工藤夕貴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 07:21 UTC 版)
くどう ゆうき 工藤 夕貴 | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
生年月日 | 1971年1月17日(53歳) | ||||||||||||||
出生地 | 日本・東京都八王子市 | ||||||||||||||
血液型 | B型 | ||||||||||||||
職業 | 女優 | ||||||||||||||
ジャンル | 映画・テレビドラマ・舞台 | ||||||||||||||
活動期間 | 1983年 - | ||||||||||||||
配偶者 | あり | ||||||||||||||
著名な家族 |
父:井沢八郎 弟:工藤正貴 | ||||||||||||||
事務所 | ヒラタオフィス | ||||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||||
映画 『台風クラブ』 『戦争と青春』 『L change the WorLd』 海外映画 『ミステリー・トレイン』 『ピクチャーブライド』 『ヒマラヤ杉に降る雪』 『ラッシュアワー3』 | |||||||||||||||
|
来歴
歌手の井沢八郎の長女として東京都八王子市に生まれる。小学6年生で渋谷でスカウトされ芸能界入りし「ザ・ヒットステージ(TBS)」でデビュー[1]。TBS『ザ・ヒットステージ』で小堺一機相手にアイドルをメッタ斬りする毒舌中学生で話題になり、その後ハウス食品の、チキンラーメンタイプの袋麺「303」(さんじさんぷん〈3時3分〉、サンマルサンとも)のコマーシャルで「お湯をかける少女」として人気者となる。日立製作所のMSXパソコン、「MB-H1」の雑誌広告にも出演した。
デビュー後の数年間、井沢の娘であることを公表せずに芸能活動をしていた。夕貴によると「名が知られている父の娘として活動すると、『親の七光り』のように見られるかもしれない。自分の力で仕事をしていく為に、敢えて公表していなかった」と語る。しかし所々で報じられたため、本人の意思に反し、芸能活動を始めた頃から、井沢の娘であることは知られていた[2]。
1984年、石井聰亙監督の『逆噴射家族』に出演し、女子プロレスラーとアイドル歌手を目指すミーハー娘を演じた[2]。また、この映画の挿入歌「野生時代」で歌手デビューも果たす。また同じ頃、文化放送『ハッとミラクルアイドルナイター』で中学生パーソナリティとしてラジオデビュー。メインパーソナリティ扇一平アナウンサーとの絶妙の掛け合いが大きな話題を呼んだ。
1985年には、第1回東京国際映画祭のヤングシネマ部門で大賞を受賞した相米慎二監督の『台風クラブ』に主演し、若手実力派女優の地位を確固たるものにし、女優としても注目を集める様になった。1986年には、フジテレビ系アニメ『愛少女ポリアンナ物語』で本編と主題歌の両方に出演し、声優デビューも果たした。
1990年、今井正監督の遺作となった映画『戦争と青春』に主演し、日本アカデミー賞優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞を始めとする、複数の主演女優賞を受賞。
同年より、ユネスコのボランティア活動の一環として、タイの教育施設への支援に取り組んだ[2]。
1991年1月15日、NHK「成人の日」番組において、自分の母親が着たウェディングドレスを着用して出演、自分を含む新成人たちへのメッセージと歌を披露した。
1995年にハワイ在住の日系アメリカ人男性と結婚したが、3年後に離婚。
ジム・ジャームッシュ監督作品のアメリカ映画『ミステリー・トレイン』に出演して以来、アメリカを始めとする多くの海外作品にも出演する様になり、1999年には、スコット・ヒックス監督作品のユニバーサル世界配給のハリウッド映画『ヒマラヤ杉に降る雪』に主演し、ゴールデン・サテライト賞の主演女優賞にノミネートされ、国際派女優としての地位を確立した。
その後、ハリウッドへ活動拠点を移し、アメリカの映画やTVドラマを中心に活動していたが、2005年、父・八郎の病気により日本へ帰国する事となり、日本へ活動拠点を戻した[3]。同年には、地球ゴージャスのミュージカル『クラウディア』に出演し、新しい魅力を印象付けた。
また2006年10月には、第19回東京国際映画祭にて、コンペティション部門の審査員を務めた[4]。
2007年1月17日に父・八郎が食道癌で逝去。奇しくもその日は夕貴自身の誕生日であった。同年8月25日には、ジャッキー・チェンや真田広之と共演したニュー・ライン・シネマ世界配給のハリウッド映画『ラッシュアワー3』が国内で公開された。
2008年、主演した日本映画『春よこい』では、夫が殺人容疑で指名手配され、家族を守り続ける母親役を演じた[5]。
2009年、アメリカ映画『リミッツ・オブ・コントロール』に出演、ジム・ジャームッシュ監督作品への出演は20年ぶりであった[6]。
2010年10月10日に公務員で武道家の7歳年上の男性と再婚したことを発表した[7]。
2012年、クロード・ガニオン監督の日本・カナダ合作映画『カラカラ』に主演[注 1][8]、同作品はモントリオール世界映画祭で、「世界に開かれた視点賞」と、「カナダ映画を対象にした観客賞」を受賞した[9]。
エピソード
