官吏 ドイツの官吏

官吏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 08:04 UTC 版)

ドイツの官吏

構成

ドイツでは国家公務員は官吏(Beamte)と公務被用者(Tarifbeschäftigte)に分けられる[31]。官吏(Beamte)は公法上の勤務・忠誠関係がある者で、統治権に関与したり公権力の行使に当たる公務員をいう[31]。これに対して公務被用者(Tarifbeschäftigte)は私法上の雇用契約によって任用されている公務員をいう[31]

事務次官や局長などのポスト(約400人)は政治的任用による職員で「政治的官吏」と呼ばれている[31]

なお、ドイツの地方官吏は、取得学位や職務の違いにより、高級職、上級職、中級職、単純業務職の4つのキャリアグループに区分されている[34]。連邦制度改革の一環で連邦給与法に拠ってきた州の官吏の給与制度が、2007年1月から各州政府の権限に移行されたが、実績賞与や実績手当の支給の実施状況は各州によって異なる[34]

任用

ドイツにはラウフバーン(Laufbahn)と呼ばれる類似する専門教育を必要とする官職の集団があり、それぞれ必要な学歴や資格要件が定められており、官吏の採用や昇進もこれに従って行われる[35]

事務次官や局長等も、官吏として成績主義に基づく任用や政治的中立などが求められているが、これらのポストは大臣の政治的な意図及び目標の実現を支えることが求められる政治的官吏とされ、公募の例外とされ、大臣との信頼関係が任用の重要な要件となることから、身分保障の例外として大臣は理由なしにいつでも一時退職させることができるとされている[35]


