奈良市 奈良市の概要

奈良市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/07 01:50 UTC 版)

ならし 
奈良市
奈良市旗
1977年2月10日制定[1]
奈良市章
1903年5月5日制定[2]
日本
地方 近畿地方
都道府県 奈良県
市町村コード 29201-0
法人番号 4000020292010
面積 276.94km2
総人口 350,700[編集]
推計人口、2023年2月1日)
人口密度 1,266人/km2
隣接自治体 生駒市大和郡山市天理市桜井市宇陀市山辺郡山添村
京都府木津川市相楽郡笠置町精華町南山城村
三重県伊賀市
市の木 イチイガシ
市の花 ナラノヤエザクラ
市の鳥 ウグイス
奈良市役所
市長 仲川元庸
所在地

630-8580
奈良県奈良市二条大路南一丁目1番1号[3]
北緯34度41分06秒 東経135度48分17秒 / 北緯34.685度 東経135.80478度 / 34.685; 135.80478座標: 北緯34度41分06秒 東経135度48分17秒 / 北緯34.685度 東経135.80478度 / 34.685; 135.80478

市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

― 市 / ― 町 / ― 村

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奈良時代が置かれたことから古都と呼ばれる。また京都に対して南都とも呼ばれた。

地理

奈良市は、奈良県北部の奈良盆地北端にある。市街地の標高は約60mである[4]。市東部は大和高原の一部をなし、標高300mから600m級の高地が続く。市街の北は古代に平城山(ならやま)と呼ばれた丘陵地帯で京都府と接している。平城山を越えて山城と通じる奈良坂は古くからの重要交通路の一つ。

市域は東西に広く、(1) 東部の山間地、(2) 文化財を多数抱え国際観光文化都市としての顔を持つ中東部の中心市街地、(3) 大阪衛星都市ベッドタウンとしての性格を持ち住宅地として開発が行われてきた西部と、複数の顔を持ち、同じ市内でありながら地域の雰囲気、住民の指向は違いを見せる。

白毫寺から見た奈良盆地
奈良市中心部周辺の空中写真。
2008年5月15日撮影の25枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

都市名の由来

古くは、今の奈良市域を添(そほり)と称した。

市街地が広がる一帯は平坦な地形で、この均(なら)したような地形が「奈良」の都市名の由来となったのではないかとする説が有力である。

現在の漢字表記は「奈良」だが、古文書等の中では「那羅」「寧楽」「平城」とも表記されている。

気候

瀬戸内海式気候内陸性気候を併せ持つ。 市街は盆地に位置するため、夏と冬、そして1日の気温差が大きい。 同じく盆地に位置する京都よりも冬季の気温は低い。

  • 気温 - 最高39.3℃(1994年(平成6年)8月8日)、最低−7.8℃(1977年(昭和52年)2月16日
  • 最大降水量 - 196.5ミリ(2017年(平成29年)10月22日
  • 最大瞬間風速 - 47.2メートル(1979年(昭和54年)9月30日
  • 最深積雪 - 21センチ(1990年(平成2年)2月1日
  • 夏日最多日数 - 153日(1994年(平成6年))
  • 真夏日最多日数 - 85日(1994年(平成6年))
  • 猛暑日最多日数 - 30日(2010年(平成22年))
  • 熱帯夜最多日数 - 20日(2017年(平成29年))
  • 冬日最多日数 - 90日(1984年(昭和59年))
奈良市奈良地方気象台)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 18.9
(66)
23.9
(75)
25.9
(78.6)
30.5
(86.9)
32.7
(90.9)
35.8
(96.4)
38.1
(100.6)
39.3
(102.7)
36.9
(98.4)
32.0
(89.6)
26.8
(80.2)
24.9
(76.8)
39.3
(102.7)
平均最高気温 °C°F 9.0
(48.2)
10.0
(50)
14.0
(57.2)
20.0
(68)
24.7
(76.5)
27.4
(81.3)
31.3
(88.3)
33.0
(91.4)
28.5
(83.3)
22.6
(72.7)
16.8
(62.2)
11.4
(52.5)
20.7
(69.3)
日平均気温 °C°F 4.2
(39.6)
4.7
(40.5)
8.0
(46.4)
13.5
(56.3)
18.5
(65.3)
22.2
(72)
26.2
(79.2)
27.3
(81.1)
23.2
(73.8)
17.2
(63)
11.4
(52.5)
6.4
(43.5)
15.2
(59.4)
平均最低気温 °C°F 0.1
(32.2)
0.1
(32.2)
2.7
(36.9)
7.7
(45.9)
13.0
(55.4)
17.9
(64.2)
22.2
(72)
23.0
(73.4)
19.1
(66.4)
12.8
(55)
6.8
(44.2)
2.2
(36)
10.6
(51.1)
最低気温記録 °C°F −7.0
(19.4)
−7.8
(18)
−5.0
(23)
−2.4
(27.7)
1.4
(34.5)
7.3
(45.1)
12.2
(54)
12.8
(55)
7.7
(45.9)
2.3
(36.1)
−2.6
(27.3)
−6.6
(20.1)
−7.8
(18)
降水量 mm (inch) 52.4
(2.063)
63.1
(2.484)
105.1
(4.138)
98.9
(3.894)
138.5
(5.453)
184.1
(7.248)
173.5
(6.831)
127.9
(5.035)
159.0
(6.26)
134.7
(5.303)
71.2
(2.803)
56.8
(2.236)
1,365.1
(53.744)
降雪量 cm (inch) 1
(0.4)
3
(1.2)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
5
(2)
平均降水日数 (≥0.5mm) 7.6 8.2 11.2 10.6 10.8 13.0 12.2 9.0 11.4 10.1 8.1 7.9 120.1
平均降雪日数 (≥0cm) 11.5 11.8 4.7 0.2 0 0 0 0 0 0 0.1 5.5 33.9
湿度 70 69 67 65 68 75 76 73 76 77 76 73 72
平均月間日照時間 115.2 116.8 156.4 179.0 189.5 136.6 158.8 204.4 152.8 152.1 135.1 124.4 1,821.1
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、気温極値:1953年-現在)[5][6]