- アイドル歌手としてデビューする際、非常に高額のプロモーション費用が投じられたことが、そのままプロモーションの一環として喧伝された。同様の例にはセイントフォー、橋本美加子などがある。ただし「高額プロモーション喧伝アイドル」の多くは、歌手として大成しておらず、工藤も歌手としてよりも女優としての活躍の方が著名である。
- 歌手としてうまくいかず、14歳の頃、地方のイベントで生卵を投げられたり、ファンレターだと思って開封すると切り刻まれた写真が入っていたという嫌がらせを受けていた。当時は学校でもいじめに遭っていたという。「売れなかったから辞めた」と思われるのが嫌だったが、ある監督から「外国ではどんな有名な女優さんもオーディションで決められる。君も外国を目指したらどうか」と言われ、やる気になった[10]。
- 2023年現在、静岡県富士宮市に広大な土地を購入し農業を行いながら、自宅の隣に「カフェ ナチュレ」というカフェをオープンさせている。
- 『ぼっち村』(ISBN:978-4-594-07326-8)の著者・市橋俊介と交流がある。それによると、2015年に市橋は、偶然夫と遭遇し、その縁で出会ったという。また、その時点で『有機JAS農産物認定圃場』であった事も記載されている[11]。
- 父・井沢八郎が亡くなった際には父親のヒット曲である「あゝ上野駅」を、自分が歌い継ぐと宣言していたが、2022年5月17日になって晴れて実現する運びとなった[12]。
注釈
出典
- ^ 「ラジオマガジン1985年4月号」6ページ
- ^ a b c d [TV人間発見]女優・工藤夕貴 マイペースでいろんな顔 読売新聞 1992年3月27日東京夕刊13ページ
- ^ “工藤夕貴、アイドルから国際派女優への道!芸能活動30年を振り返る”. シネマトゥデイ (2013年1月30日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “工藤夕貴もメンバー! コンペ部門の審査員から各国の言葉飛び交う!【第19回東京国際映画祭】”. シネマトゥデイ (2006年10月23日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “工藤夕貴、母性本能をフル発揮! 自慢の“息子”を大絶賛で親バカ?”. シネマトゥデイ (2008年6月9日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “工藤夕貴、20年ぶりのジム・ジャームッシュ監督作に出演!「彼はわたしの原点」”. シネマトゥデイ (2009年9月17日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “工藤夕貴、子どものころのDVを告白…それでも人生はやり直せると笑顔”. シネマトゥデイ (2013年1月10日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “工藤夕貴主演!カナダ人監督作『カラカラ』、モントリオール世界映画祭コンペティション部門出品決定!”. シネマトゥデイ (2012年8月2日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “工藤夕貴出演作モントリオールでW受賞 高倉健『あなたへ』は主要賞逃すも特別賞”. シネマトゥデイ (2012年9月4日). 2013年6月23日閲覧。
- ^ “阿木燿子の艶もたけなわ 工藤夕貴 女優”. 毎日新聞出版 (2015年8月16日). 2019年9月17日閲覧。
- ^ 『ぼっち村』(ISBN:978-4-594-07326-8)扶桑社 市橋俊介 P138~ 圃場関連はP140
- ^ 伊藤咲子、ウクライナの平和願い「ひまわり娘」歌う 歌の祭典2022で「心ひとつに届けたい」 : スポーツ報知
- ^ 映画「この国の空」公式サイト
- ^ “安田顕主演作『俳優 亀岡拓次』に麻生久美子、新井浩文らが出演”. ORICON STYLE (2015年9月28日). 2015年9月28日閲覧。
- ^ “長久允の長編「ウィーアーリトルゾンビーズ」佐々木蔵之介、池松壮亮、菊地凛子ら出演”. 映画ナタリー (2018年11月29日). 2018年11月30日閲覧。
- ^ “『ケーキの切れない非行少年たち』初ドラマ化 女子高生が子どもを産み捨てた現実の悲劇描く”. ORICON NEWS. oricon ME (2023年4月20日). 2023年4月20日閲覧。
- ^ 初登場! ようこそ、工藤夕貴さん。 - 番組公式ページ
- ^ 「CF撮影余話」『近代企業リサーチ 1月10日』第604号、中小企業経営管理センター事業部、1990年1月10日、77頁、NDLJP:2652105/39。
- ^ “工藤夕貴/野生時代 ハミング・バード・イヤーズ・コンプリート・シングルス”. tower.jp. 2021年11月25日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “ケンちゃん”. NHK みんなのうた. 2024年3月31日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “あいこでしょ”. NHK みんなのうた. 2024年3月31日閲覧。
- 1 工藤夕貴とは
- 2 工藤夕貴の概要
- 3 出演
- 4 ディスコグラフィ
- 5 書籍
固有名詞の分類
- 工藤夕貴のページへのリンク