姫川 姫川の概要

姫川

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:27 UTC 版)

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姫川
長野県白馬村大出にて

水系 一級水系 姫川
種別 一級河川
延長 60 km
平均流量 22.33 m³/s
(山本観測所)
流域面積 722 km²
水源 白馬岳
水源の標高 2,932 m
河口・合流先 日本海
流域 日本
長野県新潟県
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奴奈川姫

国土交通省が公表している一級河川の水質現況において、1999年(平成11年)以降4回にわたって水質ランキング日本一に輝いている[1]

地理

水源は長野県北安曇郡白馬村の親海湿原の湧水である。古事記出雲国風土記には、高志国を治めていた豪族の娘、沼河比売(奴奈川姫)八千矛神(大国主命)出雲から求婚しに来たという神話が残されている。この奴奈川姫が姫川の名の由来とされる[2]。またこの二柱の間に生まれた子・建御名方神が姫川を遡上して諏訪入りしたとの伝承もある。白馬村においては、白馬連峰に端を発する支流の松川や平川が扇状地を成し、平坦な盆地白馬盆地)を形成している。ただ、流域の大半は白馬岳を始めとする標高2,000 mを超える山々が連なり、非常に急峻である。

流路が北アメリカプレートとユーラシアプレートの境界となっている糸魚川静岡構造線にほぼ沿い、東西にある急峻な西頸城山地と北アルプスから供給される土砂が多い。また、飛騨外縁帯の脆弱な蛇紋岩が上流部の八方尾根、中流部の平岩・小滝付近、および支流の大所川上流部に広く分布するため、地すべり地形が広く分布する。そのため豪雨による土砂災害が絶えず、道路や鉄道が不通となることがたびたびあり、暴れ川として知られている。

糸魚川市のウェブサイトでは、天津神社に残る奴奈川姫にまつわる伝説のひとつとして、糸魚川の名の由来が「厭い川」(よく氾濫を繰り返す川)である説を紹介している。

西頚城郡に姫川と云ふ川あり、糸魚川と云ふ町にあり、糸魚川はもと厭川と書きしと云ふ。之れ奴奈川姫命が今日の姫川を渡りなやませたまひてかく呼びたまひしによると。 — 『天津神社並奴奈川神社』より、奴奈川姫の伝説[3]

地質

姫川(長野県白馬村)

この川の流域には、蛇紋岩中に構造岩塊として含まれていたヒスイの産地があり、現在確認されている日本全国の縄文時代早期から奈良時代の遺跡から発見されているヒスイ製大珠や勾玉などの装身具の原料は、この川の流域や西方にある青海川流域、および新潟県糸魚川市大和川海岸から富山県下新川郡朝日町宮崎海岸にかけての日本海沿岸で採取されたヒスイを用いて現地で加工されたものであると考えられている。

現在でも、姫川河口の東西の海岸(東は糸魚川市大和川海岸、西は黒部市石田浜)や姫川の河原において、ヒスイを観察することができるが、ヒスイに類似した岩石も多く鑑定には経験を要する。糸魚川市美山公園にはヒスイについて考古学的な側面から紹介した長者ケ原考古館と、地球科学的側面から紹介した、フォッサマグナミュージアム[4]があり、フォッサマグナミュージアムでは採集した岩石がヒスイかどうかを学芸員が鑑定するサービスが行われている。




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