川越市 住宅団地

川越市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/19 01:10 UTC 版)

住宅団地

  • 初雁団地
  • 新宿町団地
  • 川越西山住宅(笠幡)
  • 川越北谷住宅(岸町)
  • 川越岸町やまぶき住宅
  • 川越久下戸住宅
  • 川越月吉町団地
  • 川越月吉町住宅
  • 川越今泉住宅
  • 川越今福住宅
  • 川越山田住宅
  • 川越小中居住宅
  • 川越小堤住宅
  • 川越東坂上住宅 (新宿町)
  • 川越神明町住宅
  • 川越仙波町住宅
  • 川越的場住宅
  • 川越藤原住宅
  • 川越南大塚住宅
  • 川越グリーンパーク(古谷上)
  • ファミリータウン春日(小堤)
  • 住友川越霞ヶ関分譲地(現・上戸新町)
  • 東急霞ヶ関ニュータウン(現・霞ヶ関東2〜5丁目)
  • かわつる三芳野団地
  • 川鶴団地
  • いせはら団地
  • 霞ヶ関角栄団地 - 角栄建設(現・ジョイント・レジデンシャル不動産)造成の団地
  • URむさし緑園都市 川越・鶴ヶ島地区(かわつるグリーンタウン)
  • URむさし緑園都市 霞ヶ関地区(川越ニューシティいせはら)

観光

世に小京都は数あれど、小江戸は川越ばかりなり」と謳われ、年間700万人(2016年)の観光客が訪れる。NHK大河ドラマが「春日局」、「葵 徳川三代」、「義経」、「風林火山」など、当市に関係する内容になると観光客が増えている。

海外から来日した国賓にも日本の代表的な町並みとして紹介されており、2007年3月28日には上皇明仁夫妻がスウェーデン国王カール16世グスタフ夫妻を案内し、西武新宿線お召し列車行幸した。

国土交通省観光ルネサンス事業に指定され、外国人富裕層の誘致促進の観光振興策を実施している。外国人観光客向けプロモーションビデオのコンペ「小江戸川越ビデオ大賞」も行い、優秀作は海外に配信している。東京近郊で交通至便、江戸情緒を実体験できる町として人気で、外国人観光客は年間4万人超となっている[27]韓国MBCの人気番組「私たち結婚しました」のロケ地となるなど、外国メディアに登場することも増えている。

2008年2月からは、川越商工会議所を中心に小江戸川越検定が行われており、市外からも多くの人が受検している。また(川越絹平)や唐桟(川唐)の大産地であったことから毎月18日を「川越きものの日」として町興しを行っており、着物姿だと各博物館や旧市街の指定商店での買い物が割引になる。

