女房三十六歌仙 女房三十六歌仙の概要

女房三十六歌仙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 08:41 UTC 版)

「女房三十六人歌合」のうち「伊勢」「宮内卿」 寛文年間 清原雪信MIHO MUSEUM蔵。

概要

平安期から鎌倉期にかけての主要な女性歌人[* 2]とその代表作が網羅されている。中古歌人のうち、小野小町伊勢中務斎宮女御小大君(三条院女蔵人左近)は「三十六人撰」、右大将道綱母馬内侍赤染衛門和泉式部紫式部伊勢大輔清少納言相模中古三十六歌仙と重複し、鎌倉期の歌人のうち八条院高倉俊成卿女宮内卿藻璧門院少将は、「新三十六歌仙」に撰ばれている。「三十六人撰」に比べて知名度は低いため、美術資料の遺作は少ない。

その一方で女性歌人の肖像として網羅性があるため、素材として活用される機会が多いという[1]斎宮歴史博物館蔵 『女房三十六歌仙図屏風』(江戸前期)、『女房三十六歌仙図屏風』(江戸中期)、三井記念美術館土佐光起筆 『女房三十六歌仙帖』 江戸時代(17世紀)[2]東洋文庫蔵 花形義融編 鳥文斎栄之葛飾北斎画 『錦摺女三十六歌仙』(1801年(寛政13年))[3]等がある。

女房三十六人歌合

【1】 【2】 【3】 【4】 【5】
小野小町 式子内親王
伊勢 宮内卿
中務 周防内侍(平仲子)
斎宮女御 俊成卿女
右近 待賢門院堀河
右大将道綱母 宜秋門院丹後
馬内侍 嘉陽門院越前
赤染衛門 二条院讃岐
和泉式部 小侍従
三条院女蔵人左近(小大君)     後鳥羽院下野
紫式部 弁内侍
小式部内侍 少将内侍
伊勢大輔 殷富門院大輔
清少納言 土御門院小宰相
大弐三位(藤原賢子) 八条院高倉
高内侍(儀同三司母) 後嵯峨院中納言典侍(典侍藤原親子)
一宮紀伊(祐子内親王家紀伊) 式乾門院御匣
相模 藻璧門院少将

注釈

  1. ^ この形式は後鳥羽院撰の『時代不同歌合』等にも見られる。田中阿里子は、『時代不同歌合』に倣って『新時代不同歌合』を作成した九条基家が、1262年(弘長2年)の『三十六人大歌合』以後に撰出したものではないかと言う(田中(参考文献))。
  2. ^ 三十六の歌人すべてが勅撰歌人である。

出典

  1. ^ 斎宮千話一話”. 第15話 斎宮引っ越し興行中 -女房三十六歌仙図屏風は人気者-. 斎宮歴史博物館. 2011年11月29日閲覧。
  2. ^ プレスリリース”. 三井記念美術館オリジナル“トレシー”~館蔵品シリーズ~. 東レグループ (2008年7月11日). 2011年11月29日閲覧。
  3. ^ 東洋文庫 Online Library”. 鳥文斎栄之・葛飾北斎 「錦摺女三十六歌仙」小野小町. 東洋文庫. 2011年11月30日閲覧。


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