歴史

平城京の復元模型(奈良市役所の展示物)
東大寺
薬師寺
興福寺

※市制施行以前の市域の歴史については、奈良も参照

古代

奈良市街地の西にはウワナベ古墳など5世紀の巨大古墳が築かれ、佐紀盾列古墳群を形成している。『和名抄』に見える大和国添上郡山村郷、楊生郷、八島郷、大岡郷、春日郷及び添下郡佐紀郷、鳥貝郷の地であった。

現在の市域周辺が日本史の舞台に登場するのは、710年藤原京から平城京に遷ってからのことである。その後、何度か短期間の遷都があったものの長岡京に遷る784年まで、この地が日本の中心となっていた。長岡京への遷都後も、東大寺薬師寺興福寺などの仏教寺院勢力がこの地域に残り、南都と呼ばれた。

中世

中世になってからも、興福寺が大和守護職に任じられるなど広大な荘園を有する仏教寺院勢力は依然として影響力を保持していた。むしろ大寺院の勢力は戦乱の時代においてこそ影響力が大きく、そのために何度か戦火に見舞われた。2度の大仏焼失事件(南都焼討東大寺大仏殿の戦い)などはその象徴的な出来事といえる。 しかし、室町時代から戦国時代にかけて、他国および近在の所領も含めて在地の大和武士団が実効的な支配を行うようになったために大寺院の勢力は衰えた。

近世

17世紀初頭の奈良町絵図

江戸時代には江戸幕府奈良奉行が設置されて天領として徳川家の直接支配地になった。江戸時代寺町の雰囲気を残すのが奈良町(ならまち)である。また、現在の市域の南部は伊勢国津藩の飛び地(古市町付近が藤堂家の領地)であった。同じく奈良市域の北東部は柳生藩の領地となっていた。

近代

太平洋戦争中は同じ宗教都市である京都市と共に大規模な空襲は受けなかったため、21世紀令和現在も多くの文化遺産が残されている。

明治
  • 1889年明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、添上郡奈良町[注釈 1]・奈良坂村・般若寺村・川上村・雑司村・水門村・春日野村・紀寺村・高畑村・京終村・肘塚村・木辻村・城戸村・油坂村・杉ヶ村・三条村・芝辻村・畠中村の区域をもって奈良町が発足。
  • 1898年(明治31年)2月1日 - 添上郡奈良町が市制施行して奈良市となる。
  • 1903年(明治36年)5月5日 - 市章を制定[7]
大正

近現代

昭和(戦前)
奈良觀光市街地圖、1936年(昭和11年)
昭和(戦後)

現代

平成
令和

市域の変遷

明治
22年
明治
29年
明治
31年
大正
12年
昭和
2年
昭和
15年
昭和
25年
昭和
26年
昭和
28年
昭和
30年
昭和
32年
昭和
43年
平成
3年
平成
17年
現在
奈良県
添上郡 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市 奈良市
奈良町
佐保村
添下郡 生駒郡
都跡村
添上郡
大安寺村
東市村
添下郡 生駒郡
伏見村 伏見町
富雄村 富雄町
添上郡
帯解村 帯解町
明治村
五ヶ谷村
辰市村
平和村
田原村
大柳生村
柳生村
東里村
狭川村
月瀬村 月ヶ瀬村
山辺郡
針ヶ別所村 都祁村* 都祁村*
都介野村
  • 都祁村は平成3年に改称(平成3年までは「祁」の示偏が「示」、平成3年以降は示偏が「ネ」)