路地の光景
蔵造りの町並み
大沢家住宅
菓子屋横丁
人力車
養寿院
喜多院の「五百羅漢」

名物・特産

  • サツマイモ
    江戸時代から特産品。飢饉の時の非常食であったサツマイモを美味な商品作物にまで育てたのは川越で、今では川越芋の生産量は減ったが、サツマイモの加工基地となっている。川越芋は、火が通りやすく芋きんとんなど加工すると美味になる品種で、芋せんべいや芋羊羹芋松葉、芋納豆、芋シュー、二色芋ババロア、芋プリンなど豊富。川越の「芋菓子」は草加煎餅五家宝とともに「埼玉三大銘菓」とされる[28]。黄色い「芋ソフトクリーム」は川越発祥。イモ菓子だけでなくイモ料理も名物で、「サツマイモを食すなら川越で」と言われた天保年間から豊富な料理を築いてきた。芋うどん、芋おこわは定番。「えぷろん亭」、「源氏家」はオリジナルのサツマイモ料理。「いも膳」は、いも懐石で知られ「サツマイモ資料館」を2008年(平成20年)まで開館していた(閉館後、資料は川越市立博物館に寄贈)。
  • 和菓子
    川越名菓「亀の最中」の「亀屋」は1783年天明3年)創業で旧川越藩御用達。「亀屋栄泉」、「くらづくり本舗」、「芋十」、「東洋堂」、「道灌」、「紋蔵庵」、「稲葉屋本舗」など1世紀を経た老舗が揃う。亀屋栄泉には「芋菓子の歴史館」もある。
  • 川越団子
    川越だんごは甘くない醤油味の焼きだんごで歯応えがある。寛永年間には城下の社交場として定着しており、今でも街中に店が多い。安政年間創業の「成田山だんご」や1861年文久元年)創業の「田中屋」など。
  • 煎餅
    生地から手作りの手焼きせんべいの店が「塩野」、「大玉や」など街中にある。川越煎餅は伝統的に醤油味の塩せんべいである。「せんべい・あられは鉄火焼」のCMのホンダ製菓は当市生まれの会社で本社・工場・直売所も全て市内にある。
  • 漬物豆腐蒟蒻なども江戸時代からの名物。
  • 川越茶
    円仁(慈覚大師)が川越で栽培したのが狭山茶のルーツ。昔は河越茶といった。群書類従所収の南北朝時代の異制庭訓往来に既に「日本5大銘茶」として河越茶の名が記されている。
  • 素麺
    川越は江戸時代は小麦の大産地で、川越そうめんは新河岸川舟運で将軍家に献上され続けた名産品。かつての高沢町には、そうめん屋が軒を連ねていた。「川越舟運亭」など。
  • うなぎ蒲焼
    入間川など、市内の河川で良質の鰻が取れたことから昔から鰻料理で有名。「小川菊」は1809年文化6年)の創業。「いちのや」は1832年天保3年)創業。「東屋」、「小川藤」なども明治初期からの老舗。埼玉県内にチェーンを持つ「大穀」の本社も市内にある。
  • 懐石会席料理
    料亭の町」とも言われた。川越藩の貴賓館であった関東有数の豪商・横田五郎兵衛の1000坪の別邸を料亭にした「山屋」、文人墨客に利用されてきた1868年(明治元年)創業の「初音屋」など。
  • 洋食
    「吉寅」は1877年明治10年)創業のすき焼きの老舗。国の登録有形文化財の洋館の「太陽軒」は大正期の洋食。「楽天」は1932年(昭和7年)に初めてとんかつと名付けた東京・上野の「楽天」の唯一の支店(上野本店は今は無い)。
  • 蕎麦
    古くから蕎麦の栽培に適した土地で、江戸の影響を受け継いで蕎麦屋が多く喜多院の参道などに蕎麦屋が目立つ(茶そばの「寿庵」など)。「百丈」は店舗が国の登録有形文化財に登録。
  • 醤油地酒
    天保年間創業の「松本醤油」、1789年寛政元年)創業の「笛木醤油」など天然醸造の醤油作りが残る。「小江戸鏡山酒造」は地酒「鏡山」の造り酒屋芋焼酎三芳町で栽培された川越芋を原料とする川越いも焼酎「富の紅赤」がある。
  • 地ビール小江戸ブルワリー
    COEDOビールは地元川越名産のサツマイモを原料としている。ドイツの名門ブラウマイスター仕込みのプレミアムクラフトビールで、モンドセレクションで最高金賞をダブル受賞、iTQi コンテストでは日本のビールで初めて最高のクリスタルテイストアワードを獲得、ヨーロピアンビアスターアワードでは2010年に国産ビールで初の金賞を受賞。北米オーストラリアなど海外輸出も行っており、アメリカではグルメスーパーホールフーズ・マーケットでも販売されている。
  • 武蔵野うどん
    当市から東京都武蔵村山市にかけての武蔵野台地は江戸時代から「手打ちうどん」(武蔵野うどん)の本場で、「ざるうどん」の店は市街地の周辺に多い。製麺所も点在し、入間地方で食べられている「よもぎうどん」も作られている。
  • ラーメン
    ラーメン店が多い激戦区である。中でも「頑者」はつけ麺ブームの火付け役で、テレビ・雑誌などのマスメディアに登場する機会も多く、新横浜ラーメン博物館にも支店を出している。
  • B級グルメ
    川越太麺焼きそばがある。もんじゃ焼きなど。東松山みそだれ焼きとりの「ひびき」の本社は当市にある。
  • 箪笥
    寛永年間に藩主の松平信綱が興した川越の地場産業で、桐箪笥発祥の地である。大火の多い江戸で重宝された。川越の桐箪笥は島村利正の小説『桐の花』でも描かれている。上皇后美智子のご成婚で桐箪笥を納めた天保年間創業の「桔梗屋」が有名。
  • 川越唐桟
    川越絹など織物の一大産地だった川越だが、唐桟(とうざん)は江戸時代に南蛮から入ってきた縞木綿で、粋で高価な唐桟は江戸で一世を風靡した。川越商人はいち早く量産化に成功して川越唐桟(川唐)と呼ばれている。川唐は近年メディアで特集されることが多くなっている。