  1. ^ 勅授・奏授・判授と勅任・奏任・判任がどちらも使用されていたが、1875年(明治8年)3月14日に勅授・奏授・判授の廃止を決めた[10]
  2. ^ 政体書では議政官、行政官・神祇官・会計官・軍務官・外国官、刑法官の合計七官を設けた[11]
  3. ^ 内閣記録局の見解によれば、下級官吏である使部は明治2年7月8日の官位相当表では少初位相当であったが、同年8月22日の改正表には掲載されなかったため等内の判任官から等外吏にその地位を降ろした[16] [17]。使部は律令制においては雑任の官人であり、中世以降は地下家の世職として江戸時代まで存続したもので、明治政府でも下級官吏の官職であった。
  4. ^ 背景事情として、1874年、明治通宝など紙幣・証券の印刷設備が北ドイツ連邦から日本に移転していた。
  1. ^ 内閣官報局 編「慶応3年【第13】 徳川内府大政返上将軍辞職ノ請ヲ允シ摂関幕府ヲ廃シ仮ニ総裁議定参与ノ三職ヲ置ク(宮堂上ニ諭告)(12月9日)」『法令全書』 慶応3年、内閣官報局、東京、1912年10月、6-8頁。NDLJP:787948/9 
  2. ^ 内閣官報局 編「明治元年【第36】 三職分課職制ヲ定ム(正月17日)」『法令全書』 慶応3年、内閣官報局、東京、1912年10月、16-17頁。NDLJP:787948/57 
  3. ^ 「各藩徴士奉命即日ヨリ朝臣ト心得シム」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070181500、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第二十五巻・官規・任免一(国立公文書館)
  4. ^ 「貢士ノ科廃止ニ付県ニ於テ官員登用ノ節ハ弁事役所ヘ申請セシム」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070182600、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第二十五巻・官規・任免一(国立公文書館)
  5. ^ 内閣官報局 編「第105 徴士雇士申付方ヲ定ム(2月3日)(布)(行政官)」『法令全書』 明治2年、内閣官報局、東京、1912年10月、54頁。NDLJP:787949/64 
  6. ^ a b c 「判任官以下多クハ雇士ヲ以テ之ニ任ス間亦徴士ヲ以テ之ニ任スルモノアリ」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070181600、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第二十五巻・官規・任免一(国立公文書館)
  7. ^ 「徴士雇士ノ称ヲ廃ス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070094300、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)
  8. ^ 「藩士登用ノ際其藩ヘ牒スルノ例ヲ止メ徴士雇士ノ称ヲ廃シ廟議ヲ以テ撰用スルモノトス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070183800、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第二十五巻・官規・任免一(国立公文書館)
  9. ^ 「輔相議定参与等ヲ投票撰挙セシム」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070098000、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)
  10. ^ 「授任勅奏判ノ区別己巳七月両度達ノ内前ノ分廃止」国立公文書館、請求番号:太00229100、件名番号:002、太政類典・第二編・明治四年~明治十年・第七巻・制度七・爵位
  11. ^ 「政体書ヲ頒ツ」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070093500、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)
  12. ^ 「始メテ勅奏判ヲ分チ宣旨押印ノ制ヲ定ム」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070093800、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)
  13. ^ 内閣官報局 編「第622 職員令並官位相当表(明治2年7月8日)」『法令全書』 明治2年、内閣官報局、東京、1912年10月、263頁。NDLJP:787949/168 
  14. ^ 「勅奏判任ノ区別ヲ定メ判任ハ其長官之ヲ授ケ位階ハ太政官之ヲ賜フ」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070026900、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第五巻・制度・出版・爵位(国立公文書館)
  15. ^ 「判任官十六等中第二等以下ヲ等外ト為ス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15070094600、太政類典・第一編・慶応三年~明治四年・第十五巻・官制・文官職制一(国立公文書館)
  16. ^ 「使部等内外ノ区別ヲ稟定ス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15111473500、公文類聚・第十二編・明治二十一年・第三巻・官職二・職制章程二・官等俸給席次附(国立公文書館)(第8画像目から第9画像目まで)
  17. ^ 石井 滋 2015, pp. 96, 105.
  18. ^ 石井 滋 2015, p. 104.
  19. ^ 石井 滋 2015, pp. 102−104, 106.
  20. ^ 「警視庁各省官制中ノ疑問ニ拠リ等外出仕ハ廃セラレタル旨ヲ答示ス」JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A15111077700、公文類聚・第十編・明治十九年・第二巻・官職一・官職総、官職二・職制章程第一(国立公文書館)
  21. ^ JACAR:A15070095100(第1画像目から第2画像目)
  22. ^ JACAR:A15070095100(第2画像目から第3画像目)
  23. ^ JACAR:A15070095100(第3画像目から第4画像目)
  24. ^ JACAR:A15070095100(第4画像目から第5画像目)
  25. ^ JACAR:A15070095100(第5画像目から第6画像目)
  26. ^ 昔の「1円」は今のいくら?1円から見る貨幣価値・今昔物語 三菱UFJ信託銀行
  27. ^ a b c d e f 戦前の官吏制度等について”. 内閣官房行政改革推進本部事務局. 2023年9月28日閲覧。
  28. ^ 「勅任官」以下の官吏の名称は大宝令下の等級に由来すると思われる[1]
  29. ^ 地方公務員制度:国家公務員との比較の観点から」『調査と情報』第777号、国立国会図書館、2013年3月19日、2024年2月21日閲覧 
  30. ^ a b 鵜養 幸雄「「公務員」という言葉」『立命館法學』327・328、立命館大学法学会、2010年3月、1546-1615頁。 
  31. ^ a b c d e f 諸外国の国家公務員制度の概要”. 人事院. 2021年3月21日閲覧。
  32. ^ a b c d e f 第1編 《人事行政》【第2部】変革が迫られる国家公務員人事管理 参考資料2 諸外国における幹部公務員人事 フランス”. 人事院平成22年度年次報告書. 2023年9月28日閲覧。
  33. ^ a b 教職員給与の在り方に関するワーキンググループ(第10回)・教職員給与の在り方に関するワーキンググループ(第11回)合同会議 配付資料 > 資料1‐1 諸外国の教員給与(中間報告) > (8)フランス”. 文部科学省 中央教育審議会. 2023年9月28日閲覧。
  34. ^ a b 教職員給与の在り方に関するワーキンググループ(第10回)・教職員給与の在り方に関するワーキンググループ(第11回)合同会議 配付資料 > 資料1‐1 諸外国の教員給与(中間報告) > (6)ドイツ”. 文部科学省 中央教育審議会. 2023年9月28日閲覧。
  35. ^ a b 第1編 《人事行政》【第2部】変革が迫られる国家公務員人事管理 参考資料2 諸外国における幹部公務員人事 ドイツ”. 人事院平成22年度年次報告書. 2023年9月28日閲覧。


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