岩波書店 概要

岩波書店

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 00:31 UTC 版)

概要

1913年大正2年)8月5日岩波茂雄東京市神田区南神保町16番地(現・東京都千代田区神田神保町)に開いた古書店として出発。正札販売方法を採用し、注目を集めた。同年12月1日に蘆野敬三郎の『宇宙之進化』、翌1914年大正3年)に夏目漱石の『こゝろ』を刊行し、出版業にも進出。漱石没後に『夏目漱石全集』を刊行し、躍進する。看板は漱石の筆による[2]

昭和時代にはしばしば、大衆的な路線を貫く講談社と対比された。

戦前には、共産主義講座派の拠点であった。

創業以来岩波書店のマークは橋口五葉が描いた「甕(かめ)」を使用していたが、1933年昭和8年)12月10日岩波全書の創刊からミレー絵画『種まく人』を題材にとったマークの使用を開始(当初デザインを依頼された高村光太郎作のマークは帽子が鉄兜のようで軍国調だとして別人に依頼された。今日まで用いられているマークは児島喜久雄によるものといわれる[3])。

1949年(昭和24年)4月25日株式会社に改組。社長も岩波家の世襲から脱したが、戦後も羽仁五郎の著作を出版するなど講座派の影響は持続している。

戦後は、日本の単巻辞書としては最大級の収録数である国語辞典広辞苑』(新村出著・編)を発行している。

本社の隣には一ツ橋グループ小学館集英社があり、2017年(平成29年)には所有していた岩波書店一ツ橋別館を小学館に売却している[4][5]

沿革

販売店での扱い

岩波書店は、多くの出版社が用いる委託・返品制を採用しておらず、全て書店側の買取という責任販売制の形を採っている[6]。また、比較的高正味(=取次への書籍の卸値が高く、出版社側の取り分が多いこと)である[6]そのため値下げもできず、不良在庫となっても書籍の処分が難しい面も持ち合わせている(なお、値下げができないという点などについては、日本では出版物再販制度があるため、日本国内の同業他社においてもその部分は同じと言える)。そのため書店の岩波新書の多くは、書棚の隅のコーナーでありながら日焼けしていたり、小さな書店では顧客からの注文が無い限り、岩波書店の書籍をほとんど取り扱っていないことが多い。[要出典]


  1. ^ a b c 第71期決算公告、2020年(令和2年)6月29日付「官報」(号外第132号)71頁。
  2. ^ 岩波書店創業(1913年8月5日)
  3. ^ 〈種まく人〉マークの使用開始(1933年12月10日)
  4. ^ “岩波書店、別館ビルを小学館に売却 「不動産事業における判断」”. 産経新聞. (2018年1月12日). https://www.sankei.com/economy/news/180112/ecn1801120026-n1.html 
  5. ^ データを読む 岩波書店、テナントビルを小学館へ売却東京商工リサーチ 2018年1月12日
  6. ^ a b “鈴木書店破たん “良書”流通曲がり角 高い卸値・薄い利幅、赤字体質に陥る”. 読売新聞東京朝刊: p. 3. (2001年12月8日) (自己破産した鈴木書店に関する報道。同社は人文系書籍を専門とする出版取次会社で、岩波書店の取次も手掛けていた。)
  7. ^ 共同通信社 (2012年2月2日). “応募条件「コネのある人」宣言 岩波書店が縁故採用”. 47NEWS. 全国新聞ネット. 2012年2月4日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2012年2月2日閲覧。
  8. ^ 岩波書店 「■小社の「定期採用」報道について――
  9. ^ 岩波アクティブ新書
  10. ^ 岩波科学ライブラリー
  11. ^ “「岩波ブックセンター」跡地に新書店 「神保町ブックセンター with Iwanami Books」4月開業へ”. 産経新聞. (2018年2月1日). https://www.sankei.com/life/news/180201/lif1802010022-n1.html 
  12. ^ “小田急、岩波専門の書店 神保町に4月、会議室・オフィスも”. 日経新聞(首都圏経済面). (2018年2月8日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2664758007022018L83000/ 
  13. ^ “街並み変わる神保町にブックセンター 岩波の本が9千点”. 朝日新聞. (2018年5月7日). https://www.asahi.com/articles/ASL4J71QNL4JUCVL041.html 2018年6月1日閲覧。 
  14. ^ Story ~長寿企業の知恵~ #008 FRESH!(フレッシュ)”. サイバーエージェント. 2017年5月21日閲覧。
  15. ^ 読売新聞 2016年5月30日 1面掲載。
  16. ^ 吉本隆明『私の「戦争論」』ぶんか社、1999年8月。ISBN 978-482110684445頁
  17. ^ 「朝日vs.産経ソウル発: どうするどうなる朝鮮半島」p64,黒田勝弘, 市川速水
  18. ^ 平川祐弘 (2016年8月2日). “森林太郎はいかなる科学実験者だったのか 「鴎外」像を一新する西澤論文”. 産経新聞. https://www.sankei.com/column/news/160802/clm1608020010-n2.html 






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