名所

博物館・美術館については、「博物館・美術館」の項目を参照。指定文化財については、川越市指定文化財一覧も参照。

  • 時の鐘
    川越のランドマーク。寛永年間に藩主だった酒井忠勝が建立した鐘楼。現在の鐘楼は1893年明治26年)の川越大火の翌年に再建されたもの。この再建に際しては晩年を川越で過ごした渋沢栄一の資金援助や明治天皇からの下賜金を受けた。3層構造の塔で、高さは16メートル。400年近くにわたって川越城下に時を知らせており、今も機械式で一日4回、銅鐘を打っている。環境省選定の「日本の音風景100選」。
  • 川越一番街
    蔵造りの街並みが残る。福島県喜多方市岡山県倉敷市とともに「日本三大蔵の町」。川越城西大手門跡の先にある高札場であった「札の辻」を中心とした一帯が藩主・松平信綱の時代から商人地区の上五ヶ町。町の3分の1を焼失した1893年(明治26年)の川越大火で焼け残ったのが江戸期の蔵造り建築であったので、その後、各商家が倣った。かつては200棟を超える蔵造りの町屋が建ち並び、黒漆喰を使用していることが川越の見世蔵の大きな特徴である。
    現在は資料館、ギャラリー、個性的なカフェなどに利用されていることも多い。川越藩士であった橋本雅邦のコレクションがある「山崎美術館」、「服部民俗資料館」、川越藩御用絵師・船津蘭山の「蘭山記念美術館」、「松下紀久雄むかし絵美術館」などがある。1792年寛政4年)に豪商の西村半右衛門によって建てられた「大沢家住宅」は現存する関東地方最古の蔵造りで、国の重要文化財。「陶舗やまわ」は蔵と店を繋ぐトロッコがありNHK連続テレビ小説つばさ」の舞台「甘玉堂」となった。川越一番街は夜にライトアップされることがある。
  • 大正浪漫夢通り
    かつては「銀座商店街」と呼ばれるアーケード街であったが、近年に撤去。大正時代の家並みや石畳の商店街。レトロな建物の多くが映画「陰日向に咲く」「免許がない!」、ドラマ「相棒」「菊次郎とさき」などの撮影舞台になっている。
  • 菓子屋横丁
    1796年(寛政8年)に江戸菓子を製造したのが始まり。関東大震災で被害を受けた東京に代わり駄菓子を製造供給するようになり、昭和初期には70軒ほどの業者が軒を連ねていた。現在では20軒ほどまで減少したが、昭和の雰囲気を残している。飴細工や麩菓子、駄菓子、横丁たこせんが人気。環境省の「かおり風景100選」に選定されている。「駄菓子の資料館」もある。横丁近くの路地には堀が廻らせてあり、ニシキゴイが泳いでいる。
  • 立門前通り
    蓮馨寺の門前町として戦前は川越で一番賑わった通り。1899年明治32年)に完成した旧「鶴川座」は首都圏唯一の木造芝居小屋の遺構。日本に残る唯一の木造織物市場建築[29]である旧「川越織物市場」など、レトロな建造物が多く残る。川越織物市場は映画「無法松の一生」のロケ地。連続テレビ小説「つばさ」のタイトルバックはこの一帯で、最近はCMの撮影も増えている。
  • 喜多院
    川越大師。関東天台総本山淳和天皇の勅で慈覚大師円仁によって830年天長7年)に創建された。徳川家康のブレインであった天海(慈眼大師)によって隆盛を極め、家康も論議を聴きに参詣した。家康の命で藩主の酒井忠利によって大伽藍が建立された。狩野吉信の職人尽絵屏風など多くの国の重要文化財を有する。1638年寛永15年)の川越大火でほとんどが焼け落ち、「徳川家光誕生の間」「春日局化粧の間」など江戸城紅葉山にあった建物の一部が徳川家光の命でここに移築され、重要文化財として往時の江戸城の貴重な遺構を今に伝えている。一方、東京都台東区上野桜木寛永寺根本中堂は喜多院の本地堂を移築したものである。五百羅漢1782年天明2年)から半世紀を費やして造られ日本三大羅漢の1つ。小堀遠州流枯山水庭園がある。松平大和守家7代のうち川越で没した5人の藩主の廟所もある。毎年1月3日の初大師の日にだるま市が開かれ、その日だけで30万人以上の人出がある。