注釈

  1. ^ この時点では興善院町、東ノ阪町、北御門町、今在家町、今小路町、手貝町、東包永町、東笹鉾町、中御門町、押上町、川久保町、登大路町、油留木町、南半田東町、北半田東町、紀寺町、福智院町、公納堂町、毘沙門町、鵲町、芝突抜町、中院町、鶴福院町、不審ヶ辻子町、納院町、築地ノ内町、川上突抜町、十輪院町、川之上町、十輪院畑町、薬師堂町、木辻町、三棟町、京終町、中辻町、脇戸町、高御門町、陰陽町、勝南院町、元興寺町、西新屋町、芝新屋町、下御門町、中新屋町、阿字万字町、北風呂町、馬場町、北室町、南城戸町、南中町、南風呂町、小太郎町、南袋町、南新町、鳴川町、瓦堂町、花園町、井上町、京終地方東側町、京終地方西側町、柳町、西寺林町、光明院町、餅飯殿町、西城戸町、小川町、南市町、東寺林町、今御門町、池之町、元林院町、樽井町、橋本町、東城戸町、椿井町、南魚屋町、寺町、奥子守町、北向町、高天町、漢国町、林小路町、角振町、角振新屋町、上三条町、下三条町、本子守町、今辻子町、油阪地方町、西之阪町、百万ヶ辻子町、高天市町、坂新屋町、奥芝町、北市町、菖蒲池町、東新在家町、西新在家町、西新在家号所、船橋町、坊屋敷町、宿院町、鍋屋町、大豆山町、南法蓮町、内侍原町、北小路町、南半田中町、半田横町、北半田西町、大豆山突抜町、北半田中町、北魚屋東町、多門町、西包永町、北袋町、西笹鉾町、北川端町、北魚屋西町、後藤町、押小路町、半田突抜町、西御門町、小西町、東向南町、東向中町、東向北町、花芝町、中筋町が存在。
  2. ^ a b 新幹線を除けば広島県もこれに該当する。
  3. ^ その他東京都神奈川県静岡県もこれに該当する。JRが全線電化されている愛知県石川県滋賀県大阪府には気動車定期旅客列車が存在する
  4. ^ 閉館によって奈良市は2012年に全国で唯一の「映画館のない都道府県庁所在地」となったが[14]、同年に山口県の県庁所在地である山口市でも唯一の映画館「山口スカラ座」が閉館した[15][16]

出典

  1. ^ 奈良市旗の制定 昭和52年2月10日告示第47号
  2. ^ 市徽章ノ件 明治36年5月5日告示第22号
  3. ^ 奈良市の事務所の位置を変更する条例
  4. ^ hyoukou-ichiran”. 2023年2月11日閲覧。
  5. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2021年5月19日閲覧。
  6. ^ 観測史上1 - 10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2018年12月5日閲覧。
  7. ^ 小学館辞典編集部 編 『図典 日本の市町村章』(初版第1刷)小学館、2007年1月10日、163頁。ISBN 4095263113 
  8. ^ この当たりから青山住宅地や学園前住宅等の住宅の整備が始まった。 奈良市旗の制定
  9. ^ 奈良市副市長に西谷氏(毎日新聞奈良版、2018年9月22日)
  10. ^ 大久保信治・奈良市史編集審議会(編) 『奈良市史 通史四』 第二章 奈良市の成立 第一節 近代都市への胎動 奈良市 2018年9月26日閲覧
  11. ^ 奈良のあゆみ-昭和(1926~1989)- 奈良市 2018年9月26日閲覧
  12. ^ 国指定 史跡・名勝・天然記念物一覧 奈良市. 2014年11月10日閲覧
  13. ^ 【東洋民俗博物館】ウフフ わしゃピンクや朝日新聞、2012年2月9日
  14. ^ “奈良市に映画館なし…「日本唯一の県都」の事情”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2011年7月19日). オリジナルの2011年8月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110809195647/http://sankei.jp.msn.com/life/news/110719/art11071913160006-n1.htm 
  15. ^ 「さよなら、県都の銀幕 『山口スカラ座』来月1日閉館」『朝日新聞』2012年10月26日付朝刊、山口・1地方、第29面
  16. ^ “山口スカラ座、半世紀の歴史に幕 シネコン、DVDレンタル店に押され”. MSN産経ニュース (産経デジタル). (2012年10月26日). オリジナルの2012年10月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20121030094314/http://sankei.jp.msn.com/region/news/121026/ymc12102602060000-n1.htm 
  17. ^ 大相撲令和2年1月場所幕内最高優勝力士 德勝龍関優勝祝賀パレード及び奈良市民栄誉賞の授与について 奈良市 (2020年2月19日) 2020年2月26日閲覧






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