小麦粉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 05:28 UTC 版)
等級
灰分含量を指標として等級づけられている。特等粉(0.3 - 0.4%)、一等粉(0.4%前後)、二等粉(0.5%前後)三等粉(0.8%前後)、末粉(1.5 - 2.0%)に分類される[13]。等級が上位のものほどミネラル分が少なく、くすみの少ない淡いクリーム色をしている[14]。種類と組み合わせて「強力一等粉」や「中力三等粉」のように表記される。
調合原料
作る料理によって、タンパク質の割合が適したものを選び、他の穀粉や膨らし粉、粉乳、ショートニング、調味料、香料、着色料などの原料を調合した商品(調製粉、プレミックス)が多種市販されている[15]。
主原料として作る食品
そのほか、食品としては、饅頭、もんじゃ焼き、トルティーヤ、などがあるほか、ピザクラストにも用いられる。
麩は小麦グルテンを原料として作られ、焼麩の種類(車麩や庄内麩など)により異なる種類と等級の合わせ粉として使われる[16]。
メリケン粉とうどん粉の違い
日本産の小麦を製粉したものをうどん粉、アメリカから輸入した小麦を製粉したものをメリケン粉と呼んでいた[17]。メリケンはアメリカン(American)のことで、英語発音がそう聞こえるためである。この名残で、関西などでは今もこう呼称することが多い[18]。
明治の頃、国内生産のものは褐色で粉粒が粗くパン作りには向かなかった(当時の精製技術(水車製粉)では真っ白にはならなかった)。そこで、アメリカから白く精製されたものを輸入していた。
現在、日本では料理用として薄力粉(天ぷら粉など)が普及しているが、強力粉以外をうどん粉と呼ぶ場合が多い(中力粉または薄力粉の意味)。
以前は『うどん粉』『メリケン粉』の名称で発売されていたが、現在は『小麦粉』または『薄力粉』『強力粉』という呼称にほぼ統一されている(「薄力粉」と「強力粉」は粘質性が異なるため、質によって呼称を遣い分けている)。観光客向けの土産物店やアンテナショップといった一部の店舗では現在でも『うどん粉』の名称で販売されていることがあるが、『メリケン粉』の名称で販売されている製品は既に存在しない。『メリケン粉』の名称で最後まで発売していたメーカーは熊本県熊本市の五木食品である。
小麦粉粘土
幼児教育用の粘土に小麦粉を主原料にした小麦粉粘土がある[19]。小麦アレルギーによるリスクもあるが、それを除けば油粘土などに比較すると安全性は高い[19]。小麦粉やサラダ油などから自作することもできるが腐りやすい欠点もある[19]。
- ^ [どれ?]米国農務省食品成分データベース (英語)
- ^ #メリケン粉とうどん粉の違い参照
- ^ a b c d e f 吉田宗弘. “うどん類の歴史と分類”. 関西大学. 2020年11月8日閲覧。
- ^ 「小麦粉の歴史・文化、小麦粉百科」日清製粉グループ、閲覧2017年5月30日
- ^ 「粉砕部分に着目した製粉機の分類、製粉の歴史」木下製粉株式会社、閲覧2017年5月30日
- ^ 「学校給食の歴史、学校給食について」全国学校給食会連合会。閲覧2017年5月30日
- ^ 「「コメよりパン」になった日本人の食卓」ニッポンドットコム。閲覧2017年5月30日
- ^ 豊田実「最近の麺事情について」『調理科学』24巻 1号 1991年 p.36-42, doi:10.11402/cookeryscience1968.24.1_36
- ^ a b c 長尾精一『粉屋さんが書いた小麦粉の本』三水社、1994年。ISBN 4-915607-68-2。
- ^ ジェフリー・ハメルマン 2009, pp. 36-38.
- ^ 東京都火災予防条例
- ^ 長尾精一編 『小麦の科学』朝倉書店、1995年、p.62。ISBN 978-4-254-43038-7。
- ^ 「小麦・小麦粉の商品知識、小麦粉のおはなし」製粉振興会。閲覧2017年5月30日
- ^ 「小麦粉のはなし、小麦と小麦粉のはなし」木下製粉株式会社。閲覧2017年5月30日
- ^ 「プレミックスとは?」日本プレミックス協会。閲覧2017年5月30日
- ^ 長尾精一編 『小麦の科学』 朝倉書店、1995年、pp.187-188、ISBN 978-4-254-43038-7。
- ^ 『広辞苑 第五版』岩波書店、1998年。ISBN 978-4000801119。
- ^ 「第10回 メリケン粉、洋菓子の世界」日本洋菓子協会連合会。閲覧2017年5月30日
- ^ a b c 藤原 逸樹. “粘土遊びの指導法に関する一考察”. 安田女子大学. 2019年11月11日閲覧。
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