  • 中院
    天台宗別格本山。喜多院と同じく円仁によって830年に創建されたと伝える。かつては喜多院(北院)より隆盛を誇った。天台教学の関東での中心地で古文書を多く所蔵する。島崎藤村に縁が深く、その茶室もある。川越茶(狭山茶)はここがルーツで、その起源を記した「狭山茶発祥の地碑」がある。しだれ桜も有名。
  • 仙波東照宮
    本殿、拝殿、石鳥居、随身門、唐門など国の重要文化財。日本三大東照宮の1つ。徳川家康の遺骸は久能山から日光へ運ばれる途中、天海によりこの地が選ばれ四日間にわたって家康の法要はここで行われた。国の重要文化財である岩佐又兵衛三十六歌仙額がある。徳川家光の命で仙波東照宮創建の造営奉行となった老中で川越藩主の堀田正盛以降の歴代藩主奉献の灯篭も並ぶ。童謡「あんたがたどこさ」はここが発祥と言われている。
  • 川越城(初雁城)
    上杉持朝の居城として家宰の太田道真道灌父子が1457年長禄元年)に築城。関東七名城日本100名城の1つ。本丸御殿は江戸時代後期の藩主・松平斉典の建立。入間県県庁舎ともなった。本丸御殿大広間が現存しているのは、日本では川越城の他には高知城のみで、貴重な遺構である。富士見櫓跡なども残っている。川越城中ノ門堀跡は、2010年(平成22年)に整備された。川越市役所前(川越城西大手門跡)に太田道灌の立像がある。
  • 三芳野神社
    初雁天神。童謡「通りゃんせ」の元となった神社。807年大同2年)に平城天皇の創建と伝わる。995年長徳元年)には一条天皇により菅原道真も配祀された。かつての川越城内に位置した「お城の天神さま」で喜多院、仙波東照宮とともに江戸幕府の直営社であった。三芳野神社に行くには城の門番に特別の許可を貰わねばならず、細道とは社殿に至る参道で、その様子が童謡に歌われたものである。三芳野神社にある「初雁の杉」が初雁城(川越城の別名)の由来となった。東京都千代田区平河町平河天満宮は、三芳野神社を川越城の守護神として崇敬した太田道灌がここから分祀したものである。
  • 浮島神社
    浮島稲荷神社。「うきしま様」と呼ばれ安産の神として親しまれている。太田道真の密生した湿地帯であるこの地に川越城を築城する際、城地守護のために祀ったのが由来である。川越城七不思議に纏わる神社である。
  • 日枝神社
    円仁(慈覚大師)が喜多院鎮守として日吉大社勧請したもの。本殿は国の重要文化財。山王祭で有名な東京都千代田区永田町日枝神社は、太田道灌が川越のこの日枝神社から分祀したもの。江戸時代を通して幕府の厚い保護を受けた。
  • 成田山川越別院本行院
    川越不動。成田山新勝寺の全国初の別院で真言宗。毎月28日には蚤の市(骨董市)で賑わう。また骨董市に合せて、絹織物の大産地だった文化を守ろうとNPO法人によって「川越きもの散歩」が毎月行われている。11月には火渡り祭が行われ、12月にはギリヤーク尼ヶ崎の公演が境内で行われている。
    川越にまつわる資料・文化財の調査・蒐集・展示を行っている民間の川越歴史博物館はこの別院の正面にある。川越歴史博物館は河越太郎重頼の長覆輪太刀などを貴重な品を所蔵している。
  • 東明寺
    一遍上人建立の時宗の寺院。河越夜戦激戦地跡で、河越夜戦は「東明寺口合戦」とも呼ばれ、境内に河越夜戦記念碑がある。将兵の遺骸を納めた富士塚が残っている。ここで戦死した難波田憲重の霊を祀った天満宮もある。
  • 氷川神社
