. 株式会社oricon ME (2022年2月1日). 2022年2月2日閲覧。
  46. ^ 布袋寅泰、ハービー山口、森永博志『よい夢を、おやすみ』69ページ 八曜社、1993年。ISBN 4827001391
  47. ^ 布袋ギタリストに罰金30万 町田康さん暴行を「反省」”. 2014年10月23日閲覧。[リンク切れ]
  48. ^ 布袋寅泰ボランティア「次は歌で元気を」 - J-CASTテレビウォッチ(2011年4月14日) - 2011年4月23日閲覧
  49. ^ STYLE CAFE インタビュー Vol.150 中村達也 (前編)”. STYLE CAFE (2008年2月9日). 2008年2月16日閲覧。
  50. ^ 「PATi PATi」1991年11月号インタビューより[要ページ番号]
  51. ^ 週刊朝日『40歳問題』インタビューより[要ページ番号]
  52. ^ 「PATi PATi」1996年4月号インタビューより[要ページ番号]
  53. ^ 『風の谷のナウシカ』王蟲の声は布袋寅泰のギター!本人がツイッターで明かす! - シネマトゥデイ(2011年2月10日) - 2011年2月10日閲覧
  54. ^ 『風の谷のナウシカ』の王蟲の鳴き声は布袋寅泰さんのギターの音だった! - デジタルマガジン(2011年2月10日) - 2011年2月10日閲覧
  55. ^ 『糟谷岡崎堂』 2012年8月29日の記事より
  56. ^ Facebook 糟谷銑司本人の投稿より
  57. ^ 布袋の他に元BOØWYのベーシスト松井恒松や、当時の妻である山下久美子も所属していた。
  58. ^ 『夢 叶う』 BEAT主義日記 (2010年8月1日)
  59. ^ 『30年越しの夢 ROXY MUSIC 追記』 BEAT主義日記 (2010年8月1日)
  60. ^ 『東京JAZZ SESSION with Lee Ritenour & Mike Stern』 BEAT主義日記 (2011年9月6日)
  61. ^ GQ MEN OF THE YEAR 2014”. GQ JAPAN (2014年11月20日). 2014年11月21日閲覧。
  62. ^ 布袋寅泰、海外レーベル『Spinefarm Records』と契約”. ORICON (2015年4月16日). 2015年4月21日閲覧。
  63. ^ 布袋寅泰 「HOTEI」で欧州進出第1弾アルバム!”. スポニチ (2015年8月21日). 2015年8月21日閲覧。
  64. ^ 皆さんへのプレゼントです!”. BEAT主義日記 (2010年4月28日). 2016年8月5日閲覧。
  65. ^ ファーストサマーウイカがドラマ「私のエレガンス」主題歌担当、楽曲プロデュースは憧れの布袋寅泰 ナタリー
  66. ^ BONIN RECORDS
  67. ^ 布袋寅泰 × TAKEO KIKUCHI
  68. ^ 布袋寅泰35周年仕様のローソン、地元・高崎にオープン - ナタリー
  69. ^ The SCORPION SPIRIT






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