    欽明天皇の即位2年(541年)に氷川神を勧請したと伝える。太田道灌以来、川越の総鎮守で歴代藩主が篤く信仰した。関東三大祭りの1つである川越祭りは「川越氷川祭」であり、氷川神社の祭礼である。朱塗りの大鳥居は木造としては日本最大で、扁額は勝海舟の書。境内には柿本人麻呂を奉る人麻呂神社や、江戸城二の丸にあった東照宮本殿を移築した八坂神社もある。8月には薪能も行われる。縁結びの神様として知られ近年は外国人の参拝が多い。
  • 養寿院
    曹洞宗の古刹で河越経重の開基。河越太郎重頼の墓がある。1260年文応元年)に造られた銅鐘は国の重要文化財で、鎌倉高徳院の「長谷の大仏」(国宝)と同じ丹治久友の作である。
  • 蓮馨寺
    1549年天文18年)、河越城主・大道寺政繁の母・蓮馨によって開基。開山は感誉存貞上人。代々、高僧が住職を勤め、感誉上人の他にも徳川家康の帰依を受けた源誉存応上人など、蓮馨寺の住職は徳川家菩提寺である東京・増上寺法主となった。江戸時代には、浄土宗関東十八檀林の1つとして幕府の僧侶養成機関だった。今は下町情緒を残した子育て・無病息災の寺で、毎月8日には「呑龍上人縁日」が行われる。
  • 川越八幡宮
    川越一宮1030年長元3年)、源頼信平忠常の乱平定の祈願をここで行い、戦勝に感謝して創祀したもので、河越氏に縁が深く、江戸時代を通じ川越城主の篤い崇敬があった。明仁上皇生誕を記念して1933年(昭和8年)に境内に植樹された縁結び銀杏がある。境内社に民部稲荷神社があり、足腰を強くするという御利益で、箱根駅伝出場選手が参拝に訪れる。また民部稲荷神社は相撲稲荷とも言い、「まんが日本昔ばなし」でも放送された「老狐物語」の伝説が残る。
  • 熊野神社
    1590年天正18年)に然誉文応僧正が紀州熊野から勧請。毎年12月3日には酉の市で賑わう。鎌倉宇賀福神社と同じ祭神が祭られているため銭洗弁天がある。
  • 河越館
    国の史跡。河越館跡史跡公園となって整備された。平安時代末期から室町時代にかけて武蔵国で勢力を張った豪族・有力御家人であった河越氏の館跡。河越能隆がこの地に移住し河越氏となった。戦国時代初期には、扇谷上杉家上杉朝良が城主を務める河越城に対峙するために、山内上杉家上杉顕定が陣所(上戸陣)を7年間も張ったところでもある。また、館跡の一角にある常楽寺時宗の古刹で、河越城主だった大道寺政繁小田原征伐で降伏、豊臣秀吉の命で自害したところである。源義経とその正室の京姫(郷御前河越重頼の娘)の供養塔もある。
  • 永島家住宅
    川越城南大手門跡近くにある武家屋敷川越藩御典医の屋敷で、埼玉県内で唯一の武家屋敷遺構である。枳殻生垣は川越藩の特徴であった。
  • 旧戸田家住宅
    伊佐沼公園に「伊佐沼庵」として移築されている。江戸時代に福原地区に建てられた萱葺きの古民家で馬屋を持ち、民具・農具なども残り、武蔵野の農家の江戸時代の暮らしを伝える貴重な資料である。
  • 新河岸川河岸場跡
    舟運の船着場跡では最も城下町寄りの仙波河岸が史跡公園になっている。江戸時代以来の川越五河岸には、船問屋の「伊勢安」跡がある。
    新河岸川の旧赤間川部分で舟運を再興しようという動きがあり、濯紫公園(たくしこうえん)を基点に約2kmの観光舟運の試航がされている。濯紫公園は藩主・柳沢吉保の家老・山東小市郎の別邸「濯紫園」跡で現在は親水公園。ただし、観光舟運の区間は江戸時代以来の新河岸川舟運が行われていた区間ではない。
  • 日本聖公会川越キリスト教会
    1889年明治22年)に建立された聖公会の教会で、埼玉県最初のキリスト教会。日本聖公会では北関東教区で最初の教会でもある。1878年(明治11年)、アメリカから帰国したばかりの横山錦柵(最初に自転車に乗った日本人とされる)によって川越で伝道が始められた歴史を持つ。川越大火で失われたが、1921年(大正10年)に再建された現建物もゴシック様式の赤煉瓦造り(日本煉瓦製造)で、国の登録有形文化財に登録されている。設計はアメリカの聖公会から派遣され、池袋に移転した立教大学の諸聖徒礼拝堂(チャペル)の設計管理も担当したウィリアム・ウイルソン。再建資金はニューヨーク大学のピーターソン教授夫妻の寄付金に多くを負った。
  • カトリック川越教会
    1892年(明治25年)より川越で宣教をしていたフランスのパリー外国宣教会司祭プラシード・メイランによって1912年(大正元年)にカトリック教会が建立され、埼玉県で最初のカトリックの小教区が誕生した。1933年(昭和8年)には白亜の聖堂が完成した。戦前はフランシスコ修道会カナダ管区の担当する教会となった。美しい教会で平成になって改築され、埼玉景観賞を受賞している。
  • 八十五銀行本店(現・埼玉りそな銀行川越支店)
    川越のシンボルの1つ。1918年(大正7年)に建てられた洋館で、埼玉県内では最も早く国の登録有形文化財に登録された。銀行の看板なども周囲の景観に合わせた色合いにして営業している。設計は保岡勝也。昭和30年代まではこの本店隣(現在は埼玉りそな銀行の駐車場)に川越貯蓄銀行の本店もあり、洋館が2つ並んでいたが、そちらは取り壊されてしまった。「日本の電力王」と呼ばれた福澤桃介は川越で成長したが、父親がここで書記の仕事をしていた。
  • 武州銀行川越支店(現・川越商工会議所)
    国の登録有形文化財。髙島屋日本橋店や資生堂本店、京都市美術館などを設計した前田健二郎の設計で、メダリオンやドーリア式の柱に趣がある。少年時代を川越で過ごした澁澤龍彦は、父親がこの支店長だった。
山吉ビル(2010年4月20日撮影)
  • 旧山吉デパート
    山吉デパートが1936年(昭和11年)に増築した洋館。近年修復された。設計は保岡勝也。山吉デパートは1923年(大正12年)にオープンした埼玉県内最初の百貨店で、秩父市の矢尾百貨店より1年早かった。江戸時代から続く呉服商で川越渡辺銀行を創立した渡辺吉右衛門がオーナーで、エレベーターや屋上庭園もある高級デパートだった。1942年(昭和17年)に戦争のため閉館。戦後は1951年(昭和26年)から1964年(昭和39年)まで丸木百貨店(現・丸広百貨店川越店)となった。隣接して、1915年(大正4年)に建てられた洋館・旧「田中屋美術館」もある。
  • 旧山崎氏別邸庭園
    これも当市に縁の深い保岡勝也の設計で、ステンドグラスが美しい洋館と数寄屋造りの和室が融合した主屋。枯山水茶庭から成る庭園は、埼玉県内で初の国の登録記念物(名勝地)に登録された[30]1926年(大正15年)の完成以来、川越に来た皇族の宿泊所としても用いられ、李氏朝鮮の最後の皇太子李垠も滞在し、その碑がある。現在は市の所有で不定期に公開される。
    当市は蔵造りだけでなく街中にいくつも洋館が残っている。国の登録有形文化財としては、旧六軒町郵便局の特徴ある赤屋根の木造洋館がある。
  • 藤間流発祥の地碑
    日本舞踊五大流派の1つ藤間流は、入間郡藤間村(現・川越市藤間)出身の初代・藤間勘兵衛が、宝永年間に江戸に出、出身地の藤間の名を冠した藤間勘兵衛を名乗り、歌舞伎の振り付けを始めたことに由来する。武者小路実篤の「武蔵野に生きている藤間の里」という直筆の碑もある。
  • 正岡子規句碑
    正岡子規帝国大学在学中の1891年(明治24年)に川越を旅した際に詠んだ歌が石碑になっている。当市にはこうした文学碑が少なくない。

    砧うつ隣に寒き旅寝哉

  • 川越の「自由の鐘」
    1951年(昭和26年)4月8日喜多院境内で在日米国ボーイスカウト第3隊グランドハイツ(朝霞市)と川越ボーイスカウト第2団による日米ボーイスカウト交歓キャンプが開催された。これを記念して、米国側からは「自由の鐘」、川越側からは刺繍の隊旗が互いに寄贈された。この「自由の鐘」にはアメリカボーイスカウト連盟 (BSA) のマークが、添えられたプレートにはこの鐘の由来が綴られており、現在は川越市民会館脇に建てられている。川越はスカウト運動が盛んで川越ボーイスカウトは埼玉県内最古の1つ、カブスカウトの設立も埼玉県内最初である。
  • 小江戸川越七福神めぐり
    当市は七福神を祀る寺院が多く天海の江戸時代より七福神めぐりが起こり、現在も市民・観光客で賑わう。

主要祭事

川越まつり
  • 川越まつり(10月の第3日曜日とその前日の土曜日。ただし10月14日と15日が土曜日と日曜日の場合はその両日)
    関東では数少ない山車の曳き回しの祭りで、関東三大祭の1つ。国の重要無形民俗文化財。2016年にはユネスコ無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」の1つとして登録された。川越城下の大半が焼き尽くされた1638年(寛永15年)の川越大火の翌年、幕府の老中首座であった松平信綱が川越藩主となり町の再興が為される中、1648年慶安元年)、松平信綱が神輿・獅子頭を寄進、信綱によって総鎮守である氷川神社の祭礼として始まる。東京神田明神神田祭などが山車ではなく神輿の祭りに変わってしまった現在、江戸天下祭の面影を最も良く残した祭りである。
  • 川越百万灯夏まつり(7月下旬)
    1850年嘉永3年)のに、魚子(ななこ)という川越藩の家臣・三田村源八の娘が、同年に死去した藩主の松平斉典を偲び軒先に切子灯篭を掲げたことに始まる、とされる。現在は市民祭りと化し、提灯が飾られ、川越藩火縄銃鉄砲隊保存会の実物の火縄銃の演武など時代行列も行われる。

川越歳時記

新河岸川桜まつりの舟遊び
  • 1月
    • 3日 初大師(だるま市)(喜多院
    • 9日 一升講(鯨井 春日神社)
    • 成人の日前日の日曜日 餅つき踊り(南大塚、西福寺)県指定無形民俗文化財
    • 15日 筒粥の神事(石田、藤宮神社)市指定無形民俗文化財
  • 2月
    • 11日 弓取式(下老袋、氷川神社)県指定無形民俗文化財
  • 3月
    • 春分の日 ふせぎ(芳地戸、尾崎神社)市指定無形民俗文化財
    • 下旬 新河岸川桜まつり(新河岸川河川敷)
    • 下旬 小江戸川越春まつり(5月の春まつり民踊大会まで市内各所で祭りが続く)
  • 4月
    • 第2日曜日 万作(老袋、氷川神社)県指定無形民俗文化財
    • 14日 足踊り(南田島、氷川神社)市指定無形民俗文化財
    • 15日 祭ばやし(今福、菅原神社)県指定無形民俗文化財
    • 15日 祭ばやし(中台、八雲神社)県指定無形民俗文化財
    • 第3土・日曜日 ささら獅子舞(石原町、観音寺)県指定無形民俗文化財
    • 19日 神楽(中福、稲荷神社)市指定無形民俗文化財
  • 7月
    • 13日 初山(富士見町、浅間神社)
    • 第2日曜日 まんぐり(上寺山、八咫神社)市指定無形民俗文化財
    • 15日付近の日曜日 万作(鯨井、八坂神社)市指定無形民俗文化財
    • 第3日曜日 獅子舞(福田、星行院・赤城神社)市指定無形民俗文化財
    • 中旬 小江戸川越花火大会(伊佐沼公園または安比奈親水公園)
    • 下旬 川越百万灯夏まつり
  • 9月
    • 1日 お炊き上げ(新宿町、雀の森神社)
    • 敬老の日前日の日曜日 ほろかけ祭り(古谷本郷、古尾谷八幡神社)県指定無形民俗文化財
    • 15日 獅子舞(古谷本郷、古尾谷八幡神社)
    • 下旬 川越市美術展(川越市立美術館
  • 10月
  • 11月
  • 12月

宿泊施設

オブジェ

街中にオブジェ(屋外彫刻)が多い。時間を表すオブジェとしては以下のようなものがある。

  • 「時世」(平成の時の鐘として川越駅東口のロータリーにある。藤田久数作。午後6時、9時、0時に夜空に高く光を放ち、時間を告げる。北米照明学会賞)
  • 「こども川越まつり」(アトレマルヒロの駅側の入口上部に、市制施行80周年を記念し設置されたからくり時計。からくりの動作はアトレの開店時間から午後9時までの毎正時)
  • 「24MONUMENT PLAZA」(川越駅東口の広場にあるピラミッド状の日時計。高瀬昭男作)

川越を舞台にした作品




注釈

  1. ^ 実際の製造は隣の狭山市にある本田技研工業埼玉製作所である。

出典

  1. ^ 川越市役所前の太田道灌像の碑文より
  2. ^ 大正11年12月1日から。大正11年内務省告示第313号(『官報』第3095号、大正11年11月24日、p.645
  3. ^ 埼玉県県立文書館のサイトより[リンク切れ]
  4. ^ 埼玉県内の主要駅乗降客数の推移(ぶぎん地域経済研究所) (PDF)
  5. ^ 高級基本計画”. 川越市. 2023年12月4日閲覧。
  6. ^ “埼玉・川越が暑さ日本一?首都大東京、独自に観測”. 『日本経済新聞』電子版. (2017年6月16日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17794440W7A610C1CR8000/ 
  7. ^ 川越歴史博物館のサイトより
  8. ^ 総務省「地方公共団体の主要財政指標一覧」
  9. ^ 広報川越1314号(2014年3月10日) 7ページ目「出張所・川鶴連絡所が市民センターになります」
  10. ^ 芳野市民センター 川越市
  11. ^ 川越駅西口周辺地区基本構想を策定 Archived 2013年6月30日, at the Wayback Machine.
  12. ^ 任期満了日一覧”. 埼玉県庁 (2018年4月5日). 2019年2月3日閲覧。
  13. ^ 平成31年4月7日執行 埼玉県議会議員一般選挙 投票調べ” (PDF). 埼玉県庁 (2019年4月7日). 2019年4月14日閲覧。
  14. ^ 川越狭山工業会の公式サイトより Archived 2012年1月21日, at the Wayback Machine.
  15. ^ “Barry Duell” (英語). The Japan Times Online (ジヤパンタイムズ). (2007年6月23日). オリジナルの2007年10月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20071013174130/http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20070623vk.html 
  16. ^ “埼玉県内商店街通行量調査 川越のサンロード、新富町が1、2位独占”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2010年4月5日). http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/100405/stm1004052055008-n1.htm [リンク切れ]
  17. ^ 2020年東京五輪決定 ゴルフ会場は霞ヶ関カンツリー倶楽部
  18. ^ 西武HD、安比奈線の廃止決定 半世紀の謎に決着 関連で減損126億円 日本経済新聞 2016年2月10日
  19. ^ 西武HD、安比奈線の廃止決定 半世紀の謎に決着 関連で減損126億円 - 日本経済新聞 2016年2月10日
  20. ^ 2016年3月期 第3四半期 決算実績 概況資料 25-26ページ - 西武ホールディングス 2016年2月10日
  21. ^ 蔵の街川越・屋台骨は、やはり住民パワー 「川越蔵の会・総務大臣表彰」”. クオリティ埼玉. 日本電子新聞社 (2011年1月17日). 2011年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年6月3日閲覧。
  22. ^ 「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010」が決定 大賞は高松、川越、長浜などで地方再生を手がけた西郷真理子さん”. 日経ウーマンオンライン. 日経BP社 (2009年12月4日). 2013年6月3日閲覧。
  23. ^ 【MIPIM】西郷真理子氏の市街地再生計画が日本初のアワード受賞”. 日経不動産マーケット情報. 日経BP社 (2011年3月25日). 2013年6月3日閲覧。
  24. ^ “川越の歴史生かす街計画、国が認定 最大で50%補助も”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年6月9日). オリジナルの2011年9月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110928122111/http://mytown.asahi.com/areanews/saitama/TKY201106080452.html 
  25. ^ 「川越・一番街」の交通に関するアンケート調査結果について(埼玉大学・川越市) (PDF)
  26. ^ “川越に自転車専用通行帯 県内設置は23年ぶり”. Web埼玉 (埼玉新聞社). (2009年6月29日). オリジナルの2009年6月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090630165647/http://www.saitama-np.co.jp/news06/29/09x.html 
  27. ^ “外国人観光客:7割増、昨年4万2000人”. 毎日jp (毎日新聞社). (2011年3月3日). http://mainichi.jp/area/saitama/archive/news/2011/03/03/20110303ddlk11020253000c.html [リンク切れ]
  28. ^ 埼玉県物産観光協会
  29. ^ 川越織物市場の会のサイト
  30. ^ “旧山崎氏別邸庭園が県内初の国登録記念物へ”. 毎日jp (毎日新聞社). (2010年11月20日). http://mainichi.jp/area/saitama/news/20101120ddlk11040126000c.html [リンク切れ]
  31. ^ KuretaKのツイート(/852192622709850112)
  32. ^ 岸優太 故郷・川越市で愛犬と爆買い旅!少年野球の鬼コーチ登場にプチパニック”. フジテレビュー!! (2023年8月18日). 2023年10月6日閲覧。
  33. ^ 埼玉県最萌トーナメント






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